したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part30

1■■■■:2017/08/22(火) 17:29:57 ID:2XKhrfdk

上条さんと美琴のSSをじゃんじゃん投下していくスレです!
別に上条さんと美琴だけが出てくるスレじゃありません。
上条さんと美琴が最終的にいちゃいちゃしていればいいので、
ほかのキャラを出してもいいです。そこを勘違いしないようにお願いします!

◇このスレの心得
・原作の話は有りなのでアニメ組の人はネタバレに注意してください。
・美琴×俺の考えの人は戻るを押してください。
・このスレはsage進行です。レスする際には必ずメール欄に半角で『sage』と入力しましょう。
・レスする前に一度スレを更新してみましょう。誰かが投下中だったりすると被ります。
・次スレは>>970ぐらいの人にお願いします。

◇投稿時の注意
・フラゲネタはもちろんNG。
・キャラを必要以上に貶めるなど、あからさまに不快な表現は自重しましょう。
・自分が知らないキャラは出さないように(原作読んでないのに五和を出す等)。
・明らかにR-18なものは専用スレがあるみたいなのでそちらにどうぞ。
・流れが速い時は宣言してから書き込むと被ったりしないです。投稿終了の目印もあるとさらに◎。
・創作しながらの投稿はスレを独占することになりますので、書き溜めてから投稿することをお勧めします。
・このスレはsage進行です。レスする際には必ずメール欄に半角で『sage』と入力しましょう。
・以前に投稿したことがある人は、その旨記述してあるとまとめの人が喜びます。
・ちなみに1レスの制限は約4096byte(全角約2000文字)、行数制限は無い模様。

◇その他の注意・参考
・基本マターリ進行で。特に作品及び職人への過度なツッコミや批判は止めましょう。
・このスレはsage進行です。レスする際には必ずメール欄に半角で『sage』と入力しましょう。
・クレクレ(こうゆうのを書いてください)等はやりすぎに注意。
・読んだらできれば職人にレスしてあげましょう。職人の投稿するモチベーションを維持できます。
・誰か投下した直後の投下はできれば控えめに。
・倫理的にグレーな動画サイト、共有関係の話題はもちろんNG。
・書きたいけど文才無いから書けないよ!
  →スレの趣旨的にそれでも構いません。妄想と勢いでカバー(ネタを提案する程度でも)。

◇初心者(書き手)大歓迎!◇

まとめページ
とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫 / 上条さんと美琴のいちゃいちゃSS
ttp://www31.atwiki.jp/kinsho_second/pages/81.html

まとめページの編集方針
ttp://www31.atwiki.jp/kinsho_second/pages/213.html

スレ立て用テンプレ
ttp://www31.atwiki.jp/kinsho_second/pages/82.html

18鉄橋は3:2017/09/09(土) 14:10:01 ID:BDPsoOjA
コンプリート、

パーフェクト、

役満、

ロイヤルストレートフラッシュ、



とにかく、ここにいる全員にラッキースケベをぶちかましたのだった。

「っ、わ、悪い!! 違うんだ!! これも全部偶然で…………まって、殺気がすごい!! …………ん? どうした?」

被害者全てが上条を睨み、
加害者がどっさり汗を流していた。
しかし、すぐに状況が変わる。
怒り狂った猛獣たちが、怯え、少しずつ後退していったのだ。

「まっ、待ってーー、攻撃されるのも嫌だけど、恐がられるのはもっといやよー。ほらー、みんな大好き、優しい上条さんですよーー…………ん?」

セリフの途中でみんな逃げ出す。
で、気付いた。
視線が自分の後ろを向いている。
ガタガタと震えながら後ろを向いた。





雷神様御光臨。

19鉄橋は3:2017/09/09(土) 14:11:48 ID:BDPsoOjA
「あ〜〜、み、美琴さん?」

「アーーーーンーーーーターーーーはーーーー、相変わらずかコラァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

バギギギギキキキキンッ!!
と幻想殺し大活躍の巻。

「ちょ、ミコッちゃんっ!!どわっ!! し、死ぬよ!! 」

「いつもいつもいつもいつも!!」

「ぬおおっ!! のわぁぁあああああ!!」

「あぅー…………だぅだ」

美琴に抱かれたインちゃんジト目。
上条さんは涙目。
ミコっちゃんはツリ目。

「アンタはわたしの目の前で、女の子とイチャイチャすることを習慣にでもしてんのかコラーーー💢💢」

「さ、最後記号ですよ!! なんて言ってんだよ!!」

ここにきて、ボロボロの男性陣がようやく追い付いた。
女性陣もおずおずと戻ってくる。
しかし、彼らは戦闘を止めない。

「大概、に、しろーーーー!!」

「ちょ、こら、落ち着きなさい」

なんとか走りより、頭に右手を置く。
当然間近で美琴の怒りを受けることになるのだった。

「ふしゃーーーーーー!」

「猫かよ!! あとお前の前で誰かとイチャイチャした記憶なんてないし、イチャイチャする相手なんていねーよ!!」

神裂が刀に手を伸ばすが、ステイルが制止。本題ではないのだ。
その間に美琴は当然のツッコミを入れる。

「自覚なくフラグ立ててんならより問題だコラーーー!!」

「ならお前もだろ!! 外歩けば男が全員お前を見てんだぞ!!」

「どーせアンタを見てんのよ!!」

「んな訳ねーだろ、怖えーこというな!!」

周囲はどうしたものかと思案するなか、全無視してヒートアップするバカップル。
しかし、だんだんと様子が変わってくるのだった。

20鉄橋は3:2017/09/09(土) 14:14:16 ID:BDPsoOjA
「だいたい、短パンはいてるからって油断しすぎなんだよ。青少年は太ももでもワクワクできると知りおけ!!」

「うっさい!! そーゆーアンタはどーってことないくせに!!」

「どーってことあるわ!! 毎度視線を自制してんだぞ!! いっつもドキドキしてんの!!」

「それはこっちもだっての!! 台所に立つ姿とか、インデックスをあやす様子とか、いつもキュンキュンしてるんだから!!」

「あのなぁ、お前の笑顔の破壊力知らないだろ? インデックスだけじゃなく、オレも癒されまくってんの!!」

風邪が通った。
一方通行が帰り始めたのを皮切りに、皆が帰路についていく。そんな中、神裂が半目で美琴の元に近づいた。
何故か彼らはより盛り上がっており、一方のインデックスは、うつらうつらと船をこいでいる。

「洗濯のとき、毎度アンタの匂いでフワフワしちゃう身にもなれっての!!」

「お前こそ、下着を風呂場に干すときは言えよっ!! 心臓に悪いだろ!!」

神裂、再度ため息。

「盛り上がっているところ、申し訳ありません。インデックスがもうお寝むのようなので、先に連れて帰っておきます」

「アンタが起きたあとこっそり布団にもぐって…………あ、ごめんなさい、ありがとう神裂さん」ウガーペコリ

「いつも悪いな……。あのなぁ、オレだってお前の後に風呂に入るといつものぼせてるわ!!」ペコペコゴラァ

呆れ顔でその場を離れる神裂の手には、幸せそうな顔のインデックス。
夫婦喧嘩は、

「だから、アンタの側にいると、すんごい幸せなの!! ポワポワしちゃうの!!」

空に星が瞬きだすまで続いた。

「オレの方が深刻だって言ってんだろ!!」

「アンタがほかの女の子のもとに行ったらって考えるだけで足が震えるの!!」

「だからオレの話だそれ!! お前がイヤじゃなかったら、ずっと側にいてやるっての!!」

「言ったわね? 今更取り消しはできないからね!!」

「そっちこそ腹くくれよ!? 不幸人間とずっと側にいることになんだぞ!?」

「なによそんなのっ!! 逆に幸せにしてやるわよ!!」

「言ったな!!」

「お互いでしょ!!」

「上等だ!!」

パアンッ、と互いの手が鳴る。

「よろしくな!! 彼女!!」「よろしくね!! 彼氏!!」

彼らの表情が、星ぼしの光でよりいっそう輝いた。

21鉄橋は3:2017/09/09(土) 14:15:09 ID:BDPsoOjA
おまけ!!

その男は、相変わらずであった。

「蒼然、どこにいらっしゃるのだ」

いや、正しくはその男『たち』である。

「いや、なんで私まで赤子探しに付き合っているんだ?」

灼熱の太陽の下、大の男2人、過去を求めるアウレオルス=イザードだった男と、過去から逃避する天井亜雄だった男は、赤子を探してさ迷う。
天井は汗を流しながら思案した。
そもそも、そもそもだ、

「そもそも、その赤子を抱くことで、本当にお前の記憶は戻るのか?」

「当然、知らん」

いしやーきいもー、おいも。ほくほくぽかぽかの、いしやきもはーいらんかねー。

「ふざけるな!! 私は帰る!!」

「待て!! 未然、手持ちぶさただといったのはお前だろう? 漠然、手伝ってくれてもいいではないか!!」

「うるさい、そんな曖昧な情報信じられるか!!」

「断然、あの赤子だけは記憶が無くなっても大切だと信じられたのだ!! 歴然、私の過去を取り戻すきっかけになるに違いない!!」

過去

天井の顔が曇る。

『つまり、ミサカは、あのヒトに殺されるために産まれたのですね? とミサカは製造者に確認をします』

歯が、ギシリと鳴った。

「やめてしまえ」

言葉が自然に発せられ、天井は心のどこかで自分の言葉に怯んだ。
目の前の男の瞳孔が開いている。
それほど、自分の表情は異様なのだろうか?

「記憶を取り戻す必要などない。お前は今平穏に生きているのだろう。ならば過去など不要じゃないか」

口をついて出た言葉は止まらない。

「過去のお前は大罪人かもしれない。人殺しかもしれない。世界から存在を否定されたのかもしれないのだぞ」

頬に汗が伝う。
なぜ自分の方が攻められているように感じるのだろうか。
思案の末、気づく。

あぁ、彼の瞳のせいだ。
彼は自分の行動を、あの赤子を信じている。

「截然、一理ある。さて、君は錬金術を知っているか?」

戸惑う。
想定外の単語だ。

「判然、錬金術は我々が携わっている科学の前身だ。無から有を産み出そうと、卑金属から貴金属を産み出そうとした」

音も熱も消える。

「必然、それは叶わない。金を生むには、不可欠な過程や素材がある」

彼の瞳は、真っ直ぐだ。

「歴然、君との出会いも、過去、私が記憶を失ったからあるのだ。過去があるから今があるのだ」

眩しい。

「公然、過去を知らねば、罪も償えない。凛然ならば、知るべきだと私は思う」

ふと、彼は何かに気づく。
すぐに「あちらかーー!!」
と叫んで駆け出した。

残された自分が、なんのためにここに立っているか、わからなくなった。

22鉄橋は3:2017/09/09(土) 14:15:46 ID:BDPsoOjA
おまけ!!

インデックスは、美琴の腕できゃっきゃとはしゃぎ、美琴は赤子をあやしながら隣に微笑みかける。上条は、その瞳を受けながらインデックスに語りかける。
待ってくれ、それじゃ熟年夫婦だ。
まずは恋人の過程を踏みたまえ。
試行錯誤するが、上琴応援団の策はことごとく失敗している。
ここに来て、おずおずと提案したのは初春だった。

「こういうのはどうでしょう?」

しかし、佐天は怯む。

「……どっから出したのその紙芝居、絵は微妙にあの2人に似てるし」

「さて、上条さんと御坂さんはお互い両思いでありながらも、想いを伝えることができません」

「なんか始まった!!!?」

そんな御坂さんと上条さん、2人の子供同然のインデックスさんたちが進む道に、突然現れたのは3人の悪漢。
いきなり大ピンチです!!

『おゥ、テメェら、金出しやがれ』

『大人しくするんだ、僕たちの言う通りにすれば痛い目にはあわないですむ』

『おや、よく見たら別嬪さんやないの!! どや? そんなダサくてパッとしなくて、無駄に髪がツンツンしているヘタレ彼氏なんか捨ててボクと遊ばへん?』

悪漢に腕を掴まれる御坂さん。
このままでは薄い本の展開になってしまいます!!

『あーれー、助けてー当麻ー』

『よーし!、 そげぶ!!』

『『『うわー、やられたー』』』

『ありがとう、当麻大好き♥♥♥』

『実はおれも美琴のことすきだったんだー♥♥♥』

『わたしたち両思いだったのねー』

「こうしてお互いの想いを伝えあった2人は交際を開始するんです。数年後、ついに結婚することになった上条さんと御坂さんは、大きな鐘のある教会で、大勢の人から祝福を

「な、なんという自分だけの現実ですの!!?」

「う、初春、あと何枚あるの? あといつ作ったの?」

「とりあえず、古典ネタ【コッテコテ】すぎやしないかにゃー?」

「ってか、お姉さまなら、そんな悪漢なんて軽々たおしちゃうよ!! ってミサカはミサカは触れないでいいレベルの問題でもちゃんと対応してみる」

「ってか、一番なんとかしたいところが適当じゃない?」

「その前によォ、配役が気に入らねェ」

「同感だね、ふざけないでくれるか?」

「そうなん? 御坂ちゃんに触れられるなら、その役も構わへんけぶきゃらべっ!!」

「…………薄い本とは、なんでしょう?」

「暴漢のセリフを考えたのは…………。ういはるは、かみじょうが嫌いなの?…………? はまづら?」

「あー、まぁ、やるだけやってみようと思って知り合いにメールをな」

23鉄橋は3:2017/09/09(土) 14:17:00 ID:BDPsoOjA
少しして、上条たちがドラッグストアでの買い物を終え、次の目的地へと向かった。
そこに近づく3つの影。

遠くで眺める応援団。
しかし、一部のメンバーは、すでに諦めムードである。
具体的には超電磁砲組。

「「「あ〜〜ぁ…………」」」

「どうしたんですか? いったい」

「アイツら誰なンだ?」

「んー、どっかの資料で見た気もするニャー」

「アイツらは一時期ヤバイものに手を出したヤツらで、今は更正していろんな人の手助けに奔走してんだよ」

「……まぁね、お世辞でも人相がいいとは言えないね」

回りの評判を無視して、
浜面は呼び出した連中の説明を始めた。

「左のヤツは丘原燎多【おかはらりょうた】。少し前に流行った幻想夢手【レベルアッパー】に手を出した発火能力者【パロイキネシスト】だ。銀行強盗とかやってジャッジメントされたらしい」

ドヤ顔で炎を掲げている。
白井は目頭を抑えた。

「右のヤツは有冨春樹【ありとみはるき】。嘘か真か暗部組織「スタディ」ってヤツのリーダーやってたらしい。滅茶苦茶頭いいんだよ。なんとかロイドの研究をしてたんだと」

ドヤ顔でメガネをクイッと上げている。
初春はため息を吐いた。

「あれ? どうしたの滝壺、変な顔して。まぁいいや。最後がすげぇぞ!! スキルアウト界の一世を風靡した、ビッグスパイダーの元リーダー、蛇谷次雄【へびたにつぐお】だー!!」

ドヤ顔でボスキャラらしく登場している。
佐天は眉間にシワを寄せた。

少女たちの心配はなんのその、ヤツらはドヤ顔のままで歩き始めた。

「さて、やるか」

「楽な仕事ですね」

「さっさと片付けるか」

なんだこのザコ感。
しかし、ターゲットの顔を確認した瞬間、ヤツらの顔は真っ青である。
思い出す、あの記憶。
全員で尻込みする。

丘原の炎がしおしおと萎んだ。

「お、おい、あの女、超電磁砲だぞ!!」

有冨のメガネがずれる。

「お、女にナンパして、彼氏にカッコつけさせるだけの話じゃなかったのか?」

蛇谷のリーゼントも元気がない。
だが、ガタガタと震えていた彼は、何かに気づくと目に少しずつ光を取り戻す。

「…………あの、超電磁砲の恋が、上手くいってないんじゃないのか?」

2人に衝撃が走った。
彼らの顔を見ながら、蛇谷は続ける。

「浜ちゃんが、オレたちに嘘つく訳がないだろ?」

皆、ゴクリと喉を鳴らした。
丘原の目にも炎が宿る。

「じゃあ、この頼みは、超電磁砲の恋の応援……」

有冨のメガネも輝いた。

「僕たちがやられ役になることが、彼女の助けになる」

蛇谷は、再びリーゼントを整えた。

「あぁ、これは、……道を踏み間違えたオレたちの…………恩返しだ!!」

24鉄橋は3:2017/09/09(土) 14:17:52 ID:BDPsoOjA
そして、彼らは行動に移る。
上条たちは、未だに日常会話を続けている。

「だぁぶ!!」

「でね、そのワカメなんだけどさ…ん?」

「マジかよ!おいおいそりゃドリルじゃないか…お?」

立ちはだかる、3つの影。
丘原は笑う。

「おゥ、テメェら、金を出しやがれ」

蛇谷はドヤ顔だ。

「大人しくするんだ、僕たちの言う通りにすれば痛い目には合わないですむ」

有冨は、キモい。

「おや、よく見たら別嬪さんやないの!! どや? そんなダサくてパッとしなくて、無駄に髪がツンツンしているヘタレ彼氏なんか捨ててボクと遊ばへん?」

応援団が全員でずっこける。
せめてキャストは考えて欲しかった。
美琴も半目である。

「は?…………お?」

しかし、彼女の前に躍り出る人物が一人。

「…………美琴に、手を出すな」

上条当麻である。
まさかの成功だ。
あと、覇気がすごい。

「だ、誰だ、お前はっ…………」

一瞬目を瞑った少年は、
静かに、己が名を口にする。

「上条、当麻。ただの、普通の高校生だ」

3人は目を見開く。

「まさか……上条って……」

「た、確かに……特徴的なツンツン頭だっ!!」

「お、お前が……あの!!」

ここで、上条が背負う光が一際輝いた。



「「「夜の街を駆け巡り、握った拳で並み居る猛者をなぎ払い、
気に入った女は老いも若きも丸ごとかっさらって、
草の根一本残さないと言われる上条当麻ァ!」」」



がくぅ、と膝から崩れ落ちる上条さん。
ヒーロー失格。
そこに、コツコツと靴音が響く。
不良3人が振り向いた。
暗闇から現れたのは、白の革靴に白のスーツ。
緑色の髪をした男がドヤ顔で立っていた。

ミコっちゃん、限界。





ビリビリ

25・・・:2017/09/09(土) 14:26:07 ID:BDPsoOjA
以上です。
いや〜〜ようやくちゃんとくっついたーー。
と、いうことで、「両想い編」すたーとです。

……本編でそろそろ設定がひっくり返りそうで……。

26■■■■:2017/09/19(火) 06:11:58 ID:EkU/i/.E
GJです。
いつも続き楽しみにしています。
上琴応援団の方々も本当お疲れ様でした。
人としての成長ぶりが素晴らしいゲコ太スーツさんも乙。

27・・・:2017/09/21(木) 00:16:08 ID:hK5hNuU2
どもです。
・・・です。
まだ読んでくださっている方がいましたか〜。
遅筆ですみませぬ。
楽しんでいただけたら幸いです。

では「育児日記」続きです。

改めて、諸注意です。
この物語はフィクションです。実在する人物・団体には一切なんの関係もありません。
で、自分設定が多分に入ります今更ですが!!
い・や・だ!! という方はスルーしていただければ助かります。

それでは

28ひとつ屋根の下 1:2017/09/21(木) 00:20:09 ID:hK5hNuU2
テレテレ。モジモジ。
めちゃんこピンク色の空気である。
リビングのフローリングに正座しているのは、2人の男女。

一人は男。いつもだらしない顔をよりだらしなくしている。
頭をかき、余所を向いていた目を一瞬ちらりと正面に向けたかと思えば、えへえへとにやけ頬をかく。
それを繰り返す。
ちなみに頬はピンク色。
ご存知上条少年である。

一人は女。凛とした姿はなく、全体的にだらしない。
膝の上で手をモジモジしていたかと思えば、下を向いていた視線を前に向けると、また下に向けてニマニマと何かを噛み締める。
それを繰り返す。
ちなみに顔は言葉にできないくらい幸せそうだ。
ご存知美琴お嬢様である。

2人は互いに向き合って、ソワソワモジモジしている。
いい加減うっとうしい。だが、そっとしておきたいジレンマである。

最初に動いたのは上条だった。
にやけるのを隠さず、正面を向く。

「美琴」

名前を呼ばれるだけで浮かび上がりそうになるが、必死に我慢。
正面を向くと、彼が優しさを滲ませながら微笑んでいた。

(にゃまわーわーわーわーわー!!)

至福!!

「???……美琴?」

なんか3㎜ほど浮いたように見えた。

「!! な、なんでしょう!!」

着地。
少し微笑ましく思った上条は、改めて美琴に告げる。

「美琴、不甲斐ないところもあるかもしれないけど、よろしくな」

何を言われるのかと思えば。
どこまでも真っ直ぐな彼の言葉。
何かが満たされていく。

「こちらこそ、不束者ですが、よろしくお願いします」

深々とお辞儀した後、えへへ、笑う美琴。
上条は、

ドゴンッ

と床に頭突きした。
美琴、焦る。

「ど、どうしたの?」

「あ、いや、別に…………」

そこで、何かが耳に入った。
寝室からである。
慌てて向かうと、寝ていたはずのインデックスが起きてしまっていた。

29ひとつ屋根の下 1:2017/09/21(木) 00:21:19 ID:hK5hNuU2
「……ぁ、びゃ〜、ふぇ〜〜〜〜!!」

「よしよーし、ママはここよ〜〜」

「大丈夫だぞー、パパもいるぞー」

美琴が抱き上げ、ゆさゆさと揺らす。
上条は、インデックスの頭を撫でた。
少しグズっていたインデックスは、少しずつ落ち着いていく。
そして、寝息をたて始めた。

「ふぅ……暖房が強すぎたかな?」

「いやー、さすがママだな」

「???」

「オレがどんなにあやしても、なかなか泣き止まなくてさ、お前が入院してたときは大変だったん…………」

今更気づいた。
距離が近い。
インデックスを抱く美琴と、インデックスを撫でていた上条。

「//////////」「//////////」

美琴がインデックスをベッドにおろす間、上条はポリポリと頬をかく。
2人そろって寝室を出ると、互いに視線を合わせた。

…………。

「「えへへへ」」///////

恥ずかしい。

「えー、あー、メシにでもするか!!」

「そ、そうね!! すぐ作るから座ってて!!」

「いや、オレが作るよ。退院したばかりなんだ。ゆっくり休めって」

「そんなの大丈夫。当麻こそ、私がいない間、一人で家事もしてインデックスの面倒見てたんでしょ? せっかくだから、のんびりしてなさいよ」

「気にすんなって。いつも助けてもらってるんだから、これくらいやらないとな」

「いつも助けてもらってるのはわたし。だから座ってて」

「いやいや、ほら今日の材料だとオムレツだろ? オレでも作れるから大丈夫だって」

「ううん、オムレツで正解だけどいいってば。ほら、美琴先生特製オムレツ、食べたくない?」

「そりゃ食べたいけど、また今度の楽しみにしますよ。美琴こそ、上条さんの絶品オムレツ食べたくないですか?」

「おいしそう!! でも当麻にムリさせたくないし」

「いやいや、ムリなんかしてないって、もういいだろ、黙って座っとけって」

「……黙っとけって、…………何よその言い方!! そんなにわたしのオムレツが食べたくないの!!?」

「そんなこと言ってないだろうが!!」

「言ってるじゃない」

「何だよそな言い方!!」

「「だからわたし(オレ)が作るってば!!!!!」」

「びええええええええええ!!」

泣き出すインデックスのもとへ慌ててかけていく2人。
なんとかあやして戻ってくる。

30ひとつ屋根の下 1:2017/09/21(木) 00:21:56 ID:hK5hNuU2
なぜケンカになったのだろう。

「さっきは、ごめんな」

「こっちこそ。なんでケンカになったんだろ?」

「…………なぁ、美琴」

「なに?」

「…………一緒に、作る、か?」/////

「!!!」///////

31・・・:2017/09/21(木) 00:23:16 ID:hK5hNuU2
以上です。

あー、切るとこしくじったな〜〜。

32・・・:2017/10/07(土) 07:59:12 ID:9OZGDYWk
ども、・・・です。
連投失礼。

3期オメ!! 19巻オメ!!

でも19巻は待って!! 設定が、設定が怖いよーーー!!
今日購入します。恐怖とワクワクの混在、不思議な感じ。

では、育児日記の続きです。

改めて、諸注意です。
この物語はフィクションです。実在する人物・団体には一切なんの関係もありません。
で、自分設定が多分に入ります今更ですが!!
見たくなくて反射が使えないという方はスルーしていただければ助かります。

ではでは

33ひとつ屋根の下 1:2017/10/07(土) 08:00:33 ID:9OZGDYWk
グツグツ、トントントン。
キッチンに流れるハーモニー。
美琴は上条とともに台所に立ち、共に夕飯を作っていた。
美琴、幸せ。

(な、なにこれ〜♪ し、し、し、新婚さんみたい〜♪)///////

顔が崩れるのを我慢しながら、味噌汁をかき混ぜる。やり過ぎると、豆腐崩れるぞー。
そんなできたてホヤホヤな彼女を見て、微笑む上条。
サラダ用の野菜を切りつつ、胸に込み上げるものをそのまま言葉にした。

「なんかさ、新婚さんみたいだな」

瞬間、「ふはにゃ!!?」という声、ボンッという小さな爆発音、さらにビリビリと音がする。
上条、ホンワカ空気をぶち殺す。

「まてーーい!! 勝手にIHになっちゃってる!! 味噌汁ブクブクしてるっ!!」

慌てて彼女の頭に右手を置く。
ため息発動。
しかし、

「ご、ごめん……」

しょんぼりしながら、自分を見上げる美琴。
自然な上目遣いである。
許すしかない。

「気をつけてくださいよー」

再び包丁が軽快なリズムを刻み始める。
もじもじと顔を赤くしている、美琴の言葉に耳を傾けながら。

「そ、そうはいっても、冷静になんて……。だって、その、幸せすぎて……」

トントントントンザクッ

「いってぇぇぇぇぇぇえええええええ!!!!」
「ちょ、ちょっと大丈夫!!?」

美琴とともに見ると、左手人差し指に切り傷。幸いあまり深くはないようだ。
美琴もひと安心である。

「もう、気をつけなさいよ」

パクリ。
……??
はい?

「み、美琴さん、なにをやっておいでで?」
「はひって(何って)、ふぉれふらいふぁれてふぁらふぁいじょ(これくらい舐めてたら大丈)……」

人差し指に、じんわりと熱がこもった唾液が絡みついている。
もちろん、彼女の熱である。

ここでママを呼ぶ娘の泣き声。
湯気を出しながら「後はお願い!!」と言い残し走っていく美琴をぼけっと見つつ、上条は左手を宙にさまよわせるのだった。

34ひとつ屋根の下 2:2017/10/07(土) 08:01:48 ID:9OZGDYWk
インデックスも起きたため、そわそわとしつつも食事。美味しそうにミルクを飲むインデックスにほっこりして、正面を向くと、美琴がいる。
お互いに赤くなりながら、変な汗を流しつつ目を反らす。

「……あう?」

結局会話が少ないまま食事を終えた上条家。
美琴が片付けする間、当麻がインデックスをあやす。
インデックスをうつぶせにしたまま下から抱え、擬似飛行機である。
インデックス、はしゃぐ。
その後、上条はお風呂の準備に向かう。
その間美琴がインデックスをあやす。
ゲコ太人形大活躍だ。
インデックス、はしゃぐ。

「風呂の用意できたぞー」
「ありがとう」

互いに作業に没頭し、精神統一した上琴。ちょっと顔は赤いものの、冷静に対応しできている。
インデックス、にっこにこ。

「げーこ、げこ、あーい!!」
「……インデックスまでゲコ太マニアになりそうだな」
「いいじゃない別に。とにかく、一番風呂どうぞ」
「いやいやお前こ…………」

美琴と視線が合う。
これでは先ほどの繰り返しだ。

「…………わかりましたよ、いつものようにインデックスの準備頼むな」
「はーい」

風呂に入るさい、インデックスから目を離す時間は作れない。
よって、先に風呂に入った人間が、途中でインデックスを受け取り洗うというルールになった。もちろん、互いに肌を見ないように必死である。

「じゃ、行ってくる」

下着等を準備した上条が向かう。
見送った美琴は冷や汗が止まらない。

35ひとつ屋根の下 2:2017/10/07(土) 08:02:47 ID:9OZGDYWk
(の…………残り湯……だと……!!?)

これまでも意識してきたが、
現在、絶賛両思いだ。
どうすればいいのだろう。
自分のことを好いている男が入った湯に、自分も後に入るのだ。
つまり、時間差混浴である。

(つまり……間接ハグじゃないっ!? 全身に当麻を感じるってことじゃない!!?)

そこまでのことじゃない。
が、混乱真っ只中の美琴は気づいてないようだ。

(つ、つまり、当麻の、だ、だし汁っ!!)

…………その発想はあかん。
そこに、

「おーい、美琴ー、いいぞー」

と彼が呼ぶ声。
ピクンッ、と背筋を跳ねさせたあと、慌ててインデックスを抱きかかえた。
脱衣場に行くと、すぐにインデックスを脱がせ始める。
ドアのすりガラスに写っている肌色は、極力意識しない。

「ほい、いいわよ」

5分の1ほどドアが開き、上条の手が伸びてきた。
よく見たら筋肉がある、男性の腕である。

「……美琴?」

「にゃんでもにゃい!!」

36ひとつ屋根の下 2:2017/10/07(土) 08:03:44 ID:9OZGDYWk
現実に戻った美琴は、インデックスを差し出した。
サラサラの銀髪が、上条の手に抱かれ、浴室に向かう。
しかし、自分も手を離そうとしたときだった。

「やっ!! まぁま!!」

ひしっ、と赤ちゃんに服を掴まれる。
ピタリ、と止まった美琴。
小さな手のどこにそれほどの握力があるのだろう。

「インデックス、じゃぶじゃぶよ、ほらパパと一緒に入っておいで」
「やっ!! まま!!」

ぷくっ、と膨らむ頬に迫力はないが、
手を離してくれない。

「……まぁ、しょうがないかな」

浴室から、パパの声が聞こえた。

「数日オレとばかり入ってたんだ。ママと一緒にいたいよな」

ってことで、頼んだ。
と続けた言葉通りに、赤子を離そうとした。
しかし、

「めっ!! ぱぱ!!」

がしっ、と指が握られた。

「……? いや、インデックスよ、ママと入るのなら、パパ早くあがるから」
「めっ!! ぶぅっ!!」

目に涙を浮かべ、
ぷんすこワガママをいう姫に、どうすればいいかわからないご両親。
しかし、娘はすぐに解答を用意した。

「まぁま、ぱぁぱ、じゃぶぶ!!」
「「……え゛っ」」

翻訳、一緒に入らないと泣いちゃうぜ。

37・・・:2017/10/07(土) 08:04:46 ID:9OZGDYWk
以上です。

最初のタイトルみすったあああああ!!

38・・・:2017/10/15(日) 19:08:12 ID:TNpUtNhQ
ども、・・・です。
連投失礼。

あれやね、やっぱ設定壊れたね(笑)。
これを修復できるかどうかむむむむむ……。
善処しますが、念のため17巻までを踏襲とさせてくださいな〜。


では、育児日記の続きです。

改めて、諸注意です。
この物語はフィクションです。実在する人物・団体には一切なんの関係もありません。
で、自分設定が多分に入ります今更ですが!!
見たくなくて反射が使えないという方はスルーしていただければ助かります。

ではでは

39ひとつ屋根の下 3:2017/10/15(日) 19:15:04 ID:TNpUtNhQ
「こ、こっち見ないでよ!!?」

「わ、わーってるよっ!!」

浴室に声が反響する。
なんとかインデックスの説得を試みるも失敗。
現在、脱衣所には産まれたままの姿のインデックスを抱えた、これまた産まれたままの姿に小さめのタオル1枚纏った御坂美琴が立っている。

(この子の、極力一緒にいたいって気持ちはわかるんだけど……)/////

折れたのは、そこだ。
あれだけ大きな事件が立て続けに起こり、さらに数日親と離れたのだ。
赤子としては不安でいっぱいだろう。

(とはいえ、恋人になった初日に混浴なんて、ちょっとハードル高くない!!?)//////

ちょっとどころではない。
が、相手が上条であることを考えると、ちょっとかもしれない。

(……)

深呼吸。
そしてドアを開けた。

「なぁ、まだkすまん!!」

ピシャリとドアを閉め、
「バカー!!」と叫ぶ。

「あう?」

一度見えたパパが再び見えなくなり、
頭を傾げるインデックス。
まぁま? と母の肌をぺちぺちと叩く。
が、美琴はそれどころではない。

「み、見た!!?」/////////

「い、いえっ!! ギリギリセーフでしたっ!!」//////////

再度ホント?と確認するも、再度の否定。
顔を真っ赤に、美琴はようやく浴室に足を踏み入れた。

40ひとつ屋根の下 3:2017/10/15(日) 19:19:36 ID:TNpUtNhQ
(な、なんという肌色率!!!!)////////

目の前に飛び込んできたのは、彼の背中。
スンバラシイ肉体美。

「……み、美琴〜?」

「びゃぁぁぁあああああああっ!!」////////

「な、なんだよっ!!」

「にゃんでもにゃい!!」

「と、とにかく、浴槽へ早く行ってくれるか?」

上条だって、隣にいる彼女がタオル1枚という現実には、いっぱいいっぱいである。
さて、浴槽の前に立った美琴。
もちろん、タオルを巻いたまま入るわけにはいかない。

(……え、ええいっ!!)

思いきって脱ぎ、飛び込むように湯船に入った。

「ご、ごめん!! タオル、タオルかけにかけてっ!!」

浴室に反響する声が!どう考えても大きい。
対して、

「ぉ、ぉぅ」

めっちゃ小さい声だった。
横でタオルが落ち、いろいろと察した上条。
もわんもわんと、肌色とピンクな妄想をしていたところに、美琴の声である。
指示に従おうとしたとき、

「「……あ…………」」

当然、湯船の方を向くわけで、
当然、美琴と目線が合う。
みるみる赤くなる顔を見て、こちらも頬から湯気が出そうになった。

「まぁま、ぱぁぱ、かっかー」

真っ赤っかな父母を見て、笑う娘。
しかし、そちらには目を向けられない。
肌色が多すぎる。
上条は、ごくりと喉を鳴らし、言葉を紡いだ。

「……あ、あぁ、うん」

何が?
シーン、とする浴槽。
そこで突然上条がジャブジャブと体を洗い出す。
美琴とインデックスが驚く間に体を洗い終わった上条は、

「すまん!! いろいろとのぼせそうなのであがります!!」

というと顔を合わせず扉を開けた。
ドタバタト出る彼氏を、ポカンと目で追う。

41ひとつ屋根の下 3:2017/10/15(日) 19:28:25 ID:TNpUtNhQ
しかし、少しずつ実感するのだった。

「……ねぇ、インデックス」

「あう?」

自分がいっぱいいっぱいだったのは、
彼を異性、いや、もっというと、雄として見ていたからである。

「わたしと一緒にお風呂入ってさ」

「あい」

「のぼせるってことは、さ」

「あぅ、まぁま?」

それは、つまり、彼もまた…………

「…………やっぱり、そういうことよ、ね……」

真っ赤な顔をインデックスから隠すように半分浴槽に沈め、自身の溢れた感情とともに息を吐き出す。
ブクブクと泡がたつと、インデックスはきゃいきゃいとはしゃいだ。

42ひとつ屋根の下 3:2017/10/15(日) 20:02:48 ID:TNpUtNhQ
数分後、インデックスを受け取り、積み木で一緒に遊んでいた上条の耳に、

「……いま、上がった……」

という、消え入りそうな声が入った。
ピクリ、と背を震わして振り返ると、
ほっかほかの美琴。
いままで何度も見たはずなのに、吐息、赤み、視線、湿気、どれもが毒だ。
自分と彼女の間には、年齢という倫理の壁しかないのだと、いやがおうでも自覚する。

「お、おう、なんか飲むか?」

喉が渇いているのは、もしかしたら自分の方かもしれない。
そんなとんでもない状況に関わらず、

「!!!!!!!!」

ストンと、彼女は自分の右隣に座った。

「み、みみみみ、美琴さん」

「あのね、当麻……」

さらに、上目遣い。

「な、なな、なんざんっす!!?」

「……もぅ、我慢、でき、ない」

さらにさらに、手まで両手で包まれた。

「な、な、ななななな……」

そして、それが、美琴の頭に乗る。

「ななななな……ん……?」

「ふにゃー」

脱力。
こけそうになると同時に、パキーンという聞き慣れた音。

「……どうした?」

「ふにゃー」

「ダメだこりゃ」

43ひとつ屋根の下 3:2017/10/15(日) 20:03:24 ID:TNpUtNhQ
しばらく放置。
ピアノのオモチャで遊ぶインデックスを見ながら、目を回している美琴の頭を撫でる。
眠り姫は、3分くらいして目が覚めた。

「……ぅ、ん」

「起きましたか? 姫」

「……? ……ぁ、えっと、ごめん」

「どしてふにゃーしたのさね?」

「…………と、当麻と、恋人に、なったんだなぁ、と、しみじみ、思ったら……」

今度は、上条が赤面する番である。
ぉ、おう、と言って口をつぐんだ。
風呂上がりだからか、美琴が妙に色っぽい。
艶のある唇が動いた。

「と、戸惑っちゃってごめん、どどうすれば、いいのか、ま、まだわかんのいけども……」

上条の思考に、一瞬空白が生じた。
美琴の言葉で、ようやく上条に余裕ができた。

「落ち着けよ、ミコっちゃん」

彼女もだったのか、と。

「まだ初日だぞ? なにを焦ってんのさ。なに? ミコっちゃんは欲求不満なの?」

がばり、と彼女が自分を見上げる。

「!!! だ、誰が!!!」

「じゃ、焦んなくていいだろ? これこら長い付き合いになるんだ。のんびりいこうぜ?」

な? といいながら、ニカリと微笑む上条に、ようやく、美琴も力が抜けていった。

「……生意気〜〜」

「なにおう」

ニヤリ、と笑い、ようやくいつも通りに戻った上琴。ちょうど自分たちを呼ぶ声に、2人して娘に視線を送る。

「ぁぅ〜〜、ちゃぁー、ふぇ〜〜」

ぐずりだすインデックス。
どうやら、おねむだ。
微笑み、美琴は自分の温もりで包む。

「はーい、さ、ねんねしよっか」

「んー……やっ!!」

???

「ぱんぱ!!まんま!! っしょっ!!」

「「…………え゛っ」」

翻訳。みんなで寝ないと、寂しいよー。

44ひとつ屋根の下 3:2017/10/15(日) 20:04:11 ID:TNpUtNhQ
おまけ!!

冬の日没は早い。
少しずつ、空が夜に浸食されていく。

「…………」

その男は、意識を取り戻した。
冬のアスファルトは冷たい。
空をを見つめるアウレオルス=イザードは、周囲に同じように不良が倒れていることにも、誰かが近づいてきていることにも気づかなかった。

「……何をやっているんだ?」

声をかけられて、アウレオルスは微笑む。

「……当然、星を見ていた」

一番星が、キラキラと輝く。
まるで、星と話しているようだと思った。
すぐに、柄にもないと自身を鼻で笑う。

「ほざけ、どうせまた母親を怒らせたのだろう?」

「ふむ……。漠然、今回は虫の居所が悪かったのだろう。突然、話す間もなく雷を落とされた」

星が呆れているのがわかる。
しばらく後に、彼は何かを決意して呟いた。

「……私には、消したい過去がある」

きっとそれは、自分には無いものだ。
一番星は、眩しく輝いている。

「だが、お前はそれを背負えと言う。……背負わなくてはならないと言う」

そこまで大層なことを言ったつもりはない。が、それでも、彼の言葉が、

「だから、お前が記憶を取り戻した時に、お前がどうなるのか…………知りたい」

差し出された手が、魅力的に輝いているように感じた。喜びとともに、声が漏れる。

「ふむ、俄然、やる気が出てきたな」

手をとり、立ち上がる。

「毅然、さっそく探すとしよう」

「いやいや、もう最終下校時間だぞ?」

「奮然、諦めたらそこで試合終りょ…………」

数百メートル先を拡大して見る(自力)。あの侍女があの赤子を抱え、歩いているのが見えた。

「突然、いたぁぁぁあああああ!!」

「ま、待て!! ……あーーー、また星になったーー」

45ひとつ屋根の下 3:2017/10/15(日) 20:04:41 ID:TNpUtNhQ
おまけ!!

ホカホカと湯気が立ち上がる。
出来立てホヤホヤのオムレツである。

(ぐっ、ぐぬぬ、ホントにわたしと同じくらい料理できるんじゃないの?)

テーブルの横、インデックスを抱いた美琴は、何かしらの危機感を覚えていた。
じゃんけんで負け、メインディッシュを上条が担当。
半熟ふるふるなのである。

(い、いや、下手したら私よりも……)

ゴクリ、とあらゆる意味で喉を鳴らし、彼の腕を盗もうと、キッチンの記憶を呼び覚ます。

『み、美琴さん、何をやっておいでで?』

「ぐっふぁっ!!」

自爆した。
オムレツに負けないくらい湯気が出る。

「……ぁむぅ、ぶぅ、まぁま……」

寝起きで不機嫌なインデックスにペチリと叩かれ、ようやく意識を取り戻す。

「……あぁ、ごめんごめん、今パパがミルク作ってくれてるから、もうちょっと待ってねー」

右手にあるキッチンでは、ごそごそとパパがミルクを作っている。
もう手慣れたものである。
その真剣な顔を見て、ぽやーとなる美琴。
末期も末期なのだった。

(な、なによこの全体的な敗北感……)

むむぅ、と唸っていた美琴はテーブルの上にあれを見つける。

(…………)

ケチャップだ。

(…………よし)

インデックスを赤子用の椅子におろし、
両手にケチャップを装備。
黄色のキャンパスに、丁寧に赤色で線を引く。
たとえ、料理の腕が五分五分(言い張る)でも、

(こっちでは、絶対に負けてない)

オムレツの上にハートを描きあげると、

「……おいしくなぁれーるがん♥」

と小さく呟いたら、

「……ぁ、あのぉ……」

隣に彼がいて、全部聞かれてた。

「…………」

「…………」

「ぱぁぱっ!! みぅくっ!!」

どうすればいいかわからない空気のなか、赤子の願い通りミルクを差し上げる。
娘がグビグビ飲む横で、

「……じゃぁ」

パパはもう1つのオムレツにハート(やや大きめ)を書き上げた。

「……その、交換な」

「は、はぃ……」

空気がどうしようもないが、
まだまだ初日は続くのだった。

46・・・:2017/10/15(日) 20:11:46 ID:TNpUtNhQ
以上です。

19巻なー、どうしよっかねーもう(笑)

47■■■■:2017/12/07(木) 23:59:29 ID:KHud51kg
ツンツン頭こと
当麻くんと美琴さんのやりとりいいなあ
イマブレや

48■■■■:2017/12/16(土) 23:59:43 ID:yf8yHPvQ
ツンツン頭こと当麻とみことさんのいいな
イマブれふくめてな

49■■■■:2017/12/30(土) 23:40:58 ID:z/Zj3Oxw
乙です

50■■■■:2018/04/06(金) 22:28:46 ID:ASTH6MJE
pixivでも楽しく読ませて頂いています!!

51■■■■:2018/04/07(土) 16:21:23 ID:m8bJsCG6
再生プラン始動

52■■■■:2018/04/07(土) 21:21:23 ID:DMlgYhWg
保管庫を更新したい

53■■■■:2018/04/08(日) 10:05:32 ID:ShUBweGU
やってくれ

54■■■■:2018/04/08(日) 21:36:45 ID:2MZUT/1o
戻って来てくれ
続きを読ませてくれ

55■■■■:2018/05/10(木) 21:05:21 ID:QjYOGNCA
リメンバー・ミー

56■■■■:2018/05/12(土) 18:58:05 ID:YqB7dqlA
一繋ぎの大秘宝

57・・・:2018/05/30(水) 00:21:48 ID:WArYrEUE
みなさま、ご無沙汰ですな。

では、続きを。
あ、今更ですが、この物語はフィクションです。実在する人物・団体には一切なんの関係もありません。
で、自分設定が多分に入ります!!さらに、新約17巻までの設定としてほしぃ……。
ではでは

58やきもっちん1:2018/05/30(水) 00:25:02 ID:WArYrEUE
((あれーーー?))

深夜、暗闇の上条宅。
ダブルベッドに並ぶ3人。
向かって左は上条。
中央はインデックス。
ベッドインベッド(幼子と並んで寝る際、潰さないようにベッドの中に入れてスペースを確保するもの)でスヤスヤと眠っている。
右は美琴。

「むぁ、まぁ」

美琴を寝言で呼ぶインデックスを、左右から守るように横になっている上琴夫妻。
本日は恋人になった初日である。
だというのに、数時間前には混浴のトロフィーをゲットしてしまった。
さらに、現在同衾のトロフィーも獲得しているのである。
ウブな2人は、もうそれはてんぱってしまう。
はずだったのに。

(なんで?)

(どうして?)

((すごく落ち着く))

相手の匂いとインデックスの匂いが混ざった空気が、近くで自分と違う吐息がハーモニーを奏でているのが、隣でこの子をアイツも守っているという事実が。

(……なぜかな? よう、やく……)

(……日常に、戻った…………)

(……実感、が、出て……)

(…………もう、オレに……)

(わたしに、とって……日)

(常に、は……)

(……)

(……)

2人は、意識を手放した。
インデックスも、静かに微笑む。

59やきもっちん1:2018/05/30(水) 00:26:00 ID:WArYrEUE
インデックスは夢を見ていた。
母が笑っている。

『もう、どんな胃袋してるのよ……』

『そんなに大声だしたらっ!! ほらぁ、ネコちゃん怖がっちゃったでしょ?』

『もう大丈夫よ、怖かったわね、大丈夫だから』

『そんなに美味しい? そこまで喜んでくれると、私も作りがいがあるわね』

『もうそんなこともできるの? さすがママの娘ね!!』

『なんて顔してるのよ。大丈夫、すぐ帰ってくるから』

そこで雷が鳴った。

『な、んでぇぇぇえええ!!』

嵐が窓を叩く。

『イヤだぁぁぁああああああああ!!』

母が、泣いている。

『どうして!! どうして!!』

また、引き離されるのか?

『そんな!!……そんなのって!!…………インデックス!!!!』

イヤだ。イヤだ!!

60やきもっちん1:2018/05/30(水) 00:26:35 ID:WArYrEUE
「ふぇぇええええええ!!!」

「……ぁ、ん? インデックス??」

「ん?…………どうした、インデックス」

深夜1時。
泣きじゃくるインデックスに、目を覚ます上条と美琴。
夜泣きである。

「まぁ、まぁぁぁあああああ〜〜」

「……ふぁ、ここにいるよーどうしたのかなー?」

「ぅーん、むにゃ……オムツじゃなさそうだな」

「汗もかいてないわね」

「ミルクでもなさそうだ」

「むぁむぁっ!! まぁまーーー!!」

「大丈夫よー、泣き止んでー、お願ーい」

「……悪い夢でも見たのかね? お前とまた離れる夢とか」

「あー……ほら、ママはここよー」

全然泣き止む気配がない。
美琴が、途方に暮れたときだった。
キラキラ星のアカペラが美琴の耳に飛び込んできた。
眠気まなこのまま、驚いて正面を向く。
愛しの人が、半目でメロディーを奏でていた。
視線に気づき、彼は一旦歌を止める。

「言っただろ? オレが1人で面倒見てたんだって」

それだけ言うと、彼は再びインデックスのために歌を歌う。
しばらくそのメロディーを楽しんだ後、美琴もその歌に合わせた。
高音と低音が、インデックスに伝える。
ママとパパはここにいる。

「ふぇええ、ふぇっ、ん、まぁ、ま……」

ようやく、インデックスは安心したのか、寝息をたて始めた。
安心し、微笑み合った上条と美琴は、さらに歌を続け、インデックスをより深い眠りへと誘う。
上条と美琴の歌に合わせて、星が一層瞬いた。

61・・・:2018/05/30(水) 00:28:06 ID:WArYrEUE
以上です。
では〜、またしばらく時間ちょうだいな〜〜〜

62■■■■:2018/06/05(火) 14:55:05 ID:sngfVrRU
乙ですのだ!!(≧∇≦)b

63■■■■:2018/11/27(火) 08:48:58 ID:2mmPS3Lc
支部に移ったのね

64■■■■:2018/11/30(金) 16:10:40 ID:fLdaoPeI
止まない雨はない
降らない雨もない

65■■■■:2018/12/01(土) 07:12:58 ID:VLo2jEs2
止まない雨は無い
明けない夜は無い

66■■■■:2018/12/05(水) 17:58:04 ID:qhb5.EIA
勝敗を分けるのは執念さ

67■■■■:2018/12/09(日) 17:43:33 ID:pz1KqDbM
自分の道を信じた者だけがいつか輝ける

68■■■■:2018/12/29(土) 05:19:17 ID:1ti5wnkU
素晴らしい

69■■■■:2019/03/05(火) 21:12:24 ID:AwNrfrdA
杉元佐一

70■■■■:2019/03/11(月) 17:45:55 ID:L5Vp3vCI
ヒンナヒンナ!

71■■■■:2019/03/12(火) 18:26:00 ID:FkBXnp0o
似ている気がする

72■■■■:2019/03/25(月) 21:19:58 ID:7vM/WubY
また書き込めるようになった

73■■■■:2019/03/26(火) 22:38:26 ID:XziVeSis
解決したのか?

74■■■■:2019/04/06(土) 08:23:00 ID:NCuXFjOs
あれ何だったんだろうな

75■■■■:2019/12/02(月) 17:49:56 ID:d47MxyKM
誰か保管庫の更新よろ

76■■■■:2019/12/07(土) 12:49:08 ID:0Xqh7uC.
とある漫画のキャラを2人にした場合ってここでいいんですか…上琴なのは確かなんですが

77■■■■:2020/01/13(月) 21:14:56 ID:QL3yHjeA
書く人全然いないから書いてくれるだけありがたいと思うよ

78■■■■:2022/08/13(土) 17:21:31 ID:dqS9OIG2
過疎どころかもうだれも足を踏み入れないね、しゃーないけど
ここの職人さんはみなさん元気にしてるのかしら?


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板