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とあるSSの禁書目録 PART11

427カリキュレイト=フォートレス:2012/10/22(月) 17:48:32 ID:BHWDsxko
上条当麻は自宅に戻っていた。
インデックスは朝のうちに必要悪の教会に保護してもらい、今は上条だけだ。
何か朗報を待っている様にも思えたが、上条はハァと嘆息をついて台所に向かった。
電気ケトルに水を入れて湯を沸かす。その間にカップラーメンのふうを開けてかやくなどを入れた。
ゴゴオオオオと電気ケトルから水を沸かす音が聞こえてくる中、ピンポーンよインターフォンが鳴った。
この寮は築20年で、更にそれ程重要性が無い為、数十年も前の賃貸マンションみたいのモノだった。
そのせいか、玄関先に誰が居るか確認できるカメラ機能がついていない。
上条は小さな穴から誰が居るか覗き込んだ。

「――!?」

見覚えは無かった。
しかし『似たようなモノ』を知っている。
上条はチェーンを外して、ドアを開けた。

「初めまして、ミサカの名前は番外個体。これからよろしくだにゃーん」
「ミ……サ……カ……?」

薄いTシャツに少し色落ちがしたジーパンをはいている彼女は番外個体。
上条は唖然をしているなか、番外個体は更に言葉を進めた。

「検体番号は……20002号って事で。コードはまんま『ミサカワースト』」
「……20002号?あの実験じゃあ20000号までしか作られなかったんじゃ?」
「ミサカは『第三次製造計画』で生まれた新ミサカ。20001号のガキはもとからあったってきいてるけど」

番外固体はゴホッとわざとらしく咳き込んで、玄関前の地べたに膝をついた。

「お願いがあります……、『第三次製造計画』の停止の為ミサカに協力してくれませんか――」
「――ッ!」

手を掴んで、番外個体を立ち上がらせた。
そして、家の中へと入っていく。
さっき掃除したばかりなので埃も殆ど落ちていないし、机はどけてあるしで中々殺風景な部屋になっていた。
台所には沸かしっぱなしの湯と蓋を開けているカップラーメン。そしてスーパーの袋に山積みになっているカップラーメンや
惣菜の数々。それを見て食生活は酷いモノだ、とおもいながら番外個体はベッドに腰かけた。

「カップラーメン、いるか?醤油と豚骨しかないけどさ」
「んじゃぁ豚骨で」
「そうか」

上条は二つのカップにお湯を注いでいく。
そしてシールを側面部分に貼り付けて、カップラーメン二つを机の上においた。
番外個体は赤色の箸を持って、カップラーメンの蓋の上に置いた。
その箸はインデックスのもので、騒がしかったインデックスが居ない事を思いだし、上条は少し寂しくなった。

「どうしたのかにゃー?」
「……いや、なんでもねーよ」

ホクホク、と白い湯気があがっていく。

「で?一体どうなってる」

上条は腕を組んで、番外個体に訊いた。
しばしの沈黙が流れてから、番外固体はカップラーメンの蓋を開けた。
そして、番外固体は口を開いた。

「20001号、量産能力者計画の産物。20001号……上位個体はミサカ達のネットワークの管理者で一大事があった時の為に『上位命令文』と言うのが存在する。
その上位命令文を受信したミサカ達は『必ず』その命令に従う設定になってる。9月1日、午前零時。
上位個体からの『上位命令文』を受信したミサカ達は破壊行動に移したってこと」
「それはその上位個体ってヤツが元凶なのか?」
「いや、ミサカも実際の状況は知らないけど、学習装置に書き込まれた情報によると、『最終信号(ラストオーダー)』は
製造途中に『何者』かによって学習装置を介してウィルスを仕込まれてたらしいのね」

元凶はその『何者か』なのだ。
しかし、番外固体は上条が結論へ急ぐのを察知して指を並行に振った。
元凶は間違っていないだろうが、目的は『何者か』の確保でも撃退でもない。
目的は最終信号の確保。ミサカネットワークからの暴走からまだ三日だ。
いまなら修正がきく可能性だって存在する。

「目的は最終信号……上位個体の確保。これにはオリジナルの手助けも欲しいね」

番外固体はラーメンをすすりながら、上目で上条を見た。
しかし、上条の目には既に生気が無かった。
生気が無くて、怒りに満ちた目だった。

「まぁそんなに気にすることはないよ。ミサカは無事なんだしさ」
「……ああ」


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