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魔法・科学

285言理の妖精語りて曰く、:2007/06/26(火) 14:20:22
「当たらずも遠からず」すらも排除されている。

286言理の妖精語りて曰く、:2007/06/26(火) 22:48:56
この本の占いで、「幸運な未来」が予言された者がそろって出版元に殴り込んだら、出版者自身が既に「何事も善いほうに行く」という占い結果にヤケになっていた。

287言理の妖精語りて曰く、:2007/07/09(月) 23:15:18
魔法は不在の証明ができる

288言理の妖精語りて曰く、:2007/07/18(水) 12:59:36
嘆かわしいことだが、魔術結社にもディプロマミルが存在する。

289言理の妖精語りて曰く、:2007/08/04(土) 13:37:42
実の無い学位や資格を与えてみせる。しかしその物々しい名前から
たいていの人は疑わずに信じてしまう。これを狙ってディプロマミル結社と
その消費者は穢れた契約を結ぶのだ。

290言理の妖精語りて曰く、:2007/08/12(日) 18:46:11
「魔法は悪魔が教えるもの」「悪魔の力を借りるもの」という説が本当なら、
悪魔そのものを操る魔法は最高の魔法と言えるだろう。
同時に、悪魔そのものを操る魔術師は最高の魔術師ということになる。

291言理の妖精語りて曰く、:2007/08/12(日) 23:52:34
とうぜんながら、悪魔は魔法が使えない。
魔法を使うのは人間だけだ。

292言理の妖精語りて曰く、:2007/08/13(月) 01:26:32
おk
魔法を使う人間=悪魔
ぺれ覚えた!

293言理の妖精語りて曰く、:2007/08/13(月) 01:28:05
【理処化正順】
りしょかせんじゅん。
【五大言】を覚えるときの語呂合わせ。

294言理の妖精語りて曰く、:2007/08/13(月) 01:30:20
科学者たちは魔術の万能性にあこがれ、自分たちの技術体系に【近代魔術】という名をつけて呼んだ。
科学者ではない、【近代魔術】の利用者はただ【科学】と呼んだ。

295言理の妖精語りて曰く、:2007/08/13(月) 01:32:52
【前近代】と【近代】の間、7周期ほどの期間は文字による記録が行われておらず、【魔術】がどこへ散逸したのか、【科学】の発端はどこなのか、追うことができない。

296言理の妖精語りて曰く、:2007/08/13(月) 01:37:40
演算機の確実性と反比例する計算速度。
高速化が必要であったが・・・誰もが機械的技術力を持つわけではない。
よって生化学的技術によって対応した。
計算に一億年がかかるなら、一億年先まで生きればいい。
案外簡単なことであった。

297言理の妖精語りて曰く、:2007/10/23(火) 00:07:08
ソルキレウス:大義重視で目的重視で結果重視。目指す場所に到達するのが第一。そのためには徹底的に邪悪にもなる。
ディルノラフ:特別な才能が無くても、練習すれば誰もが使える術をめざす。その関係で安定性と安全性を同時に探求。

298言理の妖精語りて曰く、:2007/10/29(月) 00:09:02
きゆらの使う魔法は世界を確信させる。

この世界が正しいと信じる力が、世界設定を改変しようとする敵の攻撃を打ち破るのだ。

299言理の妖精語りて曰く、:2007/10/29(月) 00:11:01
そう信じていた。
きゆら自身こそが、「世界を改変するもの」だと告げられるそのときまで。

300言理の妖精語りて曰く、:2007/11/04(日) 17:48:27
『竜の方程式(Drake's Equation)』

301言理の妖精語りて曰く、:2007/11/07(水) 01:02:48
世界改変者の既存の世界を造り替える能力のことを「竜の方程式」という。
対して通常の人間のもつ自己を変容させることで世界に対処する能力を「猫の方程式」という。

302言理の妖精語りて曰く、:2007/11/08(木) 02:57:45
世界に神の如きモノが見せる至高の事象――『奇跡』は存在せず
ただ起こり終わる事象のみが横たわる

さりとて横たわる事象は不可視ではなく不触ではなく
その事象は時として『悪夢』と呼ばれ
時として『奇跡』と呼ばれ
幾億もの対なる、相反する名を抱いた其れは
何時しか何者かの戯言の中で『玉石虫の痕』と呼ばれるようになった

『痕』であると言う事はそれを遺したモノが在ると言う事であり
それを一度でも捕まえる事ができた者は
万物の事象の流れを誰よりも良く『識る』事が出来ると言う

さりとて事象は流転するものであり流れそのものであり
それを捕らえる事は物質的なものではなく、
存在した瞬間に過去になる「速さ」を持つ「言葉」でしかなしと言われた

故に、『玉の檻』と呼ばれる魔術は、未だ過去で無い事象を「捕らえる」為の物であり
何よりも強固な『硬玉』は、紡げば捕らえし未だ過去で無い事象の「確定」を行い
何よりも脆く軟らかい『軟玉』は、紡げば捕らえし未だ過去で無い事象を惑わせ、
本来流れるべき流れを変質させるものと言う

この魔術は翡翠から産まれた鳥が生み出した卵に宿り
それを食べたモノが魔術を『囀る』事もあったと言うが
今では翡翠で出来た鳥にしか囀れないものと成ったと言う

故に、生きた『翡翠の鳥』を産み彫り出せる彫刻家達もまた
「魔術師」と呼ばれると言う

303言理の妖精語りて曰く、:2007/11/08(木) 03:07:35
翡翠の鳥は「鳥」であるが故に、事象であり流れである「玉石虫」を啄み喰らうと言う
つまり、そもそも「鳥」は、「虫」を喰らうために、その魔術を産んだのかもしれない
鳥は虫を喰らわなければ生きていけず、ある程度の時期になると、玉虫色の卵を産むという

事象を喰う鳥が生み出した「卵」には、一体何が息づいているのだろう

304言理の妖精語りて曰く、:2007/11/08(木) 07:41:55
なんか途中から文章が変だぜ

305言理の妖精語りて曰く、:2007/11/11(日) 11:23:17
>>304
そいつは虫だな。
幼女の格好のやつだろう。
お前さんが「おや」とか「いいな」と思った部分を喰っちまうんだ。
喰いのこしは驚きも面白みもなくなった文章の骨だけ。
タチの悪い奴等だぜ。

悪いことはいわない、さあこの虫下しを飲むといい。
いまならお安くしとくから。

306匿名魔女:2007/11/15(木) 12:15:21
ヒスイが、わらう。

鳥などいない。
いるのは、竜だけだ。

307言理の妖精語りて曰く、:2007/11/18(日) 11:40:25
竜を鳥と呼ぶ者たちは、猫を虎と呼ぶ。

何のことも無い、異国のある単語が、自国のある単語と同じ発音、なんてよくあることだ。

308言理の妖精語りて曰く、:2007/11/18(日) 12:14:45
>307
虎の威を駆る猫かよ。
そんな妄言は猫派の奴らにしか通用しないぜ!

309言理の妖精語りて曰く、:2007/11/19(月) 11:49:43
レスト

初級回復魔法。
2ダメージを回復する。

310言理の妖精語りて曰く、:2007/11/19(月) 11:50:05
レスト

初級回復魔法。
2ダメージを回復する。

311言理の妖精語りて曰く、:2007/11/19(月) 22:26:23
レスト
初級回復魔法。
2ダメージを回復する。

2回唱えないと発動しない。

312言理の妖精語りて曰く、:2007/11/19(月) 23:39:38
ストレス
初級妨害魔法。

レストの2回詠唱の間に割り込むことでレストを失敗させる。

313言理の妖精語りて曰く、:2007/11/20(火) 23:57:30
アルファを使用してこちらへとやってきた「彼ら」は、まず最初にアルファが使えなくなっている事に気付いたんだ。
それは、つまるところ、元の居場所への帰還が不可能であるという事実。
その後は様々だった。
片道切符なんて聞いていない、とリーダー格の者に食って掛かって(文字通り、つまり牙で攻撃!)反対に取り押さえられる者、過剰ストレスに半狂乱となって泣き崩れる者、絶望したのかいきなり自分の頭蓋を砕いて擱坐するもの、メイン演算機とのリンクが立たれて幼児化する者。
とにかく最初の3秒でいきなり総数の2割が「死体」になってしまった。

314言理の妖精語りて曰く、:2007/11/24(土) 00:12:36
ユルペルドという禍の根を絶つべく、十一人の男女が立ち上がった。

「それは『大地の中心の九十九騎士』にかわる大地の支え手を
見出す試みの始まりでもあった。」と十一人を祖とするグループの書物は記す。

そして祖たる十一人の代で早くもユルペルドが討たれるという偉業が達成されるのだが、
彼らの活動はここで終わらなかった。ユルペルドの同類は他にもおり、また
色狂いの屑であったとはいえ、彼は『大いなる仕事』を司る一人でもあり、
その埋め合わせをする方法を探す必要もあったのだ。一人ならばまだ大丈夫ではあるが、
九十九騎の中にいる汚物を全部除去するとなると、大きな支障が出てくる。

315言理の妖精語りて曰く、:2007/11/25(日) 18:00:11
休息をとれるキャンプを建てて、補給と整備の当ても出来て、継続的な活動が出来るようになるまでにはまた全体の2割が「死んだ」。
「死体」は圧縮されてキャンプの端に整列された。
サイココードの文頭と末尾を接続して論理の循環状態(ウロボロスモード)に置かれたそれらは、まるで時間が止まったかのように静謐な表情で。

316言理の妖精語りて曰く、:2007/12/20(木) 23:48:59
武道家・格闘家・武人・戦士に勝てると思う者はなかなかいない。
だが、学者・専門家に勝てると思う者は実際のところけっこういる。

これは私がかけた魔法による効果である。

317言理の妖精語りて曰く、:2007/12/21(金) 13:48:00
【封魔眼】
見ただけで魔を封じるという眼。
ブラグラシン博士の提唱する封魔の究極形だが、全くの研究段階で実現の目処がたっていない。

318言理の妖精語りて曰く、:2007/12/23(日) 16:52:41
魔法と科学は同一の世界律を別位置から観測しているに過ぎない。
だから双方の長所を重ね、短所を補って、さらに汎用的な「手段」を生み出すことが出来るはずだ。

人形師が語った構想はしかし、姉妹の、特に妹たちからは冷淡な態度で迎えられた。

319言理の妖精語りて曰く、:2008/01/26(土) 00:40:11
九十九騎士の一人クーリンダースはタバクシャラスと取っ組み合いながらオルタへと吸い込まれていったと言われている。

吸い込まれつつある誰かと取っ組み合うことで深く繋がり逢えば、
我々の前にもオルタへの扉が開かれるというわけである。

この伝説の真偽は定かではないが、他の誰かと深く繋がり逢うための
合体組み手の元となったことを考えれば、ある種の真理を有してはいたと言えよう。

320言理の妖精語りて曰く、:2008/04/04(金) 20:34:24
【元素魔術】
義国を発祥とする、多元論を土台にした元素体系から生まれた魔術の総称。
火・水・風・剣・地の5つと、それらを統合した紀の属性からなる。

321言理の妖精語りて曰く、:2008/04/19(土) 16:23:02
最も初歩的な魔法は【言葉】である。

【言葉】は、常に混沌に支配される。
例えば、録音された音声は常に変化することは無いが、
それを聞く者によって受け取る意味は異なり、
また同じ者がその音声を聞いたとしても、
昨日と今日では違う意味に取ってしまうこともままある。

誰もが【言葉】が魔法であると気付かずに使ってしまうのは、
これがあまりに基本的すぎる魔法であるからである。

【言葉】は常に一つの意味を持つ訳ではない事を真に理解した者は、
全ての魔法を扱うことが出来るだろう。


そして、言理の妖精は、当然【言葉】そのものである。

322言理の妖精語りて曰く、:2008/04/29(火) 23:11:26
【文字】もまた然り。
記された【文字】は、言葉よりも永く残る。一つの文字であっても、
時代や場所によってその意味は大きく変わってしまう。
文書においてはより顕著で、それを記した者、媒体、記された文脈、
時期、読まれる対象。同じ記号であっても、それは様々に解釈される。

【文字】が常に一つの意味を持つ訳ではない事は【言葉】のそれに比べれば理解されているといえる。
しかし、【文字】もまた【言葉】と同じように、魔術の本質である事を理解するものは少ない。

そして、言理の妖精は、当然【文字】そのものである。

323言理の妖精語りて曰く、:2008/04/30(水) 08:17:41
たった一文字で、現在過去未来、最小にして最大、一にして無限、疎にして密、アルパにしてオメガ…
全ての矛盾する概念をいっぺんに表現する文字があるとしたら、素晴らしいのではないか。

そのような文字を求めた女神テペトリアは、チョーク片手に、寝る間も惜しんで
その文字を書き続けている。

髪は伸び放題、目にはクマ、言葉は話さず、書けそうなものになら何にでも書き殴る。
そのことを知らずに近づいたせいで、よくわからないうちに書き殴り倒された飛来神もいるらしい。

324言理の妖精語りて曰く、:2008/05/01(木) 23:55:44
【魔】はその概念の意味を言葉で伝えることができないため、混沌魔術の分析は【魔】に近いとされる者の意識構造を応用意識魔術により直接読み取ることで行われた。
以下の文は【魔】に関する意識の会話を文字に記録しようとした試みの一つである。

「本当の魔とは、。世界で一番突拍子もない夢遊病者の気違いな妄想の深層を積層加工した果てに垣間見える無思考/指向な力よりもなお圧倒的な現実に対して何の意味もなく叫びたくなるような瞬間の後に訪れ崩れるゆがんで流れる時間と、一日25時間で自転する地球に刺さった槍が何本も抜け落ちて円環を作り循環する呼吸の気体分子が満たすファンデルワールス状態方程式の密度補正に引っかかった哀れな虚無が授業の合間に緑色の黒板を行き交う白色の石炭紀石灰岩の破片の三葉虫の死骸のばらばらになった粉の降り積もる緑色の床の隙間が存在しないこと自体を主張する矛盾に気づかないふりをすることで無意味になる存在はやはり存在する信号の色は鳥にしか見えない三次元の色相環が交差するときに見間違えて壊れたテレビを保管する電話状の影の色。
つまり色だ。でも色である必要はない。電話状の影の色は常に変化するし、三次元の色相環が交差するときにそれを見間違えて壊れるのは二割で、そのうちサンプルとして保管されるテレビは0.0082%だ。存在しないこと自体を主張する矛盾に気づかないふりをすることで無意味になる存在はやはり存在する、という一般論は、最初の主張は主の主張で無意味なガラクタを生み出し他人の無関心を引き出すことで客観的存在がほとんど無に近づくことを利用している。チョークの粉が落ちた緑色の床は同じように限りなく存在しない存在。希薄な存在に似た信号の色。その色は状態方程式の補正によってはじき出された誤差という虚無の主観によって構成される。この色はもう概念色といっていいくらいに抽象的だ。誤差の原因となった循環する呼吸の気体分子の存在もまた具体的なものではない。単なる例え。抜け落ちた槍は死に、呼吸しないから、この呼吸は、槍が抜け落ちて生き返った地球が、抜け落ちた槍を並べて作った円環を通してした呼吸。地球は1日25時間では自転しないが、ゆがんで流れる時間と対になるから地球の時間は安定して流れており、この地球は過去か未来の地球か地球という名の永遠に自転し続ける物体。ゆがんで流れる時間は、集中しようとは思っていないときに無理に集中力を出した後の倦怠感。集中の対象は、自らにとって考えうるあらゆる思考が既に他者によってなされており、自らにとって考えうるあらゆる思考をはるかに越えたレベルの事象が過去現在未来において起こりうるし現に起きていることへの無力感。積層加工された夢遊病者の気違いな妄想の深層は、現在妄想を修飾した上で、過去の妄想全てをそれに加えたもの。こうして解釈された文章は結果として無意味な文章を倍にしただけであり文字あたりの情報量は限りなく低い。しかもこれは主観時間で零秒にも満たない時間で想像されるのに、出力されるのには客観時間で五分以上もかかる。狂気にすら全く近づいていない段階でもこれなのだから、これから研究を続けても心を病むだけだとは思わんかね。」

325言理の妖精語りて曰く、:2008/05/03(土) 23:19:47
【人類】によって【言葉】は生まれた。
【人類】は【言葉】によって紀述されていた。

326言理の妖精語りて曰く、:2008/07/03(木) 21:09:50
「空の夢」

 鈴国における「世界の説明」である五行元素体系の根幹、となるはずの統一理論に付いた仮称。
当然、その理論はまだ完成を見ていない。

327言理の妖精語りて曰く、:2008/07/03(木) 21:20:29
「空現」
大陸東部〜南東部に伝わる剣武術・鈴道刀人(レンタォターレン)の奥紀(おうき:学問や武道における流派の基となる概念)のひとつ。
アマウツツ、またはジャグンと読むらしい。
実態は「自己と敵方の区別を無くし、総体としての流れをつかむ」というものらしい。
習熟できると師範代の名乗りを許される。

328言理の妖精語りて曰く、:2008/07/20(日) 22:27:19
【言葉の虫[word worm]】

【本の虫[book worm]】の変異種。
本だけではなくありとあらゆる言葉を喰べる虫。
次々と新しい記述が生まれるインターネット上で、
ありとあらゆる情報が散乱する今、
本の虫は新しい味を求めてネットを餌床とするようになった。

食べた言葉が嘘か否かを判断できる虫でなければ
ネット上を渡り歩く事は困難である、と言われていたが、
実際のところそこまで賢い虫はあまりいない。
(これは【本の虫】時代から大して変わらない。)

また、ネット上の言葉は、その数は豊富であるが、
質の良い言葉は本に比べその比率は小さい。
それゆえ、
常に何かを食べていないと気が済まない(その上常に飢えている)虫が多数存在する。
この手の虫は、何故か質の悪い言葉を餌とする傾向が高い。
(これは【本の虫】時代とは正反対である。)

329言理の妖精語りて曰く、:2008/07/24(木) 17:34:13
魔術師は得てして自らの研究成果を秘匿するものだが、ウォン派の魔術師は魔法の面倒な行程を短縮し、その知識と恩恵を一般に広く開放しようとするものだ。

330言理の妖精語りて曰く、:2008/07/30(水) 03:57:31
「……魔法ってのは、
つまり"不思議な力"や"神秘的なもの"を扱う方法であって、
それが<誰でも使える術>或いは<誰もが原理を知っている方法>に成ってしまったら、
最早それは魔法じゃなくて科学なんじゃないのか?」

                           ――反ウォン派魔術師

331言理の妖精語りて曰く、:2008/07/30(水) 20:29:41
反ウォン派はウォン派に対抗するための派閥であり、それ以上でも以下でもなかった。
だからウォン派の「魔法」に抗せる単語として「科学」を持ち出したのだが……彼らはその正しい語義をまったく理解できていなかった。

「科学」は「魔法」の対義語になりえない、どころかそれは類義語といえるものだったのだ。
反ウォン派は「科学」を中心に据えてウォン派への対抗技術体系を組み上げたが、結局それらすべてはウォン派に吸収されてしまった。

332言理の妖精語りて曰く、:2008/08/03(日) 19:47:16
そして、ウォン派の思惑通り、「魔法」は誰もがそれを使えるようになった。
「魔法」は理論と体系によって整理され、
それは不可思議な力ではなくなってしまった。

しかしながら、これにより
「魔法」の根底である【魔】即ち【混沌】は、次第に枯渇を迎えることと成る。
(言うまでも無く、理論だった体系は【混沌】から【秩序】へと向かう。)

これはウォン派も反ウォン派も想定していなかった事態であった。
結果的にエネルギー不足となった「魔法」は、
ウォン派の台頭から暫くの後、水面下で息を潜めることになる。

333言理の妖精語りて曰く、:2008/08/03(日) 22:33:43
因みに、ウォン派ではないもの達、取り分け【魔】を【混沌】であるとは
考えないもの達はいつも通りに魔法を使えた。

334言理の妖精語りて曰く、:2008/08/19(火) 22:05:41
【歌】 言語魔法詠唱形態の一。

335言理の妖精語りて曰く、:2008/09/27(土) 20:54:58
「147」の書架に、答えはあるのか?それもまたマヤカシではないのか?

336言理の妖精語りて曰く、:2008/09/27(土) 22:38:30
魔法や科学。
人は、人には推し量りきれない広大な宇宙を、ワクで切り取りあるいは自らをワクでよろうことで対峙してきた。
それはたとえば「1と0は(数量的に)違うものである」といった定義であり、「1と0は(文法的に)同じものである」といった認識である。

これら「限定によって明確化する宇宙」型思考を行うものを人間、それ以外を非人間とする。
もちろん非人間はこの思考を行うことも出来るため、厳密には「この思考しか行えないものを人間とする」とするべきだが、諸般の事情によりそれは避けるべきである。

337言理の妖精語りて曰く、:2009/09/25(金) 00:02:54
霊団というのは、そんなに古くから地球にいたわけではない。もしいたら、
既に地球は彼らの手に落ちていただろう。彼らがここに来たのは近代になってから。
近代魔術の祖と呼ばれる「あの男」の元に空中から列をなして降りてきたのが最初だ。
後に語られたところによれば、その様は東洋に伝わる来迎図のようであったという。

338言理の妖精語りて曰く、:2011/08/16(火) 13:30:02
>>337
霊団は星の船より降り立ったが、この星の汚れた空気に思わず眉をひそめた。
彼らは純粋な水と空気の中でのみ力を扱うことが出来るため、
この星で力を使うのは困難であった

339言理の妖精語りて曰く、:2011/08/17(水) 01:49:56
そこで彼らは
純粋な水と空気を詰めた、宇宙服ならぬ地球服をつくることで
対処しようとしたのである。

340言理の妖精語りて曰く、:2014/10/28(火) 14:23:32

エブグルブ・バフォウ

チャカ大陸の歴史でもっとも有名な法術師の一人。
出生名はディフワ・エマ・ゴラムバ。【セナブ・フィズィズーン(七狡人)】の筆頭。
六人の同志と共に「汎用化法術」の礎を築いた。
(ゴラムバ家は長子派の由緒正しい高名な法術流派の名家であり、彼との関係を現在に至るまで否定し続けている。
初期の伝記映画『ゴラムバの仮面』が、エブグルブ・バフォウ=ゴラムバ家出身説をとっていたのを不服とし、
各所に圧力をかけて上映を中止させたのは有名な話である)

ルザナイ教において大罪である自殺の罪を犯してなお、法術を使い続ける事が出来ただけに留まらず、
大罪を犯してなお法術を使う事を自分以外の人間にも可能にした男。
死んだはずの彼の意識は、近くで転んで頭を打って気を失った酔っ払いの中年男性に宿り、
以降、その中年男性の名「エブグルブ・バフォウ」を名乗る事になる。
その中年男性の職業であった傭兵業を引き継ぎ、各地を回りながら同志を見つけ、
彼に見出された者たちも、「その立場では使用できないはずの法術」を編み出し、汎用化した。
彼らの存在はもともと属していた宗派に留まらず、ルザナイ教世界に広く精神的な激震を与えた。

死ぬ前の彼は細い長身のハンサムな青年であったが、新たに得た肉体は俊敏ではあるが固太りで
顔も丸顔で余り本人の気に入らないものであったらしい。それ抜きでも本来とは違う自分の顔を見るのは嫌いだったようで、
最初は鏡のある部屋でのみ身につけていた仮面を、やがては外でも着用するようになったと伝わる。

ルザナイ教徒には彼ら七人の業績を「法術の妖術化」として嫌うひとも少なくなく、
「七狡人」とは唯一神が敷いたルールの隙間や裏側を突いた
不法な手段を編み出した狡いならず者、という意味が込められている。

341言理の妖精語りて曰く、:2014/10/30(木) 00:26:06
【妖術】

「使用者に“資格”を要求しない術」のこと。
能力と手順の知識さえあれば使える術、またそのように使われる術のこと。
資格を問わないため、どんな得体の知れない者も使用できるということであり、
いかがわしく、妖しいものとなる。

342言理の妖精語りて曰く、:2015/08/16(日) 04:37:50
生命魔術には三種類が存在する。
性魔術、食魔術、睡魔術である。

343言理の妖精語りて曰く、:2015/10/04(日) 01:36:25
性魔術は魂の栄養
食魔術は体の栄養
睡魔術は心の栄養である

344<<妖精は口を噤んだ>>:<<妖精は口を噤んだ>>
<<妖精は口を噤んだ>>

345言理の妖精語りて曰く、:2016/05/04(水) 17:14:03
ルザナイ教では宗派ごとに「法術の使用を禁止されているか、できない」属性が存在する。
たとえば特定の身体障碍を持っていたり、同性愛者である場合である。
「七狡人」はそれぞれ、宗派ごとの法術使用不可の縛りを除去する事に成功した。
「それぞれの宗派の信仰を持たなくても法術が使用できる」はその集大成である。

346言理の妖精語りて曰く、:2016/05/06(金) 19:33:38
ハーツァブラール・ネシュ・アミ

七狡人の一人。「女性は法術を使用できない」を解除した。同じく七狡人であるムンノハッタカッターイー・ロアは夫。
「聖職者でない者、俗人は法術を使用できない」を解除した夫と協力し、
「尼僧しか使用できない法術」「女性祭司しか使用できない法術」といった
女性聖職者限定の法術をそれ以外の人々にも使用できるように改良した。
同時に「法術を使う聖職者は性交してはならない」も解除しており、二人は子をもうけている。
子供たちは両親の研究を引き継ぎ、チャカ大陸中にその成果を広めた。

さらに、ほぼ全ての宗派で否定されている同性愛を神の目からも正義であるとし、
夫と共に、同志ガフ・ダンリウとそのパートナーの同性結婚式を執り行った。

「性別」「聖職者である」ことを問う、複数の宗派の多数の法術系統を夫と共に改変し、
同性結婚式まで行ったことから、このふたりは七狡人の中でも最も憎まれている。

347言理の妖精語りて曰く、:2016/07/27(水) 01:01:52
ガフ・ダンリウは「同性愛者は法術を使用できない」を解除した。
彼にはマムリカ・ペレククという親が決めた婚約者がおり友好的な関係ではあったが、彼がムンノハッタカッターイー、ハーツァブラール夫妻のもとで同性結婚式を行ったことはマムリカをいたく激怒させた。
結婚式の次の日から、マムリカはガフ、そして七狡人すべての敵となった。

348言理の妖精語りて曰く、:2016/07/28(木) 20:56:38
彼女と七狡人との戦いは、二十年の長きに渡って続いた。
それは、ガフ・ダンリウが全財産を婚約破棄の代償として彼女に支払った後も、戦いで彼女の親族がことごとく死亡した後も続いた。
そこまでして彼女が戦い続けた理由は、愛でも、一族の掟でも、ましてや、世間体でも無かった。
それは、自分と同じくどれだけ努力しても「何も得ることが無い」と思い込んでいたガフ・ダンリウへの憤りだった。
つまり、それは嫉妬だった。

349言理の妖精語りて曰く、:2016/08/02(火) 23:57:44
ガフは言った「私に残された最後のものは、貴方にあげることはできない。
分かち合うしかできない。しかし、それを、あなたは望んでいない」

350言理の妖精語りて曰く、:2016/08/08(月) 20:26:41
その言葉に対し、マムリカ・ペレククは応えて語った。
「私は、あなたから何も受け取らないし、分かち合いたくもない」
「ただ、あなたとルザナイ教に、この世から消えて欲しい」
「何も持つことが出来ないこの私を、嘲笑う全てのものを消し去りたい」
「それだけだ」
と。
そして、最後の切り札として温存していた邪術を使ったのだ。

邪術【ルクスォミーズの憐れみ】
それは、かつて、キュトスの魔女ルクスォミーズが編み出した後、悪意ある者によって盗み取られ、伝播するうちに様々な改変が加えられた変身術であった。
長きに渡る戦によって追い詰められた彼女は、多くの代償を支払って得たその術を、ここへ来てついに使用したのだ。

邪術を使ったマムリカの身体は、見る間に黒い毛で覆われ、爪は長く伸び、口は裂けた。
かつてはほっそりしていた手足も、大きく膨れ上がり、ねじ曲がった。
最後に、全身から杭のような骨が突きだし、ガフの血を求めるかのように細かく震え、歌うような音を発し始めたのだ。
それは、もはやマムリカ・ペレククという貴族の娘ではなく、完全な悪鬼であった。

ここに至り、ついにルザナイ教の七狡人は、それぞれの秘術を解禁せざるを得なくなった。
七狡人が、一つずつ持つとされる秘術。
その解禁は、彼らが、己が信念と信仰を世に示す行為であると共に、敵対した対象を、絶対に殲滅するという覚悟の表明でもあった。

ただ、それでもガフ・ダンリウだけは、その戦いに乗り気では無かった。
彼は、まだ覚えていたのだ。
周囲の人間の言うがままに動くしかなく、しかしそれ以外にやりたいことも、やるべきことも見つからない。
そんな、何処にでも居るような子どもだった、ある少女のことを。
ルザナイ教に、そして最愛のパートナーに出会う前、互いの孤独を分かち合った、数少ない友人のことを。
そして、そして彼の大事な親戚であり、婚約者であった一人の女のことを。
マムリカ・ペレククのことを。

351言理の妖精語りて曰く、:2016/08/17(水) 02:33:34
法術における【使用者たる条件】を改変する、それが出来る、という事は他の部分の改変にも繋がる道であった。
少なくとも七人からすれば、それは応用といえた。

代表的なものは威力や規模の上限解除である。上限を解除されるという事は、
効果だけでなく、使用のためのコストの上限も解除されるという事である。
そのコストは、術者の生命力であったり、土地の滋養力であったりする。
上限なしの法術はこれらを文字通り食い尽くす可能性があった。
それ故、彼らはこの秘術を、弟子にすら明かさず、七人の間で研究を進めていた。
その目的はさらなる強化、ではなく、【再定義】により他の人間に使えなくする為であった。

しかしマムリカ・ペレククの暴走を前に彼らはついにこれを使用した。
上限解除によって封を切られ使用可能となった秘術の数々。
弟子や仲間たちは、主導者らの圧倒的な力を目にし、自分たちの宗教改革の成功を確信した。

352言理の妖精語りて曰く、:2016/08/19(金) 03:35:56
この戦いは物理的には避けることも可能であった。
マムリカが信仰を失っている事、何かしらの異教の禍々しい力を帯びている事にガフは感づいていた。
噂を彼女の一族に広め、周囲に追及させれば、彼女を「社会的に殺す」ことも可能であった。
信仰を失っただけなら、同情心すら得られるかもしれない。しかし明確にルザナイ教に敵対意識を持ち、
異教の邪術に手を出していたならば、しかもそれをしたのが法術士の名家ペレククの者がしたのなら、とてつもない大事である。
一族の不名誉どころではない。彼女には制裁が課されるか、少なくとも無力化されていただろう。

しかし、その手段をとることをガフは躊躇した。
内面の信仰の有無は、神と、それぞれの人との問題であり、それを武器にしてもよいものか。
秘密を暴露することで相手に損害を与え決着をつける手段、これを行う事が倫理的でありえようか。

かつてマムリカを想うある男が、結婚を防ごうとガフが同性愛者であるという噂を流した事を思い出し反芻した。
あの時の肝が冷える気持ち、焦り、このまま周囲の環境が変わり、全てが終わるのではという恐れ。
あれを武器にしてしまえば、あの男と同類になるのではないか。

「他者にされたくない事を他者にするな」こうした黄金律はルザナイ教にもある。
良心と聖典の章句が、ガフを立ち止まらせ、そしてあの時がやってきた。

353言理の妖精語りて曰く、:2016/08/21(日) 08:04:36
マムリカは、良く戦った。

戦いに至る動機や、その戦法はともかく、そう語っても良いだろう。
彼女が用いた邪術【ルクスォミーズの憐れみ】とは、キュトスの力の欠片、すなわち、大地の恵みの片鱗であったから、歪み捻れたものであっても、その力は強大なものであった。
マムリカは、大地をも砕く咆哮を放った。
その身体からも、無数の腕が産み出されて、風の刃を放ち、砕かれた大地も飛礫となって、七狡人を襲った。
さらには、身体から突き出した骨の歌は、大地の穢れを共鳴させて戦場に横たわる死者を呼び起こし、ルザナイ教に仇なす様々な邪霊や妖物を招き寄せた。
無論、悪鬼となったマムリカ自身の力も、凄まじかった。
憎悪と妄執に突き動かされて疾走するその身体は、まるで、一本の呪いの毒矢であるかのようだった。

しかし、そんな彼女の攻撃も、ついに秘術を解放した七狡人の前では、通用しなかった。
風の刃は、歴戦の傭兵たちの盾によって防がれ、飛礫は、商人たちが買い集めた資材による即席の防壁によって防がれた。
そして、熟練の狩人のみが持つ巧みな技によって、マムリカの狙いは誘導され、気づいた時には、罠に追い込まれていた。
漁網が、彼女の動きを奪い、暗殺一族に伝わる秘伝の毒が、彼女を弱らせた。
無論、これらの人々は、皆、七狡人の第一位たる聖人、エブグルブ・バフォウに導かれた者たちであった。職業に関する法術の制限を解き、卑しく穢れているとされた職業の者たちでさえ、教団に加えて来たエブグルブ。
その徳を慕って、多くの者が戦場に馳せ参じたのだ。
だが、マムリカの猛攻は、それでも、まだ終わらなかった。

354言理の妖精語りて曰く、:2016/08/21(日) 20:44:52
彼女は、包囲網のほんの少しの隙を突き、これを脱出したのだ。

無論、信徒たちに油断は無かった。
彼らの持つ、漁網を始めとした全ての武具は法術によって強化され、マムリカを追い詰めるために最適の使用が為されていた。

しかし、かえってそれがいけなかったのだ。
あまりに強力な装備と恵まれた人員、そして何より、七狡人が全員揃って秘術で自分たちを支援してくれるという状況が、信徒たちに、油断とも言えない僅かな気の緩みを産んだのだ。
そこにつけこんで、マムリカは、己が身を引き裂き、罠から逃れ去ったのであった。

そして、罠から逃れたマムリカは、またも大暴れをして、薙ぎ払い、こともあろうにマグブルグに襲いかかった。

しかし、やはりそれは、無駄な足掻きでしか無かったと言える。
何故ならば、七狡人は、その時のために、秘術を用意していたのだから。

まず、ハーツァブラール・ネシュ・アミとムンノハッタカッターイー・ロアの夫妻が、動いた。
ハーツァブラール・ネシュ・アミは、法術によって大風を巻き起こし、傷ついた味方を回収するとともに、不可避の圧力によってマムリカを少しでも弱らせようとした。
次に、たくましい一角獣にまたがったムンノハッタカッターイー・ロアたち救護部隊が、柔らかな光を放って回収された味方を癒すとともに【不埒な男から乙女を守る術】を応用、これを最大展開して、自分たちの身を守った。

さて、ここで、マムリカに襲いかかられたマグブルグが、いかにして彼女に立ち向かったかを語る段となったわけだが、それには、まず、カッター・メグジャニヤなる男について説明せねばならない。

355言理の妖精語りて曰く、:2016/08/22(月) 07:12:55
カッター・メグジャニヤは、七狡人の一人に数えられてはいるが、彼自身は、どこにでもいそうな普通の男である。
それどころか、ルザナイ教内部では、どちらかというと好かれず、避けられがちな七狡人であった。
その在り方は、時に教団の敵にさえ、その存在を忘れられたり、侮られることさえあったほどである。
何故なら、彼は、金銭が大好きであったから。

カッターは、金貸しであった。
無論、その信仰は篤く、他の七狡人にも認められてはいたが、それでも、ちょいちょい、信仰より金儲けに熱中してしまいがちなのが、彼の玉に傷なところだったのだ。
そのせいか、彼は七狡人でありながら法術が苦手であり、七狡人が揃って動く時には、基本的に他のメンバーのバックアップに徹していた。

しかし、マムリカ・ペレククとの戦いでは、彼も前線に赴くことになった。
彼女との永きに渡る戦いは彼の資金無くしては、到底しのげなかった。
とはいえ、およそ戦いになど縁の無いはずの彼が、わざわざ前線に赴くという奇行には、教団のほとんどのメンバーが首をひねった。
だが、彼には、どうしても、前線に赴かなければならない理由があったのだ。
そう、彼の秘術が、まさにそこで、必要とされていたのだから。

さて、そこで話は戦場へと戻ってくる。
マムリカは、確かに七狡人のリーダー、第一位のエブグルグに襲いかかった、そのはずであった。
しかし、彼女がその爪を突き立てていたのは、ひょろ長く痩せた、エグブルグとは似ても似つかない男であった。
どうも、マムリカさん接客専用のエグブルグ、すなわち「マグブルグ」またの名をカッター・メグジャニヤと申します、どうぞお見知り置きを。
マグブルグの仮面を外した男は、ニヤリと笑いながらそう語り、服の下に分厚く鎧を着込んだその胸を張った。
そして、その時、カッターの秘術が発動したのだ。

356言理の妖精語りて曰く、:2016/08/28(日) 06:53:23
七狡人の一人、カッター・メグジャニヤ。
彼は、エブグルグが襲われた時のために、控えていたのだ。
彼の秘術は、変装、対象との位置の交換など、一見、多様な効果を発揮するかに見えるものだ。
しかし、その本質は、単純明快であり、彼が破った法術の制約に関係している。

すなわち「法術によって、教団内の地位を揺るがしてはならない。」
ここで言う「地位を揺るがす」とは、低い地位の者を高い地位にあると錯覚させることである。
通常、宗教組織において地位や位階というモノは、かなり重要視される。
それはその地位にある人物が「どれたけその宗教の教えを知っているか」の目安となるからだ。
それゆえ、多くの宗教において、服装や装飾品、座席の位置、祝祭時に消費する金銭の量などは、地位に応じて厳格に規定され、「誤解」を招くことが無いようにされている。
カッターのような金貸しや商人が多くの教団で疎まれるのも、彼らが商売上の付き合いなどで、豪華な衣服を着用したり、派手な金づかいをしがちな人々であるからだ。
そうした振る舞いは、この規定に抵触するのである。

だが、エブグルブは、そしてカッターは、この規定を破り、そして逆手に取った。
すなわち、自分を「より地位の高い者と入れ換える」法術の創造である。
そもそも、七狡人に序列や位階などは存在しない。
エブグルブに至っては、常日頃から平信徒の中に混ざって、働いたり、子どもと遊んだりしているので、最大の特徴である仮面さえ無ければ、入信したばかりの信徒と間違えられる怖れさえあったほどだ。
この戦いにおいて、あえて序列を定めたのは、いざという時に、この秘術を使うため以外の何物でも無かったのだ。


しかし、この法術は、危険を伴った。
自分より、宗教的に地位の高い者に成り代わるということは、本来の自分以上の「出力」を術者に強制するということだからだ。
護身のための一時的な地位の詐称を、マハ=ディヤルニがお許し下さっても、この術を使った本人には、命の危険があった。
それゆえ、この術は、ルザナイ教においても、秘術に指定されていたのだ。

この場合も、カッターは、ニヤリと笑いながらも、血を吐いていた。
それは、マムリカが与えた傷によるものではない。
彼が使用した法術が、その身体に強大な負荷をかけていたのだ。
それでも、カッターに後悔は無かった。
それは、秘術によって、己が活躍出来たからではなく、己の行動が、エブグルブに、そしてルザナイ教に貢献することが出来たからであった。
そして、彼の貢献は「次」に繋げるためのものでもあった。

カッターが、ニヤリと笑ったその瞬間、同時に、無数の金貨が、飛び散っていた。

財産を喜捨することによって、加護や祝福を得る術は、様々な宗教に存在する。
しかし、ルザナイ教においては「神の加護は善行と信仰に対して与えられるものであり、単なる労働や財貨を喜捨することによっては、更なる祝福を受ける資格は得られない」とされ、祝福を得るには喜捨だけでなく、相応の善行が必要とされた。
だが、今、資格を得るに十分な善行は為された。
ゆえに、マハ=ディヤルニは、カッターの喜捨を認め、ここに更なる法術の発動を許したのだ。
神殿領に課した税でも、信徒からの献金でもなく、カッターが人から蔑まれる稼業で稼いだ金銭が、彼の善行によって、今まさに、ルザナイ教を守る力となったのだ。

そして、もちろん、その法術は、ルザナイ最大の聖人エブグルブのものと、完全に同等の威力をもって放たれた。
この瞬間、カッターとエブグルブは「同じ地位」にある同等の聖人として、認められていたのだ。

カッターの放った光は、強大な陽光となってマムリカを弾き飛ばし、彼女が呼び出した邪霊と死者の三割を消し去った。

もちろん、ルザナイ教の反撃は、そこでまだ終わってなどいなかった。

この機会を待っていた七狡人は、カッターだけではなかったし、友の勝ち取った機会を無駄にする信徒など、ルザナイ教には、存在しないのだ。

357言理の妖精語りて曰く、:2016/09/05(月) 21:48:04
そう、そこで三人の七狡人が、機会を待ち構えていたのだ。
ついに動き出した二人の七狡人、シャーリス・ペンネカとヌチャリカが、その秘術を発動した。
奇しくも、この時動いた二人は、どちらもマムリカと同じく女性であった。

まず、シャーリスが動いた。
彼女は、七狡人では珍しく、職業を持たずに入信した信者であった。
彼女は、巡礼者、正確に言えば、疫病にかかって故郷から放り出された者であったのだ。
おまけに、彼女には、先天的に手足が存在しなかった。
当時の俗信から言えば、それは二重に神に呪われている証であったのだ。

しかし、彼女を見出だしたエブグルブは、語った。
障害や病は、神の呪いなどではなく、神が与えた試練である、と。
我々は、とかく神の恵みを軽んじがちだ。
若く健康であるから、と無茶をして身体を壊し、人より良く動けるから、と手足を酷使して、これを損なう。
あなた方は、それを我々に教えるために、神から使わされた使者なのだよ。
自分一人の力にこだわらず、皆の力を合わせたり、人間より遥かに偉大な御方にすがるなら、病や障害など、大した問題ではないのだ。
あなたより遥かに健康で、五体満足な身体を持ちながら、生涯、人と力を合わせることも、神の偉大さも知らず、友の一人すら持たずに死んでいく者など、大勢居る。
あなたは、幸せだ。
あなたは、今、私たちと偉大なるマハ=ディヤルニに出会ったのだから。
この世には、エブグルブの教えを認めない者も居るかもしれない。

だが、彼女は幸せになった。
同時に、それはルザナイ教初の、そして、最強の「法術の身体」を持つ信徒の誕生をも、また意味していた。

そう、シャーリス・ペンネカは、法術によってその身体を補強し、手足を補うことが出来るのだ。
もちろん、普段の彼女は、なるべくそうした法術には頼らないようにしている。マハ=ディヤルニにすがるだけでなく、他のルザナイ教徒と協力して日常を過ごすことこそ、自分に与えられた使命だと信じているからだ。
だが、この時、彼女はついに己に課した制約を破り、全力で法術を使った。
それは、土地の生命力を過剰に吸いとってしまうことをも意味していたが、マムリカが暴れまわった戦場は、既に荒れ果てていたし、何より、もはや他に取る手立てなど無かったのだ。

シャーリスは、車椅子の上でその身を乗り出し、肘までも無いその右腕を、遠く離れたマムリカまで伸ばした。
すると、どうしたことだろうか。
それまで、決して動きを止めることが無かったマムリカが、その途端、石像のように硬直したのだ。
見るものが見れば、巨大な右腕が、彼女を拘束していることが分かったであろう。
マハ=ディヤルニが、シャーリスに貸し与えた天使の右腕が、マムリカを掴み、その動きを止めたのだ。
マムリカが、いくら足掻こうが、鉄をも砕くその牙で噛み付こうが、天使の腕はものともしない。
そして例え、大地を砕き、シャーリスの車椅子壊そうとも、シャーリスを支える天使の足は、小揺るぎもせずに彼女を支え続けるだろう。

そこへ更に、ヌチャリカが、聖域と沈静の法術を放った。
ヌチャリカは、戦いが苦手であり、これといって、この戦いで担える役割などは無かった。
そのため、この決戦までは後方支援に徹し、カッター以上に前線には近づかないようにしていた。

しかし、今回の戦乱で、最も怒りを感じていたのも、また彼女だった。
ヌチャリカは、娼婦の元締めである。
それゆえ、不幸な女性に出会う機会など、枚挙に暇がない。
マムリカ以上に、不幸な女性など、その豊かな髪の毛の数より、遥かに多く見てきたのだ。
確かに、マムリカは不幸だったのだろう。
法術の名家として、教えよりも体面と利益を重視するペレクク家に産まれ、人形同然の人生しか、彼女には与えられなかった。
しかし、かつて彼女と同様の立場に在り、やがて娼婦にまで身を落としながらも、己の生き甲斐を見つけ出し、幸福に生きている女性なども、またヌチャリカの髪の毛より数多く居るのだ。
曲がりなりにもルザナイ教に身を置き、エブグルブにいつでも面会出来る立場を得ながら、このような「八つ当たり」で戦乱を巻き起こすなど、決して許されるはずがない。
いや、自分が決して許さない。
ヌチャリカの怒りは、法術となり、見えざる壁となってマムリカと、その呼び出した邪霊たちを隔離した。ヌチャリカは、娼婦の元締め。
暴れる客やチンピラを押さえつけるのは、お手のものだった。

そして同時に、彼女は、この戦乱を静めるために、七狡人が放つ最後の一撃を、エブグルブが秘術を放つ準備をしていたのだ。

そう、ついに「その時」が来たのだ。

358言理の妖精語りて曰く、:2016/09/06(火) 16:12:55
そして「その時」が来た。これまで、秘術の準備に集中していたエブグルブが、ついにその秘術を解禁する時が。

エブグルブが破った法術の制約の中で、最も重大で最も有名な制約が、その秘術には関係していた。
それは、宗教などまるで分からぬ民衆には、意味が理解出来ない制約であり、逆に僅かでも宗教に関わる者であれば、破ることを考えただけで、恐ろしさに震え上がるような制約だった。その内容は、単純である。
「異教の妖術を用いてはならない」
エブグルブは、法術士では、いや、およそ宗教に関わる術者にとっては、常識だったこの制約を破ったのだ。

万物は、マハ=ディヤルニによってもたらされたもの。
真に邪悪なものなど存在しないし、邪悪な術も存在しない。
正しく神に向き合い、正しく扱うならば、妖術と呼ばれる術も、我々の力となるであろう。
それが、エブグルブ・バフォウの信念であり、信仰であった。
今、その信仰が、試されようとしていた。

まず、エブグルブの直属部隊が、彼の露払いをするため、動き出した。
おそらく、この時点では、まだマムリカは、己の勝利を疑わずにいたに違いない。
だが、その妄想は、ここへ来て砕け散った。
エブグルブの直属部隊は、占い師、妖術師、人形繰り、霊媒、魔女、まじない師、呪い屋…………およそ、ありとあらゆる妖術に関わる者たちで構成されていたのだ。

世に「蛇の道は蛇」と言う。
マムリカが邪悪で強大な、禁じられた術を身につけているのは確かだが、彼女は、元々そうした術の専門家ではない。
そうした術について、彼女より深く学んでいる者が数多くいるのも、また確かなのだ。

そして当然、エブグルブの元に集った者たちは、力量や知識の差こそあれど、彼女が使ったような術の専門家であり、その対策にも長けていた。
彼らが、杖を、薬草を、御守りを、異形の像を振りかざし、様々なまじないを放つと、マムリカが呼び出した死者は地に還り、残っていた邪霊のさらに三割も、あるべきところへと、帰っていった。

そして、ついにエブグルブが動いた。
まず、彼は左手を掲げた。
彼の左手には、神の威光を示す、暖かな陽光が集まった。
この時点では、マムリカはまだ慢心していただろう。エブグルブが使用しようとしていた法術は、カッターが用いたものと同じ。
すなわち、七狡人には、先ほどマムリカが耐えた攻撃以上の破壊力を出す手段が無いのだ、と。
それは、マムリカのさらなる反撃の可能性と、彼女の勝利を約束しているかのように取れなくも無かった。

しかし、次に、エブグルブは、右手をも掲げた。
その瞬間、まだ日暮れ前だというのに、あたりは、闇に包まれた。
それは、まるで夜明け前のような暗さであった。
突然のことに驚かされた、ルザナイ教の人びと、それにマムリカは、やがて気づいた。
あたりがインクのような闇に包まれているというのに、エブグルブの両手だけが、輝いていることを。
そして、彼の左手に宿った見慣れた陽光と比べて、エブグルブの右手の輝きが、あまりに奇妙であることを。
それは、一見、輝いているように見えたが、実のところ、全く光を放ってはいなかった。
それは、自ら輝くのではなく、周囲に闇を振りまいているのだ。
それによって、あまりにあたりが暗くなるので、実際には変わっていない右手が、逆に輝いているように錯覚してしまうのであった。
その闇に侵されないのは、エブグルブの左手、いや、彼の左手に集ったマハ=ディヤルニの光だけであったのだ。
その闇の右手は、まるで、唯一太陽に張り合う、暁星の光が宿っているかのようだった。

そして、マムリカは、その邪術で歪んだ身体によって、さらにその右手の正しい性質を感じとっていた。
右手が振りまく闇は、人びとの心から集められている。
すなわち、エブグルブ・バフォウの右手は、マムリカの力を吸いとるのだ。
怒りが、憎しみが、嫉妬が、そして、マムリカが己の本質であると信じていた虚しさでさえも、彼の右手に集められ、それに喰らわれていたのだ。

マムリカの洞察は正しかった。
確かに、エブグルブはカッターが用いた以上に破壊力のある法術など使えない。
だが、妖術なら話は別である。
そして、一部の妖術は、その邪悪な性質によって、かえって、マハ・ディヤルニの威光である法術を、強めることさえあるのであった。
今、エブグルブの右手に宿る暁星こそが、その代表的な例であった。
その暁星が振りまく闇は、本来は強大な呪いをもたらすはずだった。
しかし、それは全て、彼の左手から漏れだす陽光によって中和されたのだ。
むしろ、その闇は、初めから陽光を際立たせ、誉め称えるためにのみ、存在するかのようであった。
それは、まるで、今のマムリカのようだった。

359言理の妖精語りて曰く、:2016/09/09(金) 17:57:52
その瞬間、何が起きたのか。
それを正しく理解出来た者などいなかった。
見たままに述べるならば、エブグルブが術を放つや否や、あたりは瞬時に昼のような明るさに包まれ、次の瞬間には、夜明け前のような闇に包まれた。
一瞬の間に、百万の昼と夜が過ぎ、我々を置き去りにして時が去って行ったのだ、と語った者も居た。
ある者は、光の中に、偉大なるマハ=ディヤルニの姿を垣間見たかのように思い、またある者は、闇の中に、あまりに己に似通った邪悪な影の姿を見た。
つまるところ、それは人の知性を超えた出来事だったのだ。
二つの術が、いかなる効果をもたらしたのか、その過程を認識することは、不可能だった。

だが、その結果だけは、誰の目にも明らかであった。光と闇が去った後、マムリカが呼び出した邪霊は、影も形も無く消えており、邪悪な術で変化した怪物の姿も、また無かった。
そこにあったのは、長きにわたる戦乱と秘術の行使によって荒れ果てた大地、そして、今にも息絶える寸前の、一人の老婆の姿だった。
その老婆こそ、マムリカ・ペレククの変わり果てた姿であったのだ。

戦いは、今、ここに決した。

360言理の妖精語りて曰く、:2016/09/11(日) 19:01:40
「マムリカ・ペレククの乱」は、七狡人が秘術を用いて戦った希少な例として、後世に記憶されている。
だが、常に歴史の影に潜み、あらゆる文献からその名が消されている「七人目の七狡人」だけは、今回もその例外であった。
「彼女」は、七狡人の中で、最後まで秘術を解放しなかったのだ。

「彼女」が何者であったのか、諸説が存在する。
ある者は、「彼女」は屠殺や処刑などの「真に忌み嫌われる職業」の代表であったのだと言い、またある者は、ルザナイ教内部を粛清するための暗殺者かスパイだったのだと語った。
歴史学者の中には、当時、ルザナイ教を迫害していた帝国において、密かにルザナイ教を庇護していた皇帝の弟こそ「彼女」だったのだという説を唱えている者さえ居る。
だが、「彼女」の正体は、謎のままである。

「彼女」という呼称にしても、かつてのルザナイ教「唯男派」への反発の名残でこう呼ばれているだけであり、「彼女」は、実際の性別すら不明なのである。

ともかく、七狡人が全員参加したこの「乱」に「彼女」も参加したことだけは確かとされている。

そしておそらく、「彼女」は見守っていたのだ。
彼、ガフ・ペンリヴが、どうマムリカに向き合うのかを。
そして、万が一の時のために、その秘術を温存していたのだ。
そう、私は信じたいのだ。

361言理の妖精語りて曰く、:2016/09/21(水) 21:56:13
【紀術ガリヨンテ】とは、自身を分け与える術である。
かつては【紀術アルセスの槍】と対をなしていたが、後に【紀術キュトス】にその地位を奪われた。

この術は、術者の肉を炊いた米に、血をぶどうジュースに変えて他者に提供する。

これは、自滅を促す滅びの術とも、自己の滅却という究極の快楽を得るための術とも、あるいは世界の再生を促す術であるとも言われている。

362言理の妖精語りて曰く、:2016/09/26(月) 07:51:16
空白魔術とは、あらゆるものに空白を見出だし、それを活用する魔術体系である。
元々、意味の不在を利用して意味を現出させるため「真空魔術」とも呼ばれている。
空白とは「完全記号」であり、あるいはレヴィナスの〈他者〉やラカン〈対象a〉にあたるものと言えるのかもしれない。
空白のページ、空き地、書きかけの五線譜、破り捨てられた絵の破片、断章、腕を無くした美女の彫像など「そこに存在するはずの意味」を想定させることで、空白魔術は、力を発揮するのだ。

363言理の妖精語りて曰く、:2016/09/29(木) 19:22:58
宗教にまつわる術で最も有名なものは、間違いなく、デュキュローンの信仰防衛隊とルザナイ教の決戦において用いられた「天使の召喚」であろう。
これは、獅子天使「ティナ・ガラブグルン」とルザナイ教の猫天使の対決が生じた極めて珍しい事例であり、魔術研究の上で重要な資料となっている。

ただ、その実態と言えば
獅子天使が、ルザナイの猫天使に「マタタビ」なる霊木の枝を贈与されて彼女と和解したというものであり、術の破壊力や霊妙不可思議な特殊効果については、何も学ぶべきところがないものであった。

ジャルバテャスル・アヅェと相対した相手が、七代目ガフ・ダンリウではなく、天使による感覚の補強を得意とする“見えざる猫耳”七代目シャーリス・ペンネカであれば、もっと違った結末であっただろうというのが、この件に関する大方の評価である。

364言理の妖精語りて曰く、:2016/10/08(土) 09:00:41
【物語魔術】とは、【空白魔術】から分かたれた魔術体系の一つである。
その別名を【戦う構造主義】と言う。

この魔術は、物事の背後に【物語】、ストーリーを捏造して、社会や人間を操作する技術である。
例えば、泣いている子どもが居たとする。
その子どもは、自分で転んで怪我をしたのかもしれない。
あるいは、大人には分からない哀しい話に、もらい泣きしたり、特に理由も無く泣いているだけかもしれない。
しかし、人は、泣いている子どもをなかなか放っておくことが出来ない。
得てして、その背後に「子どもが泣いた分かりやすい理由」や「犯人」を欲し、妄想してしまう。
そこで、そうした心の働きを利用して、その子どもを泣かせた「真犯人」やその動機を捏造するのが、この魔術である。

人間の記憶や認識というものは、不確かなものだ。
そこに無かったものを、あったと思い込ませるなど、造作もないことなのである。

この魔術の代表的なものとしては【安全神話】や【冤罪】そして【感動悲話】などが挙げられる。
近年では【正義の戦争】や【幼児虐待の過去】なども有名である。

人が、都合の良いことを信じたがる限り、そして、客観的に証明出来る真実ではなく、己の印象に支配され続ける限り、この魔術の影響から逃れることは出来ないであろう。

ただ、これは悪事に用いるだけの魔術では無い。
この魔術の一形態である【童話魔術】などは、その好例であろう。

365言理の妖精語りて曰く、:2016/11/20(日) 19:06:52
通説によれば、肉体に関する魔術は、大きく二つに大別される。
一つは、肉体にイメージや力を「上書き」するもの。もう一つは、肉体から各種の感覚や情報、内宇宙からのエネルギーなどを「読み込み」するものである。

前者の代表例としては、各種の付与魔術、ルザナイ教恭天術などの精霊や天使憑き、歯車や回路、羽根など架空器官を想定することによる肉体の変性や延長が挙げられる。

対して、後者の代表としては、ルザナイ教回天派の回天瞑想をはじめとする各種の瞑想、感覚の延長による取得情報の増加および強化を目的とする感知系の魔眼、受動系聖痕術、内宇宙からの召喚術などが挙げられる。

しかし、通説では、別のものとされるこの二つの術系統は、実は、極めれば同じものとなるのだ。
私は、異界の幻獣【猫】の力を借りて、それを証明してみせよう。

――――リーデ=ヘルサルの著書『新感覚☆猫変身』よりの抜粋

366言理の妖精語りて曰く、:2017/01/07(土) 06:18:24
「言語による捕縛」は、究極の捕縛魔法と言われるものの一つである。
言語は、世界の全てを分節し、束縛するのだ。
ただし「語り得ないもの」も存在するため、それに対する対処としては――――

367言理の妖精語りて曰く、:2017/01/09(月) 07:39:37
妖精を掴まえるには、蜂蜜が良い。
お茶会(ティー・パーティー)を開き、カップを温め、パンにたっぷりと蜂蜜を塗るのだ。

言理の妖精は、行間に住む。
巨人は大地をこね回し、神々は激情に咆哮し、孤独な怪物は、迷宮にて暴れまわる。
そして、魔女は、大鍋で秘薬を煮る。

そんな中、テキトーかつ、いい加減に飛び回る妖精を掴まえることは、あるいは一つの魔法なのかもしれない。

368言理の妖精語りて曰く、:2017/01/11(水) 18:37:05
術者や被術者に処女性・童貞性を問う術は多い。
ルザナイ教にもそうした法術がある。例えば男僧や尼僧のための法術には
使用者に性交経験が無いことを求めるものが多々見られる。

そしてこれは戒律違反者に対する処罰・制裁のための法術にも存在する原理である。
婚外交渉をする者、同性間で性交する者に罰を加えるための法術。

いちど術者が放てば、自動で検知し、自動で追跡し、自動で直撃する。
そういうものもある。

七先駆派はこの感知機能への対策を発達させた。こうした法術をあてることは、
相手のプライバシーを暴くのと同じであり、例えば同性間で性交した経験のある相手なら、
それが炙り出される事で差別につながる。
そしてそのような法術のかたちが唯一神のみ旨であるハズがない、と彼らは確信していた。
少なくとも七狡人と彼らと共に生きた第一世代の信徒は。

369言理の妖精語りて曰く、:2017/01/11(水) 19:20:27
人心を解体分析するという【猫の国】の暗黒魔導師【ジョック・ラーカン】によれば、人間の知覚するものは、全てが「言葉」であるという。
ならば、人間の(無)意識が自身を記述する「言葉」を操作することが出来れば、その人間の感性、ひいては習慣や人格を操作することが出来るのだろうか?

370言理の妖精語りて曰く、:2017/01/12(木) 20:09:44
仮定魔法体系における秘技【聖霊外装】は、イメージによって構築される魔法的なメカニズムである。
すなわち、術者本人をも部品として組み込み、全てを再構築させる機巧であり、機構なのだ。

それは、外付けの筋肉となり、翼にもなりうる。

371言理の妖精語りて曰く、:2017/03/07(火) 00:31:47
被召芯の製造技術は全世界英雄協会最高の秘密である。
この秘奥が流出し、或いは再現される。協会はこれを最も恐れる。

英雄を独占

372言理の妖精語りて曰く、:2017/03/08(水) 00:01:35
できなくなれば、彼らの力が弱まるだけでなく、彼等が信じた価値観が揺さぶられる。
『万民友和』、全世界英雄協会の掲げるこの思想を英雄たちは信じてはいない。

他の勢力が彼らを召喚すれば、彼等は万民友和の価値観によって確立された法と機関に挑みかかるだろう。
召喚時に核となる被召芯、これを強制停止させる絶対権限、それに縛られなければ、英雄たちに妥協する理由はない。

故に全世界英雄協会は被召芯の技術を厳重に秘匿し、自力で製造技術を編みだせるような才能の持ち主を可能な限り囲い込もうとする。
しかしミハエル・イエスマンは言う。

「どれほど先延ばしに出来ても、Xデーは絶対に訪れます」

373言理の妖精語りて曰く、:2017/03/11(土) 13:23:02
新史歴2299年、「Xデー」が訪れた。

正塔派の武僧集団「フドウィギの倫理騎士団」の、七先駆派の開祖たちと戦っていた頃のシン=グロークス
「雨粒刺しのシン=グロークス」トスカアン・ヴァルギャイリ、その右腕フェセウス・ペリ=ルムダー以下18名の英雄が
全世界英雄協会から離反。協会側が行った被召芯の緊急絶対的機能停止にも全く動じず、
そのまま合流した者たちと共に「黄金倫理圏」の建国を宣言。
英雄の力をもってそこに在った国の大統領官邸を襲撃し、大統領とその夫を誘拐し
「男色破戒行為の罪」の罪状で処刑した。その様子をおさめた映像は「倫理圏」の手で全世界通信網に流され、
世界中を震撼させた。

正塔派の戒律に基づき、精神と肉体の性が違って生まれた人々の権利の確立は引き続き宣言されたが、
『倫理圏』は性別違和者たちに対しても、同性愛の否定を強要した。

「心が男である者と心が女である者の結婚と愛は唯一神が認める正当な愛である。
しかし心が男である者同士、心が女である者同士の結合と欲は唯一神が厭われるものである。
禍々しくもこれらを混同する『万民友和』なる偶像思想から決別せよ。
我々は創造主が啓示したもうた『黄金倫理』によって貴方方を不浄な思想から解放し、
心が男や女である者が異性と愛するのを忌まわしき男色と混同する邪宗派ども、異教徒ども、無神論者どもの暴力からも防衛すると誓う」
そう演説する最高指導者の両側を護るトスカアン・ヴァルギャイリとフェセウス・ペリ=ルムダーの姿は、
とくに彼等が参加した数々の災害救助、怪物討伐の任務をニュースで見ていた人々に衝撃を与えた。

そして、『黄金倫理圏』は被召芯、またはその代替物の製造成功を宣言。
英雄召喚技術を行い、正塔派の勇者、聖者の召喚の映像も全世界に向けて発表した。

374言理の妖精語りて曰く、:2017/03/12(日) 11:30:43
全世界英雄協会の会長『ハリヴァーニ・テッケル』は、俗物であった。
彼は、英雄派遣業の対象を大きく拡大するだけの商才こそあったが、政治的理念も道徳的信念も、更には、美学すら持ち合わせてはいなかった。

このような男が、英雄協会の会長という要職に就くことが出来た要因は、偏に協会の肥大化にあった。
協会は、大きくなりすぎ、その権限は、あまりに広大な範囲をカバーし得るようになってしまったのだ。
今では、若者向けの芸術から国際的な紛争に至るまで、あらゆる分野に、その活動は広がっていた。
協会は、いかなる芸能人や政治家も敵わない人気者を、ローコストで派遣する派遣業となったのだ。

『倫理圏』が、その無法な行いにも関わらず、支持を集めたのには、そういった事情があった。

375言理の妖精語りて曰く、:2017/03/16(木) 19:51:10
異端の歴史学者『ヘルガミーネ・ヘルサル』は、彼に問うた。

「いかなる残虐な手段をとっても『倫理圏』を打ち破る覚悟はあるか?」

「覚悟があるのであれば、私が必ずや、ヤツらを打ち破ってみせよう」
と。

376言理の妖精語りて曰く、:2017/03/18(土) 18:57:15
ハリヴァーニは、演説をするヘルガミーナ・ヘルサルを見守っていた。
もはや、今の彼にはそれしか出来ることが無かったのだ。

ヘルガミーナ・ヘルサルは、学者の一族【ヘルサル家】の出身である。
【ヘルサル家】は、揃いも揃って、異端とされる学問や学説を追求することで有名であり、当然ながら、彼女とその妹もそんな異端の学者であった。

今回、彼女は妹であるドロミーネのサポートとして、この【全世界英雄協会】にやって来た。
ヘルガミーナが、【協会】経由で、人々に演説をして時間を稼いでいる間に、本命である妹が事態の『切り札』を探し出すという手はずである。

ヘルガミーナは、別に演説に長けているわけではない。
しかし、彼女も学者の端くれ。
論文の解説には、慣れていた。
しかも、今回彼女が話すのは、この災厄を打破出来るという『切り札』の話なのだ。
彼女が話すのが、どれだけ下手な演説であろうとも、関心を持たれないわけが無かった。

そして、彼女は話し出した。
彼女の妹が、今、どこで何をしているのかを。
それは、最初、いかにも遠回しな話しに聞こえた。
彼女は、よりによって【全世界英雄協会】において、彼らの中核について話し始めのだ。

そう、それは英雄の話だった。
そして、魔道具と召喚術、霊と神と信仰の話でもあった。
つまるところ、それは【協会】の存在理由、【被召芯】の話であったのだ。

377言理の妖精語りて曰く、:2017/03/21(火) 17:45:22
ヘルガミーナは、語った。
人々の憧れ、希望と絶対勝利の体現者たちの事を。
神に愛され、異質な体質を持ち、優れた能力を弱き者のために使う天才たちの事を。

それは、指導者であり先導者、援助者にして護り手であった。
それは、誰よりも重たい責任を負い、誰よりも苦しい道のりを歩みながら、何よりも輝かしい成功と栄光をもたらす存在だった。
それは、偉大なる祖先であり、悲劇に倒れた美しい者であり、母の母、父の父たる者たちであった。
そう、【英雄】とは、歴史の道標であり、曖昧な過去を貫き、拠って立つことが出来る確かな足場へと変える『軸』であったのだ。
『保守』の人々が【英雄】を心の支えにするのも、当の【英雄】が現代に適応出来ないのも、無理は無い。
そう、【全世界英雄協会】は【英雄】を、様々な思想があるいは共存し、あるいは調和するこの現代を守る道具として用いたが、その手法にほころびが生まれるのは、時間の問題だったのだ。
【英雄】は、文字通り過去の『亡霊』であると同時に『過去の具現』であり、生ける『歴史の転換点』であったのだから。

我々は【英雄】を、その存在価値を甘く見過ぎたのだ。
【英雄】の価値というものは、常に【英雄】以外の人々によって算定されるものなのだから。

378言理の妖精語りて曰く、:2017/03/21(火) 18:08:22
【協会】を批判するヘルガミーナの演説は、おおむね好意的に受け止められた。
なにしろ、ちょうど【協会】は落ち目である。
常日頃から、不安のタネや叩く相手を求めているマスメディアや、今まで【協会】のおこぼれにあずかれなかったスカベンジャー連中など、【協会】を批判する言説を歓迎する者は、多かった。

だが、ヘルガミーナは、別に歓迎されたかったわけではなかった。

そもそも、彼女のような歴史学者にとって、【全世界英雄協会】というのは『あれば便利』程度の代物でしかない。
普通の人間と同じく、嘘や記憶違いをする【英雄】たちは、歴史研究の上では大して役に立たないからだ。【協会】の方では、より強力で便利な【英雄】を呼び出すために、歴史学者に頼ることも、よくあったのだが。

よって、【協会】に積極的に味方をする理由は無いが、わざわざ貶める理由も特に無かった。

彼女は、ただ時間を稼ぎたかっただけであり、その目論見は、見事に果たされた。

演説の最中に、泥まみれのドロミーナ・ヘルサルが駆け付けてきたのだ。
彼女は、このドサクサに紛れて『切り札』を手に入れて来た。
それは、特殊な【英雄】を専門とする歴史学者の彼女だけが、思い付くことが出来たものであり、演説の場である【協会】にとって大変馴染み深いものであった。
そう、彼女が、『倫理圏』の本拠地から(協会の財産を大量に浪費して)発掘してきたそれは【被召芯】の材料であったのだ。

それは、一見、古ぼけた女性用下着にしか見えなかった。
だが、それは、ある意味どんな怪物よりも恐ろしいとある【英雄】の遺品であった。
いわばそれは、『倫理圏』のためだけに調合された猛毒の瓶だったのだ。

379言理の妖精語りて曰く、:2017/03/26(日) 18:29:50
全てが終わった後、ドロミーナ=ヘルサルは、語った。
今回の件で問題だったのは『感性』という『軸』をどう扱うか、ということだったのだと。
そう、それはつまり――――――――



「みんな『気持ち悪い』のには、耐えられないのですよ」

ハリヴァーニ・テッケルは、ギョッとして辺りを見渡した。
実のところ、彼らは【全世界英雄協会】本部の最も奥まった機密室に居たため、盗み聞きされる心配などは皆無だったのだが、それでも、その発言は全世界に響き渡ったかのように感じられたのだ。
それは、彼にこう告げているかのように思われた。
『万民友和』に反する『社会の敵』が、ここにいるぞ!
この女と、その上司のみじめなオッサンをブチ殺せ、引きずり回して、見せしめにしろ! と。

しかし、ドロミーナは、彼のそんな恐怖など、お構い無しに語り続けた。

「『気持ち悪さ』すなわち、文化に支えられた『感性』こそが、【倫理圏】たちが反旗をひるがえした原因であり、彼らの結束の根拠だったのです」

そうでなければ、産まれた世代どころか時代が違う【英雄】と現代の過激派が、協調して行動出来るわけがありません。
ドロミーナは、そう語りながら、来客用の高級菓子をほおばった。
『切り札』を用意するために、飲まず食わずで急行していたとはいえ、彼女の行動は不作法に過ぎた。
今回の件での最大の功労者なのだ、耐えねば。
そう思うハリヴァーニではあったが、ヘルケル家の三女の身体から大量の泥がこぼれ落ち、高級絨毯と最高級マリケル木の机を汚すのを見れば、ため息をつかずにはいられなかった。
その不作法のおかげで、いつの間にか、先ほどの恐怖は無くなっていたのだが

380言理の妖精語りて曰く、:2017/04/05(水) 05:37:00
【幻視】を利用した魔術は、数多く存在する。
コーペ・ルニクス転換(エボリューション)いわゆる【リフレーミング】による「世界観の転換」や【フィルタリング】による「選択した世界への移行」などが、その代表である。

その中でも【幻視転移】は使い手が稀少な術とされており、幻の獣である【猫】にしか使いこなせないとされている。

この術は「認識は、存在である」という原理に基づいており「世界から自分の姿が見失われている時」に「行きたい場所を見ている自分をイメージする」ことで発動する。
「どこにも居ないのであれば、どこに居てもおかしくない」という【笑う猫理論】を応用しているのである。

それだけに、この術が【猫】にしか使えないというのも、あるいは仕方がないことなのかもしれない。

381言理の妖精語りて曰く、:2017/08/27(日) 09:53:02
時渡りの秘術は数あれど、実のところ【過去の世界】というものは存在しない。
全人類の【過去】に対する無自覚な信仰をパワーソースとして今現在を書き換えているのだ。

382言理の妖精語りて曰く、:2017/08/27(日) 09:57:27
洗脳・検閲・場合によっては土木工事によって、過去改変をすることはできる
ただ世界基盤である【過去】を召喚し、過去改変仕草を実行するほうが安いコストで整合性のある過去を作り出すことができる

383言理の妖精語りて曰く、:2017/08/27(日) 16:14:21
アーサー・マクドナルドが用いる強化系、肉体系の魔術。その属性は「塩」である。

塩は体内が酸性にもアルカリ性にも偏らないようにし、栄養の吸収を助け、
筋肉の動作や神経における情報伝達を助ける。

塩が持つこの要素を魔術的属性とし、概念昇華でもって圧倒的な健康と俊敏と強靭を発揮する。

アーサーが用いるこの術は、彼がかつて居た世界において原初なる塩水の女神ティアマトから授かった加護を基盤とする。

384言理の妖精語りて曰く、:2017/08/28(月) 04:49:22
塩分は取り過ぎると体に害である。

血圧が高くなり、臓器の不全すらも起こし得る。

アーサーの『塩』属性はこのような性質を濾しとった上で使用しているのだが、
調整が狂えば塩分の過剰摂取による症状が概念昇華された上で自身にふりかかる。

385言理の妖精語りて曰く、:2017/08/28(月) 06:56:19
それでも夏場に塩分は必須であった。

386言理の妖精語りて曰く、:2017/08/28(月) 17:52:17
あらゆる対立物を融合させる伝説の金属を【元素金】(エレメンタリー・ゴールド)と呼ぶ。
この金属は、錬金術によってのみ現出させることが出来る。
だが、北方と南方においてその現出の形態は、結果として大きく異なることになった。

387言理の妖精語りて曰く、:2017/08/31(木) 05:45:18
アーサー・マクドナルドの魔術的な性質は【塩】(えん)である。
これは、彼が相反する存在である神と魔の間に生まれたゆえに持つ、独自のものなのだ。
また、彼のその性質は、【水】の性質を持つ彼の兄弟と呼応するとも言われている。

388言理の妖精語りて曰く、:2017/09/01(金) 17:48:23
母は魔性を持つ海棲の人魚族であった。

人種のるつぼ、と言われるアメリカには世界中から来る移住者を追いかけるように
各地に息づく、人を餌とする魔性の存在もやってきていた。

父が神でなかったなら、彼は魔女の胃袋の中で消化されるだけであったろう。
実際いちどは喰われたのである。

389言理の妖精語りて曰く、:2017/09/04(月) 14:27:01
人魚は男を誘惑し、事が終わった後に捕食した。
食事を終えた彼女はほどなくして妊娠した。

しかし、おなかの中にいたのは子供だけではなかった。

390言理の妖精語りて曰く、:2017/09/05(火) 21:39:53
食べられた神は人魚の胃壁に張り付き、癒着し、そして染み込み、子宮の近くの肉となり我が子の成長を凝視し続けた。

人魚も、その眷属も、彼女の体内から胎内をガン見する存在に気付き得なかった。これぞ神の力である。

391言理の妖精語りて曰く、:2017/09/07(木) 18:35:33
視覚を始め、感覚を元にした術は多い。
しかし、手練れの術者であれは、既存の感覚から術を作るだけでなく、想像した感覚から術を作り出すことが出来るという。
エルキール山脈の魔女たちなどは「翼を持った感覚」を想定することで、実際に翼を生やし、飛翔することが出来るのだ。

こうした感覚の拡張や操作を用いる術系統は、アヴロノが起源であると言われている。
しかし、なにぶん大戦乱の前の話なので、詳しいことはよく分かってはいない。

392言理の妖精語りて曰く、:2017/09/13(水) 21:58:54
身体を基盤とする呪詛は、呪術の基本にして奥義である。
それは、どんな人間にも通用する。
なぜなら、身体にこだわりや、コンプレックスを持たない者などいないからだ。
人は、誰もが身体にとらわれているのだ。

393言理の妖精語りて曰く、:2017/12/08(金) 19:15:01
『神秘は、構造化によって零落する』
それが、マグドール魔術の登場以前に最も尊重された定理であり、魔術世界の常識であった。

だが、それは覆された。
マグドールは、その定理が不合理な迷信であることを証明したのだ。

更に、マグドールは、既存の魔術体系には『高み・深み・彼方』の三次元と『秘められし過去』という中途半端な四次元しか存在していない点を立証し、そこに新たな方向性を加えるべきことを提唱した。
それは、過ぎ去った過去と一対となるベクトル、未だ来ないという『第五の方向性』への神秘の拡張。
すなわち『可能性としての神秘』である。

その説は、理論だけで終わるものではなく、それほど遠くないうちに形となって現れることになる。

技術革新の壁にぶつかっていた構築式と、記述式という二つの魔術体系。
産業革命により量産されたルーン石と、合成されたドラゴンの血。
そして、蒸気式演算機。
『新たな魔術革命』を起こすために必要な材料は、その時代に全て揃っていたのだ。

後は、それらの出会いと幸福な結婚を待つだけであった。
そしてそこから、そう、そから、新しい魔術の世代が始まったのだ!

394言理の妖精語りて曰く、:2017/12/11(月) 05:28:08
感覚を突き詰める魔術【識法】の基本は、目の前の現実すなわち『いま、ここ』に意識を集中させることにある

395言理の妖精語りて曰く、:2017/12/12(火) 01:13:52
魔術の存在を否定し、自然科学のみによって世界を解き明かそうとする、解き明かすことができるという思想を純粋科学思想と呼ぶ。
観測の繰返しによる世界解釈の確定を目標とするこの思想は魔術の変質を招くとして弾圧され、今では地獄の片隅に僅かに純粋科学者らの地下アカデミーがあるのみである。
弾圧が始まる以前に発表された論文に「パターン進化論による紀人現象の説明」「世界の選択的認知仮説」などがある。
通称アカ。純粋科学の研究機関を猫の国の言葉でアカデミーと呼んだことから。

396言理の妖精語りて曰く、:2017/12/12(火) 01:42:43
「パターン進化論による紀人現象の説明」
進化論を非生物へ、そして微小の素粒子へと拡大したパターン進化論によって、魔術や紀を否定する純粋科学の立場から紀人現象の説明を試みた論文。
この世界が不変ではない、ゆらいでいる状態であるかぎりあらゆる存在には淘汰圧がかかっているとしたパターン進化論を提唱し、紀人は特定のニューロンシナプスのパターンが言語によって伝播しやすい様に進化したものであるとした。
数理モデルを用いて「魔術や紀が無くとも紀人は生じうる」ことを証明したが、その数理モデルに現実との矛盾が多く見つかり、この論は概ね忘れ去られた。
パターン進化論はその後も発展を遂げ、純粋科学のみならず魔術的研究にも取り入れられた。

397言理の妖精語りて曰く、:2017/12/14(木) 19:29:48
【識法】は、古来より続く伝統的な魔術【幻法】(マーヤー)より産み出された。
【幻法】においては、世界は全て無常な幻であるとされており、そのためかその使い手には実利ばかりを追い求める盗賊や手品師、エセ宗教家などが多かった。
だが、そこから新たに分岐した流派である【識法】の使い手たちは、世界とは自分たちの手で形作るものと定義し、希望に胸を膨らませていたのだ。

とはいえ、彼らはまだまだ無知であり、また無邪気であった。
『人間の感覚を操作する』魔術が、人間の心の『闇』や『矛盾』に出会ったときに、どのような働きを見せるのか。
彼らは、それを想像すらしていなかったのである。

398言理の妖精語りて曰く、:2018/01/07(日) 13:26:52
【音楽魔法】とは、単に音楽を介した魔法でも無ければ、音や声の魔力を持ちいる魔法だけというわけでもない
それは、音楽を通して世界を把握し、干渉する魔法体系である

その基礎は、リズム、メロディ、ハーモニーの三要素からなると言われている。
宇宙開闢より始まり、心臓の鼓動に通じるといわれる律動(リズム)
万物を束ねる秩序と理性的な認識に通じ、生成され続ける物語である旋律(メロディ)
あらゆる「領域」と「存在」の内外を繋げ、調和のとれた関係性の変動を示す和声(ハーモニー)
この三つこそが、音楽魔法における座標軸であり、世界を認識する視点なのだ

399言理の妖精語りて曰く、:2018/01/13(土) 13:19:34
【剣技魔術】は剣を使用する魔術である
天照の剣術魔術や剣術魔法も原則として同じものを指す。
世界を象徴する槍が創造と破壊を成すのに対して、剣とは切断による終止、変化、分離を象徴する。
よって、これらの要素を魔術的に取り出すのが剣技魔術の基本である。
極めた使い手は詠唱の必要が無く、斬撃動作だけ、抜刀動作だけで魔術を発動するため、実践向きの魔術である。

400言理の妖精語りて曰く、:2018/02/04(日) 00:09:04
【世界無矛盾仮説】とは記述や数式や空想で表しうるこの世界が、どうして実際に確固たる存在を持っているのかを説明するための仮説である。曰く、疑いようのない確固たる存在(実存)は完全な無矛盾に伴ってあらわれる。完全に無矛盾な記述、数式、空想は膨大なインク、演算、想像力を必要とし、物理的にこの世界に存在することは不可能であるため、記述、数式、空想は世界でないとする。呪文や法式など、世界への魔術的アプローチは、矛盾を観測された時点で消失することから。

401言理の妖精語りて曰く、:2018/02/04(日) 00:15:15
(この魔術は矛盾を孕みうる)と但し書きされた魔術は矛盾を観測されても完全には消失しないが、しかしその魔術の出力は但し書きのない魔術に比べ劣る。このことから(この世界は矛盾を孕みうる)と但し書きされている現在の世界、パンゲオンは存在の位が無矛盾世界と比べて低いと推測されている。クオリアの観測が可能であるのもこのためか。

402言理の妖精語りて曰く、:2018/02/05(月) 19:59:39
鎖を使う魔術は、鎖の環をはめ込み続けるあいだだけ、その効力を発揮する

403言理の妖精語りて曰く、:2018/02/19(月) 09:52:51
アーサー・マクドナルドは自らの精神を変容させ、それを霊魂に反映させ、それを肉体に顕わし、新たな部位を生み出した。

遙か遠くを見通す未来視の千里眼である。そして見通した未来を確認したあと、それを刳りぬき破棄した。
そうしなければ、既にホモ・サピエンスをやめていた彼ですら(大望のためにかつて自らそれを捨てた彼ですら)正気を保ってはいられなかっただろう。

404言理の妖精語りて曰く、:2018/02/28(水) 13:20:07
【しりとり】とは全世界中に広まる子供の遊びであり、またその元となった世界を作り出す魔法儀式である。
最後の一文字と最初の一文字を繋げていくこの遊び、また魔法儀式は、その性質上、認識しているあらゆる語を吐き出させる。しりとりという場に吐き出された語は自律的に結び付き、言語的宇宙を生成するのだ。

405言理の妖精語りて曰く、:2018/02/28(水) 13:22:37
子供の遊びであるしりとりは、元となった魔法儀式であるしりとりからある程度ルールが簡略化されているが「同じ語を繰り返してしまったら終わり」という点では共通している。

406言理の妖精語りて曰く、:2018/02/28(水) 13:27:30
すでに吐き出された語に繋げることで、しりとり場に言葉として吐き出された、数珠繋がりになったあらゆる要素は、円相を形作り、それによってしりとり世界は完成し、完結する。魔術儀式としてのしりとりではここから更にしりとりを続け、多重世界を形成していくことなどもあるが、そのような子細な仕様についてはここでは措く。

407言理の妖精語りて曰く、:2018/03/01(木) 22:12:18
最終浄界【現実】
反記述浄界とも。あらゆる現象を紙の上のインク、空気の震え、電子データと見なし、ナンセンス化する浄界。【魔王14才】の観測に基づく。

408言理の妖精語りて曰く、:2018/03/03(土) 19:48:37
土地に刻まれた記憶、人間だけでは無い「生命の想い」を扱う術式というものが、存在する
地名が変わり、信じられる宗教が変わり、様々な土木工事や災害を経ても、それでもなお残るもの
それは、呪いであり祝い、怨念であると同時に、輝ける生命の記録なのだ

409言理の妖精語りて曰く、:2018/03/04(日) 21:46:00
貪る炎「フレイムデヴォアラー」は全てを焼き尽くす火の魔術であるという。
しかし、オルガンローデを焼き尽くすことは出来なかった。

410言理の妖精語りて曰く、:2018/03/04(日) 23:52:27
魔法現象は精神活動によって引き起こされると考えられてきたが、
科学的に測定すると、魔法現象のあとに脳が発火することが判明した。
精神は魔法現象を感知するために発達させた脳機能の影にすぎない。

411言理の妖精語りて曰く、:2018/03/05(月) 19:30:43
などと杖の魔術師は言うが、鵜呑みにする奴は阿呆だ。
精神は過去に干渉して魔術を引き起こす。矛盾など無いのだ。

412言理の妖精語りて曰く、:2018/03/06(火) 01:45:52
魔術理論は一般に、独自性が強く、難解であるほど力を増す。よって一定の法則に支配されるタイプの、特に現代の魔術理論は、独自の数学大系をその内に含むことが多い。その方が理解されがたいためである。

413言理の妖精語りて曰く、:2018/03/06(火) 01:51:34
異なる数学大系が乱立する中で考え出された概念が【大統一数理】である。破綻のないあらゆる数学大系を含み、その全ての大系がそれぞれに矛盾なく共立するような、より大きな数学大系のことを言う。数学者の最終目標。

414言理の妖精語りて曰く、:2018/03/08(木) 11:18:20
【大紀汚染】
度重なる【紀揺らぎ】により【紀】が汚染され、不安定化すること。軽微なものは平衡器の【紀引き】の働きによって直ぐにおさまるが、重大なものになると世界の物理法則が乱れる。行き着く先は世界の【紀】からの放逐、つまり世界における【紀】の消失である。

415言理の妖精語りて曰く、:2018/03/22(木) 19:09:53
魔法少女の魔法は『桃色』で表され、その頂点である魔法少女きゆらは【桃色の神人】とも言われる
しかし、本来【神人】にはみな『ティティ』がつくのに、きゆらにはつかない
『ティティ』だけなら可愛いが、『きゆらティティ』は可愛くないためである

416言理の妖精語りて曰く、:2018/03/23(金) 19:12:39
魔法の形態や発動形式は、魔法体系によって実にさまざまである
その中でも、力を外部に依存するものは比較的扱いやすい
異界への【門】を体内に開くことで、容易に異界の力を扱えるようになる【門魔法】
自身の「こだわり」や「正義」を【律使】という生命体の形に変え、外界に押しつけるルールとして作用させる【律使魔法】
「欲望」や「悪夢」を【混沌魔】として、物理法則を歪める【魔影魔法】
そして、曖昧な人の「思い」や「心」を朧な影として世界に反映させる【心霊魔法】などが、その代表格である

417言理の妖精語りて曰く、:2018/03/25(日) 23:28:51
魔法とは我と彼とが相通ずることである。
たとえば我が「彼を殺したい」と想ったとき、
彼が「ああ、死にたいよ」と共感してくれること。
そのような絆そのような奇跡を魔法といい、
雷光や炎熱などはそこに至るまでの副産物か単なる演出にすぎない。

418言理の妖精語りて曰く、:2018/03/26(月) 05:47:53
【浄界】とは、魔術庭園であり、二種類に分類することが出来る
そのうち、整然と組みあげられた秩序あるものを【整然園】
作成者の心を反映した混沌としたものを【混沌園】と呼ぶ
後者は、心理療法における「箱庭療法」と良く似ている

さらに、【整然園】は、密教における「金剛界」と
【混沌園】は「胎蔵界」と類似しており、良く比較される

419言理の妖精語りて曰く、:2018/03/28(水) 23:04:38
【存在素】とは万物の存在の最小単位である、形而上原子を指す。あらゆる現象あらゆる物質に付随し、連動して形而上空間に存在している。存在素が崩壊すれば形而下における現象、物質も崩壊する。その逆も然り。
生体濃縮が起こり、飽和状態を迎えると「自己存在確信」つまりクオリアが発生する。

420言理の妖精語りて曰く、:2018/03/28(水) 23:06:24
モナドとも。

421言理の妖精語りて曰く、:2018/04/08(日) 23:49:37
愛・悪・畏・卑の四魄によって魔術は駆動する

422言理の妖精語りて曰く、:2018/04/09(月) 03:17:50
一つでも欠ければそれは魔法となり、自然へと溶けてしまうだろう。

423言理の妖精語りて曰く、:2018/04/10(火) 20:04:27
家族写真は、呪術となり得る

それは、千変万化する人の想いと関係への抵抗であり、時の流れに対する反逆行為でもあるのだ
写真を飾ることは、一つの祈りである
そして、それは呪いと紙一重でもあるのだ

424言理の妖精語りて曰く、:2018/04/30(月) 07:54:04
ドロミーナ・ヘルサルが、ある無名の墓から掘り出した女性用下着は、のちに最も有名な【被召芯】となった
それは、『倫理圏』の息の根を完全に止めると共に、【被召芯】を用いた英雄召喚の秘術をも、禁術に指定させるほどのインパクトを世論に与えたのだ

その【被召芯】が、呼び出したのは、格別に強い英雄でも偉大な英雄でもなかった
だが、同性の恋愛を否定する『黄金倫理圏』にとっては、これ以上ないほど致命的な英雄であった
彼の者の名は『”聖女”トラターニャ』
『倫理圏』の中核たるルザナイ教の英雄「雨粒刺しのシン=グロークス」トスカアン・ヴァルギャイリとその右腕フェセウス・ペリ=ルムダーと旧知の英雄であり、同じくルザナイ教の聖人であった。
「彼女」は、ルザナイ教圏以外からも広く信仰を集める大いなる癒やし手であり、そして、のちに『倫理圏』を結成したその二人の恋人として、多くの歌や伝承に残る存在であった
そして「彼女」は、紛れもなく男であった

『倫理圏』が否定していた【同性の恋人】を、よりによってその結成者がもっていたのである
『トラターニャ』が、隠れた『七先駆派』の信者であり、法術によって女性を装っていたこと
「彼女」は、そのことを生涯秘め隠しており、当然『倫理圏』の二人も「彼女」が死去するまで、それを知らなかったこと
「彼女」は、その事実を隠蔽して二人の立場を守るように、遺言を残したこと
「彼女」が男であった証拠は、残らず『倫理圏』の二人によって消し去られたこと
『倫理圏』の存在にとって致命の毒となったそれらの真実は、『全世界英雄協会』によって召喚された「彼女」自身の口から語られ、その証言をもとに「発見」された歴史的遺物によって確かに証明された

ドロミーナが、名もなき墓から掘り出した女性用下着
そのわずかな布切れこそが、世界史を大きく変えたのだ

425言理の妖精語りて曰く、:2018/05/05(土) 12:21:52
マーディキ神群から力を借りる魔術は、かの神々に固有の色と宝石を象徴として割り当てる

426言理の妖精語りて曰く、:2018/05/07(月) 20:53:31
幻視魔術の基礎には、漫画や絵画の技法と共通する部分がある
特に「仮想の肉体」や「仮想の人格」を具現化する修行において、それは顕著だ

幻であった新たなる肉体は、仮想の陰影、仮想の重力、仮想の空気抵抗などを再現され、実態となり世界と新たなる関係性を結び、働きかける
それはいわば、世界を切り裂く剣の現出なのだ

427言理の妖精語りて曰く、:2018/05/09(水) 05:44:44
マーディキ神群を参照する術は、宗派によって色と神の照応が異なる
そのため、複数の宗派の儀礼を切り替えることで、同じ色でも異なる神を参照した術を使用することが可能になるのだ

428言理の妖精語りて曰く、:2018/06/11(月) 05:57:21
【魔法料理】の種類は、とても多いにゃ
だけど、我々猫族には毒であるものも、結構多いのにゃ

ヒト類たちは、手の込んだ魔法料理でさまざまな魔法効果を自分の身体にかけるけど、なぜか猫を忘れることもけっこうあるにゃ
空を飛ぶスープを作るのは別に良いけど、猫用に冷ましたものも用意しておいて欲しかったにゃ

429言理の妖精語りて曰く、:2018/06/15(金) 05:51:01
魔法料理には、【猫の国】から伝わった逸話を元にしたものが幾つか存在する。
モクシロクなる神話を元にした「甘い巻物」などは、今ではその起源がほとんど忘れられるほどに広まっているほどだ。

なかでも珍しいものは【猫の国】の”ぐれーとぶりてん”に伝わる『母がちょう』なる童謡を元にした「6ペンスのパイ」である。
これは、死霊魔術(ネクロマンシー)の応用により、二十四羽のツグミが焼き上がったパイの中から復活して歌い出すというものだ。
この詩の表題である”6ペンス”というのはおそらく数の単位であり、1ペンス=4羽に相当するものだと考えられている。

また、このパイは、その製法を応用して、【踊る母豚パイ】などの数多の会食料理が生みだされたことでも有名である。

それにしても、【猫の国】の人々はなんともグロテスクな料理を作るものだ。
あるいはそれこそ、さすがは異世界の住人であるというべきだろうか。

430言理の妖精語りて曰く、:2018/06/16(土) 06:13:22
地上に再び召喚された英雄とは、ヨリシロに貼り付けられた霊魂の形状を出力された、まあぶっちゃけアンデッドである。
ゾンビでは無いがゴーストではある。【猫の国】風の言い回しで言えば、スライムを体液とするゴーレムにゴーストをインストールし、
「頑丈な人間」を再現したもの、とも言えるのかも知れない。

霊魂とは即ち、霊体によって固着された精神に他ならない。
霊魂の形状は、英雄性の発露を形成する。それは彼ら彼女らの力の質と結びつく。

つまり生前に存在した「隙」はそのまま召喚された英雄の「隙」となる。
その「隙」をつけば、その力を削ぎ、或いは曲げて、あらぬ方向へと曲げることもできる。

トスカアン・ヴァルギャイリとフェセウス・ペリ=ルムダーを粛封できたのも、この特性を生かしてのことだ。

431言理の妖精語りて曰く、:2018/06/16(土) 08:12:26
【治癒】(heal)の魔法とは、健康(health)すなわち全体性(wholeness)を回復させる魔法である。
よってその基準は、対象が潜在的に記憶している「全体」像に左右されてしまう。
幻肢の形状が人によって異なるように、この「全体」も正確に「記憶」されていない場合がある。
そうした場合、【治癒】の魔法は対象を正確に回復することが出来ないのである。

その問題に対処するために開発されたのが【賦活】(wellness)の魔法である。
こちらは、生体にエネルギーを注ぎ込んで「活性化」させるというものであり、その活性には理論上限界は無い。
細胞の再生が暴走する危険性だけは否定しきれないが、かなり有用な魔法であるといえる。

ただし、この魔法は習得がかなり困難であり、また発動にも大量の魔力が不可欠である。
そういった点では、まだまだ改善の余地があるといえよう。

432言理の妖精語りて曰く、:2018/06/17(日) 06:59:50
生者の思考は脳髄と霊魂によってなされる。

死者の思考は霊魂のみによってなされる。

433言理の妖精語りて曰く、:2018/06/20(水) 05:32:19
木片や小石に呪文を刻むのは、伝統的な魔法の発動媒体である

一方、【少女世界きゆら】では、呪文を刻むのはクッキーや飴玉などのお菓子となる
なざなら、その方がカワイイからだ

所有者の子どもたちがつまみ食いするため、魔法の発動がたまに失敗するのはご愛嬌である

434言理の妖精語りて曰く、:2018/07/03(火) 05:59:33
食べると空を飛ぶことが出来るハーブの伝承は、昔から地方に伝わってきた。
それらの伝承を迷信として無視し、駆逐しようとした王もいたことはいたが、それらの貴人は、ことごとく痛い目を見たという。

例えば、カンダーリ地方に伝わる【空飛ぶグルメ王】の昔話などは、その代表格と言えるだろう。

435言理の妖精語りて曰く、:2018/07/09(月) 06:22:43
【天照府】には、神の力をより効率的に受信するため、アクセサリーや衣服の一部として「神殿」を築く文化が存在した
その名を【ヤシロフク】という

また、【猫の国】にも【御堂っこ太郎】という英雄が存在するが、それも同様の文化によるものだと思われる。

【ヤシロフク】の技術は、後に建物や自然全般の精密なミニチュアを作る文化に発展し、建築学や土木工学を大いに発展させた

436言理の妖精語りて曰く、:2018/07/14(土) 19:20:09
【ビーンズ式詠唱法】では、口の中で【豆】と呼ばれる魔法封印結晶を開封する
通常、長大な詠唱を必要とする魔法を【ビーンズ】は一瞬で使用可能にするのだ

プチ、パチという音がビーンズ使いの口の中から聞こえたならば、それが最後だ
その次の瞬間には、強大な魔法がその敵を襲っていることだろう

437言理の妖精語りて曰く、:2018/07/19(木) 06:50:59
【無明認識枠】(ミスティック・フレーム)は、被術者の視界を『加工』する魔術であり、旧世界で言うところの【AR】のようなものである
ただ、それは視界を『加工』するがゆえに、必然的に弱点を作り出してしまうこともあった

例えば、コルセスカの【無明認識枠】は強力であったが、全てをデジタルにしか表示出来ないという弱点を持っていた
まあ、コルセスカ当人に言わせれば
「信じれば、存在しない数値(ゼロ)も存在する数値(イチ)になります!」

「私の【無明認識枠】では、『このゲームでは小数点以下を切り捨てているため、実際は小数点以下の確率で盗める』というのが、本当に実現するのです!」

「そのためだけに、私はこの【無明認識枠】を作りました!私がこの【無明認識枠】の『生産者』です!」

とのことである

438言理の妖精語りて曰く、:2018/07/20(金) 05:17:00
コルセスカの【無明認識枠】は、万物をデータ化するとともに、データがない存在にもデータがあると仮定することが出来た
いわゆる『隠しパラメータ』の類いである。

要するに、それは世界を『攻略』するための魔術だった

439言理の妖精語りて曰く、:2018/07/28(土) 09:04:11
スパイスは、呪文なのだ
それは、組み合わさって音楽を奏でる

440言理の妖精語りて曰く、:2018/08/03(金) 01:25:20
故に、極点にまで到達した料理は【紀】を帯びる。麻婆少女醤妹の【紀麻婆豆腐】、カレードラゴンの【紀カレー】などはその好例だろう。

441言理の妖精語りて曰く、:2018/08/25(土) 17:24:15
ただでさえ多くを知られていない魔法使いの中でも、「最強の魔法使い」という異名で呼ばれたものは数少ないが、
その内の数少ない実在例が「無言なる」ヌトと「大いなる」ゾートの二人である。

442言理の妖精語りて曰く、:2018/08/25(土) 17:33:25
「大いなる」ゾートが得意とした呪術は己や他者の生命に干渉する術である。
これらの術を「生命操作」と総称する。
中でも特に有名な彼の秘奥が「生命吸収」であり、他者の生命を吸い取って、
己の生命として使用することができるという恐るべき術である。
ゾートは戦争中、この術を用いて紀神の猛攻をやり過ごし、
逆に紀神の生命力を吸い取って不死身の魔法使いになったという伝説がある。

443言理の妖精語りて曰く、:2018/08/25(土) 17:59:04
「無言なる」ヌトが得意とした術は「天候操作」。
大気の精霊に干渉する術としてはほぼ最高位のものであり、伝説に曰く
「ヌトが口を開けば天は凪ぎ、ヌトが口を噤めば天は荒れ、ヌトの言葉は嵐と恵みをもたらした」
という。
ヌトが天候操作によって呼び寄せた大竜巻や大津波、
雷電の槍によって紀神を撃退したという物語は各地に今も残っている。

444言理の妖精語りて曰く、:2018/08/26(日) 06:35:53
入れ墨は、多くの地域において、身分や信仰を示すために用いられた
またその中には、奴隷に服従を要求するモノや魔除け、被術者を魔物へと変化させるモノもあり、そのため後の『大平等時代』では、公共の場で入れ墨を衆目に晒すことは激しく忌避されたのだ
なぜなら「入れ墨を見せる」ということは「自分の身分を知らしめる」ということに容易につながったからだ

445言理の妖精語りて曰く、:2018/08/26(日) 10:46:10
ヌトが自在に使役した大嵐の魔法をテュポーンと呼ぶ。
その意は荒ぶる天の竜である。

446言理の妖精語りて曰く、:2018/09/01(土) 05:54:24
【贈答歌】こそが、呪文の基礎と言って良いだろう
それは、相互に影響を与え合うメッセージであり『自分自身を相手に贈る』という行為であり、それによって『相手自身を贈ってもらい』お互いを深く知り合うことを目的としていたのだ

447言理の妖精語りて曰く、:2018/09/09(日) 04:52:48
見知らぬモノへの好奇心と愛着こそが、視界外への転移を成功させるコツである

【幻視転移の章】

448言理の妖精語りて曰く、:2018/09/09(日) 06:34:49
見知らぬものへ手を伸ばし、握手をするのだ

449言理の妖精語りて曰く、:2018/09/10(月) 05:41:05
幻視系列の術者には、重大な障害が発生することがある
それは、自己と他者の世界観にあまりに差がある時にみられるもの
その名称を【接触断絶】という

天才であればあるほど、すなわち感性が優れ斬新な世界観を持つほどに、【接触断絶】が発生する可能性はより高くなる

それを解消するのは、多くの場合、いわゆる天才ではなく凡人と呼ばれる人物である
彼らは、一種の緩衝材、あるいは翻訳機や「モデム」となって、天才を世界と接続する

だから、あるいは天才というのは、単に感性が優れたもののことを指すのではなく、多くの凡人の支援を得ることに長けている者のことを言うのかもしれない
それが単純に運であったとしても、その運も実力のうちと言うべきなのだろう

450言理の妖精語りて曰く、:2018/09/11(火) 06:20:14
「匂い」は、ただよって混じり合い、「音」は響き合い波長を変える
そうした時間的性質は魔術においても注目され、しばしば活用されてきた

451言理の妖精語りて曰く、:2018/09/13(木) 06:03:14
そうした視覚以外の感覚魔術において、時間、過去と今とは相互に影響し、変化し続けるものであるという
【猫の国】の魔術師である「ベルクソン」がそれらについて語っているらしいが、その文献の解読は未だに完了していない

452言理の妖精語りて曰く、:2018/10/02(火) 20:08:43
同一化を防ぐ観点で言えば、やはり呪術の三分類が有効な手立てだと考えられるだろう。
三分類は、模倣・因縁・命名の三種であり、それぞれの分野で研究が続けられている。

模倣呪術は、原型(オリジナル)の支配下にある「類似」と、中心なき微妙な差異を量産する「相似」に分かれるという。
この系統は、【猫の国】のフーコーという魔術師が『これはパイプではない』という書に記していると言われている。
しかし、その書を求めて【永劫線図書館】に挑んだ冒険家は、未だに帰ってこないため、その詳細は不明である。

因縁呪術は、古くは「感染呪術」と呼ばれていたものである。
これは、運命の変質と、破壊もしくはその操作を目的として研究された。
その研究は、血統における突然変異への理解を深め、新製品開発や斬新な広告の開発に役立った。
しかし、これは個人のセンスに左右されることが多かったり、発生させたはずの差異がまた新たな同質パターンを形成させてしまうなどの問題を抱えている。

最後に、命名呪術は、命名したモノをその名のとおりの性質や役割を持たせたる呪術であり、【レッテル】などが含まれる。
これには、大きな変化をもたらそうとすると失敗確率が上がる欠陥があり、また往々にして印象の押しつけによる性能の低下をもたらしていた。
そのため、いわゆる「デバフ呪術」としての運用が主体である。

だが、これは「部品」を作る呪術と捉えることにより、より高次で堅固な構造を構築することが可能なのだ。
現在、私の目の前で暴れている呪術装置「ダイハカイ15号」も、上手く抑えることが出来れば、もっと生産的で人類に役立つ結果をもたらすに違いないのだ。
・・・・・・・・たぶん。

453言理の妖精語りて曰く、:2018/10/10(水) 03:12:01
【剣術魔法はその難しさから、簡易剣術魔法という応用形を生んだ。「毛穴」を「詠唱口」とし、剣の振りだけでは詠唱できない場合の助けとしたのである。
これは戦闘の場に限らず、修練の場でも大きな役割を持った。「毛穴」に詠唱させる呪に、「姿勢制御」を加えることで、型の訓練を容易にしたのである。】

これは分岐し、流れ去っていった別の歴史の記述である。
我々が知る歴史においてはプロッテッツィオーネという女性が異境より訪れ、剣術魔法の開祖である遠野 一剣斎が驚嘆するほどの剣の腕前を示した。
詠唱構造においては一剣斎よりも知悉していた彼女は、彼の剣術開発に協力し、詠唱箇所を改良した。各詠唱箇所のパーツ化と習得過程の体系化がその肝であったと語られる。
彼女は簡易剣術魔法とは異なる形で学びの裾野を広げることに成功した。

簡易剣術魔法は当初、当時の天照府大将軍からの強烈な推奨、テコ入れによって「詠唱毛穴」手術の施術者を増やしていたが、
勃興期において、当時の人々の感性からすると拒絶感を伴うものであり、手術なしで習得できることがわかると通常の剣術魔法のほうに志願者たちは移っていった。
大将軍的には詠唱毛穴に琴線に触れるものを感じていたが、もう一方で十分に成果を上げられる以上、下々の者に推奨・要求する理由はなくなった。
既に手術を終えた者にも「詠唱毛穴」を塞ぐ施術を受けることを認め、再手術にも援助制度をもうけた。

454言理の妖精語りて曰く、:2018/10/10(水) 06:57:48
【万鞘万鍔万柄一剣録】

剣術魔法の伝書。晩年の遠野 一剣斎が高弟たちと共にまとめあげた書物。
プロッテッツィオーネは剣術魔法の改良後に元いた場所に還ったといい、書物化には直接参加していない。
ただし、彼女が残した言葉や覚え書きの引用は少なくはなく、要所に関わることも多い。

【一剣】に付随し、形作り得る【鞘】【鍔】【柄】という言葉で
表現・分類される様々な技法とその習得と実践のための心得を記す。
口伝が中心で、それも「見て覚える」「師匠から技を盗む」という性格が強かったそれまでの武術伝授と異なり、
「習得に必要な習得」「鍛錬に必要な鍛錬」また、それらの組み立て方の内容まで具体的に明文化・理論化されている。

本書に含まれる遠野 一剣斎による、協力者プロッテッツィオーネへの謝辞にはこうある。

「彼女がいなければ『一剣録』のみがあっただろう」

455言理の妖精語りて曰く、:2018/10/17(水) 05:42:20
【猫の国】の暗黒魔術師【ジャック・ラカン】によれば、人間は言葉を通してしか、世界を認識できないという。
つまり、我々の観る世界は、すべて言葉で編まれているのだ。

だが、果たしてそれが全てなのだろうか?

世の中には、音や数字に色を観る「共感覚」という特殊な視界の持ち主も存在する。
たしかに、我々が思考し、理解し、他者へ伝達出来る感覚は、すべて言葉によって編まれたものでしかないのかもしれない。
けれど、その言葉は、本当に我々が「言葉」と聞いて思い浮かべるありきたりな、有限の組み合わせに過ぎないものなのだろうか?

456言理の妖精語りて曰く、:2018/10/17(水) 07:58:26
前にジョック・ラーカンという魔術師の話を聞いたが同一人物なのだろうか。

自分にとって、面識もなく、伝え聞きでしか知らない相手というのは、「言葉の組み合わせ」と大差はないのかもしれない。
もしかするとマ●クの女子高生みたいな存在であるのかもしれない。

457言理の妖精語りて曰く、:2018/10/18(木) 06:08:45
そう、マッ●の女子高生、名前だけ有名な学者や魔術師、外国人の友人、娘、行きあった高齢者などは、みな情報系魔術の一環、一部である。

これは【友達の友達の話】というエーラマーンの力を借りた【法術】の一種である。
強制命令系の【サイモンセッズ】とはまた系統が違うものではあるが、情報網の混乱は軍事的・社会的に大きな意味を持つ。
そのため、非常に強力な魔術と言える。

特に「名前だけ有名な魔術師」というのは、自分が知的だと自慢したがる者や、権威というものに無条件で弱い者にとても良く効果を発揮する。
医療系詐欺などで良く用いられる凶悪な術式なのだ。

だが、この術式には、大きな欠点がある。

当然といえば当然のことなのだが、この術式は、その学者や魔術師のことを良く知っている者には全く効果がない。
それどころか、逆効果であることもしばしばなのだ。
「生兵法は大怪我のもと」付け焼き刃がかえって失敗につながるという良い例であろう。

「見つけたぞ!魔術師警察だ!バルセス・バハール、神妙にお縄につけ!」

「く、弓道警察や着物警察の次は魔術師警察か!わ、私はただ『ソーカル事件』の教訓を世に広めようとしただけだぞ!そう、あれは【猫の国】で『ポモ』と呼ばれる派閥が大手をふるっていたとき・・・」

「ええい、往生際の悪いヤツめ!まだ続ける気か!捕まえろー捕まえるんだー!」

「く、話を聞かない気か!だが、私を捕縛し口を塞いだところで、やがて第二、第三のバルセス・バハールが」

「ゴジラ一作目をアリュージョンしたところで無駄なことだ。なにしろ出るたびに倒されてるからな、ゴジラ。御用だ。御用だー!」

「お、覚えてろよー!」

「待てー!!」

458言理の妖精語りて曰く、:2018/10/18(木) 20:25:32
【ルウテト・ヴィジョン】と【ラクルラール・ライン】は共に「誘導系」と呼ばれるタイプに含まれ、あらゆるレースにおいてそのシェアを分かち合う魔術である。
前者は、過去の幻影を映し出すことによって、成功例にならったり失敗を繰り返さないように戒めるもの。
後者は、一種の「レール」を中空に映し出し、最適なコースでマシンを誘導するものである。

459納豆神の信徒語りて曰く、:2018/10/19(金) 05:48:32
愚痴しか言わない人物や敬語の存在が示唆するように、言葉は関係性であり、関係性が言葉の「立ち位置」を決定する。

別の言い方をすれば、世界は【言理の妖精】によるネットワークであり、その網(ネット)の糸や網の目の形こそが関係性であると言える。
そして、その網の糸や網の目は、状況次第でいくらでも変化しうるのである。
まるで、納豆のように。

そう、つまり世界は納豆であり、納豆神の力を借りた法術によって操ることが出来るのだ!
納豆神こそが最高なのだ!

460言理の妖精語りて曰く、:2018/11/20(火) 17:11:23
「糸つむげ、己おりなせ」とは妖精たちに伝わる古い呪文の一種である。

461言理の妖精語りて曰く、:2018/11/22(木) 17:50:52
己というものは、意図(いと)によって出来ているのだから

462言理の妖精語りて曰く、:2019/02/02(土) 07:44:54
【呪鎖魔術】は、鎖の音を以って呪文と成す。
その成立は、囚われた魔術師たちによるものだとも、反乱を企てた奴隷たちによるものだとも言う。

463言理の妖精語りて曰く、:2019/03/11(月) 23:39:56
【法人】とは大別すれば儀式魔法の一種であり、非【人類】系統の人間を発生させる。基本的な発動手順は極めて簡単である。非人間である存在を、ある任意の法則に従い、人間として扱う、というものだ。この手順を特に【法人成り】と呼ぶ。

464言理の妖精語りて曰く、:2019/03/11(月) 23:46:07
しかし手順を説明するのは単純であっても、手順を実行するのは簡単でない。【法人成り】する基準を定める法則は、無矛盾でかつ違和感のないものでなくてはならないからだ。例えば、ある存在を【法人成り】させるためには、その存在を含み、恣意的でなく、そして反論の余地の無い基準を定めなくてはならない。
このように手順の実行の困難さから、この魔法はごくマイナーなものであった。

465言理の妖精語りて曰く、:2019/03/11(月) 23:54:21
この魔法が近年、注目を集めている。【人類】魔法のメカニズムと【法人】のメカニズムに類似点があるのではないかという予想がなされたためだ。
予想によるとこうである。人類を人類たらしめる【人類】は【法人】を発展させたものである。ある基準、我々には「それが人類だ」としか言ないような、違和感の無い基準によって、人類と非人類を峻別する。違和感が全くないが故に我々にはその基準を直接認識することが出来ないが、【法人】を順当に発展させることにより【人類】魔法を再発明することが可能である。

466言理の妖精語りて曰く、:2019/03/15(金) 10:19:51
【忘れ去られた未来】は禁呪である

467言理の妖精語りて曰く、:2019/03/20(水) 22:34:27
【輝いていたはずの過去】もそろそろ禁呪リストに入るようだ

468言理の妖精語りて曰く、:2019/03/22(金) 22:16:29
禁呪リストは呪術の研究機関と司法の間で決められている。
そのため革新的な呪術をが発明された時には、新たな禁呪がばかすか現れ、研究機関の人々は殆ど死に体になる。

469言理の妖精語りて曰く、:2019/04/10(水) 06:44:13
無敵殺しの術式、その名を【レーヴァテイン】という。

無敵とは、つまり完全なる内閉鎖性であり、たしかに存在していながら、外部からの一切の干渉を拒絶する独立性を持つもののことを指す。
それはまた、永続可能な個体であり、一つの完結した宇宙や一個の城塞にも喩えられる存在である。

【レーヴァテイン】は、そうした無敵を存在なしめている内部閉鎖暗号や独語・内言を眼球の反射行動をもってこれを解読し、あらゆる内閉を打ち破るものである。
孤独を打ち破るもの、世界の拒絶を憎み、これを打ち砕いて阻むもの。
これすなわち無敵殺しである。

470言理の妖精語りて曰く、:2019/04/10(水) 06:44:13
無敵殺しの術式、その名を【レーヴァテイン】という。

無敵とは、つまり完全なる内閉鎖性であり、たしかに存在していながら、外部からの一切の干渉を拒絶する独立性を持つもののことを指す。
それはまた、永続可能な個体であり、一つの完結した宇宙や一個の城塞にも喩えられる存在である。

【レーヴァテイン】は、そうした無敵を存在なしめている内部閉鎖暗号や独語・内言を眼球の反射行動をもってこれを解読し、あらゆる内閉を打ち破るものである。
孤独を打ち破るもの、世界の拒絶を憎み、これを打ち砕いて阻むもの。
これすなわち無敵殺しである。

471言理の妖精語りて曰く、:2019/04/13(土) 12:47:04
音楽魔法の種別は、長らくリズム・メロディ・ハーモニーの三大要素しかなかった
しかし、最近になってスタッカート・エコー・倍音の新三分類がそれに加わるようになったのだ

472言理の妖精語りて曰く、:2019/04/30(火) 22:25:46
魔法【人類】には、他の多くの魔法と同様に、細かなバージョン違いが存在する。
【人類】とはある生物種を【人類】という可能性ポテンシャルの高い状態に移行させるものであるが、どのような形態をとって可能性を高めるかは生物種に応じて様々であるためだ。
現在この世界に人間【人類】、蛸【人類】、鳥【人類】など、多くの【人類】種が住んでいるのもこのためである。

473言理の妖精語りて曰く、:2019/05/01(水) 09:12:09
【人類】【人類】種は魔法生物種のなかでもとりわけ危険な存在である

474言理の妖精語りて曰く、:2019/05/13(月) 12:09:45
【【人類】【人類】】種は、【人類】に更に【人類】魔法をかけた生物種である。それは「火を燃やす」「氷を凍らせる」「死を殺す」「頭痛が痛い」のと同じ所業である。
彼らは可能性ポテンシャルの可能性ポテンシャルを持つ。つまり、不可能性を可能性に転化することが出来るのである。

475言理の妖精語りて曰く、:2019/05/15(水) 06:58:55
【コール】(【喚起】)
呼び声は、原初の呪文である

476言理の妖精語りて曰く、:2019/05/17(金) 11:05:50
呪文には、韻文が用いられることが多いが、その形式は地方によって様々だ

477言理の妖精語りて曰く、:2019/05/29(水) 07:16:07
【盗電】、あるいは【電気窃盗】とは、電気を無許可で利用することであり、【新時代風水】における【盗運気】にあたる犯罪である
【盗運気】とは異なり、色や方角、モノの配置などにこだわる必要がないため、比較的手軽な犯罪であると言える

478言理の妖精語りて曰く、:2019/05/30(木) 16:56:12
焼焔魔術は紀神ピュクティェトの使う古代魔術である
これはハザーリャの凍結魔術と対になっており、互いが同時に使用すると相殺する

479言理の妖精語りて曰く、:2019/06/12(水) 23:50:39
【邪視】と【憑き物】は、閉じた共同体に発生する同じ一つの現象であり、その本質は「嫉妬への恐怖」と「他者より富を持つことへの罪悪感」である
すなわち、それは「まなざし」を放つとされる側ではなく、「まなざし」を受ける側がその性質を決定する「まなざし」の邪悪化、「まなざし」への恐怖なのだ

480言理の妖精語りて曰く、:2019/07/10(水) 23:31:28
スパイスを混ぜ合わせて発動する【カリィ魔術】は、無風地帯で良く扱われる

481言理の妖精語りて曰く、:2019/07/21(日) 07:55:29
多くの人間から信頼を集める法律、言い換えれば強い信仰を受けている法は、そのまま魔法となり、呪術の効力を裏書きする保証となり得る
昔は「急々如律令」と書いていたが、現代では「※この呪文は、税法に準拠する効力を発揮します」と書くのが一番効力があるようだ。
なお、逆に一番効力が無いのは「※政治資金規正法と同等の効力を発揮します」という但し書きとなっている。

482言理の妖精語りて曰く、:2019/08/07(水) 07:20:39
魔法の分類には、様々なタイプが存在する
そのひとつが呪文の詠唱に着目したものであり、説明型、イメージ換気型、意味不明型、喚起型などに分類される

483言理の妖精語りて曰く、:2019/08/30(金) 05:45:45
寿命延長技術を【卵子食い】(エッグイーター)という蔑称で呼んで、嫌う者も多い
手足を再生する再生手術なども、技術の基本は同じだというのに・・・・・・・・

484言理の妖精語りて曰く、:2019/09/05(木) 21:10:53
冬虫夏草は、動物魔術と植物魔術の間で、長い間どちらの領域に属するのか論争の的になっていた
そして、そこへさらに新たに参戦する勢力が現れたのだ
死霊魔術である
冬虫夏草は腐敗した肉体に菌類が付着したものであるから、その本体は死体であり、それは死霊魔術の領分であるというのが彼女たちの主張であった

こうして、論争はますます混迷を深めていったのである・・・・・・・・

485言理の妖精語りて曰く、:2019/09/06(金) 12:44:56
「どれだけ魔術体系を『接ぎ木』しようが、いずれは限界が来る。そのことは、もう分かっておったじゃろ?」
彼女は、そう問うた

486言理の妖精語りて曰く、:2019/09/11(水) 12:07:00
代々女性だけに受け継がれたその魔術は、いつしか陰と陽に分かれ、本家と分家がそれぞれ担うようになっていった
そして双子が生まれた場合は、それぞれが二つの家に分かれることが倣いとなったのだ

487言理の妖精語りて曰く、:2019/09/12(木) 08:06:14
公的な儀式や正面からの戦闘は「陽」の本家が、そして諜報や社会の影における暗闘は「陰」の家系が担当した
また、二つの家系の力関係やあり方は、時代とともに目まぐるしく移り変わったが、二つの家系は常に共にあったのだった

488言理の妖精語りて曰く、:2019/09/12(木) 08:11:20
五色の魔術の使い手は、「虎」をシンボルとする好戦派と、平和な生物だという伝説を持つ「猫」をシンボルとする穏健派に分かれ、その使用する魔術の性質もそれぞれ異なっている
例えば「赤」の「虎」は、破壊する炎の魔術と情熱を司る感情操作魔術を用いる
それに対して「赤」の「猫」は、生活用の火の魔術や心身を温もりで癒す治癒魔術を用いるというように、二つの派閥の魔術は、その根こそ同じもののその用い方は全く異なっているのだ

489言理の妖精語りて曰く、:2019/09/13(金) 12:32:33
【九節詠唱】は聖典からの引用を由来とする法術の中では最大の威力を持つ。
これを可能とする者は少なく、戦闘中にこれをこなすことが出来る者は、さらにわずかである。

490言理の妖精語りて曰く、:2019/09/16(月) 13:55:22
近魔研
または近代魔史学研究塔。
本大陸の西域、かつてのトロス三国が一、旧トルクルトア領に古くから存在する塔の名称であり
またその塔内で活動する学者集団達の呼称として使われている。
彼らは歴史学者集団として名高いエイス・ロネの中でも魔史学を専攻していた一派が前身となっており
近代において、様々な魔術、魔導、魔法に関する知識を収集、考察、実験、観察、調査することで
魔史における新たなる真実を探求し続ける事を使命とし活動しているという。

ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/7039/1140326832/7

491言理の妖精語りて曰く、:2019/09/18(水) 05:38:30
心はどこにあるのか?
それは、脳だけに限定される存在なのか?
身体とは、精神という曖昧な概念に支配されるだけの卑俗な物質の塊に過ぎないものなのか?

そうした問いの下で、人造身体(サイボーグ)の研究はさらなる段階に至った

身長の低い人間の脳を長身のボディに移し替えたら、その「視点」が大きく変わった場合には、広がったその視界は精神にどのような影響を及ぼすのだろうか?
少女型の身体を成人男性や中年男女の身体に「換装」した場合には?
感覚の増強、新しい感覚の移植、身体部位の増加、考えうる限りのあらゆる物体や生物の形をした身体への移行

人工身体(サイボーグ)の研究とは、心身問題を追求する哲学の一分野でもあるのだ

492言理の妖精語りて曰く、:2019/09/30(月) 23:20:17
【外延知性ネットワーク】
ネットワークによる人類知性の拡張は、彼女たちに大きな飛躍をもたらしたが、同時にそれは束縛でもあった
問題は、安全管理上の問題からネットワークが閉鎖的なコミュニティとなってしまったことだ
それは、必然的にそこに所属(せつぞく)するメンバーの思想や思考に、一定の枠組みや方向性を固定するようになってしまっていったのだ

493言理の妖精語りて曰く、:2019/10/02(水) 09:01:49
魔法があれば、なんでも出来る。魔法使いに不可能は無く、魔法使いに欠落は無い。
ああ、そうだ。

だが、ああ、だからこそ、魔法(かれ)は余分(かのじょ)を求めたのだ。
狂おしいほどに…………

494言理の妖精語りて曰く、:2019/10/07(月) 11:30:39
お菓子魔法・クッキースター☆

495言理の妖精語りて曰く、:2019/10/07(月) 12:20:42
【ペンは杖。杖はペン。この物語に終止符を】

世界を終わらせる者ファルヴァクスの寝言は魔法となり、実際に世界を終わらせた。今の世界は少なくとも2回目だ。

496言理の妖精語りて曰く、:2019/10/10(木) 20:11:44
【呪韻文】(じゅいんもん)

497言理の妖精語りて曰く、:2019/10/19(土) 23:00:19
人造人格プログラム、人格拡張アプリ、アーキタイプ、補助知性・補助人格・・・

もう納期なんて良いや!昨日出会い系アプリで誘われたネッセちゃんと遊びに行っちゃおー!

498言理の妖精語りて曰く、:2019/10/22(火) 21:55:48
ひみつ大学虚無学部ドーナツの穴学科の教授ヘーゲルナッツは遠い昔に忘れられてしまった魔法の体系を甦らせようとした。彼にとってそれがドーナツの穴とか虚無とかとの戦いだったのだ、たぶんね。

499言理の妖精語りて曰く、:2019/10/28(月) 10:36:26
【ドーナツの穴研究】は、虚無と価値についての崇高なる研究・・・のはずであったが、いつの間にかドーナツを食べる会合へと変貌してしまったんだ
ドーナツの穴を研究するには、ドーナツを食べなければいけない

でも、ドーナツを食べ終われば、ドーナツの穴も無くなってしまう・・・
この矛盾を追求するためには、やっぱりドーナツを食べないとね!
というわけで、新しいドーナツを買うための研究費ください!

500言理の妖精語りて曰く、:2019/11/05(火) 15:54:51
【図形魔法】は、図形(シンボル)を描くことによって、その力を得る魔法である

「円」は、満ち足りたもの
円を描く魔法は、回復・防御・修復・移動などの汎用性を持つ

「三角」は、尖ったもの、攻撃的なかたち
火をおこし、穿ち、突き、破る
それは扱いづらいが、未来へと突き進む進歩の魔法

「台形」は、安定のかたち
ゆるがぬ形は土台を作り、時にそれは長大な防壁とも防波堤ともなる

501言理の妖精語りて曰く、:2019/11/08(金) 07:50:10
イメージで現実に影響を与える【操想術】は、四種に大別される

イメージを物体や生物に変える【具現化】
対象物がもともと持っている性質を強める【強化】
物体の色彩や形状・性質を変える【変化】
物体を操る【操作】

だが、【操想術】の原型である【夢想魔術】には、第五の系統が存在した
【喚起】
集合無意識の中に潜むとされる神や悪魔に祈り、訴え、その力を引き出したり「そのもの」を呼び出す系統
現代技術の枠組みから外れた第五の系統
それが持つ重大な意義の見落としは、【悪夢狩人】(ナイトメアハンター)が制度化された後になってようやく見いだされることになる

それは、大いなる災厄であった・・・・・・・・

502言理の妖精語りて曰く、:2019/11/09(土) 22:26:58
【操想術】において、そして【夢世界】において、最も大きな危険は自滅である
闇はいつでも我々のそばにあり、あらゆる信仰は、容易く自己の滅びへの堅信へと変わりうる・・・

503言理の妖精語りて曰く、:2019/11/11(月) 07:18:01
【操想術】には、四つの系統以外にも「零番目」というべき基本的な性質も存在する
それは、そもそも【悪夢迷宮】を視認するためには不可欠な素養であり、誰もが当然持っているとされている素養でもあった

【共感】

恐ろしい怪物も、美しい迷宮の花園も、不合理ながらも対象の恐怖とともにその威力を確かにする呪いにしても、それは【迷宮】に踏み込んだ者たちの【共感】性に支えられているのだのやりとり
【迷宮】における攻防のやりとりも相手との【共感】無くしては不可能だし、【悪夢迷宮】への侵入にしたところで、それは【迷宮核】(ナイトメア・コア)となった人物や【世界記憶】(ムンドゥス・ムネーモシュネー)の断片への【共感】あってのモノ
もし他者への【共感】を一切抱かない強者が居たとしても、その者はいかなる【夢】の物語や舞台に登場することが出来ず、それを動かす力を持たないだろう
あるいは、一方的に他者から【共感】され、自分からは作用しない舞台装置や小道具(マクガフィン)言わば「空白の歯車」として扱われることなら、あり得るかもしれないが・・・

504言理の妖精語りて曰く、:2019/11/12(火) 06:22:31
呪文とは何か
それには多くの解釈がある
目的を達成するだけのプログラム、自他へ暗示をかけること、「もう一つの現実」を作り上げ現実を上書きするもの、果ては言葉とは【言霊】という一種の霊的な生命でありそれ自体の意志と目的を持つという解釈まである

そして、私が提唱したいのは、いわば『呪文キャッチボール説』とでも呼べるようなものだ
呪文はそれだけでは一つの仮定・現実からは浮遊した【記号】に過ぎないが、それを受け止め、反応する者がいれば、それはその者との間では現実になり得るのである
もっとも、投げたボールを相手がきちんと投げ返してくれるとは限らず、慣れていない犬のようにそのままどこかへ持ち去ってしまうことも十分にあり得るのではあるが

505言理の妖精語りて曰く、:2019/11/13(水) 09:13:34
・キュトス式の九つの魔法種別

トリステラ:願いを叶える、イメージを具現化
サンズ:環境操作
ダーシェンカ:生活を便利にする
ディスペータ:戦う・人を守る
ラクルラール:コミュニケーションと政治生き物を扱う
カタルマリーナ:治癒
ビークレット:物体操作・熱量操作
アーザノエル:研究調査

506言理の妖精語りて曰く、:2019/12/07(土) 11:02:36
本来、ヒトの内側だけで完結し、外からうかがい知ることが出来ぬヒトの心
それを、外界へ侵食させ、表現する魔術がある

『猫の国』のカミにホトケというのがいるそうだが、このホトケは、それぞれ自身の教義に基づく領土『仏国土』または『浄土』を持つ
これにちなみ、こうしたヒトの心を環境に表現し、小世界を構築する魔術を『浄界』と呼称するのである

507言理の妖精語りて曰く、:2019/12/21(土) 22:48:34
『魂の偽造について』
異国より伝えられし、覗き見箱(ダゲレオ・ボックス)による姿の定着技術【写心術】
写した対象の魂を削るため、【殺影】とも呼ばれ恐れられたその行為から、さらに、様々な技術が生まれた
【魂の偽造】は、その一つである

それまで、魂を奪われた奴隷【服従者】(イエス=マン)や永遠の命を持つ貴族【封影貴族】(アルバ・マー)などを作り出すだけの技術だと思われていた【写心術】
それに、新たな活用法を見出したのは、当時新進気鋭の魔学者エイトリ・ブロックであった
奇想天外な発明で知られる彼女はこう考えたのだ「霊や魂は、写真に映像として残すことが出来る。では、その逆に写真の映像から魂を作ることは出来ないだろうか?」
この発想こそが、【魂の偽造】の発明につながったのである

508言理の妖精語りて曰く、:2019/12/22(日) 22:55:17
家族写真とは、呪術である
それは、肖像画に起源を持ち、家族と「認定される範囲」そして社交や生存における基本単位(ユニット)としての家族概念の確立と共に始まったのである。
それはすなわち、「血の幻想」、類似性を基盤とした親密さと助け合いを義務とするひとつの「想像の共同体」、その永続を保証するものであった・・・・・・・・。

509言理の妖精語りて曰く、:2020/01/04(土) 10:48:17
魔力は、ときに自壊によってもたらされる
病による孤独と孤立
必然的な隔離が、心の乾きと腐敗をもたらし、それが魔なる力となって威を振るうのだ

510言理の妖精語りて曰く、:2020/04/11(土) 08:27:32
妖精の呪文は気まぐれで、効果がまるで分からない

511言理の妖精語りて曰く、:2020/05/11(月) 11:40:27
●紀神の代表的な奇蹟(申請術)のリスト
○レーヴェヤーナ
知識系、自分の情報を整理したり、神々の図書館から知識を得ることが出来る。
アイディアについては、基本的に担当していない。
より強力な奇蹟の申請には上位契約の締結が必要であり、強力さに応じた量のコジンジョウホウやデータサンプル・報告(レポート)の提供を対価として要求される。


・記憶精査(バックログ):記憶を振り返る
・分野確定(レファレンス):今抱えている問題の解決には、どんな知識が必要とされるのか
・行跡複写(コピーアクション):【神々の図書館】から、職業・技術・特定個人などの言動パターンを抽出し、モノマネする。完全な複写(コピペ)であるため、戦闘などの即応性が必要な作業には向かない奇蹟。

○アルセス
知恵と勇気担当
旅人や戦士が良く使用する

・小さな勇気(リトルブレイブ):鼓舞系最下級。ほんの少しだけ勇気を得る。
・閃き(アイディア):いい考えを思いつく。案の内容は発案者の知識に依存するため、知らないことや認識していないことが多いと役に立たない。連続使用すると頭痛が起きる。
・小さき灯火:証明系最下級。手から小さな火を出す。
・鋭化(キーン):手に持った物体を鋭くする。強度は変わらない。
・木よ槍になれ:そこらへんの木の枝などを槍に変える。強度や破壊力には限界があるため、あくまでその場しのぎの武器に過ぎない。
・英雄化:申請者の全能力を大きく強化する。最大でも三分間しか持続せず、効果終了後に後に、筋肉痛などの反動があるのが欠点。

512言理の妖精語りて曰く、:2020/05/17(日) 08:24:40
○アエルガ=ミクニー
変身と混乱、そしていたずら用の奇蹟ばかりが揃っている。
ミクニーのおかげと宣伝しなかったり、地味な使い方ばかりしていると、通告無しにいきなり契約解除されることも 
気まぐれで強力な奇蹟を授けられることもあるが、授けられたものが使いこなせないことも多い

・月に従わぬ者:「月」の支配から脱することによって、女性の生理期間を変更する。
・多色閃光:カラフルな光と煙を出して目をくらませる。
・妖精歩法:忍び足。足跡や足音が残らないが、 植物会話やアカシアサーチなどには流石に引っかかる
・お任せ変身:(メイクアプ・オーダー):ミクニーが適当に変身させてくれる。一応注文をつけることは可能だが、聞いてくれる保証はない。何になるか分からない変身だが、正体がバレることはまず無いのが強み
・月夜の目隠し:月の光を浴びなければ見えない影となる。熱感知・魔力感知・気配感知・臭跡追尾・そして聴覚には引っかかる
・鳥獣変身:任意の動物や鳥に変身できる。本能に引っ張られがちなのが難点
・幻影:演出から欺瞞や隠蔽まで、幅広く応用できる奇蹟。 使い方が悪いとミクニー駄目だしされたり取り上げられる

513言理の妖精語りて曰く、:2020/09/07(月) 08:53:29
呪術の根幹は【呪素(じゅそ)レストロオセ】、通称【レオ】にある
電磁場、核力、重力、霊子の全てを説明できる【大統一理論】は、その発見によって確立されたのだ

514言理の妖精語りて曰く、:2020/09/07(月) 23:05:12
呪術とは、関係性の構築である
そう、我々は定義している

それは、世界を法則ごと上書きするマギアビジネス界の【ヴィジョン・スキーム】とも
仮装と演技によって神々の行いを再現し、そこに己自身の真なる実現を顕現させるマシーナリー劇団の【ミュトス・アクト】とも
さらには、言葉と韻律で全てを語り直す神話歌劇ギルドの【ミュトス・シンセサイズ】とも異なるものだ

異なるもの同士の間に、あるいは全くの無に「関係性」が見いだされるとき、そこに新たな法則(ルール)と位置(ポジション)が構築され、物語(ミュトス)が始まる
そして、そこに世界(ステージ)が産まれるのだ・・・・・・・・

背景や舞台は最後の最後で良いし、運命(プロット)でさえ、その美しき創造の前には後付けの外装(ハリボテ)に過ぎない
進行などはノリで良い
結末(エンディング)と役者(キャラクター)さえしっかりしていれば、命題(テーマ)などはくずかごに捨ててしまえばいいのである

515言理の妖精語りて曰く、:2020/09/09(水) 23:22:47
呪術の糸は、どこへだってつなげられる

516言理の妖精語りて曰く、:2020/09/10(木) 01:45:32
「なんだろうこの糸は」と何気なく引っ張った糸は、
大規模な術式につながっているかもしれない。

私はそれで警察に怒られました。

517言理の妖精語りて曰く、:2020/09/16(水) 23:00:03
まあ、大規模な術式は、ほつれるものである

518言理の妖精語りて曰く、:2020/10/19(月) 22:44:37
たとえ量子暗号といえど、量子的な猫の前ではお手上げだ
ねじり鉢巻に黒エプロンをした漁師であり、鹿撃ち帽とライフルを構えた猟師でもある猫たちは、あっさりと情報を抜き取って、いや、狩り取っていてしまう

あとに残されるのは、量子的なニヤニヤ笑いぐらいのものである

519言理の妖精語りて曰く、:2020/11/25(水) 08:37:37
不可逆自在魔法陣

520言理の妖精語りて曰く、:2021/01/25(月) 10:42:34
光ファイバーが描く魔法陣や聖印、風鈴が奏でる呪歌など、魔法技術は科学体系との統一が果たされないままに、その再現と応用だけが進んでいる

521言理の妖精語りて曰く、:2021/03/02(火) 16:55:30
宇宙魔法は宇宙の力を用いる魔法であり、全宇宙空間での使用を前提としている魔法である

522言理の妖精語りて曰く、:2021/03/05(金) 12:45:31
「神(ミーム)は、人を苦しめたり殺すための道具じゃねえ!俺と【神使い(ミーム)・バトル】で勝負だ!

少し先の未来
それは、人造の神にして神界たる【エンダーグリッド】と【ラクルラールシステム】が構成された時代

人類滅亡を防ぎ、再びその繁栄を取り戻すためには、人びとを隔離する【神泡】(フィルターバブル)を砕くしかない!
そのため、まだ柔軟な思考をもって【泡外】へ出入り出来る少年少女たちが、神(ミーム)の力を使ってバトルを繰り広げなければならないのだ!

創造(ジェネシス)せよ!【神使い(ミーム)・バトラー】たちよ!
己が意志と言葉によって神(ミーム)を操り、人類の未来を握る覇権者(ミーム・マジョリティ)の座を勝ち取るのだ!

523言理の妖精語りて曰く、:2021/07/19(月) 11:12:18
【月光昇段】(トラクタービーム・エレベータ)
月光は心を惹く
そして体は心に引きずられるもの

それゆえに、月光を増幅させる魔法陣は、月の都市への階段を形作ったのだ

古代の遺跡は、これと望郷の念を利用した【望郷降段】を用いて土地権利の争いが少ない【宙の土地】(ブラック・オーシャン)に軌道都市をも築いた
それは、海路や空路を用いない、歩みのみで世界を渡ることが出来る回廊であり、一つの巨大な商店街(マーケット)であったという

現代の人間たちは、地上に残された貧民街だけを見て古代の文明を評価しているが、それは大きな間違いだ
古代文明の本質は【宙】(ソラ)にあったのである!

我々研究チームは、ついにそれを解明したのだ!

524言理の妖精語りて曰く、:2021/07/22(木) 18:53:51
サンシとヤインの力を借りる「双鮹魔術」

この術体系において、サンシはヤインの力の本流を制御するはたらきも担う。
ヤインの力のみを借りれば、圧倒的な奔流を行使できるが、
制御なしのヤインの力はまさに津波や波乱の如しであり、尋常の術者に扱える代物ではない。

525言理の妖精語りて曰く、:2021/07/23(金) 09:42:06
水タバコを使用した魔術は、大陸中南部の伝統であり、観光産業でも人気がある

526言理の妖精語りて曰く、:2021/08/01(日) 08:13:36
呪文とは、神の言語による世界の記述であり、これを完全に成し遂げることに成功したものを【完全詠唱】と呼ぶ
それこそが、現象の完全な再現を実現した神域の業
それを成したものは、生きながらにして伝説となるのだ

527言理の妖精語りて曰く、:2021/09/04(土) 23:20:34
【図形魔術】を突き詰めれば、万物を構成する五つの要素、すなわち【五輪】に到達する
四角・丸・三角・半丸・宝珠の五つの図形はその基本なのだ

上級者になれば、立体などの【高位図形】を用いることもあるが、なんといっても、この【五輪】の扱いこそが【図形魔術】の基礎にして究極である
内燃車や汽船などの【図形燃焼機関】(ピタゴラス・エンジン)の全てに【火三角】と【風半丸】が描かれているように、こうした図形の組み合わせこそが【図形魔術文明】(ピタゴラス・テクノロギア)を支えているのだ

528言理の妖精語りて曰く、:2021/09/05(日) 18:36:02
【アレク】と【サンドリア】は互いに、半分に砕けた宝石を持って出会った。

その宝石をめぐる戦争のことを、後の世の歴史家は【宝石戦争】と呼び、皆こぞって語りたがる。

なぜならば、彼と彼女こそが、その戦争の顛末を後世に残すために世界初の図書館、
【不滅図書館】を発明したのであるからして。

その戦争の詳細が焼失も逸失もせずに丸々史料として残っているのも道理なのだ。

529言理の妖精語りて曰く、:2022/05/28(土) 23:18:36
『レゴンの足引き』
悪霊レゴンによる死霊喰らいを再現する古代魔法。
書物によっては『ガーランゼの影喰い』、『レギオンの招き』とも。
導式書として有効な書物は『悪霊図鑑』『ディルノラフの鍵』『グリモワール・オブ・レギオン』『近代魔史学研究誌・五十三号』など。
対象とした影から無数の腕が伸び、地の底へと引きずり込もうとする設置罠型術式。
生者に使用することも可能であるが、伝承の通り、特に死者に対して絶大な効果を発揮する。

530言理の妖精語りて曰く、:2022/06/24(金) 07:57:38
【獣人類】

【人類】と全く同等の原初の魔法、気まぐれの女神アエルガ=ミクニーによって使われたとする説がある
これらの魔法によって、世界は幾度も上書きを繰り返されているというのだ

同様多種の魔法に【機械人類】【魚人類】【たこやき人類】【トントロポロロンズ人類】などがある

531言理の妖精語りて曰く、:2022/06/28(火) 18:49:01
ちなみに【人類】と全く同等である理由は【獣人類】の魔法行使のプロセスの中に【人類】の魔法がそのまま丸ごと入っているからである。
つまり【獣】という特に意味のない余分な過程を付け足しただけの【人類】なのだ、もちろん、その他の類似魔法も同様である。
なお、これらの亜【人類】とも言える魔法が書かれた魔導書の多くは亜人種を迫害してきた国家の勢力圏で見つかっており
その殆どが亜人種によって書かれたものである。

532言理の妖精語りて曰く、:2022/08/20(土) 02:43:06
【魔法】とは何か?
それは一個の世界観、一個の法則体系、一個の秩序、すなわち法である。
我々の世界、否、世界一般は、法から成る。それは数学的法則であることもあるし、一つの鮮烈な印象であることもあるし、類比に基づく呪術であることもあるし、存在そのものであったりする。その形態は様々であれど、世界が世界たるためには、完全に無秩序なものであることはできない。その秩序が、法である。そして我々は、我々の属する世界のものでない法を、魔の法、魔法と呼ぶ。

533言理の妖精語りて曰く、:2022/08/20(土) 02:47:56
【魔術】とは何か?
魔術とは、異世界秩序体系、つまり魔法の諸帰結に基づく技術である。
今かりに、指を鳴らせば火が噴く、という法を考える。これは我々の世界には存在しない法であるため、魔法である。そしてこの魔法に基づき、実際に指を鳴らして火を起こし、敵を攻撃したり水を沸かせたりする、これが魔術である。

534言理の妖精語りて曰く、:2022/08/20(土) 02:50:57
【科学】とは何か?
科学とは、我々の属する世界の法の探究、そしてその諸帰結の応用である。
魔術とは魔法の諸帰結の応用であることを考えると、科学は我々の世界における魔術であるとも言い換えられるだろう。

535言理の妖精語りて曰く、:2022/08/20(土) 02:56:37
【究極魔法】とは何か?
究極魔法とは、全ての世界の法(魔法)をその内に含み込んだ魔法のことを言う。全世界の究極的法則、万物理論、とも言えるだろう。
【究極魔法】は今のところ理論的にその存在が措定されているに過ぎないが、その実相に迫るための探究は今も続けられている。

536言理の妖精語りて曰く、:2022/08/20(土) 02:59:58
【ゆらぎの神話】とは何か?
【究極魔法】、あるいは【究極魔法】へ至るための一つのアプローチ。

537言理の妖精語りて曰く、:2022/08/26(金) 20:41:57
【嘆く火成岩】は一世を風靡し大魔法とまでよばれた呪文だが、後に様々な呪文からの剽窃・盗用が発覚し禁呪に指定された。

538言理の妖精語りて曰く、:2022/09/14(水) 12:59:18
【バフファハフ】
Ba-Hufahaf
[[ノローアー]]を滅する光。
[[パラデムルクスクルスクスル]]では聖者が発する後光であり、このバフファハフという単語の語意は「正しき光」である。
これはノローアーに対して放つと絶大な破壊力を発揮する光だが、正確には「ノローアー」のみならず「ノローアー的外見をした存在」なら[[神々]]でも[[物質]]でも[[概念]]でも破壊対象である。
例えば、ノローアーが登場する[[物語]]に対してこの光を放てばノローアーの登場シーンだけが綺麗に削り取られる。

539言理の妖精語りて曰く、:2022/11/06(日) 09:08:09
【連想タロット式夢想具現化】
カード補助によるイメージの増強は、初心者にもやさしい
しかし、これでは逆にイメージが限定されるとして【古式夢想魔術】の使用者からは激しく批判される傾向にもあるのだ

540言理の妖精語りて曰く、:2022/11/22(火) 16:50:43
【資料術】により過去に失われた資料を呼び出し使役できるようになったことは、文明の発展に大きく寄与した。

541言理の妖精語りて曰く、:2022/11/28(月) 00:47:47
魚や魚人類の息は、水中にて泡となるが、これはそのまま魔法陣や結界を描くことにも使うことが出来る
これぞ、《水泡魔法陣》である

542言理の妖精語りて曰く、:2023/01/25(水) 23:06:26
強力な魔術師の署名(サイン)は、そのまま魔術を発動させる鍵ともなる
それは、肖像画のものであっても変わることがない

543言理の妖精語りて曰く、:2023/03/25(土) 12:52:25
植物文明においても電気は医療機器などに使用されるし、石油を代替する油なども存在する
だが、電気エネルギーを取り出す効率が石油文明時代に比べてかなり悪化しているため、そうした旧時代の技術の利用はあくまで一部に留まるっているのだ

544言理の妖精語りて曰く、:2023/06/23(金) 18:07:22
科学によって病人というレッテルを貼られた異端者が、魔法の如く次の時代を作っていく。

545言理の妖精語りて曰く、:2023/09/05(火) 21:24:40
直接呼び出したり描く対象を明示しない呪文を【間接呪文】と呼ぶ
【間接呪文大系】では、より間接的であるほど、そして短いほどそれは強力な呪文であるのだとか

伝説によれば、一流の間接呪文使いは冬や寒さに関する現象や物体だけを用いて、強大な焔を巻き起こすことさえできたのだという……!

546言理の妖精語りて曰く、:2023/09/12(火) 10:25:43
【飛来魔導】は、【飛来神群】という異界の奇怪なる神々の挙動を、こちらにおける人間の言語もしくは数学的法則に翻訳し、それを再現するというものであると言われている
ただ、その使い手があまりに少なくまた秘密主義であるため、その実態は明らかではない

547言理の妖精語りて曰く、:2023/09/17(日) 06:37:56
【間接呪文】の中でも発想と気まぐれの神アエルガ・ミクニーに強く関連付けられた技術を【飛躍詩文】と呼ぶ
だがこれは、あまりにオリジナリティを重視するがゆえに、体系的なものにはならなかった

オリジナリティにこだわるあまり逆にあらゆる既存パターンを意識したその呪文は、きちんとした効力を発揮することもなく、歴史の闇へと消えていってしまったのだ

548言理の妖精語りて曰く、:2023/09/29(金) 16:02:37
浮き黒カエルの使用する呪術は、浮きやすさと暗さと湿っぽさという、彼女ら彼らにとって重要な三つの要素によって特徴づけられる。

549言理の妖精語りて曰く、:2023/10/04(水) 21:56:19
脂肪を燃焼させるついでに、周囲も燃焼させる赤魔術

550言理の妖精語りて曰く、:2023/10/04(水) 21:57:25
なにを隠そう、ダイエットを敢行したトントロポロロンズの末路が、焼きトントロポロロンズである

551言理の妖精語りて曰く、:2023/10/04(水) 21:59:18
脂肪燃焼魔術使いは脂肪を燃やして魔術を行使するため、頻繁にリバウンドを繰り返す

552言理の妖精語りて曰く、:2023/10/04(水) 22:08:15
消費するカロリーが無くなった脂肪燃焼魔術の最後の手段「自色作用(オートファジー)」。腹の鳴る音だけで大地が震え、その命と引き換えに発する炎は、一時的にだが太陽にも匹敵する

553言理の妖精語りて曰く、:2023/10/06(金) 11:30:26
【聖文字術】は、神に授けられた(あるいは奪った。諸説ある)原初の文字を用いてさまざまな奇跡を起こす術である
その発言方法は大きく分けて「印字」と「投影」のニ種存在し、またそれぞれ、多様な使用方法に分かれている

近年目立つのは、宝石の内部に掘った文字を壁などに映し出す「投影」式であり、これはかつては王族や貴族専用の伝統と権威を示す術であった
それは、宴会などにおける幻影術による演劇や所持者の登場演出、更に服に縫い込むことで密かに隠し持たれたり罠として仕込むことにより、私的な交流の補助や暗殺などに用いられたことで有名である
蝋燭や松明の輝きで壁に照らし出されたその文字は、多様な神秘を以って今日まで伝わる物語に欠かせない一部となっている

しかしそれも、現代では贈答用の人造宝石や児童向けの合成樹脂製のおもちゃなどに仕込まれるようになってしまった
魔術文明の技術発展がもたらした変化が果たして良いものなのか、それとも失望を誘うものでしかないのか
その価値を決定づけるのは、おそらく、我々自身がそれらをどう認識するかに左右されるのだろう

美しさとは何か?
価値とは?
貴族や王族が支配するきらびやかで闇が深い専制支配の時代と、現在我々が暮らす魔導科学と魔伝民主主義の時代は、どちらがより素晴らしく感じられるのか?
聖文字術の変遷について論じたいというのなら、そうした物事を深く考察することは不可欠であろう

554言理の妖精語りて曰く、:2024/04/09(火) 17:33:03
目的論
この世界そのものが、創世神の目的、その意図のもとで動いているものとする世界観においては、世界そのものが目的論のもとにあると言える
その観点から言えば、神に祈祷する類いの【神聖/申請魔術】はもとより、あらゆる自然に隠された法則(オカルト)を利用する魔術は、畢竟(ひっきょう)そこに帰着すると観ることが出来る
これが【神の意図】を基盤とする魔術観である

それに対し、あらゆる人の行動、そしてその結果を【人の意図】に帰着させることを目的とする魔術観も存在し、これは全ての男女は星であるとする……(以下の文章は途切れていて解読できない)

555言理の妖精語りて曰く、:2024/04/09(火) 17:50:30
魔術における象徴(シンボル)道具(アイテム)とは、鍵のようなものだと言うことが出来る
それは、「扉」を作り出して異界あるいは己の裡(うち)から力を引き出し、あるいは何かを呼び出す
そして鍵である以上、それは「開閉」すなわち魔術の中止・中断を含めた「制御」を目的としたものでもあるのだ

556言理の妖精語りて曰く、:2024/04/09(火) 18:13:22
鍵は外部と内部をつなげて世界を変質/創世し、異界の法則をこちらへ導く


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