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ニヴの怪発明
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崖と戦っていた記憶がある。
髑髏の重量を岩が支えきれず、何度登ろうとしても崩れ落ちてしまうのだ。
仕方がないので、殴った。
大掛かりなトンネルが崖を貫通するまで、3年前後の時間を要した。
光が差した時、髑髏はまた、自分がひとつ勝利を重ねた事を知った。
しばらくはずっとこうだろう。落雷、津波、暴風など、いかなる自然現象にも今回の髑髏は負けた事がなく、今さっき地割れにも勝利した。
その上、今回のルートには髑髏の耐えられない深さの海が存在していないのだ。
神様にでもぶつからなければ、世界を廻るこの歩を止めることはないだろう。
千年か一万年か、これから先続くであろう静かな安息を思い描き、髑髏は浅い瞑想に耽った。
ぶつかった。
反射的に腕が煙を噴き上げ、前方を殴りつける。余所見をしていたので対象を確認できず、拳は空を切った。
低く唸りながら辺りを見渡し、髑髏は人影を確認した。
「10分後にトーナメントが開催されるので、出てください。」
人影はそんなような内容の言葉を発した。
若干の思考の後、髑髏は驚愕した。言葉を理解できるのである。
人間が発したのだから人語だろう。俺はどうしたというのだ。最強過ぎたので、ついに万物を悟る知恵を手に入れたのだろうか?
「魔法で意志疎通していますので、あなたが理解しているわけではないです。」
「うばが」
訳:なんにせよぶつかったのだから、倒すので、こっちにこい。
「さすがに半分自然現象みたいなあなたを、説得して連れて行くには無理がありますかね。」
文字におこすと、大体そんなようなやりとりを人影と髑髏はしたのだった。
髑髏の眼前で空間が揺らいだ。
一面に広がる荒野とは全く異質な、人工の空間がそこに映り込んでいる。
人影はするりとその中に入り、入って来いというようなジェスチャーで髑髏を招いた。
髑髏は何か今までに無い憤りを感じていたが、感情がどうあろうと、できる事は直進のみなので、直進した。
巨大な身体をすっぽりと覆ったのち、空間は閉じた。
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