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とあるSSの禁書目録 PART11

500牧田さん:2013/07/21(日) 00:11:31 ID:r39TFej2
「多分、キヌハタかな? うちの魔術師に変な魔術かけられて、暴走寸前だと思う。もしかしたらもう手遅れかもしれないけど」
「・・・・・・なに・・・・・・っ!?」
ソフィアが驚愕の声を上げるが、イラーリアは構わず話を続けた。
「・・・・・・『あわてんぼうのサンタクロース』っていう術でね。貴方達は知らないかもしれないけれど、現代の日本で生まれた歌の名前のことよ。クリスマスなんかに子供達がよく歌っているらしいわ」
「に、日本の・・・・・・?」
「そう、日本の。別にその歌の歌詞だの起源だのに深い意味はない。ただそのフレーズが気に入ったってだけで、うちのエーミルとかいうキチガイ美女が“一つの魔術として完成させてしまったの”」
一九七〇年代に発表された、魔術的には何の価値もないただのクリスマスソング。しかしその歌は日本と全く関係の場所で、全く関係の無い人物に気に入られ、今は絹旗最愛に纏わりつく魔術として脅威を齎している。
「『あわてんぼうのサンタクロース』の効力は三つ。『理性を無視した問答無用の戦闘意欲の増幅』と『周囲への軽度の同症状』、そして『それに伴う周囲の身体、思考能力の上昇』。ちなみにこれらは時間が経つにつれて効力が増す・・・・・・ま、最後のに関しては、実際は増幅なんてレベルのものじゃないけどね。多分、アニェーゼ部隊は今ごろ研ぎ澄まされた化け物の集団になっているはずよ」
「化け物って・・・・・・、お、おい!! ならなんでわざわざそんな事をした!? こっちが強くなってそっちに何か得でもあんのかよ!?」
「知らないって。エーミルの独断だし、アイツが何考えてるかなんて分かる訳無いじゃない」
ソフィアが言葉に詰まっていると、シェリーがまたも口を挟んだ。
「つまり、思ったよりもアニェーゼ部隊が強くなりそうだからクリスタルへの応援が必要になる可能性があるって訳か」
「可能性というか、そうなるでしょうね。本来、私の役目は『禁竜召式(パラディンノート)』への魔力注入の時点で終了していたはずなのよ。それなのに何故かアニェーゼ部隊が対クリスタル掲げて出撃することになって・・・・・・。本当、運が無い」


「・・・・・・・・・・・・あー、まあ、何にせよ、だ。イラーリア」
愚痴をこぼすイラーリアに対し、落ちついたソフィアは再び巨斧を構えた。
「取り乱して悪かった。しかしお前のような化け物を、アニェーゼ達の戦場に放り込む訳にはいかないんだ。お前に動く気が少しでもあるっていうなら、ここで止めさせてもらう」
「横の銀髪に同じだ。化け物ならイギリス清教に沢山いるが、アンタは化け物すぎる。悪いけど本気で足止めに徹するわ」

ソフィアは『バルディッシュ』に薄い光を纏わせ、首を鳴らした。
シェリーは即座に魔法陣を地面に刻み、重々しい音と共にゴーレムを出現させた。
そして二人は静かに『覚悟』を口にする。

「・・・・・・『Pugno cupiditas156(戦欲に狩られし者)』」
「・・・・・・『Intimus115(我が身の全ては亡き共のために)』」

対するイラーリアは大して面白くもなさそうに、それでも笑っていた。
「現役『必要悪の教会(ネセサリウス)』に、アニェーゼ部隊最強のシスター、か。二人とも血の気が多いし、一筋縄じゃいかなそうだなぁ・・・・・・。しかも魔法名言っちゃってるってことは、こっちも応えなきゃ駄目か・・・・・・面倒臭いことするの好きなのかしら」

そしてイラーリアは両手にこの世の物とは思えない眩い光を生み出し、さきほどよりも口角を吊り上げてから同じように『覚悟』を言い放った。



「・・・・・・『Immortalitas666(死を殺す死屍)』。この名を脳を刻めるこの日を、死んだくらいで忘れないでよ?」


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