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つなぎの神話

45沐浴中に致命的失態を演じた男が幼女を誘拐する話:2008/03/08(土) 19:02:56
進退窮まった人間が思いつくようなことなど、昔から碌な事ではないと相場が決まっている。
私の場合もその例に漏れず、切迫した思考は常識的に考えたならばありえない結論へと突き進んだ。
犯罪を犯そう、と私は決意した。
まっとうでない手段によって、金銭を得ようと思ったわけである。だが私は自分の要領が悪いことにようやく気づき始めてきた頃合でもあり、確実な成功率でもって犯罪が達成できるなどとは露にも思わなかった。
故に、仮に失敗して官憲に捕らえられたとしても、懲役刑程度で済む罪を犯そうと決めた。
それならば仮に捕らえられたとしても寝床と臭い飯が与えられるのだ。このまま野ざらしで死ぬよりはいくらかマシである。
どう転んでも自分に悪いようにはなるまい、とそのときはそんな愚にもつかないことを考えていたのである。
火付け殺人は古来より獄門さらし首と相場が決まっている。となれば、こそ泥か強盗かあるいは詐欺か。
しかし盗みや騙しといった、専門的な技能が必要な犯罪はどうにも私向きではないように思える。専門のプロフェッショナルが捕まるご時勢だ、駆け出しのひよっこ風情が家宅侵入も糞もないだろう。
ならばなんだ。私に出来る犯罪というのはいったいどのようなことだろうか。
と、思い悩む私の視界に、丁度そのとき天の助け(のようにその瞬間は確かに思えてしまったのだ)が現れた。
ふわりと流れる髪は淡い金。白々とした肌は夜闇を照らすかのように鮮やかに月に照りつけられていた。
これ以上ないというほどに見目麗しき少女だった。
いや、そのあどけなさはどちらかといえば幼女の域である。こじんまりとした体躯が夜の街の奥、人気の無い路地裏に立ち尽くしていた。
身に纏う豪奢な服は、明らかに上流階級のご息女かなにかといった風情だ。

その時私の思考の中心に躍り出たあまりにもアホらしい閃きを、しかし誰がどう非難できるだろう。
いや非難されない理由などないのだが、それにしてもあまりにも当然自然と現出したアイディアは私にとって唯一無二の真実となってと裸の矮躯を突き動かしたのだ。
突如として暗闇から現れ出た全裸の童顔男に、幼女は一瞬理解できないものを見たかのように目を大きく開き、ぽかあんと口をあけた。
私は彼女が事態を正確に把握するのに先んじて、一言のたまった。
のたまってしまった。
「お、おじょうちゃん。 アメあげるから、僕と一緒においで」


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