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耐久神話31日24時までに100の神話を記述

1bothhands:2007/12/29(土) 16:53:39
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『ところが、突如、急ぐようすもなしに、彼は4分の1の回転をしはじめた。彼が真向きの顔をこちらへむけるであろう、その同じ瞬間に、すべてはなしとげられるはずだった。彼が、ぼくらを見るであろうその同じ瞬間に、彼はすでに、ぼくらの中に、渇きも、死も、蜃気楼も、消し去っているはずだった。彼は早くも世界を変えるその4分の1の回転をやりかけていた。彼の上体の動き1つ、彼の視線の動き1つで、彼は生命を創造するはずだった、そしてぼくには、彼の姿が神のように見えるのだった……。
これは奇跡だ……。彼は、砂の上を、ぼくらの方へ、歩いてくる、海上を渡る、神のように……。』(サン=テグジュペリ、堀口大學訳、『人間の土地』より引用)
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このスレッドは現在時刻より2007年12月31日2400までに100個の神話をbothhandsが記述するためのものです。
年末なのでちょっとした催しをするということです。
いないでしょうが、参加される場合は、別途にスレッドを立てて、タイトルにタイムリミットと目標とする記述個数の表記をして下さい。
http://bothhands.at.webry.info/200712/article_3.html
http://ustream.tv/channel/bothhands

93bothhands:2007/12/31(月) 13:53:41
英雄と呼ばれた男はただの男でした。故郷の市役所にコネで就職しようとしたら定員一杯だったので、別の年にまわされました。
待っているあいだ男は軍隊にいくことになり、兵士になりました。ちょうどこのころ戦争が起きて男は新兵錬成が終わるなり前線へ派遣されました。
男は要領が良かったので、敵をたくさん殺して、そのくせ、自分はのうのうと帰ってきました。
そして勲章をもらって故郷へ帰りました。このころになると市役所の就職の定員も空いていたので、男は戦争に飽きてしまっていたので、職員になりました。
やがて戦争は終わり、かつての敵国民が流入するようになると、男の周囲はにわかに焦臭くなりました。というのは男の部署は外国人課でした。
男の住んでいる街には新しい工場団地が建設されて、ここで働くための元敵国人が流入してきました。このうち何割かは男のせいで肉親や友人を失っていました。

94bothhands:2007/12/31(月) 14:02:50
少年は自動車の免許を所得しなくてはなりませんでした。
少年の親がいうには、免許証というものは身分証の代わりであり、一社会人の証明でもあるからとのことでした。
少年は正直なところ、乗り気ではありませんでしたが、仕方なしに運転や交通法規を勉強しました。
そして試験日がやってきました。試験はゆらぎ市のゆらぎ大砂漠にある免許更新センターで行われます。
免許更新センターは僻地にあるので盗賊やモンスターや神々の類に襲われやすく、そのために元軍人や警官が雇われ、厳重な要塞と化していました。
一般人でも傭兵でも近づくのは至難の業でしたが、ゆらぎ市民はここでの免許所得を通過儀礼としていたので、いきました。毎年何人か帰ってきません。
少年もまたおそるおそる足を進め、地雷原を突っ切り、夜を待ってから有刺鉄線を切り、塹壕を進み、警備員の変装をして、なんとか試験会場へ入り込みました。そして無事に試験に合格しました。
これで一人前の大人になれたので少年は気分がよかったです。だから路肩にうち捨てられたいた戦車を修理して、これに乗って帰りました。気分爽快です。砂漠の走行にはキャタピラがぴったりです。
けれどもゆらぎ市に入ったところで少年は逮捕されました。というのは戦車は特殊車両扱いでしたし、拾った戦車は旧式化したので砲台として設置されていたものでした。
少年は留置所に送られ、免許は失効しました。

95bothhands:2007/12/31(月) 15:13:56
レストロオセのニガヨモギの騎士団にゴプスレッドが入団を許されたとき、人々は驚きました。なぜならゴプスレッドは一度も剣を握ったことがないとされたからです。
たしかにレストロオセから騎士叙勲として剣を授かるときの仕草は武器の扱いになれていないものの動きでした。
それにと人々は噂をしました。ゴプスレッドは良家の子弟なのに黒い噂が多すぎました。どこの良家の子弟も悪いことはするものですが、たいがいは親の権力でもみ消されるものです。しかしゴプスレッドはもみ消せられないほどのようでした。
実際のところゴプスレッドはもはや悪行の噂を消す必要がなかったからです。ゴプスレッドはそれほどまでに狡知に長けていたのです。
このようにずる賢い男がレストロオセに忠誠を誓うのはレストロオセが彼の能力を認めたからです。それはレストロオセとゴプスレッドだけが知っていることでした。先王が崩御した際、レストロオセはまだ若く、ゴプスレッドは剣術の不得手のせいでくすぶっていました。そんなだから2人は葬儀から抜け出したのですが、うっかり鉢合わせしました。そして二人して意気投合、時間を潰しました。このとき2人は互いが何者か知りませんでした。それから時間が経ってゴプスレッドは父の仕事を手伝うために宮廷へ出向いたところ、レストロオセと再会しました。レストロオセはすれ違いざまに囁きました。「貴殿の力が欲しい。貴殿の剣ではなく知恵の力を妾は欲している」
こうしてゴプスレッドは騎士叙勲を受けるときには剣ではなく、知恵とそれまでに培った裏社会の人脈で戦う者となりました。

96bothhands:2007/12/31(月) 15:23:07
平安時代のころ、1人の占い師がいた。この占い師は大陸に渡って占いを学んだのだが、このとき拍子木で人心を操る術を学んだ。この術を持ち帰ろうとしたところ、師匠に止められ、逆らったので、占い師は知恵を奪われた。
占い師はなんとか日本に戻ってきたものの、かつての聡明さはなく、うすらぼんやりしていた。それで父親は僧侶になれば食うに困らないだろうと寺院へ押しつけた。体の良い厄介払いだった。
こうして占い師は僧侶となったのだが、寺院はすごい阿呆のいる寺と有名になってしまい、毎日見物人が訪れるようになった。
元占い師を笑いに来た女がからかった。
「大陸でどんな技を覚えてきたの、見せてよ」
もはや力のないことを知っての弁舌でした。占い師は首を傾げてから「もはやなにもわかりませぬ」と答えました。すると女は笑いました。
これをみて元占い師は「そういえば、人を笑わせることはできますな」といったので女はさらに笑い続けました。
すると元占い師は拍子木を並べました。すると女の笑いが止まらなくなりました。女は三日三晩笑い続け、最後に笑い泣きしながら許しを乞いました。

97bothhands:2007/12/31(月) 15:37:02
レストロオセ女王の第一王子ビシャマルは反旗を翻したものの、失敗して、国外へ出奔しました。もはや王子でないビシャマルについてくるものはなく、唯一の忠臣セウ=ガーベラも処刑されてました。
レストロオセ女王を倒す方法を考えながら各地を流浪しました。その果てに神々の図書館にたどり着きました。ここで司書をやりながら無限に近くある書物を読んで方法を探りました。
そして図書館長のラヴァエヤナにお願いをしました。
「どうか伝令竜を私にお貸し下さい」
「何に使うのだ」伝令竜セルラテリスは世界最速の竜でラヴァエヤナの命令であるあらゆるところに物や手紙を届けていました。
「もちろん手紙を届けるのです」
セルラテリスはビシャマルの手紙を携えてレストロオセの国へ行って帰ってきました。返信の手紙を持って。
ビシャマルは故郷の状態を知りました。やはり母親のせいで国は最悪の状態でした。それで手紙の一通一通に丁寧に変身を書きました。このとき神々の図書館の莫大な資料が役に立ちました。この図書館にはありあらゆる問題の解決とその方法があったのです。
こうしてビシャマルは手紙を書きまくって故郷を立て直しました。ビシャマルは腱鞘炎になった右腕をさすりながら神々の図書館を立ち去りました。その後の行方はわかりません。

98bothhands:2007/12/31(月) 15:51:56
レストロオセ女王の第一王子ビシャマルは反旗を翻したものの、失敗して、国外へ出奔しました。もはや王子でないビシャマルについてくるものはなく、唯一の忠臣セウ=ガーベラも処刑されてました。
レストロオセ女王を倒す方法を考えながら各地を流浪しました。その果てに神々の図書館にたどり着きました。ここで司書をやりながら無限に近くある書物を読んで方法を探りました。
そして図書館長のラヴァエヤナにお願いをしました。
「どうか伝令竜を私にお貸し下さい」
「何に使うのだ」伝令竜セルラテリスは世界最速の竜でラヴァエヤナの命令であるあらゆるところに物や手紙を届けていました。
「もちろん手紙を届けるのです」
セルラテリスはビシャマルの手紙を携えてレストロオセの国へ行って帰ってきました。返信の手紙を持って。
ビシャマルは故郷の状態を知りました。やはり母親のせいで国は最悪の状態でした。それで手紙の一通一通に丁寧に変身を書きました。このとき神々の図書館の莫大な資料が役に立ちました。この図書館にはありあらゆる問題の解決とその方法があったのです。
こうしてビシャマルは手紙を書きまくって故郷を立て直しました。ビシャマルは腱鞘炎になった右腕をさすりながら神々の図書館を立ち去りました。その後の行方はわかりません。
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レストロオセは処刑されることになりました。人々は処刑場に集まり、口々に罵倒しました。けれどもレストロオセは毅然としていました。ところが処刑人が斧を振り下ろす瞬間、目を剥きました。なぜなら人々の中に行方不明の息子ビシャマルの姿を見つけたからです。
レストロオセは冥府を下りながら、必ずやビシャマルに罰を与えると誓いました。地の底へ下るうちにレストロオセはニガヨモギの騎士団と合流しました。ニガヨモギの騎士団の団長ヴェルフレイは膝をついて命令を乞いました。
「冥府と地上の間の障壁は堅い。今は待つときだ」
そしてハルバンデフの襲来によって地上と冥府のあいだの障壁が破壊されました。地上では紀元槍の崩壊とか大陥穽と呼ばれる事件でした。
こうしてレストロオセとニガヨモギの騎士団は地上へと舞い戻り、復讐を始めました。もっともビシャマルもセウ=ガーベラもとっくの昔に死んでいましたから、その子孫を寝ら始めました。
しかし1000年以上も経っていたのです。

99bothhands:2007/12/31(月) 16:02:43
今は昔、あるところに馬鹿な王様と賢い側近がいました。2人は王と配下という関係でしたが、幼なじみの仲良しでした。人々は王を排斥して側近を新たな王にしたがりましたが、側近はそんな真似をすれば、内乱を招き、さらに諸外国に侵略の口実をあたえることになると拒否しました。
馬鹿な王様と賢い側近は仲良く平和な国を作ったのですが、思わぬ災害に遭いました。大陥穽という大規模な地盤沈下です。国中がクレーターだらけとなり、諸外国は災害救助という名目で軍隊を派遣してきました。
まさかこのようなことになると思わず賢い側近は頭を抱えました。するといつになく真面目な顔で馬鹿な王様がいいました。
「親友よ、お前に頼みがある。女子供を連れて国外へ逃げるのだ。お前なら助けてやれる」
「そのあいだ、あなたはどうするのか」
「もちろん国土を守る。力の限りで」
「あなたのような間抜けにできるものか」
「間抜けと知恵者しかここにはいない。だが、幸いにも間抜けは蛮勇を持ち、知恵者は忍耐を持っている。これが最善の方法のはずだ」
「断る!見捨てられるか」
「ならば、お前とは絶交だ。王として命令する。民衆を救え。私は戦う」
こうして馬鹿な王の国は滅びました。しかし人々は生き残り、流浪の民となりましたが、いつまでも生き残りました。この人々は自らの部族にかつての故国の名前をつけました。それは王様の名前でもありました。

100bothhands:2007/12/31(月) 17:19:41
 僧侶は従軍医師として戦場に行きました。そして敵も味方も関係なく負傷者を救出して回りました。僧侶の行動を上層部は苦々しく思いましたが、現場の兵士たちは感謝しました。
 僧侶の部隊が通ると敵は安全を保証するほどでした。けれどもこれを知った上層部は麻薬の密売に利用しました。僧侶は治療に向かったはずですが、戦争で懐を肥やすたちの犬になっていました。
 実は僧侶は犬扱いされていることに気づいていました。けれども服従すれば、備品や燃料や人材を与えられることが判っていました。しかしいつまでもなれることができませんでした。そして自分の一枚噛んだ麻薬で劇症した人間を治療したとき、僧侶はもうこんなことはたくさんだと叫びました。
 僧侶は敵にも味方にも開け合ってどちらにも属さない医師団を作りました。上層部ではともかく、僧侶の功績は現場では支持を受けていたので、僧侶の組織は成功しました。
もっとも上層部は一介の僧侶に刃向かわれたことに腹を立てて抹殺部隊を派遣しましたが、このときこそ敵も味方も関係なく僧侶を守るために共同戦線を張りました。
 これが戦争終結のひとつのきっかけとなったとか。

101bothhands:2007/12/31(月) 17:25:12
ある田舎町で少年が散歩していると声を聞きました。しかし辺りを見回しても誰もいません。よく耳を澄ますと古井戸から聞こえてきます。少年は不気味に思いましたが、覗き込みました。底には鎖に繋がれた少女がいました。
この少女は拉致されて古井戸の底に突き落とされて飼育されているのでした。少女は少年に助けてくれと懇願しました。
少年はいいました。「助けよう。でもその前に服や食料がいるんじゃないか」といいました。そうやって脱出の機会を引き延ばしました。
というのは少年は少女を拉致した者に嫉妬したからでした。少年は古井戸の脇で少女の飼育者を待ち伏せ、やってくると殺して古井戸へ投げ込みました。
「食料と衣服だ」
こうして少女は少年のものとなりましたが、しばらくすると死にました。それで少年は新しい獲物を探しました。

102bothhands:2007/12/31(月) 17:34:32
「私は言葉使士の生まれです。両親同様に私も言葉使士を目指しました。私は神代語を選択して文法と語彙を学びました。そして言葉使士になるための試練に挑みました。そうです、100の神話を作るという試練です。けれども私は失敗しました。この試練は一度しか受けられず、失敗者は出奔せねばなりませんでした。私は掟に従いました。それからは様々な世界を旅して様々な人々と出会いました。人々は私が言葉使士の出身と訊くと話をねだりました。私は言われるままに話しましたが、芳しいリアクションはありませんでした。けれどもいくら挫折しようとも私はそのうちにまた言葉を使いたくなりました。試練の失敗は私に私もまた言葉使士であると教えてくれました。そして今、私は今いる世界の律法に従って100の神話を記述しました。もう故郷には戻れませんが、私は確かに言葉使士の技を身に付けました。」

103bothhands:2007/12/31(月) 17:46:30
/*****
『ぼくには、何の後悔もない。ぼくは賭けた。ぼくは負けた。これはぼくの職業の当然の秩序だ。なんといってもぼくは、胸いっぱい吸うことができた、爽やかな海の風を。
一度あの風を味わった者は、この糧の味を忘れない。そうではないか、ぼくの僚友諸君?問題はけっして危険な生き方をすることにあるのではない。この公式は小生意気だ。闘牛士はぼくの気に入らない。危険ではないのだ、ぼくが愛しているものは。ぼくは知っている、自分が何を愛しているのか。それは命だ。』(『人間の土地』作:サン=テグジュペリ訳:堀口大學)
*****/
3日間で100の神話を記述しました。
これでもうお終いです。
お付き合い下さったみなさん、ありがとうございます。
Thank you for all myth players!
The hundred myths is ended.


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