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禁書でエロばなし

1■■■■:2006/01/14(土) 14:17:37 ID:cf9zt5Qg
悪りィが、こっから先は二十一禁だ

173■■■■:2007/10/24(水) 18:57:23 ID:E7I/ux/Q
衣服を透かして女性の裸体を盗撮する透視カメラというものが市販(無線雑誌ラジオライフなどに広告掲載)されており、それを改造したもので「家やマンションの中の様子を建物の塀や壁を透かしてくっきりと盗撮」する盗撮器を所持!!
警察無線の傍受も行っている北朝鮮国籍の要注意人物!
通報情報
名前 杞山 岳史(キヤマ タケシ)
本籍 大阪府東大阪市太平寺2丁目3番4号

住所 大阪府東大阪市柏田東10-9

通報先
大阪府警 公安課
0669454744

大阪府警 メールで通報・犯罪者を逮捕しよう!
gazo110@abeam.ocn.ne.jp
警視庁 公安課
0335814321
東北公安調査局
0222564161
中部公安調査局
0529514531
中国公安調査局
0822285141
四国公安調査局
0878226666
九州公安調査局
0927211845

警察に確認をとると犯罪者検挙協力者への警察表彰の審査基準をみたしている案件であり、通報しておくと、杞山が逮捕された後で警察表彰を送られるとのことです。

174■■■■:2007/11/24(土) 16:56:08 ID:xiiAb3II
sageを下位にageを上位に優先する(ageてスマソ
年齢制限無しを下位に18禁を上位に優先する
↓14巻
性欲を上位に敵意を下位に=上条×五和

175■■■■:2007/11/24(土) 19:36:46 ID:lJ8XTN7Q
そもそもこのスレはいらない子な気が。

176■■■■:2007/11/24(土) 23:55:01 ID:rNXPFN.2
要るとしてネタバレスレみたいにsage指定か?

177■■■■:2007/11/25(日) 17:30:39 ID:mMLIY5n2
>>174 待て!もう少し考えてみろ 五和は槍を持ってるよな?それを使って上条
とのSM物ならできる(五和×上条)
>>176 そうなるだろうな

178■■■■:2007/12/28(金) 23:30:46 ID:ZVGOy3ZY
場合によっては避難所になりそうですよ、ここ

179■■■■:2008/01/16(水) 22:26:42 ID:t6xPZQ.Y
久しぶりにageて作品を期待してわっふるわっふるしてみるぜ

180■■■■:2008/01/16(水) 22:45:51 ID:8oJ2Ynbc
というか禁書のそういうスレは別の所で繁盛してるしなぁ……。
ここは殆ど避難所の様な気が……。

181■■■■:2008/01/18(金) 23:34:51 ID:o50/jvNg
避難所とはなんぞや

182■■■■:2008/01/19(土) 10:37:03 ID:QsQLEVWY
避難所なのか

183■■■■:2009/07/09(木) 21:07:31 ID:qued9TIU
俺×インデックス

184■■■■:2009/11/02(月) 17:01:04 ID:5ZtnubBY
五和がかわいすぎてつらい・・・

185■■■■:2009/11/02(月) 18:50:35 ID:2yWKDTaA
2ch規制&禁書エロパロスレ雑談化age

186■■■■:2009/11/03(火) 20:45:01 ID:LT/yBEJA
本スレってエロなしだっけ?

187■■■■:2009/11/28(土) 00:22:34 ID:bHlvaTvQ
規制食らってるからこっちに


上黒小ネタ

「んぷっ…当麻さんの……おほひふへはいひひりはへんは…」
「くっ…くわえながらああっ、は、話すなっ…!」
「あー…む…」
「うああっ!く、ろこ…!」
「可愛いですわ、当麻さん…」
「だめだ…出るって!」
「ぜんぶ出してくださいな…」
「すっ…吸い上げられて…絶妙な舌の動き、で…うっ……」
「…っ!」
「だ、大丈夫か?」
「…当麻さんの…すごく濃くて喉に絡まって……美味しかったですわ…」
「く、黒子…」

(省略されました。続きを読むにはここをクリックしてください)

188■■■■:2009/12/04(金) 02:34:32 ID:YZs68l6s
能力封じ&筋力低下&ふたなり化されたむぎのんが絹旗に調教される同人を見る夢を見ました

189■■■■:2010/01/21(木) 16:50:39 ID:6LPdLZtY
くそッ。今朝まで2ちゃんに書き込めたPCもたった今アク禁になった。
なのでこちらに投下します。


 扉のロックが外れる音が玄関の方から聞こえたと思った次の瞬間、
「とうまー! お腹空いたー!」
 インデックスのけたたましい叫び声に、テーブルに肩肘をついてうつらうつらしていた上条は、突いていた肘を滑らせてテーブルに頭を打ち付けた。
「いちち……、不幸だ……。ってインデックスー。帰って来た時のセリフが間違ってますので入って来る所からやり直して下さい」
「それは面倒だから嫌かもー。それよりとうまー、今日の晩御飯は何かなぁー?」
「お前なー、晩御飯は何かなじゃねーよ。大体家主の言う事聞けない子に食べさせる晩御飯なんかありま……」
 そう言って玄関まで出向いた上条。
 さてお説教しようとした彼の目に飛び込んで来たのは、前かがみになってパンツ丸出しのインデックスのお尻だった。
(あれ? 何でパンツ? 何でインデックスはパンツ丸見えなんでせう……?)
 先ほどの怒りは何処へやら、健全な男子コーコーセーの頭の中はパンツで一杯だ。
「どうしたの?」
「はい?」
 次に気が付いた時には、キョトンとした顔で自分を仰ぎ見るインデックスが目の前に居た。
 途端に我に返って数メートル飛びずさった上条は、
「何? いきなり逃げるなんてちょっと失礼かもっ」
 飛び出さんばかりに跳ねる心臓を抑えながら、頬を膨らませるインデックスの姿を改めて観て愕然とした。
「どどど、どうしたのはこっちのセリフだぁ! お、お前、修道服はどうした!?」
 そう言って指さす先には、いささか窮屈そうな水玉のワンピースを来たインデックスが居た。
「迷える子羊に貸してあげたんだよ」
 そう言って急に照れくさそうにするインデックスに、上条は依然驚きを隠さずに、
「ま、迷える子羊って……どどッ、どこのどいつだ!?」
「うーん……、自分の事を『ミサカはミサカは』って言う小さな女の子だったよ」
「な、に?」
 インデックスの発した聞き間違い用の無いフレーズに、上条の顔が微妙に引きつる。
(打ち止め(ラストオーダー)か……?)
「最近マンネリだとか、あの人に飽きられちゃったのかなーとか言ってたから、今日一日取り換えっこしたんだよ」
 良い事したでしょ、と言わんばかりににっこりとほほ笑むインデックスに、上条はまだ見ぬ打ち止めの思い人に、エールを送らずにはいられなかった。
「そ、そんな事よりとうま……」
「へ? 何?」
「見た、でしょ?」
「ッ!」
「見た、よね?」
「………………………………………………………………………………………………見ました」
 頬を朱に染めて、はにかみながらしなだれかかって来るインデックスに、上条当麻は何かを覚悟した。

190■■■■:2010/01/21(木) 16:51:13 ID:kPU9fqC2


 一方そのころ、
「ただいまー!! ってミサカはミサカは多分寝ているあなたにも聞こえる様に大きな声で報告してみたりっ!」
 その声にソファーベッドでまどろんでいた一方通行(アクセラレータ)は、ぴくっと肩を震わせると、落ちかけていた毛布を肩まで引き寄せた。
 そんな静かな空間を破壊するかのようにけたたましい足音が近づいてくると、
「ね、ただいまって言ったんだけど聞こえてるのかな? ってミサカはミサカは聞いてみたり」
「…………」
 相変わらず一方通行は起きる気配が無い。
「もう! あなたは本当に一度寝たら中々起きないんだね、ってミサカはミサカは実力行使に訴えてみる」
 そして言葉通り打ち止めはソファーベッドに回り込むと、毛布の端を掴んで全体重を掛けて引っ張った――それが、仇になるとは知らずに。
「!?」
 毛布は何の抵抗も無く一方通行の体からはぎとられると、
「きゃん!」
 態勢を崩した打ち止めはお尻から床に落ちてしたたかに打ちつけてしまう。
 さらに、先ほど引きはがした毛布を頭からかぶってしまい、まさに泣きっ面に蜂の状態である。
「む゛ー! む゛ー!」
 毛布お化けと化した打ち止めが、床の上を這い回る。
 すると、
「うるせェなァ……」
 流石に寝続ける訳にもいかなくなった――と言うかうるさくて目覚めた一方通行がむっくりとソファーに起き上がる。
「寒ッ……」
 そう言って辺りを見回して、もそもそ床を這いまわる毛布を発見すると、無言でその毛布を剥ぎ取った。
「ぷはッ!? はぁ、はぁ、あ、ありがとう。ミサカはまたまたあなたに助けてもらったんだね、ってミサカはミサカはもう少し早く助けてくれたら嬉しかったのにーと言うのは隠しつつ感謝してみたり」
 そして中から出て来た打ち止めをじぃーっと眺めると、
「俺はまだ寝てンのか? 思い出したくもねェもンが見えやがる」
 そう言って毛布を被って、ソファーに横になる。
「何でまた寝ちゃうのかな!? ってミサカはミサカはあなたの突飛な行動に驚いてみたり!?」
「突飛はテメエだこのクソガキ! 何だその格好は? 何処で修道服(そンなもン)手に入れてきやがった?」
「これは見ず知らずのお節介なシスターさんが『マンネリ解消には格好を変えてみたりするのが良いかも』って貸してくれたんだよ、ってミサカはミサカは嘘の様な本当の話をしてみたり」
「あァ……、確かにあのクソガキもウゼェ性格してたな……。で、『マンネリ』ってのは何の話だ?」
「あ……」
 その瞬間、打ち止めの体がぴょんと跳ねた。
「そォかそォか。俺ァてっきりテメエが辛いンじゃねェかと思ってたんだが……」
「はは、あはははは……。ど、どうしたのかなぁー、ってミサカはミサカはあなたの笑顔に思わず後ずさりなんかしてみたり……」
「あ? 逃げてンじゃねェぞクソガキィ。今夜は黄泉川も芳川も居ねェンだ。喜べ。これからテメエの望み通りにたあっぷり骨の髄まで愛してやっからよォ」
 そう言ってばね仕掛けの様にソファーから跳ね起きると、純白の修道服に包まれた打ち止めに掴みかかる――が、
「――あが!?」
 一方通行の体は、まるで時間が巻き戻る様にソファーに戻ってしまう。
 代理演算を停止された――それに気づいた時には、
「貴女の私は代理演算処理は再び活動は停止されました――――!?」
 一方通行に許される、行為は感じる事だけになっていた。
「ふぅ――――。危ない危ない、ってミサカはミサカは胸をなでおろしてみたり」
 そうため息をつくと、やおらソファーの上の一方通行をその場に押し倒した。
「!?」
「うふふ。今日の私は修道女さんだから、迷える子羊にたぁーっぷり骨の髄まで愛してあげるね、ってミサカはミサカはあなたの真似をして言ってみたり」
「貴女は最終結果が待ち――ても知らねェ……ェ?」
 言葉が戻って驚く一方通行の目に飛び込んで来たのは、
(は、は、お、や……)
「じゃ、迷える子羊に祝福を、ってミサカはミサカは――――」

191■■■■:2010/01/21(木) 16:51:55 ID:kPU9fqC2
以上です。
妄想は不滅だー!!
でわ。

192■■■■:2010/01/21(木) 16:56:58 ID:pDoPB2F.


193■■■■:2010/01/21(木) 19:47:44 ID:pH8AeVEM
いちゃぱろってどこなんだっけ

194■■■■:2010/01/21(木) 19:47:54 ID:pH8AeVEM
ミス エロパロ

195■■■■:2010/03/23(火) 21:11:37 ID:iMrGR0Vk
こんなとこあったんですね
ttp://yomi.bbspink.com/eroparo/
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1268258778/

196■■■■:2010/04/05(月) 13:31:14 ID:KdmSFVcE
そこと完全に被ってるのがこのスレの難点だな
もうちょい絞って特殊性を持たせれば良かったのに

197■■■■:2010/05/22(土) 15:55:05 ID:3djCh2kg
age

198Aサイド ◆kxkZl9D8TU:2010/06/24(木) 08:09:20 ID:w82TIxk6
こんにちは、はじめまして。Aサイドと言います。
あっちのエロパロスレは今一雑談先行な感じで敷居が高くなりましたので、こちらに御厄介になりにまいりました。
ご存じの方ももしかしたらいらっしゃるかも知れませんが、こちらでは主にTSスレで色々書いてました。
いや、終わって無い長編が有りますが、あれは必ず終わらせますので。
ごめんなさい。ご迷惑おかけしております。
ウザい自分語りはここまでにして、2スレで投下します。
上条×インデックス
『取り合えずインデックスを押し倒してみた』
よろしくお願いします。

199『取り合えずインデックスを押し倒してみた』1/2 ◆kxkZl9D8TU:2010/06/24(木) 08:10:00 ID:gJy3.5tY
 上条当麻は酷く困惑していた。
 ただそれは何と無く、本当に偶然で、何故そうなったのか本人にも理解出来ない。
 だから――、
「な、なんでとうまは、わ、私の事急に押し倒したりしたの……? り、理由を詳しく、説明して、欲しい、かも……」
 インデックスはそう言ったきり、振るえる唇を噛締める様にギュッと結んで押し黙ってしまう。
 自分の下で身じろぎも出来ずに顔を真っ赤にして見つめて来るインデックス。碧く澄んだ瞳に涙を浮かべたその表情を前に、上条はどんどんいたたまれない気持ちになって行く。
 これではまるで彼女の事を虐めている様では無いか。
「わ、悪い」
 そう言って目を逸らした上条はインデックスの上から退こうとした。
 しかし、それを留めるかのようにインデックスの細くしなやかな指がYシャツの胸元を掴む。
「駄目なんだよ」
 その言葉に逸らした視線をインデックスに向けた上条は、その瞳を真っ直ぐに見つめて来るインデックスから目が離せなくなってしまう。
「イ、インデックス……」
「わ、悪いなんて、謝っても、も、もう遅いかも……」
 その瞬間、上条はガツンと頭を殴られた様な気がした。
 と言ってもインデックスの言っている事も当然だと上条は思う。
 女の子を押し倒して置いて今更詫びの言葉のひとつで済ませられる筈もない。
 思えば男女2人がひとつ屋根の下に暮らしていて間違いが起きなかった方が不思議なのだ。
 今回はこれで終わっていたからいい物の、次も同じようにここでとどまれる保証は無い。
(これで良かったんだ……。思えば今の俺はこいつの知ってる上条当麻じゃないんだしな。偽物はお役御免、て訳……)
 そう心の中で結論付けようとしていた上条の思考は唐突に中断された。
 離れて行くインデックスの顔。唇に残る柔らかい感触……。
 そしてインデックスの口元が微かに綻ぶと、上条の凍りついた思考が徐々に動き出す。
「な、んで……?」
「それこそ、女の子に聞いちゃいけないと思うんだよ」
「あ、でも……」
 俺はお前の知ってる上条当麻じゃ無い――そう言いかけた言葉は、再びインデックスによって遮られた。
「とうまが本当に、初めて私に甘えてくれたんだから、私も迷える子羊の為……」
 そこまで言ってから、インデックスは言葉を切ると、首を左右に振る。
「私が嘘をついちゃいけないね。とうま、私の目を見て」
 その言葉通りに上条はじっとインデックスの瞳の中を覗きこむ。
 湖面の様に澄んだ青い瞳の奥には不安そうな顔をした自分の姿が映っている。
「そんな怖い顔しないで。とうま。ねえ、とうまぁ」
 名前を呼びながら頬を撫でられると、上条は何故だかホッとした気持ちになる。
「ねえ、とうま。私はとうまの事が大好きだよ。だから……、我慢しないで。とうまが今、一番したい事は、なにかな? ね、私にだけ教えてくれると嬉しいかも」
 気付けば頬を撫でていたインデックスの手は、いつの間にか上条の首の後ろに。
 そしてその手に軽く力が込められると、上条の頭は何の抵抗も無くインデックスの方に引き寄せられて行き……、
「んっ」
 2人の唇が触れ合うと、どちらからとも無く小さな息が漏れる。
 そんな3度目の口付けは今までのものとは違っていた。
 上条は触れ合っていた唇を、さらに強引に押しつけてインデックスの花びらの様な唇を割り開く。そうして開いた口の中に躊躇無く自分の舌を忍び込ませる。
 するとインデックスも待ち構えて居たかのように自ら上条の舌に自分の舌をねっとりと絡み付かせて行く。

200『取り合えずインデックスを押し倒してみた』2/2 ◆kxkZl9D8TU:2010/06/24(木) 08:33:45 ID:gJy3.5tY
 吐息と吐息、唾液と唾液が混じり合って、ぷちゅぷちゅともぐちゅぐちゅとも聞える卑猥な水音が2人も耳朶を支配する。
 そして2人はお互いの口を――唇の柔らかさ、舌の力強さと弾力、つるりとした歯の舌触り、歯茎や上顎の裏や頬の内側の凹凸、そして唾液の生ぬるい甘露の味わい――余す事無く堪能した。
 そんな貪り合う様な熱い口付けに没頭する2人だったが、息が続かなくなったインデックスの胸が大きく喘いだ所でそれは中断された。
 口の周りを涎まみれにして荒い息を吐く2人。
 やがて先に復活した上条は、まだ荒い息を吐くインデックスをギュッと抱きしめると肩口に顔を埋めながら、
「いいのかな? 俺がこんなに幸せで」
 そんな言葉に答える様にインデックスは上条のツンツン頭を優しく撫でた。
「ん、は、ぁ……。難しく考えなくてもいいんだよ。とうまは何時だって何だってとうまのままなんだから。で、それよりも――」
「ん?」
「これでおしまいなのかな?」
 インデックスの言葉に上条は一瞬キョトンとした後、
「そんな馬鹿な。俺たちの戦いは始まったばかり……いやもとい、俺の気持ちはこんなもんじゃないぜ」
「じゃあ、その気持ちを見せて欲しいかも。そうじゃないと私の気もひああああああッ!!」
 余裕を取り戻しつつあったインデックスは、いきなり首筋を甘噛みされてのけ反った。
 そして、そんなインデックスの反応に気を良くした上条は、今度は白い喉にゆっくりと舌を這わせて行く。
「はぅぅ……、き、きゅうに、する、んん……、なんて、ず、ずる……ひあ、ああんッ」
「自分でセーブしてたとは言え今までお預け喰らってたんだ。今更止まれって言われたって無理なんだぜ」
「ちょ、ひああッ!? と、とうま!! キャラぁ! キャラがちがひきいいいいッ!!」
 新たな刺激にインデックスはあられも無く悲鳴を上げた。
 見れば上条の指先が、インデックスの着ている服の上から何かを摘まんでいる。
「ブラして無いなんて用意がよすぎるんじゃねえか?」
「そ、それはお洗濯に出しちゃったから……」
 顔を真っ赤にして消え入りそうな声で答えるインデックスに、上条は「ふぅん……」と着の無い返事をしたかと思うと、布越しにもはっきり判る固いしこりを指の腹で素早く何度もねじった。
「ひはああああああ!? と、とれちゃう!! だいじなところがとれちゃあああああああああああああ!!」
「だったらホントの事言おうよ。何でブラして無いんだ?」
「だ、だからお洗た――」
「スピィィドアァァップ」
「きいいいいいいいいいいひひひいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」
 敏感なところを激しく刺激されたインデックスが、悲鳴を上げて打ち上げられた魚の様にのた打ち回る。
「と、とうまとれちゃう!! わたしのだいじなところがとれちゃうからああああああああああああああ!!」
「じゃあさっきの質問に答えられるか?」
 上条がそう問いかけると、インデックスは必死で頭を上下させる。
 そして、
「い、いつでもとうまそのきになってもいいようにじゅんびしてました……」
「はい、良く出来たご褒美に……」
 そう言って上条はさっきまで虐めて居たしこりに布越しに被りついた。
「いやらああああああああああやめええええええええええええええええええええ!!」
 ざらつく布に舌を這わし、唾液で湿った布地を強く吸うと、面白い様にインデックスの体が飛び跳ねる。
「ふ、ふくがよごれちゃううう、だめえええええ、よごさないでえええええ」
 そう言われてしまうともっと汚したくなるのが男の性と申しましょうか。
 上条は更に執拗に布越しのしこりを攻撃する。
 既にじっとりと湿ったそこは、しこりの形になっている。
 一段強く歯を立てると、
「いにああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
 インデックスの甘い叫びが部屋の中に響き渡った。

201Aサイド ◆kxkZl9D8TU:2010/06/24(木) 08:34:41 ID:w82TIxk6
以上でした。
途中でNGワードに引っ掛かり慌ててしまいましたが、ガイドラインなどあるのでしょうか?
でわ。

202■■■■:2010/06/24(木) 10:57:31 ID:pnEIvSao
あれ、Aサイドさんだ

203■■■■:2010/06/28(月) 09:27:32 ID:e02Vn1Lo
Aサイドさん期待してます
過疎スレだけど書いてれば人も集まりそうだし


てかNGワードってよく聞くけど何なんだろ?
既に禁書板に700KBは投下してるけど引っかかった試しがない
(ボキャブラリがないだけ?w)

204Aサイド ◆kxkZl9D8TU:2010/07/02(金) 17:50:18 ID:Cz4OxWcY
純粋エロ無しのエロネタ。
しかもグダグダオールスターネタですが。
この後4レス程消費します。

205ぐだぐだ1/4 ◆kxkZl9D8TU:2010/07/02(金) 17:50:59 ID:Cz4OxWcY
 今日、俺――上条当麻は色々と何かが間違っていると実感していた。
 まず、何故だか朝っぱらからインデックスがそわそわしていた。
 天気が大きく変化する日かもしれない。幸い今日は休日だから学校は無い訳で、後は気を付けるとしたらうっかり布団や洗濯物を干してしまうくらいか。
 そんな事を考えていると玄関のチャイムが鳴った。
 誰だろうと思って無防備に扉を開けたら押しかけ女房――いや、神裂火織が申し訳なさそうに胸、いやもとい身体をちぢこませて立っているではないか!?
 どうしてここに、と聞くとちょっと近くを通りかかったとの事だったので、非常に胡散臭いのでそのままお帰り願おうとしたのだが、何やら気が付けばインデックスと一緒に手土産のいきなり団子を食べていた。
「恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……」
「どうしましたか上条当麻?」
「いや気にするな、単なる独り言だ」
 出されたお茶も実に美味しい。
 これがあの水道から捻った水を沸かしたお湯で入れたお茶なのだろうか? きっとお茶っぱか何かがゴージャスなのかもしれない。
「悔しいけど出だしは私の完敗なんだよ」
 とはインデックスの言葉だ。何が一体そんなに悔しいのだろうか。いきなり団子にかぶり付く様は鬼気迫るもので一気に食欲が失せた。
「で、神裂先生は何故そこで小さくガッツポーズなんぞして居なさるのでせう?」
「あ、いえ。あなたが気にする様な事は有りませんよ。それより何かお手伝いする事はありませんか? インデックスがお世話になっている手前何か少しでもお返しがしたいのですが……」
「いや気を使わないでくれ。土産までもらったんだからそれ以上は結構だからその本棚には触るんじゃねえええええええええええええええ!!」
「え?」
「ふふふ。そこはとうまの大事な×××な本がたくさん入っているんだよ」
「何故それを!?」
「タイトルも中身も全部言えるけどかおりには教えない」
「か、上条当麻!!」
「はい!!」
「あなたは小さい子が居る様な場所になんて卑猥な書物を所蔵しているのですか!!」
 鬼気迫る顔の神裂が迫る。あまり近づきすぎて胸が当っているのだが、嬉しい様な困った様な大ピンチ。
 と、またもチャイムの音が。
「ちょ、ちょっと待て神裂、客だ!!」
「え? そんなまだ早い……」
 神裂が何か変な事を口走ったがそんな事は関係無い。
 とにかく今は神裂の胸、いや神裂自身から逃れるのが先決。
 万感の思いでドアを開けると、
「き、来ちゃった。あ、でも勘違いしないでよね! たまたまアンタの家の前を通りかかっただけだからね!!」
 御坂美琴がツンデレってた……。
「何ですか? うちの前は抜け道か何かですか? それでうちの玄関は何か声を掛けたくなる様な呪いでも掛かっていますか?」
 女性の人口が増えると男の肩身は立ちどころに狭くなる――筈なのに、
「何でお前らは俺を囲む様に座るんですか!! 何ですか!? 何かの儀式ですだから神裂は本棚に手をのばずんじゃねええええええええええええええええええええええええええ!!」
「は!? す、すいません……」
「ん? 何があんのよ?」
「それはね短髪、」
「インデックス、すとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっぷ!!」
「もごむご」

206ぐだぐだ 2/4 ◆kxkZl9D8TU:2010/07/02(金) 17:51:20 ID:Cz4OxWcY
 危ねえ危ねえ――、
「アンタ」
「な、何だよおっかねえ顔して」
「何かして欲しい事無い」
 お前もそれか!?
「して欲しい事なんて思いつかねーよ」
「じゃあ考えなさいよ!」
「うお!? 危ねえじゃねえか!」
「ぷは」
 急に電撃なんか飛ばして来るからインデックスに逃げられちまったじゃねえか。
「短髪短髪」
「な、何よ?」
「助けてくれたお礼に情報をあげるんだよ」
「ホ、ホントに?」
「時には私だって敵に塩を送る時だってあるかも」
 何言ってんだあいつら……って!?
「や、止めろインデックス」
 こらお前何を一体口走ろうとしていやがんだ。とまたチャイムかよ!?
「とうま、お出迎えに行った方が良いかも」
「何だよ。もしかして今日の事お前ら何か知ってんじゃねえのか?」
「さあ。それより――」
 またチャイムが鳴ってるよ。行きたくないから帰ってくんねえかな全く。
「行った方がいいかも」
「そうですよ上条当麻」
「私も行った方が良いと思う」
 こいつら……。
 とは言え仕方がないのでしぶしぶ玄関の扉を開けると、姫神秋沙が立っていた。
「遅い」
「何で姫神? おっと、通りかかったとかは無しだぜ」
「…………」
 人差し指を立てたままの姫神の視線が、虚空を、右へ、左へ、左へ、右へ、とウロウロしてる。
「イジワル」
「すまん」
 何故俺が謝るはめになったのか良く判らないが、とにかく客が1人増えて大変な事になって来た。
 ってか、
「御坂は兎も角神裂まで何だその目は? てかインデックス!! お前は姫神に耳打ちするんじゃありません!!」
「上条当麻、見損ないました」
「さいてー」
「君。お姉さん好きはカモフラージュで。ホントは幼女趣味だったの。どうりで……」
「「「どうりで?」」」

207ぐだぐだ 3/4 ◆kxkZl9D8TU:2010/07/02(金) 17:51:39 ID:0lmNaams
「おいおい止めろ止めろ。これ以上カミジョーさんの評判を落とさないで下さい。もうカミジョーさんのライフは0ですよ?」
 最悪だ。何故ロリ認定――予想――になっているのか?
 そもそも最近の蔵書はまだ一度だって使用に使って居な……いッ!?
「またチャイム……」
「とうま」
「上条当麻」
「あんた、ほら」
「そう。待たせては駄目」
 ふざけんなよこれ。上条さん宅は何ですか? 女性の集まるパワースポット的な何かでもあるんですか?
 それならまずこの俺をこのループから解き放ってくれぇぇぇええええええええええええええええええ!!
「上条さん。近くを通りかかったらふと気になりやしてね。もう何人か来てるんでしょ? 今更5人増えたって問題ねえですよね?」
 アニェーゼ、ルチア、アンジェレネ、オルソラ、シェリー……。
「何でお前ら俺の家に集まって来るんだ!! あれか!? パーティー会場のとかですか!! 料理は何もありませんよ? ホームメイド形式だから皆さん持ち寄りでお願いします!! てか何でこうなってる!? え? 誰か答えろ!!」
 何だその全員の憐れむ様な困った様な顔は?
 もしかして本当に知らないのは俺だけなのか? どうなってんだ? これは誰かの陰謀……。
「出て来い土御門!! テメエ以外に考えられっかこんな状況!!」
「にゃー、それは人聞きが悪いぜよカミやぁん」
「ひとんちの冷蔵庫から出て来るような奴にとやかく言われたくねえ!!」
「まあ落ち着いて聞くんだにゃー」
「ああ判った――とでも言うと思ったかこの……」
 と殴りかかろうとしたら全員に止められた。
 あっちこっちふやふやのほにゃほにゃで、俺はこれからどうしたらいい?
「まあ、そう言う事なんだなぁ」
「なにが……?」
「皆のはけ口になれって言ったら判るかにゃー?」
 ハケ口……って?
「おい」
「何だにゃー、カミやん」
「後で一発殴らせろ」
「にゃー、カミやんは覚悟を決めるのが早いぜよー」
 ニタニタ笑いやがってこの変態ロリシス金髪が!! ようは俺はこれからエロパロ的にこいつらに責められるって……!?
「おい土御門!! テメエは玄関から帰れよ!!」
 クソッ!! 何時からうちの冷蔵庫……、
「な、何だよお前ら……?」
「さっきの話の通りっすよ。と言う訳で、まずは順当にインデックスからで問題ねえっすかね」
 何言ってやがるアニェーゼ!?
「まだ全員そろっていませんよ?」
 おいおい神裂ぃ……。
「すぐ集まんだろ? どうぜ順番も直ぐには回ってこないんだから、始めちゃってもいいんじゃない?」
 シェリーも……。

208ぐだぐだ 4/4 ◆kxkZl9D8TU:2010/07/02(金) 17:54:14 ID:Cz4OxWcY
「それでしたら全員並んで順番にひと刺しずつの方が仲が良くてよろしいのでございますよ」
 オルソラぁぁぁぁぁあああああああああああ!!
「うわ、そしたら全員棒兄弟ですね」
「ア、アンジェレネ!? あなたはどこでそんなはしたない単語を!?」
 ルチアは相変わらずで少し安ら……がねえよ……何か真っ先に脱いでるし……。
「私……」
「大丈夫。自信を持とう」
 何か御坂と姫神が和気あいあいとしてるのが変な感じだ。ってかお前らもかよ!?
「じゃあとうま」
 嗚呼、こうやってなし崩しに俺は女の子――一部除く――と……、
「不幸なのか? いや不幸だろ。そうだ! 不幸だあああああああああああああああああああああああああああああ!!」



おわれ


以上です。
書くのはこれくらいぶっちゃけてた方が楽しいのですが、これだと禁書の必要が無いですね。

>>203
2chでは一度も引っかかった事はありませんが、こちらではあるのですNGワード。
何回か引っかかってます。
正直テンプレか何か欲しいです

209■■■■:2010/07/02(金) 18:32:22 ID:wX9uQ3wo
ツヅキ マッテマス

210Aサイド ◆kxkZl9D8TU:2010/07/16(金) 17:43:56 ID:/tsJ135U
こんにちは。
久しぶりの投下です。
これは以前に2chで投下したものの焼き直しで、視点をキャーリサのモノにしぼる様に努力しました。
上手くいっていると良いのですが……。
キャーリサ×上条で、『とある誰徳の英国王室』21レスと長いですがお付き合いください。
でわ。

211『とある誰徳の英国王室』 1/21 ◆kxkZl9D8TU:2010/07/16(金) 17:44:48 ID:ox4zVaJw
 とある和やかな昼下り。英国第二王女キャーリサは女王(エリザード)の勅命(オーダー)により、学園都市にたった1人で乗り込んで来ていた。
「さってー、この辺りに居るって情報だったのだが……」
 後は大丈夫だしと言って帰してしまったが、ここまでの案内役にしていた金髪少年によれば、上条当麻はこの公園に居るとの話だった。
 上条当麻――英国の危機を救った裏の立役者。人によっては世界の敵。そしてキャーリサにとっては女王(ははおや)以外で自分を面と向かって説教をくれて、尚且つぶん殴られた相手である。
 キャーリサの受けた勅命は、その上条に女王直々の書簡を手渡しして来る事だった。
 額に右手を庇の様に翳してキョロキョロするキャーリサ。
 そんな彼女の今日の服装は、サングラスに真っ赤なレザージャケットと、これまた真っ赤なレザーのミニスカート、極めつけに真っ赤なタイツに真っ赤なハイヒールと言う、あからさまなボンデージルックだ。
 普段はひっつめてある金髪も今日は垂らしていて、豪奢な金髪ロングに類稀なるプロポーション、更に先のエロい格好の彼女が公園をうろついて居れば目立つ事この上ないのだが、幸か不幸か公園に人影は無い。
 暫くキョロキョロしながら公園を歩きまわっていたキャーリサだったが、
「お、居た居たー♪」
 ベンチに座って何かしている上条を発見して嬉しそうに声を弾ませる。
「おととと。喜ばしーのは、これでこの煩わしー国から帰れるからな訳だしー」
 そんな誰に聞かせるつもりかも判らない独り言を呟くと、つかつかとヒールの音も高らかに一直線に上条の元へ向かって行く。
 途中で食事中だと気が付いたが、そこは王女様だ。自分の要件が第一優先であるから、もちろん当然の如くに上条には食事を中断してもらう事に決めていた。
「さあーって、次はな、ん、に、すっ、か、なぁ……」
「何をしているの少年?」
「ふえ?」
 声を掛けると、あの間抜け顔が、本当に間抜けた面でこっちを見ている。
 きっとこんな場所に英国第二王女が来ている事に驚いているに違いな――、
「だ……、誰?」
 その一言にキャーリサは律儀にずっこけて見せた後、
「あれー? 私ってそんなに印象薄かったの? これでも結構第一印象は気にしているのだが……。うーん……」
 口元に拳を当てて考え込んでしまう。
 確かに服装が違うから少しは見間違えるかなーとは思うのだが、こう、何と言うか王室特有のオーラと言うものをこの少年は少しも感じないのだろうか?
 などと考えていて、ふと顔を上げると上条がその場を立ち去ろうとしているではないか。
「ん? 何処に行くつもりだお前?」
「え? 何か取り込み中みたいだから邪魔しちゃ悪いかと思って場所を移動しようと……」
「余計な気遣いありがとー」
 取り合えず上条にはもと居たベンチに――強引に襟首を掴んで――御戻り願ったキャーリサは、
「私はお前に用が有ってここに来たのだし、大人しくそこに座っているの。か、み、じょ、う、と、う、ま」
 グイッと目と鼻の先まで顔を近付けてからサングラスを外してみせると、
「キャ、キャーリサ!?」
 叫び声をあげる上条にやっと気が付いたかと満足してから、王室特有のサービス精神からちょっとだけからかってやる事にした。
 まず眼を細めて、口元を掌で隠して、表情は、驚き六〇パーセント、不機嫌四〇パーセントをブレンドして……。
「あら、あらあらあら、私を呼び捨てする? ふーん……。流石は英国の危機を救った男は一味違う――とは言えこの厚顔にして不遜な振る舞いは万死に値するの」
 その一言に上条の表情が強張ってあからさまに青ざめる。

212『とある誰徳の英国王室』 2/21 ◆kxkZl9D8TU:2010/07/16(金) 17:45:12 ID:ox4zVaJw
 するとそれを見たキャーリサは堪え切れずにぷっと吹き出しまった。
「嘘嘘。冗談だしー。そんな堅苦しーのは私も得意では無いから、ト、ク、ベ、ツ、に、お前には私を呼び捨てにする事を許してつかわすの。ほほほほほ」
 今度は右手の甲を左頬に当てて、いわゆる女王様ポーズでしてやったりのポーズを取った。
 と、程なくしてショックから立ち直った上条がこちらに向き直る。
「何しにここへ?」
「愛しのお前に会いに――」
 即座に返した返答に上条の目が点になる。
(本当にこの少年は面白いと言うか何と言うか、目減りしないと言うか、とにかく飽きが来ないの)
 取り合えず満足したので金縛りを解いてやろう。
「って言ったらどーする?」
「冗談かよッ!? ちょっとドキドキしたじゃねえかテメエ! この、カミジョーさんのドキドキを返せッ!」
 キャンキャンと喚き散らす姿が子犬みたいで思わずあのツンツン頭を撫でたい気分になるキャーリサだったが、流石にそこまでサービスしてしまうと威厳も減ったくれも無くなってしまう。
 ここは不機嫌さを装いつつ、用事をこなしてしまう事にしよう――キャーリサはそう決めると、「ふん」とあえて詰まらなそうに鼻を鳴らしてから上条に膝の上に持って来たものを投げた。
「ん?」
 上条が自分の膝の上に投げられたものを見て不思議そうな声を上げる。
 白を基調とした豪奢な封筒に金を混ぜ込んだ蝋でシーリングされたそれは、英国女王だけが使う事を許されている便箋であった。
「何だこれ?」
「書簡だ」
「書簡?」
 説明しても相変わらずピンとこない様子で書簡を光にかざしたりしている上条に、キャーリサは最後に一言こう付け加える。
「そ。女王からお前宛の書簡」
「じょ、女王って、あ、あの女王から!?」
「他に誰がいるのだ? そんな事はどーでもいいから、さあ早くそれ開けて読め」
「ここでか?」
「ちゃんと読んだ所も確認して来いって言われたの――まったく、私は伝書鳩か何かっつーの」
「(そんな可愛げの有るもんじゃ無えだろ……)」
「何か言ったか?」
「いや全然」
 無意味なやり取りの応酬の中、キャーリサは何かじれったいと言うかもやもやすると言うか、そんな気分に陥っていた。
(この少年は生身の私より、女王(ババア)が寄こした書簡1枚の方がそんなにありがたいの?)
 書簡に嫉妬する自分と言う構図にも気付かずイライラを募らせると、丁度目の前に八つ当たりするのに良さそうなツンツン頭が有るではないか。
「……ほら、ぐずぐずしないで早く読むの」
 キャーリサは言葉と共に上条の頭を平手打ちにした。
「イテッ!? 何すんだ……ああ、読みます。すぐ読みますから少し待てって……」
 2撃目は上条に回避されて上手く行かなかったが、それでもチョットだけ留飲が下がった――と思ったのもつかの間、上条が開けた書簡から漂う香水の香りが全てを台無しにしてくれた。
「あの色ボケババア」

213『とある誰徳の英国王室』 3/21 ◆kxkZl9D8TU:2010/07/16(金) 17:46:01 ID:ox4zVaJw
 思わず口から飛び出した言葉に慌てて口を手で塞いで上条に背を向けてから横目でチラリと確認するが、どうやら上条は気付かなかったようだ。
 その事にホッと胸を撫で下ろしてから、今更と言うか何で体裁を取り繕う必要が有ったのかと、またあのもやもやと言うかイライラが復活して来て、
(何でこの私が少年に一喜一憂しなくてはいけないの!)
 今度は地面に向って八つ当たりをしてしまう。
 そんな1人百面相をしていた時、キャーリサの背後で突然「ぶッ!!?」っと上条が盛大に吹き出したのだ。
「どうした?」
 慌てて振り返ると、そこには信じられないものを見た様な顔をした上条――当社比2倍。いやキャーリサだと判った時の倍――がいた。
 しかも、
「お、お前この内容知ってんのか?」
 上条にお前呼ばわりされた事はともかく、キャーリサは便箋が気になった。
 相手はあの女王である。どんな馬鹿げた内容が書いてあってもおかしく無い。
「おい、ちょっとそれを貸してみろ」
 そう言って上条から書簡を引ったくり、その文面に目を通す。
 簡潔で、そして流暢な日本語で書かれたそれは、何が有っても取り乱すまいと思っていたキャーリサを、驚嘆させるに十分な内容であった。


『英国女王の権限を持ってキャーリサの全人権を上条当麻に譲渡する。好きにしていいよ(ハート)』


 一瞬頭を戦槌(ウォーハンマー)で殴られた様な衝撃が走った後、
「ちっくしょーあのクソ女王(ババア)!! どーりで私にお目付け役の1人も付けない訳だし!!」
 キャーリサは自分が何を口走ったかも気付かない。
 そして正気に戻った時には足もとには便箋の残骸らしきものが散らばっていた。
 その混乱した頭の片隅に、あの時日本製の『コタツ』なるものに入ってオレンジを頬張っていた時の女王とのやり取りが思い出される。


 ――おい娘。
 ――なーによお母様。
 ――ちょっとお使い頼まれてくれ。
 ――嫌だ。
 ――即答かよオイ。
 ――私はオレンジ食べるので忙しいしー。つーか用が有るなら騎士団長(ナイトリーダー)でも呼んで頼めばいーの。
 ――馬鹿。私用であいつを呼び付けたらまた何を言われるか……。てか、もうつべこべ言わないで女王の権限で行って来いよな。
 ――あ、テメエ、娘に言う事聞かすのに勅命(オーダー)って何考えてんだ!? 恥を知るし!
 ――ひひひ。これも女王の特権よ。いいからお前はこの書簡を持って例の少年に会って来いよ。

214『とある誰徳の英国王室』 4/21 ◆kxkZl9D8TU:2010/07/16(金) 17:46:33 ID:/tsJ135U


 あの時の妙ににやけた顔の理由はこれだったのか!?
 あれは今まさにこの事を知ったキャーリサがどんな反応を示すかと内心ほくそ笑んでいたに違いない顔だったのだ。
「犬猫の子供でもあるまいに実の娘を書簡と一緒に送り付けるなんてどー言う神経しているのッ!!」
 キャーリサは引き裂いた手紙を憎き女王(あいて)に見立ててもう一度ガシガシと踏み付ける。
 全くもって何時も何時も娘の事を引っ掻き回してくれる母親なのだろう。きっとまた何か勘違いして1人で突っ走っているに違いないのだ。
 親と言う者は得てしてこうなのか、それともエリザードが特別なのか。とにかくキャーリサとしては、自分の心の中にずけずけと土足で入られた様な気分は非常に面白く無かった。
「誰が上条と会いたいと言ったの!? いや会いたい気も無くは無かったし……でも! でもだ!! それは自分でする事で、三〇間近の大の大人が、親にお膳立てされたって嬉しく無いっつーの!!」
 もう既に書簡は粉々の紙吹雪になっていたがそれでもキャーリサはガシガシと踏みつけ続けた。
 と、キャーリサの足が突然止まる。
 事ここに至っても勅命は勅命、キャーリサに抗うすべは無い。
 このままではあの母親のおもちゃで終わってしまう。
(そ、それは忌々しき事態だし。問題解決には大変不本意だが上条の力を借りるしか無いの)
 そして、油の切れた機械人形の様にぎこちなく上条の方を振り向く。
「なあお前……」
 どう思う? そう言葉をつづけようと思った。
 どう思うの『どう』とは、例えば書簡の内容の事を『どう』思うとか、クソ女王(ババア)の事を『どう』思うとか、それから……、こんな私の事を『どう』思うとか……。
 しかしその言葉は――、


「な、何だよ? 俺が何かしたかよ! お、俺はお前らのオモチャじゃねえんだぞ! 冗談も大概にしろ!!」


 びっくりした様な怒った様な上条の言葉で出鼻を完全に打ち砕かれた瞬間、復活しかけたキャーリサの理性がプチンと音を立てて切れた。
 全ては憎きあの女王(クソババア)だが、そいつは英国の中心部にて今は手のとどかない場所に居る。
(――となれば矛先は上条(こいつ)だ)
 サングラスの下の瞳が獲物を狙う鷹の様に鋭く吊り上がる。
 些か八つ当たりだろうが何だろうが構わない。
 先ほどから何度も何度も自分に対して失礼きわまる態度を取った上条に、キャーリサが何者なのか今一度知らしめておく必要もある。
 思えばあの時――後もう一息で成功する筈だったクーデターを、自分への顔面パンチもろとも粉砕してくれたこの男。
 その後、今度は何を思ったのか敗者たる自分の盾になる様な真似までしてみせたこの男。
(かみじょう、とうま)
 今目の前に居る、何処にでもいそうなこんなちっぽけな少年が、何故に多くの人間の運命に関わるのか?
 怒りの矛先を向けたつもりのキャーリサは、自分の心が見る見るあらぬ方向へと脱線して行くのを止められないでいた。
 このままでは埒が明かない。ではどうするか? このまま退いたとしても少年は追っては来るまい。

215『とある誰徳の英国王室』 5/21 ◆kxkZl9D8TU:2010/07/16(金) 17:46:56 ID:/tsJ135U
(しかし、それでは余りに情けないの……)
 大体それではイギリスに帰ってからの肩身がますます狭くなりそうだ。
 ここは1つどーんと大きな手柄でも持ち帰らなければ、王宮の敷居は跨げそうに無い。
(とは言えだ。あのクソ女王が納得して、且つ私の留飲も下がる様な手柄……)
 と、そこまで考えたキャーリサは内心ニヤリとした。
(居るではないか。直ぐ目の前に。今はしかめ面をしてこちらの出方を伺っているが……フフフ。何、純潔なんぞ犬にでも食わせれば良いと思っていた代物。少年相手に失う事に何の躊躇いがあるの)
 そう考えが決まればキャーリサの行動は早い。
「判った。こうなればお前の子でも孕んで帰らなければ、愛するイングランドの土は踏めないし――」
 努めて淡々と、抑揚無く、上条の心を鷲掴む様に。
「おま……何馬鹿な事言って……」
 案の定驚いた顔をしてベンチに座る上条の腕を掴んでも振り払われる事は無い。
 その事に内心ほくそ笑むも、そこはキャーリサ。おくびにも出さずに、あえて怒ったフリをしてイニシアチブを掴みにかかる。
「馬鹿とはなんだ馬鹿とはッ! これは私の王女としてのプライドの問題だし!! お前は黙って従ってればいーの!!」
 上条の胸倉をグイッと掴んでベンチからひっ立てると、そのままジタバタと嫌がるのをずるずると引っ張って行く。
「馬鹿ッ!? コラ、ふざけんな! そんなん承諾できるか!? ってオイ! 聞けっての、コラ! マジで人の話を……」
 文句を言う割に相変わらず自分の手を振り払えない上条に、キャーリサはほんの少し罪悪感を覚えたが、
(もー後戻りは出来ないの。毒食らわば皿までだしー)
 やがて2人は公園の入り口に止まるタクシーの横まで来る。
 キャーリサがその窓をノックすると後部座席のドアがバクっと開いて、そこへ間髪いれず上条を放り投げた。
「つべこべ言わないでお前はタクシーに乗るの!!」
 しかし上条もただ黙ってタクシーには乗せられない。
 ここに来て最後の抵抗だと言わんばかりに両手を入口に突っ張って、乗せられまいと踏ん張る様な姿勢を見せた。
 所がそれを見たキャーリサは、あろう事か上条の背中を無言でドンと蹴り付けたのだ。
「ゴガッ!? ちきしょう蹴りやがったぞこの馬鹿王女!? ってイテ! くそっ……あがッ! ヒールで蹴ッ!? ごうあ! マジで止めて止めてもう蹴らないで……」
 スカートの中が見えようがお構いなしに蹴り付けるキャーリサに、上条も抵抗する気力を失って後部座席に押し込められる。
 その上に覆いかぶさるようにキャーリサが乗り込むと、タクシーのドアが自動的に閉じた。
「ホテルまで直行して」
 キャーリサの合図で車は走り出す。
 先ほどは思わず地が……、いやカッとなって蹴りつけてしまったので、お詫びと言うか何とい言うか、ぎゅぎゅっと体を密着させながら抱きしめた。
(ふむ、抱き心地はまずまずだの)
 そんな事を考えながらタクシーは一路ホテルへ。
 そこから先は良く考えていないキャーリサだったが、
(男と女。後はなる様にしかならないしー)
 そんな大雑把な所が女王によく似ていると思われるのだが、それを指摘する様な者は幸いな事にこのタクシーには居なかった。

216『とある誰徳の英国王室』 6/21 ◆kxkZl9D8TU:2010/07/16(金) 17:47:14 ID:/iHyqTOM


〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜


 キャーリサと上条が乗ったタクシーが着いた先は学園都市でも有数の高級ホテル。
 着いた途端すぐにタクシーを降りたキャーリサは、ボーイの出迎えも無言の威圧で制すると、そのまま上条の手を引いてホテルの中に入って行く。
 ロビーに惜しげも無く敷き詰められた絨毯を力強く踏みしめて、そのままフロントの前を素通りするつもりだったのだが、フロント係に呼び止められてしまった。
「何? 私は今、見てのとーりで取り込み中なのだけど?」
 話を端的に終わらせる為に不機嫌そうに答えると、恐縮しきったフロント係は、
「申し訳ございませんキャーリサ様。実はエリザード女王陛下よりお荷物が届いておりまして……」
 そう言って小包を取り出した。
 そこには自分の宛名が書かれていて、その小包を受け取ったキャーリサは美しい眉を寄せた。
「あのクソ女王(ババア)今度は何を……?」
 高さ20センチ程の長方形の箱。周りには英語と日本語で『割れモノ注意』のシールがべたべたと貼られている。
 ゆすると涼しげなガラスがぶつかり合う時の様な音色のする箱に、しかしキャーリサはそれ以上の詮索を止める事にした。
 どうせ今回の件に関わりのある品だろう。これをどうするにしろしないにしろ、まずは部屋に戻ってからだ。
 そして再び上条の手を引くと、他の人たちが使うエレベーターとは別のエレベーターに向う。
 その、明らかに他とは意匠の異なる無駄に煌びやかなエレベーターに乗り込むと、2つしか無いボタンの内、最上階を示すボタンを押した。
 全く重力を感じさせずに動き出したエレベーターの中で、ひとつ疑問に思っていた事を口にした。
「さっきから黙っているけど観念したの?」
 タクシーに乗ってからはずっとこの調子だ。
 怒っているにしろ何にしろ、出方が判らなければ対処のしようが無い。
 そこで上条に話しかたのだが、
「――それはお前だろ? 傷付くのは俺じゃ無い。お前なんだぞ? 俺はお前にそんな事して欲しいなんてこれっぽっちも思っちゃいないんだ。だから……」
「止めろって言うの? ふーん……。こんな私の事でも心配してくれるんだなお前は? 流石は我らの救世主殿はお優しー事だ」
 もっといい返し言葉も思い付いたのだが、ここは憎まれ口を叩いておく事にした。
 とは言え多分に本心も含まれていて、特に『優しい』と思ったのは本当だ。
 こんな拉致同然で連れて来られたのに、この少年と来たら自分の事よりまずこっちの心配をしていると言う。
(こんなおめでたいお子様を手籠めにするのは……ちと気が引けるの)
 そんな事を考えている内、涼しげなチャイムの音が耳を掠めると共に目の前の扉が開く。
「着いたぞ――ほら降りるの」
 再び『私はちょっと不機嫌だ』を演技しつつ上条の手を引いて歩きだしたキャーリサは、豪華な調度品で埋め尽されたリビングに入ると、黒皮張りのロングソファーに上条を突き飛ばした。
「うわッ!?」
「そこに大人しく座っていろ。ふぅ、それにしても喉が渇いたな――おい、お前は何が飲みたいの?」
 しかし上条は無言のままキャーリサを見つめるだけで何も言わない。
「まただんまりか? まーいー。こっちで勝手に用意させもらうし」

217『とある誰徳の英国王室』 7/21 ◆kxkZl9D8TU:2010/07/16(金) 17:47:34 ID:/tsJ135U
 そう言ってキャーリサは上条をそこに残して、先ほどの荷物を抱えたまま隣の部屋に移動した。
 逃げる可能性もチラリと頭を過ぎらないでも無かったが、その時はその時だと考えるのを止めてしまう。
 キャーリサが移動した部屋は、先ほどよりは若干狭いが、その分意匠が洗練されていてここに居る者に安らぎと与えてくれるそんな造りになっている。
 キャーリサはテーブルの上に女王からの荷物をドンと無造作に置いて、サングラス外しジャケットを脱ぎ捨てると、真っ直ぐ備え付けのワインセラーに歩み寄りゴソゴソと物色しだした。
「フランス、フランス、フランス、フランス……。この、どいつもこいつもワインて言ったらフランスばかり用意しやがって……」
 王女にあるまじき乱暴な口調で、ワインを次々に取り出しては床の上にごろごろと転がして行く。
「大体、英国王女が滞在するんだからもーちょっと気を利かしたっていーだろ……お!?」
 キャーリサの手が一本のワインを手にした所で止まった。
「有るではないか。よし、これにしよう」
 キャーリサは一変機嫌を直してその瓶を手に、セラーの横に置いてあったキャスターテーブルの上からワインオープナーを手に取ると、慣れた手つきで抜詮(ばっせん)する。
 そしてこれも慣れた手つきでワインをデキャンターにワインを移し替えて行く。
 透明なデキャンターに注がれて行く真紅の液体を目を細めて眺める。
 やがてくすみも汚れも無く移し終えたキャーリサは、「ふむ、上出来♪」と1人満足すると、あらかじめ用意されていた食器から今回のワインに合うグラスを2つ用意した。
「さて、上条が首を長くして待っている……」
 と呟きながらデキャンターに手を伸ばした所で、ふと視線の端に先ほどの小包が見えて手が止まる。
「ちっ。忘れていたかったのに……」
 とは言え女王が送って来た物をそのまま放置するのも気味が悪い。
 キャーリサはグラスを一旦そこに置くと小包の側へ。そして何の躊躇も無く梱包を破り捨てると、その中身を無造作に掴みだした。
 そして掴みだされた物とは、
「壺?」
 確かにそれは壺の形をしていた。
 くすんだ様な水色をした古ぼけた壺の様な物は見るからに骨董品だと判る。
「まさかあのババア、テメエの自慢話の為にこれを送り付けたんじゃあ……」
 一瞬そう勘繰るが、流石にそれは無かろうと気を取り直して、何か説明が無いかと小包の残骸を物色すると、
「おお!? あるじゃないか手紙。いやはやうっかりうっかり」
 先ほどの上条宛と同じ便箋。その封をさっさと開けて手紙を読み始めたキャーリサは、その切れ長の瞳を丸くさせると先ほどの古ぼけた壺を凝視する。
 そして再び手紙に目を走らせると、読み終えたと同時にその手紙を握りつぶしてそのまま床にぼとりと落とした。
 その顔には不敵な笑みが浮かぶ。
「よくよくお節介な母親(ババア)だし」
 そう言葉を零すと、気持ちを落ち着ける為か大きな深呼吸をする。
 それから何事も無かった様に先ほどのキャスターテーブルの方に向かうと、それを押して上条の待つ隣の部屋へ移動した。
 隣の部屋へ足を踏み入れた彼女を出迎えた第一声は、「不幸だぁ……」であった。
「不幸?」
 その声にちょっとムッとしながら言葉を返すと、上条がもたれ掛かっていたソファーから慌てて上体を起こす。
「キャーリサ……」
 また困った様な顔をしてこっちを見つめて来る上条に、キャーリサは先ほどの事も忘れてうずうずと湧き上がる嗜虐心を押さえながら近づいて行くと、上条の座る側に有るテーブルの上に2つグラスを並べた。
 そして次に、デキャンターを手に取ると慣れた手つきでグラスの2つに順番に注いで行く。

218『とある誰徳の英国王室』 8/21 ◆kxkZl9D8TU:2010/07/16(金) 17:47:55 ID:/tsJ135U
 グラスに満たされた赤い液体。そのグラスの1つを手にとって器用にくるくると中身の液体を回転させたキャーリサは、「ほら」とそのグラスを上条の目の前に差し出した。
 上条がおずおずとそれを受け取ると、キャーリサはもう1つのグラスを取り上げて先ほどと同じように中身の液体をその中で躍らせる。
「これ?」
「赤ワイン」
 キャーリサは上条の質問に短く答えると、
「私たちの初夜を祝して――」
 そう言って上条のグラスに自分のグラスをぶつけると、優雅な動作でそのグラスをくいっとあおった。
 ひと口を縁の中に含んで軽く舌の上で転がしてからこくりと嚥下する。そして小さなため息を付くと、キャーリサは満足げな笑みを浮かべた。
「『バローロ』――イタリア産のワインだし。アイツらクソどもには虫唾が走るけどこれは好き」
 唄う様に呟くと2口目をあおる。
 そしてグラスをあおりながらチラリと上条の方を盗み見ると、上条はまだ相変わらずグラスを眺めていた。
「ん? お前は何をそんな難しー顔をしているの? 私も同じものを飲んでいるのだし心配する事は無いぞ」
「いや、そう言う事じゃ……」
「なら飲めるだろ? ほら、英国王女が自らデキャンタージュしたワインなんぞ滅多に飲めるものでは無いしー。香りが逃げない内にさっさと飲むの」
「あ、うん……」
 強引に飲む様に進めてみれば、上条もそれ以上は何も言わずにグラスを一気にあおる。
「わーお♪」
 思わずそんな言葉が口を突いて出る程見事な一気飲み――と感心したのも束の間、上条は派手に咳込んだ。
 しかも一度では無い。2度、3度とゴホゴホと咳込む姿に暫しキョトンとしていたキャーリサだったが、ぷっと吹き出したかと思うと声を立てて笑いだした。
「あははははは。子供にはまだ早かったか?」
「ごほげほごほ……、ちっくしょ……何でこんな渋い飲みもんが旨いなんて思えるんだよ……?」
「いわゆる大人の味ってヤツ? はははっ。なーに気にするな。嫌でもすぐ大人になるの。そんな事よりもほら、もー一杯どーだ? ん?」
 そう言ってキャーリサがデキャンターを手に上条に突き出すと、余程悔しかったのか上条がグラスをこちらに向けて来た。
(フフっ。本当にこの子は飽きが来ない子だしー)
 上条が悪戦苦闘しながらワインを飲む姿を肴に、キャーリサは気持ち良くワインをあおる。
 久々の楽しい宴はあっという間に過ぎて行き、気付けばデキャンターの中身は空っぽに。
 ふむ、もう少し欲しー所なんだがな、とため息交じりにひとりごちたキャーリサは、空のグラスを置いてソファーから立ち上がると、何の迷いも無く上条の隣に座りなおす。
 そしていい気分もそのままに上条の首に手を回してしなだれかかり、あまつさえそのアルコールで真っ赤になった耳にキスをするかの如くに口を近付けると、
「さー上条。そろそろ始めよーか?」
「や、やっぱ本気なのかよ?」
「なーにを今更。お前は本当に諦めが悪い男だなー。とは言え、その諦めの悪さに負けたのが私な訳だし」
 酒の勢いで一気に押し切れるかと思ったのに、と内心がっかりしていると、「キャーリサ」と心配そうな上条の声が耳に響いて来た。
 あれ? 私、今変な事言ったか? と内心慌てながらもそこは上手く押し隠しつつ、
「あ……悪い悪い。恨み事に聞こえたの? それだったら謝るし」
「あ……いや……そんな事は……」
 キャーリサは自分の腕の中で百面相をしている上条の姿を見てにっこりとほほ笑む。どうやら全く脈が無い訳では無いらしい。
「ンフフフ……。お前は本っとーに面白いの。年齢や経験不足なものも有るのであろうが、ウィリアムの様に変にスレてもいないし、騎士団長の様に格式に縛られ過ぎた堅物でも無いし……」

219『とある誰徳の英国王室』 9/21 ◆kxkZl9D8TU:2010/07/16(金) 17:48:21 ID:/tsJ135U
 自分なりに上条を褒めたつもりだったが反応は極めて鈍い。
 そうなって来ると先ほどの自信も急にぐらぐらと揺らいで来たりして、キャーリサは思わぬ言葉を口にしてしまう。
 ま、その前に上条の顎をグイッと掴んで自分の視線と強引に合わせる辺りがキャーリサらしいと言えるだろうか。
「お前はまだ私の事が嫌いか?」
 キャーリサは言ってしまってからハッと我に返ると、自ら吐露した言葉に絶句した。
(何だこれは……。これではまるで嫌われる事に怯える初心な小娘の様では無いか!?)
「お、俺は……お……あ……」
 困惑の表情を浮かべた上条が必死に何かを喋ろうとしているが、キャーリサはそれどころでは無い。
(こ、これはあくまで自身の体面を保つ為の行為で有って、け、決して恋愛感情を求めている訳では無いの!)
 だから答えなんて聞く気も無いし、聞かされたくも無い。だから笑い飛ばして全てを台無しにする事にした。
「ハハハハハ。無しだ、無し無し。お前も何真面目な顔して答え様としているのだ。ん? んー……フフフフ……。どーやら私もー、酔いが回って来たみたいだしー。アハ♪ アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ……」
 そうしながらキャーリサは、
(何をやっているのだ私は?)
 下手にそう言う世界から身を遠ざけすぎた結果がこれか? 女王の差し金とは言え、自ら仕組んだ芝居に自分が酔ってしまうとは……。
 自分の心の内を少しでも他人に吐露してしまうなど過去のキャーリサにはあり得ない事。
 己を御しえないとは私も弱くなったの、とキャーリサは思う。そして、自分をそんな『弱い女』に変えてしまったこの少年を憎からず思っている自分に呆れた。
(何だかこの少年と居るとおかしいの。全く自分がコントロール出来ないなんて……。フフフ。でも、こう、何と言うか、考え方を変えてみれば、目指す結果が同じなら楽しー方が良いに決まっているしー)
 目的は変わっていない。変わったのは手段だけだ――そう頭の中で言葉にしてみると、何だか急に未来が開けて来るような気がするから不思議だ、とキャーリサは1人納得していた。
 そうと決まれば、
(それじゃー手始めに……)
 相変わらず不安そうな顔をしている上条に、キャーリサは何やら体の奥に沸き起こる熱いものを押さえる様に、ぺろりと唇をひと舐めして、
「どーしたの?」
「い、いや……べ、別に……」
「そーか? 何やら随分と怯えた目でこちらを見ていた感じがしたしー」
「そ、そんな事ねえよ」
「ほらほら、その目だその目。うん。そんな怯えた目で見つめられるとだなー……、捕えて食ってしまいたくなるが、構わないの?」
 上条は何を聞かれたのか判らずに思わずキョトンとした顔でこちらを見つめている。
(ウフフ。ほら、ス、キ、だ、ら、け、だ、しー♪)
 キャーリサはそうほくそ笑みながら、そのままぐっと上条の顔に自分の顔を寄せて行くと――何の迷いも無く唇を奪った。
「!?」
 その瞬間ギョッと見開かれた瞳には、思わず笑いをかみ殺さずには――とは言っても唇と唇が重なっていては笑う事など出来ないのだが――いられない。
 直後、我に返った上条が慌てて抵抗するのを、頭と顎は手で、それ以外は全身を使って抑え込むと、まずは柔らかな唇を吸う。
「ンぅ……」
 上条が苦しそうに呻くと、キャーリサは背筋にゾクゾクしたものを感じて、唇を吸うに飽き足らず、柔らかく歯を立てて弾力を味わう。
 そして今度は上条の鼻を摘まんで、苦しさに自ら口を開くのを待ってからそこに舌を潜り込ませた。
「ン゛グッ!?」
 上条の中に潜り込んだ舌は、口の中をくまなく――それこそ歯の一本から上顎の凹凸まで執拗に舐めまわす。

220『とある誰徳の英国王室』 10/21 ◆kxkZl9D8TU:2010/07/16(金) 17:48:47 ID:/iHyqTOM
「ォア゛……ン゛ン゛ォォ……」
 上条のうめき声にぐちゅぐちゅと卑猥な水音が重なるのにそれ程の時間は掛からない。
 重なった唇の間から零れた唾液が滝となって零れ落ちてソファーに幾筋もの痕を残して行く。
 その間も執拗に上条の口内を舐めまわしていたキャーリサの舌に、唐突に柔らかくも力強い何かが絡み付いて来た。
「んぅッ!?」
 思わず驚いてうめき声を漏らすも、直ぐにそれが上条の舌だと判ると、キャーリサは嬉々として自らも舌を絡めて行く。
 本来はキャーリサの舌を追い出そうと上条が必死に取った行動だったが全ては後の祭り。
 ぎゅうううううううっと力強くがっちりと舌を絡め合わせたキャーリサが自らの頭を少し引いた。
 すると、それに合わせて上条の舌が口内から、徐々に徐々に引き出され……と次の瞬間、舌と舌との連結が急に緩んで、ちゅるんと言う音と共に舌と舌が離れた。
(あれっ?)
 一瞬何が起きたかとキョトンとしたキャーリサは、我に返って組み敷いたままの上条の顔を覗き込んだ。
 と、そこにはだらしなく口を開いて舌を突き出したままの上条が居た。
「ン……ハァ……」
 少年とは思えない艶めかしさで息をつく少年。
 そして、ゆらゆらと揺れ、てらてらと濡れ光る舌は、まるでキャーリサの事を誘っている様で、
「いただきまふ」
 喋るのもそこそこにむしゃぶりついた。
「あががががあああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
 上条が悲鳴を上げるがお構いなしに赤子の様にチューチューとはしたない音を立てて気が済むまで吸ってから、そこで急に我に返る。
(コラコラ私は何をがっついているし?)
 慌てて口を離してみれば、目の前にはぐったりとした上条が居て、
「途中まではワインの味だったな……フフ、フフフフ。上条、ご馳走様」
 表面上はそう取り繕うが、内心はまたもパニック状態だ。
 取り合えず落ち付こうと、唾液でどろどろのお互いの唇を拭ったキャーリサは、
「手慣れていると思われても困るので先に言っておくが、私は処女だし」
 と、さり気無くカミングアウトしてみたのだが、
「マジあッ!?」
 上条は慌てて口を両手で塞いだが、当然聞き逃す訳も無い。
 そして、やはりと言うか予想通りと言うか、それでもムカつくのには変わりない。
「何か今失礼な事を言わなかったか?」
 その言葉にぶんぶんと頭を横に振る上条の行動も大体予想の範囲内――とは言うものの、
「まあよいの」
 内心はあまりよいとは言えない状況。
 何だかまたむしゃくしゃして来ると、全てがもう投げやりな気分になって来るでは無いか。
 キャーリサはすっくと立ち上がると、レザー製のチューブトップのファスナーをおもむろに下げた。
「うわッ!?」
 そう言って驚く上条の目の前で、それを放り出す。
 今や上半身は真っ赤なブラ一枚になったキャーリサは、続いてレザーのミニスカートのファスナーに手を掛けた。

221『とある誰徳の英国王室』 11/21 ◆kxkZl9D8TU:2010/07/16(金) 17:49:06 ID:ox4zVaJw
「ストリッパーの様に勿体ぶって脱ぐなんて私には出来ないの。ま、だから色気が無いのは許せ」
 そう言ってあっという間にスカートもハイヒールも放り出すと、着ているのは真っ赤なブラとおしり丸出しの真っ赤なTバック、それと真っ赤なガーターにこれも真っ赤なストッキングだけ。
「ふぅ」
 自棄になって脱ぎ捨てては見たが、何だかもやもやは一向に収まる気配が無い。
(さっきはあんなに盛り上がっていたのに……。何なのだこの落差は? 上条に言われたから? いやいや、それよりもっと前だ。そう、接吻の最中に理性のブレーキが……)
 と、物思いに耽りそうになったキャーリサは、熱い眼差しをびしびしと感じて我に返る。
 するとそこには顔を真っ赤にしてぼうっとこちらを見つめる上条の顔が有った。
「!?」
 普段なら裸如きで、ましてや下着着用で人前に出る事など何とも思っていなかったキャーリサは、この時初めて恥ずかしいと思った。
 とは言え今更服を着る訳にも行かず、さりとて視姦されっぱなしと言うのも生きた心地がしないので、
「あー、その、何だ。何か言う事は無いの?」
「こ、神々しいです」
 返って来た言葉に更に赤面させられた。
 穴が有ったら入りたい。いや無くても穴を開けて入りたいくらいの気分だったが、
「そ、そーか? それはどーも」
 その後は沈黙……。
(うわああああああああああああああああ!! こ、この恥ずかしさは子供の頃式典でひっくり返ってパンツ全開にした時のVTRをババアに公衆の面前で暴露されたあの時、いや!? それ以上に恥ずかしーしッ!!
と、とは言えッ、も、目的達成の為にも、こ、ここで逃げては水の泡……。し、しかし、しかしぃぃぃいいいいい、何かもうこの状況と言うかこの感情どーにかして欲しいの! もーさっさと押し倒すなり何なり、とにかく拷問だしー!!)
 どわぁーっと頭の中を混乱と言う濁流が駆け巡る事しばし。
 先に我に返ったキャーリサは、ボケっと呆けたままの上条に声を掛けた。
「おい」
「え?」
「早くしないか。こっちは待っているのだぞ?」
「何を?」
「押し倒されるのを」
 その後の上条の行動は素早かった。
 気付けば目の前にはその姿は無く、更に気付けばソファーの向こうから顔を半分だけ覗かせている。
 その姿はリスやネズミの様な小動物を連想させた。いや、上条だからハリネズミかとキャーリサは嘆息する。
「ホ、ホントにやるのか?」
 今更ながらの言葉にキャーリサは興醒めした様な表情で自分の頬を掻いた。
(何だか本当にこの少年には振り回されっぱなしだの)
 上条が聞いたら憤慨しそうな事を考えてから、ふっとある悪戯を思い付く。
 それにはとあるアイテムが必要で、それは隣の部屋に置いてある。
 キャーリサはまず真剣さ一〇〇パーセント、プラス儚いお姫様を頭の中でイメージしながら表情を作ると、
「もし抱いてくれなかったら舌を噛んで死にます――」
「!?」
 上条の顔に瞬く間に真剣な、そして苦悩する表情を見てとったキャーリサは取り合えず満足すした。
 これならきっと自分の為に頑張ってくれるだろう、と。
「なんて言うのは私のガラでは無い訳だしー」

222『とある誰徳の英国王室』 12/21 ◆kxkZl9D8TU:2010/07/16(金) 17:49:30 ID:ox4zVaJw
「んぬぉわぁッ!? お、お前どっちなんだよ!! ってアレ?」
 ずっこけて隠れていたソファーを飛び越えて上下逆さまで叫ぶ上条をそのままにしてキャーリサは先ほどワインを物色していた部屋に戻ると、あの古びた壺を手に取る。
「結局ババアの掌の上と言うのが癪に障るが、まー深くは考えない事にするの。コイツを使えばどうなるか……ンン……フフフフ。この私にも見当もつかないわけだしー♪」
 そして壺を手に、足取りも軽やかに上条の前に戻って来ると、未だ逆さのままの上条は、
「何だそれ?」
「さっきお前も見ただろ?」
「?」
 ま、判らないのも無理は無いが、ここは勿体ぶって種明かしをしようかと、キャーリサはワザと憮然な表情を作ると、
「ふん。うちの馬鹿親がご丁寧に送って来た例の箱の中身だし。『これを使えばかの少年もイチコロだぞ』とか手紙を添えてな」
 その言葉に上条の眉間に深い皺が刻まれる。
(うわー、怒ってる怒ってる♪)
 この誰にでも拳を見舞うと言う少年が女王をぶっ飛ばす様も面白いかなと思いつつも、今はもっと大事なイベントがあるのだ。
 キャーリサは上条から離れた位置――先ほど自分が押して来たキャスターテーブルの上に壺を置くと、上条の意識をこちらに向けさせるべく今度は怯える様なそぶりをして見せる。
 果たして、上条の瞳にまたあのキャーリサをゾクゾクさせる様な光が灯り始める。
(いいぞ少年)
 観客が乗ってくれば俳優も俄然やる気が湧いて来るもの。
 キャーリサは上条が何か言おうとした機先を制して種明かしをする。
「こいつは『不問の壺(パスオーダー)』と言う霊装だ。で、何に使うかと言うとだな。『女』に対する自白強要――いわゆる拷問器具だし。命令1つでこいつの中に仕掛けられた昆虫型霊装が『女』の敏感な部分をこれでもかと刺激するらしーの」
「おい何だよそりゃ!? 何でそんな物騒なもん女王が送って寄こすんだよ?」
「ん? まあ、拷問器具として使われていたのは大昔の話だしー。今のこいつは、誰も使う事の無いただのガラクタ。し、か、も、昔っからただのガラクタだったのだしー」
「?」
 言葉の意味が判らないと言う顔をした上条に、今度は目いっぱいの作り笑いを向ける――ここで上条の気を目一杯引き付けなければ始まらない。この悪戯に失敗は許されないのだ。
「コイツは『女』に対して性的拷問を行う霊装だとは言ったな。ところがこいつがまた制御が全く利かない代物だったの。『女』には見境無しに襲いかかるわ、話を聞こーにも相手を壊してしまうわ……。で、付いた名前が『不問の壺』」
 そう言ってキャーリサは壺をぺちぺちと平手で叩く。
 さて上条はどうするか……?
「そうか。で、それが何か判ったけど、お前はそんなもん持ち出してどうするつもりだ?」
(乗った♪)
 これで全てのおぜん立てが整った。後は上条が自分を助けてくれるかだけが、それこそ心配する必要も無かろーとキャーリサは思う。後は自分が最後まで踊り明かせば良いだけだ。
『踊れ』
 キャーリサが言葉と共に壺の縁にくるりと指を這わすと、壺から淡い光と共にガラスを打ちあわす様な涼しげな音があふれだす。
「おいキャーリサ!?」
 上条の慌てる声に、初めて作り笑いでは無い本物の笑顔――上条には不敵な笑みに見えたが――を向けるながら、
「上条。願わくば私の正気が欠片でも残っている間に助けて欲しいの……」
「キャーリサ!!」
 上条が叫ぶのと、壺の中から溢れだした淡い光の粒がキャーリサに殺到するのは、本当に全く同時のタイミングであった。

223『とある誰徳の英国王室』 13/21 ◆kxkZl9D8TU:2010/07/16(金) 17:49:49 ID:/tsJ135U


〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜


 上条がキャーリサの名を叫ぶより先にその怪異は発生する。
 まず、古びた壺から漏れいた光が一段と輝きを増したかと思うと、その口からどっと光の柱が現れた。
 その光は、真っ直ぐ天井まで伸びたかと思うと、ぶつかる寸前に180度方向を変えて、キャーリサの頭上から襲いかかったのだ。
 それを全くの棒立ちで受けたキャーリサの耳には、先ほど聞えていた涼しげな音とは異なる、ガラス同士を擦り合わせるシャリシャリと言う不快な音が押し寄せる。
 肌に感じる不自然な冷たさ、そしてこの光の正体が目に見えないほど小さな霊装だと言う事実、その全てがこれから我が身に起こる運命の序章かと思うと、恐怖から肌が粟立つのを感じずにはいられなかった。
(まるでか弱き小娘のよーだの)
 自嘲の笑みも些か精彩を欠くがこれも仕方の無い事と言えるだろう。
 と、その不快をもたらす光と風が唐突に姿を消した。
 その次に来るのは拷問の如き快楽か――だがしかし、5秒持ち、10秒待ち、キャーリサの感覚では1分『も』待った筈なのに、身体に感じる様な変化は一向に現れる気配が無い。
「あれ?」
 自分の目や手触りでも確認してみたが、やっぱり何も変わっていない様に見える。
「キャーリサ……?」
「へ?」
 顔を上げれば上条が心配そうにこちらを見つめて居るではないか……。
 それに気が付いてしまった瞬間、キャーリサは白い肌を真っ赤に染めて慌てふためく。
「はわッ!? ちょ、ちょっと待つの!」
 別に上条は「キャーリサやっちゃったな」では無く純粋に彼女の身を心配していたのだが、そんな事は今の彼女に伝わる筈も無く、
「こ、これは……、あ! そービックリ! 日本にもあるだろそう言う番組!!」
「はぁ」
 苦しい言い訳に上条がポカンとした顔をした――とこれもあくまでキャーリサの視点で有り、実際の所、上条はこの状況を全く理解していない。完全に置いてけぼり状態にあっただけだ。
 しかし、完全にパニック状態になってしまったキャーリサにそれを把握しろと言うのは酷である。
 とにもかくにもこれ以上恥の上塗りは御免だとばかりにキャーリサはまくしたてる。
「いやー、引っかかった引っかかった――どうだ? 驚いたか!? な! 驚いただろ? もしかして私がコイツを――」
 そう言ってキャーリサは先ほどの壺を手に取ると、
「本気で使うと思ったにゃーん!?」
 突然の猫言葉に、上条は唖然――いやさっきからずっと唖然としっぱなしだが――、そして発した本人は呆然とする。
「な、何だ今の悪寒は……?」
 確かこう壺を手にとって体をこう――そう頭の中で反芻しながら動きを再現してみると、
「ひゃん!?」
 またも背筋を這う未知の感覚に恥ずかしい声が出てしまう。

224『とある誰徳の英国王室』 14/21 ◆kxkZl9D8TU:2010/07/16(金) 18:03:20 ID:ox4zVaJw
 悲鳴を上げた拍子に壺を落としてしまったがそれ所では無い。今は我が身に起こったこの不可思議な現象の解明が先決である。
(今の感じ……、背中に髪が触れたのがのがいけないようだし)
 背中に髪の毛が触れた位で……、とキャーリサはいぶかしむ様な表情で、確かめる様に自分の背中に下から上に向かってつつっと指を這わせた。
 すると、
「ふうううあああああッ!?」
 ゾクゾクゾクっと先ほどより強い刺激にキャーリサは全身を総毛立たせる。
 そして同時に身体にはある変化が起きていた。
 それは、発熱、発汗、のぼせ、どうき、息切れ、手足の震え、軽いめまい、とまるで風邪薬に書いてある風邪の症状様に似ているが、
「くふっ」
 試しにと手の甲を指でなぞっただけでも振るえる様な快感が走る。
(こ、この全身に伝う感じは、何か、癖になるの)
 脳を蕩かす奇妙な高揚感――これが唯一風邪とは違う、そして最も怪しむべき変化であった。
「あっっ……」
 キャーリサは突然胸に走った強い疼きに背中を丸める。
 そして疼きの先に視線を落とせば、そこには真っ赤なブラが。正確にはブラの中で固くしこった頂が裏地に擦れる度に、神経の一筋一筋に快楽の電流が走るのが判るかの様な刺激を伝えて来ていた。
 その事にキャーリサはごくりと生唾を飲み込んだ。
 ブラの裏地と言えば敏感な部分を覆う為に、柔らかく肌触りの良い布地で出来ている。現にキャーリサは今まで一度もこのブラに不満を覚えた事は無い。
 それなのに――、
(ちょっと触れただけでもこの刺激とは)
 キャーリサの頭の中に妖しい考えが浮かび上がる。もしも……、もしも直に触れたならば、一体どれほどの……。


「お、おい、キャーリサ」


 突然、何の前触れも無く上条に名前を呼ばれたキャーリサは心臓が張り裂けんばかりに驚いた。
 たいして大きく無い、強い感情も込められていない、むしろ自信の無さそうな弱弱しい声だ。
 しかし、本来の目的も何もかも忘れて目先の快楽の波に流されかかっていたキャーリサにとっては、雷に打たれたに等しい衝撃だったのだ。
 だから思わず、そっと、ほんの少しだけ試しに触れてみようとしていた自分の胸を、思い切り鷲掴みにしてしまったとしても彼女の不用意さを責める事は出来ないだろう――と思うのは後のキャーリサの言い訳である。
 兎にも角にもそれは起きてしまった。
 敏感になっていた両の乳房を、そのブラの上からムギュッと押しつぶす細い指。
 その指の間からは手に収まりきれない柔肉がこぼれそうな程はみ出している。
「ッ!!」
 キャーリサは声にもならない短い悲鳴を上げると白い喉を見せてのけ反った。
 自分の失敗を認識する暇も無く半ば白目を向いて昏倒しかける。そんな彼女に更なる悲劇が降りかかる。

225『とある誰徳の英国王室』 15/21 ◆kxkZl9D8TU:2010/07/16(金) 18:04:20 ID:ox4zVaJw
 まず胸への刺激は更に頂を固く起立させて、そのせいでより一層布地に擦り潰される事になり、
「くはっ!?」
 その刺激によってキャーリサは強制的に覚醒させられてしまう。
 そして変化はショーツの中でも――。
 少女の如く綺麗な色をしたキャーリサの秘裂。普段はぴったりと口を閉じているそれは、先ほどから刺激で微かに緩みを見せて、ショーツに恥ずかしい染みを作っていた。
 それが強烈な刺激に反応してグバッと口を開いたかと思うと、ショーツの中に貝の如く潮を噴いたのだ。
「は!? や? ナニ? ひぁ、こ、こんな、アァ……」
 その量は凄まじく、ショーツの布地で吸収しきれなかった分が太ももを伝い、また布地を超えて雫となって滴る。
 また、びしょ濡れになったショーツがぴったりと股間に張り付いて、物欲しそうに淫唇を振るわせる様が丸見えになっていた。
 更に、秘裂からは、起立した肉芽が小指ほどにも膨らんで、張り付いたショーツに擦れる。
「や、いや、ナッ? こ、こんンンッ! た、立ってられないウンンッ!! ヒィ、イヤ、ダメェェ……」
 もじもじと内腿をすり合わせる様は、まるでおしっこを我慢しているかのようだ。
 そして時々ぶるぶるっと震えるのは、本当に尿意が襲っているからであった。
(あ、オシッコでる、とか、わ、わたし、ど、どうすればいいの!!)
 快感と尿意のダブルパンチにキャーリサは完全に心の余裕を失っていた。
 その場から移動するどころか、立っている事さえ困難な状況。ましてや日本語を喋る事など出来る筈も無い。
「おい、キャーリサ?」
「ダメっ」
「な、なあ、おい。大丈夫、か?」
「で、出ちゃうぅ」
「おい、何言ってんだよ?」
「クゥッ!? ハ、ハ、ハ、ハ、ハ。あ、あぶ、あぶなッ、イ、クゥ、ゥゥ……」
「おいッ!?」
「ダメダメダメダメダメダメダメダメダメ……」
 波の様に絶え間なく押し寄せる絶頂に尿意はほぼ限界だった。
 後もうひと押し、何かほんのちょっとでも新しい刺激が訪れたなら、キャーリサは間違いなく漏らす自信があった。
 そして、その刺激は今すぐ側にまで近づいていた。
「だからどうしたんだキャーリサ!?」
 その時の上条の声は聞こえていなかった。
 まして直ぐ側に来ていた事にも気付かない。
 ギュッと左腕を掴まれてもその時の記憶は定かでは無い。
 憶えているのは、そこから他人の掌の温かさと共に、胸よりもアソコよりも強烈な快感が全身を駆け抜けたと言う信じがたい事実。
「ッ!!」
 下を向いていた顔を驚いてガバッと上げると、すぐ間近に上条の顔が有った。
「大丈夫か?」
 場違いな程優しい瞳。その瞳の中に映った自分は、絶望と安堵に泣き笑いの表情を浮かべていた。
 それを確認したキャーリサは、今度こそ本当に意識の手綱を手放したのだった。

226『とある誰徳の英国王室』 16/21 ◆kxkZl9D8TU:2010/07/16(金) 18:04:44 ID:/iHyqTOM


〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜


 次にキャーリサが目覚めた時、まず視界に入って来たのは上条の顔だった。
「キャーリサ?」
 名前を呼ぶ相手の事は判るが、何故自分が見下ろされているか判らない。
「ここはどこだ? お前は何をしている?」
「え?」
「だからここはどこだ、お前は何をしていると聞ーているの。二度と同じ事を言わせるな」
 すると、上条は困った顔をしてから、「ちょっといいか」と何をするのかと思ったら額に手を当てて来た。
 触れられた個所から全身にふわふわと心地よい感覚が広がる。
 その事にキャーリサがうっとりと目を細めたが、そんな手は直ぐに離れて行ってしまった。
「あっ……」
 思わず物惜しそうな声を上げて、そんな自分が気恥しかったが、どうやら上条は気付かなかった様子だ。
「まだ少し熱い気がすっけど……。で、まだ何も思い出さないか?」
 何を言われているか判らないが、思い出さないものは思い出さないので、首を横に振ると、「俺の口から言うのかよ……」と上条は頭を掻いてから、
「あ、あのな。そ、その、怒らないで聞いてくれるか?」
「事と次第による」
「えぇぇぇええええええええええええええ!?」
「話さなければもっと怒るし」
 その言葉に上条はガクッと頭を下げて、「不幸だ……」と呟いた。
「じゃあまずここ。お前が借りてるホテルな」
 そう言われてもこの程度の装飾など見飽きたキャーリサには余りピンとこない。とは言え話が進まないので取り合えず頷いておく。
「俺はお前に連れて来られたんだ」
「あー、そう言えばそんな記憶があるような」
「ちょ、しっかりしてくれよぉ……」
「まー、気にするな。それより続き」
 そう急かすキャーリサには1つ気になる事が有った。それは、
(それにしても体が重いと言うかだるいと言うか……)
 これについても上条が何か原因を知っているだろう。
「ほら、ぐずぐずしないで話の続きをするの」
「ああッ、もうッ! ほんと怒るなよ」
「くどいッ!」
「ぅわッ、何だよ……もう怒ってるじゃん……。い、いいか、まず、これを憶えてるか?」
 そう言って上条が見せたのは古びた水色の壺。しかも綺麗に半分になっているそれを見た途端、キャーリサは何だかとても落ち付かない気分になって来る。
 今すぐ跳ね起きて何処か遠く……、誰も居ない場所まで飛んで逃げたい気分だった。
「あのさ……、お前に触った時に何故か割れちまったんだ。これ女王が送って来たモンなんだろ?」
 『女王』と言う言葉によってキャーリサの記憶が徐々に蘇って来る。
 まだ上条の話は「拷問器具とかお前言ってたけど古いモンなんだよなこれ? きっと俺がお前に触ったのが原因だと思うんだけど、どうしたらいいと思う?」と続いてはいたが、そんな事はどうでもよかった。
(そうだ。女王だ。あのクソババアから書簡を渡されて……、それを上条(コイツ)に渡して来いと言われたんだし。内容は確か……、あ!?)

227『とある誰徳の英国王室』 17/21 ◆kxkZl9D8TU:2010/07/16(金) 18:05:06 ID:/tsJ135U
 突然に全ての記憶が甦る。
 公園での事も、ホテルに着いてからも、一緒にワインを飲んで、キスをして、そして『不問の壺』の壺を使った事も……。


「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


 キャーリサの大絶叫に上条は驚いて後ろに転がった。
 そして叫び終えたキャーリサは、
「か、上条!? おい! 何処へ行ったの!?」
「どっから出んだよあの声……ハイハイ、ここに居ますよ姫」
 再び自分を覗きこんで来た上条に、いざ呼んでは見たもののキャーリサはうっと言葉に詰まってしまった。
 視線をふわふわと漂わせながら、何か当たり障りの無い言葉を探してみたが、
「……私はあの後どーなったの」
 蚊の鳴く様な小さな声に、上条が「え?」っと聞き返すと、キャーリサの顔が真っ赤に染まって、
「わッ!!!」
「どぅおわッ!?」
 キャーリサの大声に驚いた上条は、再び背中から後ろに転がった。
「ふ、不幸だ。ってかテメエふざけんのもいい加減にしろ!!」
「馬鹿者!! ふざけているのはお前の方だし! 何で私はここに寝かせられているのだ!? 何故ベッドでは無い! 上条、お前ちゃんと説明しろッ!!」
 予定ではあの後ベッドで――の筈が、気を失うわ、気付けばソファーに寝かされているわ、体は思う様に動かないわ……、
(どうやら気が付かない内に終わっていると言うのは避けられたようだが)
 キャーリサは苛立ちに眉間に深い皺を刻むと、
「お前は据え膳喰わぬは男の恥と言う日本伝統の文化を理解しない男子なのッ!!」
「くッ!? 何処でそう言う日本語を憶えて来るんだ……。大体、こんな日本まで来て俺をおちょくって、第二王女様ってのは結構暇なのか?」
 そう言ってから上条は大きな大きなため息をつく。
 その瞬間、キャーリサは頭の中で何かがブチッと音を立てて切れたのを聞いた気がした。
「き、だ、誰のせーで日本語を勉強したと思っているの!! 全てはお前の為だし!! 誰がそれ以外の為に指一本動かすものか!!」
 そう言い切ってしまってからハッとした。
「あの、キャーリサ?」
「知らんッ!! 知らん知らん知らん知らん知らん知らん知らん知らん知ら――――ん!!」
 満足にそっぽも向けないからギュッと目をつぶった。
 でもそうすると余計に上条の事が気になる。
 とは言え最後のプライドもかなぐり捨ててしまった今、無防備な自分は本当に頼り無い。
(穴が有ったら入りたいとはまさにこの事だ……)
 などと考えていた矢先、ごそっと音がして上条が立ち上がる気配がした。
「あっ……」
 声は何とか出たがそれ以上は言葉にならない。
 正確には何を言えばいいのか判らない。
 と、そんな時、突然身体にふわりと浮遊感を感じて、キャーリサは思わず「きゃッ!?」とガラにも無い悲鳴を上げた。
 そして薄く目を開けてみれば、上条が顔を覗きこんでいるのだ。
「か、かみ、じょ……」

228『とある誰徳の英国王室』 18/21 ◆kxkZl9D8TU:2010/07/16(金) 18:05:26 ID:/iHyqTOM
「シャワーでも浴びるか?」
 その言葉にキャーリサは無言で頷くしか出来なかった。
 その後、お姫様だっこでシャワーに連れて行かれる短い間、キャーリサの頭の中は上条とのこれからの事で一杯だった。
 それは素直に裸にされていた間も同じで、気が付いた時にはバスルームに置かれた『風呂いす』なるシロモノに腰かけさせられていた。
 その状態で背中から幾分熱めのシャワーをかけてもらうと、緊張感が少し緩んでホッとする。
 シャワーその後も肩や、腕、胸、脚とかけられて行くのだが、そこでふとある疑念が思い浮かぶ。
(トントン拍子に話が進み過ぎではないの?)
 それは否定すれば否定する程大きさを増して行くので、キャーリサは1つカマを掛けてみる事にした。
「か、上条?」
「ん? 何だ?」
「その……」
「どうした?」
「シャワーはもういい……。そ、それより次を……」
 キャーリサは顔から火が出そうな程真っ赤にして俯くと押し黙った。
 今度ばかりは演技では無い。
 もうそんな心の余裕などゼロに等しい今のキャーリサには幾ばくかの勇気を絞り出して、本音でぶつかるしか方法は無かったのだ。
 しかし、
「そうか? 丁度風呂にもお湯が張り終わった所だし、俺は外出るから、身体洗うなり湯船に浸かるなり……」
 その言葉を聞いた後のキャーリサの身のこなしは、多分ブリテン・ザ・ハロウィンの時のそれを超えていたかもしれないとは、後の上条の言葉である。
「痛ッ!!」
 上条が浴室の壁に叩きつけられる。
 その胸板にバシッと平手を突き付けたキャーリサは、
「お前、紳士なのも大概にしろッ!!」
 すると痛そうな顔をしていた上条がまたも大きなため息をつく。
「お、お前また……、まだ私の事を愚弄するの!? だ、大体にして私のどこが気に入らないのだ!! 不敬は目を瞑ってやるから言ってみるし!! 」
 しかし、上条はと言えば、今度はとぼけたような顔をして視線を宙にさ迷わせるばかり。
「なッ!? お前、何とか言ったらど……」
 そう言い放とうとした矢先、突き出していた手をグイッと引かれてよろめいた。
「うわッ!?」
 そこからの一連の動作の滑らかな事。
 上条に抱きとめられ上を向かされたキャーリサは、
(エッ……?)
 状況を整理する間も無く、強引に唇を奪われていた。
 しかも、そのキスは先の意趣返しの様な濃厚なモノである。
 特に唇の端から零れる程の遠慮の無い唾液の交換は、キャーリサの頭の中を空っぽにした。
 やがて2人が離れる時、残滓の残りがキラキラと銀の橋を結ぶのを見ながら、
「ハァ、ハァ。そ、そうだ……。や、やれば出来るではないか……ン、ハァ、ハァ」
「はぁ、はぁ、はぁ……。お、お褒めに預かり、はぁ、はぁ、恐悦、しご……はぁ、はぁ」
 お互いに荒い息継ぎをしながらやり取りを交わす。
 そんな中、上条はまたも予告も遠慮も無しに、今度はキャーリサの乳房に手を添えた。
「んっ」
 それだけで上ずった声を上げてしまうキャーリサに、上条は指に力を込めた。

229『とある誰徳の英国王室』 19/21 ◆kxkZl9D8TU:2010/07/16(金) 18:05:43 ID:ox4zVaJw
「ふ……くぅ……」
 今度は指の力に強弱を付けて揉む様にしながら、手首に捻りを加えてこね回す。
「んっ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……」
 完全に上条のペースに陥ったキャーリサだったが、それを突っ込む余裕など無い。
 一度は消えた情欲の炎をキス1つで再点火され、胸への執拗な愛撫が燃料となって燃え上がる。今のキャーリサは快楽嵐に漂う木の葉の様だった。
 思えば彼女の人生は国家に捧げられていた様なものだ。
 当然恋愛どころか、自慰などと言う言葉も知らない。いや、知っていてもそんな暇など無かった。
 性器に触れるのは排泄の時と、月に一度のアレの時だけ。
 胸に至ってはただの鬱陶しい飾りで、これをこう触ったり揉んだりしたら気持ち良くなるなど考えた事も無かった。
 だから固くしこった先端をくりくりと指で挟んで転がされたりしたら……、
「ヒィ、来るッ!!」
 全身がバラバラになったかと思う程の快感を得られるなどとは思わなかったのだ。
 敏感な先端をこねられただけで達したキャーリサは、足もとのバスルームの床に、愛液と潮まき散らす。
 幸い床は濡れていたから、キャーリサがどんなに恥ずかしい雨を降らせても後は残らない。
 キャーリサは夢見心地の表情で、しゃくりあげる様にピクピクと身体を震わせた。
 すると、またも上条は何の前触れもなく乳房に吸いついて来たのだ。
「アフッ!!」
 思わず膝から崩れ落ちそうになるのを、上条によって浴槽の縁に座らされたキャーリサは、同じく跪いた上条に乳房を舐めまわされる事に。
 まずは、カプッと頬張って来る。
「ヒィ、ャア……ンン……」
 そのまま唾液の音も生々しく、ジュ、ジュ、ジュルジュルっと吸われるとブルブルっと震えが来る。
「ヤ……、そ、そんン……な、アッ、アッ、ぼにゅぅぅ……、ンッ、でな……イィ……」
 そこへ上条の舌が、ふやけて神経むき出しの先端を転がしたり押しつぶしたりと忙しなく動き回るのだから、堪った物では無い。
「アヒッ!? ンッ、ンッ、ンアッ、アアッ、クッ、ヒィィ!!」
 止めにカリっと歯を立てられたキャーリサは、
「アヒッ!! ク、ウゥゥン……」
 またも絶頂に身を震わせて、今度は上条の身体目掛けて恥ずかしい雨を降らせる。
 立て続けの絶頂にキャーリサの頭はすっかり馬鹿になったかのようで、今はとろんとした瞳に唇から少し舌を覗かせて上条のトゲ頭をぼんやりと眺めていた。
「キャーリサ?」
 目の前で上条が手を振っている。
「なにだ? なんでもゆるしてつかわすしー」
 すると上条がにっこりと微笑んで来たので、何だか嬉しくなってキャーリサもにっこりと微笑み返した。
「キャーリサ、首に腕を回してくれるか?」
「おーおー、まわせばいーのだなー」
「そうそう」
 そう言って言われた通りにすると、グイッと腰の辺りに手を回された。
「あれ?」
「痛いのは最初だけだからな」
 初めは何の話をされているのか判らなかった。
 そして上条の言葉を理解したのは、もっとも敏感な部分に上条の熱いものが押し当てられた時だった。
「ひぅッ!?」
「力を抜くんだ」

230『とある誰徳の英国王室』 20/21 ◆kxkZl9D8TU:2010/07/16(金) 18:06:05 ID:/tsJ135U
 優しくそう言われても何が何だか良く判らないまま、キャーリサは嫌々をする様に頭を振った。
 すると上条はキャーリサの頭を乱暴に押さえたかと思うと、またも強引に唇を重ねて来る。
 しかし今度のキスは乱暴なものでは無く、上条の舌が優しく諭す様な、そんな感覚でゆっくりと口の中を撫でて来るのだ。
 そうして暫く口内を擽られていると訳の判らない恐怖感が霧散して行くのが判る。
「行くぞ」
 いつの間にか離れた唇がそう動くと、今度はキャーリサもコクッと頷く。
 再び熱いものが押し当てられると、「ぃうう」とキャーリサの噛み合わされた歯の隙間から意味不明の呻きが漏れて来る
 そんな彼女からは見えないが、彼女のクレヴァスには上条自身の先が少し差し込まれていた。
 度重なる絶頂に原形をとどめぬ程に花開いた肉の花に、凶暴な肉の杭が今突き刺さろうとしているのだ。
「一気に行くぞ」
 上条の言葉に、キャーリサはコクコクと何度も頷く。
 そんなキャーリサの背中を2度、3度と上条は撫でた後、キャーリサの腰に手を回して、自分自身を一気にキャーリサの半ばまで埋め込んだのだ。
「ン゛ッ!?」
 キャーリサは一瞬腰の辺りが消滅したかと思った。
 その後じわじわと脳を溶かす様な何かが、その脳自身から頭蓋骨を埋め、耳からも目からも鼻からもあふれ出て、その溢れたもので全身が溶けて無くなる様な感覚を味わう。
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」
 上条の肩口に顔を埋めて奇妙な声を上げながらブルブルと身体を震わせる。
 そう、キャーリサは処女を失うと同時に性器による絶頂を迎えたのだ。
 それを知ってか知らずか上条は腰を更に進める。
「ヒアアッ!?」
 キャーリサはギョッとして顔を上げるが、上条は一度半ばまで埋め込んだ自身を引き抜くと、キャーリサの中に再び打ち込んだ。
「アアッ!」
 そこからは上条の独壇場。
 キャーリサは襲い来る快感と津波の様に襲う絶頂に身を捩る。
「馬鹿ッ!? 死ぬッ! シヌ、来る、く、ヒ、イィ……」
 キャーリサが1つ行く度に潤滑油がトフトフと漏れだして、上条の動きをスムーズに、早くさせて行く。
「止めッ!! 止めろと言うの、お、オ、ア、ア、ア、ア……」
 更に上条は、キャーリサの乳房にも再び愛撫を加えて行く。
「そ、そンッ、ちぶアッ、あ、あふッ、イ、イイッ!!」
 やがて上条の腰の動きが早まり、ストロークも短くなって来る。
「ヒィ、シヌ、ジヌ、アッ、アッ、ヒ、ヒア、アア、ダ、メ、ダメ、ダ……」
 すると突然、上条が「うっ」と小さく呻いて素早く腰を引いたのだ。
「アアンッ!」
 上条が身体の中から出て行く――しかし再び絶頂してしまったキャーリサにそれを認識する余裕は無かった。
 だが一方で、既に膣内はバルーン状に広がり、子宮は肉壁ごと降りて来て受精態勢はばっちりである。
 本能が雄の遺伝子を欲してもおかしく無いこの状況で、上条を――その子種を逃すはずなど無い。
 かくして、キャーリサは無意識に上条の腰に足を回したかと思うとグイッと力いっぱい締めつけたのだった。
「うわッ、馬鹿ッ!?」
 そんな罵倒など聞えない。
 感じるのは自分の大事な子宮を押しつぶす、脈打つ熱い肉の杭。
「はわぁ……」
 今までの快感が嘘の様な、いやこれ以上の快感は無いと思っていたキャーリサは呆けた顔で天を仰ぐ。
 やがて怒張した上条自身から白濁したものが放たれた瞬間、
「出るッ!」
「ンア、アアッ、ア、アアア……」
 キャーリサはため息の様な喘ぎ声を洩らすと、上条の肩に頭を預けて満足げな笑みを浮かべて闇の中に堕ちて行った。

231『とある誰徳の英国王室』 21/21 ◆kxkZl9D8TU:2010/07/16(金) 18:06:40 ID:ox4zVaJw


〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜


 その後のキャーリサは、英国より騎士団長を伴った女王がお忍びで迎えに来るまでの間、上条たちを振りまわすだけ振りまわして遊び惚けた。
 その間約3カ月余り。
 帰りの飛行機に乗り込むキャーリサのお腹のラインが、幾分かふくよかになっていたとかいないとか、それはまた別のお話が有ればそこで語られるかもしれない。
 とにかく、こうして学園に訪れた嵐の様な3ヶ月間は無事に幕を閉じたのであった。




「ねえ、とうま。洗濯板とあいさとかおりといつわから『お話があります』ってメールが来てるけど?」
 インデックスが、珍しく携帯電話を自在に操って、勝手に上条の携帯電話に着信したメールを確認していた。
「知らんッ! 俺は何も知らんッ!! だから何も話す事は無ああああああああああああああああああああい!!」
 そう言ってゼハゼハと荒い息を吐く上条の顔には疲労の色が濃い。
「英国第二王女を孕ませておいて知らないなんて良く言えるんだよ」
「ぐあッ!? 痛い所を……」
 インデックスは、床に崩れ落ちた上条に冷たい一瞥を投げると、
「とうまは一体何を考えているのかな? いや、きっと何も考えて無いのかも。考えてたらそんな事出来ないと思うんだよ」
「はぐッ!? そ、それは、あ、あの状況でキャーリサを突っぱねてはいけないと言う、何と言うか女のプライドを立ててだな」
「立てたのはとうまの方でしょ?」
「イ、インデックス!? いけません! 女の子がそんなはしたない事言っちゃ駄目です! そんな子に育てた覚えは無いざますよ!?」
「いや、別に育ててもらって無いかも……」
 またも冷たい一瞥。しかも鼻であしらうと言うオマケまでついて来て、上条は派手にのけ反る。
「くあッ! 言ったな、言っちゃったなお前! カミジョーさんが気にしてる事をさらっと言っちまいやがった!? 確かにお前が満足する程食わせて無いのは認める。だがな、だが……」
 フルフルと震える上条に、インデックスはこの後の展開を予想して両手で耳を塞いだ。
 そして、
「お前の食費は掛かり過ぎんだよッ!! もうすっからかん!! 来週までカミジョーさんのお財布の中はゼロなんだよ!! 逆さにしたって塵一つ落ちて来ねえんだあああああああああああああああああ――って聞いてる?」
「とうま。そんなに騒ぐとお腹がすくかも」
「ああご心配ありがとう。だがな、それはお前も同じだぞ。どうする? うちにはもう食べる物なんかねえ。小萌先生ん所にでも転がりこむか? 良いぞ、一ヶ月くらい、いや一年でも二年でも行って来い」
 些か追い詰められて意地悪になった上条に、インデックスは残念そうにため息をつくと、
「女王陛下が前金だとか言って置いて行ったお金があるかも」
「馬鹿言えッ!? あれに手を付けたら本当に身の破滅だ!」
 するとインデックスは、うーんと小首を傾げて唸った後、
「ねえとうま知ってる?」
「え、何が?」
「このお話のとうまってフラグ回収済みなんだよ」
「は?」
「つ、ま、り」
 そう言ってインデックスがにじりよって来る。
 噛みつかれる前にも似た緊張感だが、インデックスの背後に立ち昇るオーラはそれ以上に禍々しい。
「先を越された本妻恨み、思い知ると良いかもっ」
「だ、誰が本妻だッ!」
「24時間フルマラソンなんだよ」
 その言葉に上条はギョッとする。
 この話に置いて24時間フルマラソンが、走る事などあり得ない。
「んな馬鹿な事昨日の今日で出来るか!!」
 そこまで言ってハッと我に返ると、インデックスがジト目でこちらを睨んでいた。
「そう言えば最近短髪とクールビューティーのメールが無いんだよ?」
「あ、あはははははは……」
 上条当麻の前途は常に不幸まみれである。
「48時間耐久にランクアップなんだよ」
「不幸だああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」



END

232Aサイド ◆kxkZl9D8TU:2010/07/16(金) 18:10:44 ID:/iHyqTOM
以上でした。
最後までお付き合いいただけた方、ありがとうございました。
ラストスレだけ本編とは関係なく遊ばせて頂きました。
途中またNGワードに掛かったのが痛かったです。
でわ。

233■■■■:2010/07/17(土) 00:11:53 ID:NevcoMdo
面白かったです
サクサク読めました

234■■■■:2010/07/17(土) 23:52:49 ID:6vT0bNJc
Aサイド先生GJっ!!

『堕落の園』シリーズの続きが見たいです…(泣
それと電磁砲4人娘で二穴・三穴な話を…

235■■■■:2010/07/20(火) 19:10:18 ID:2cPU4xy2
大作age

236■■■■:2010/07/20(火) 21:44:24 ID:G0PsiO/M
>>232
キャーリサかわいいよキャーリサ
気の強い娘がテンパって自爆するのは至高ですなー
創作意欲が薄れたのかな? と思ったのは杞憂でしたか…
小道具好きなのも相変わらずのようですしw
なにはともあれ
これからも面白くて淫靡なお話を楽しみにしております

237■■■■:2010/07/21(水) 00:05:00 ID:nlXIRHDU
壷の所をもう少し細かく描写して欲しかったです。
ああいう展開好きなんで。

238Aサイド ◆kxkZl9D8TU:2010/07/22(木) 17:25:20 ID:CSeR7XGs
姫神無双。ノンエロだけどエロに投下します。
『ちょっと接近アプローチ』3レスで。
でわ。

239『ちょっと接近アプローチ』1/3 ◆kxkZl9D8TU:2010/07/22(木) 17:26:00 ID:h/NXc92U
 私の名前は姫神秋沙。
 人は私の事を影が薄いだとか。目立たないとか。酷い時には空気なんて言う人も居るけれど。
「よぉ、ネエちゃん。俺たちとちょっとお茶でもしなーい?」
 1人寮に向かって歩いていたら。知らない男の人たちに絡まれた。
 こんな時だけ目立たなくてもいいと思う。そう思うと思わず自嘲の笑みが漏れる。うふ。うふふふふ……。
「(おい、何か勝手に笑ってんぞ? 気持ち悪くねえか……)」
「(バカヤロ。テメエが日本人形みたいな極上の女の子が歩いてるって目ぇ付けたんだろおがッ!)」
「(ふざけんな全部俺のせいか!? テメエだってあんな純和のコもイイナっつっただろ!!)」
 む。何か内輪揉めを始めた。これはチャンスかもしれない。
 何時も持ち歩いている魔法のステッキを。懐から取り出して……。
「「お!? おおおおおおおおおおッ!!」」
 ん? 何を盛り上がってるか知らないけど。
「私。魔法使い」
「「!!」」
 今度は何を驚いているのやら。驚くのはこれからなのに。
「えい」
「うおッ!? 何しやがんだこのアマッ!」
「避けないで。避けると余計に痛いから」
「避けるなったって、避けるわボケぇッ!!」
 むむ。やっぱり枕と違って動いている相手は難しい。
「やー」
「うおッ!? あぶねえッ!!」
 ちっ。今のはちょっと惜しかった。
 と。私が次の攻撃に移ろうとしたら。もう1人の男に魔法のステッキを取り上げられた。
「あ!?」
 女の子1人に男2人掛かりとは何て卑怯者。
 男は魔法のステッキを放り出すと。もう1人の男に「何遊んでんだテメエはよ」とか言ってる。
 こっちは真剣なんだから。馬鹿にしないで欲しい。
「んな事言われなくても判ってるよ。おいこのクソアマぁ、テメエただで済むと思ってんのか?」
「きゃ!?」
 ドンと胸を突かれて尻もちをつく。
 痛たたたた……。久しぶりにこう言う扱いされた。
 最近は普通の生活ばかりだったから。ちょっと。どうしよう。万事休す……?
 何時ぞや。こう言う下衆な事に慣れていると。私が見栄を張った彼の顔を思い出す。
 何時も都合良く助けに現れる彼も。流石にこう何度も上手く――。
「俺の女に何してくれてんだテメエら」
「「「!!」」」
 驚いた。いや呆れた。
「本当に。君は。女の子が困っているのを感じるアンテナでも付いているんじゃない?」
「それが助けに来た相手に言うセリフか姫神? 不幸だ……」
「おい、テメエ何しゃしゃり出て来てやがんだよ? この女はこれから俺らとデートに行くんだ」
「そうだぜ。テメエはお呼びじゃねえんだよ。財布置いてさっさと帰んな。ぎゃははははははははははぎゃ!?」
 馬鹿笑いしていた方の男が悲鳴を上げて倒れた。
「な、何しやがる!?」
「何しやがるって随分のんびりした事聞くんだな。やるのか? やらないのか? 俺はどっちだっていいんだぜ?」
 彼が背を向けているせいで顔は見えないけど。相手の男は今の言葉で顔面蒼白。もう決着はついたみたいで。活躍の場は今日も失われてしまった。

240『ちょっと接近アプローチ』2/3 ◆kxkZl9D8TU:2010/07/22(木) 17:26:27 ID:h/NXc92U
「お、憶えてやがれ!!」
 お決まりのセリフを残して男が仲間を担いで走り去ると。何時も通りの彼が手を貸してくれた。
「大丈夫だったか姫神?」
「うん。平気」
「そうか。じゃあもうちょっと動けるな?」
 何を言っているのかと思った矢先。彼は私の手を引いて走り出す。
「何処に行くの?」
「いや、決めて無い! とにかく別の場所だ! ああ言う連中はすぐ仲間呼びやがるからな! 経験稼ぎはもう飽きた!!」
 慣れてるんだねこう言う事。こうやって次々君が女の子を助けるから。私の出番が減って行くと言うのに。
「少しは私の事も気にかけて欲しい」
「え!? 何だって!?」
 走りながら振り返る彼に。私はピンと閃いた事が有った。
「こっち!」
「どぅおわッ!?」
 私が急に足を踏ん張って別の方向に向かったので。バランスを崩した彼は近くの街路樹に顔面から突っ込んだ。
「ふ、不幸だ……」
「ごめん」
 でも丈夫な彼はすぐに復活して、「こっちって言ったよな?」って聞いて来た。
「そう。こっちに私の寮が在る。そこに行こう」
「え? 姫神の部屋?」
「何? もしかして嫌?」
「いや、あ、嫌じゃ無くて良いんだけど、良いんだけど何と言うか……」
「何と言うか?」
「あ、あ……」
 じれったい。急いでるんじゃ無かったの?
「待てない。行こう」
「ちょ、ちょっ、ちょっと!?」
「もう話は聞かない。これは決定事項。君は今から私の家に来るの」
「何言ってんだ姫神!?」
 あ。いつの間にか心の声がだだ漏れになってた。
「うっかり」
「いや、可愛く自分にゲンコツしたって意味判らないから」
 兎にも角にも。彼を連れて私の部屋に直行した。
 彼を部屋に案内すると。まるで借りて来た猫みたいに座布団の上に正座したまま動かない。
 来た時に出してあげたジュースも手を付けないでそのままだ。
「どうしたの? もっとくつろいで」
「あ、ああ」
「何か気になる事でも?」
「うん? いや、全然」
「そう? じゃあ。私は失礼して制服を着換えて来るね」
 そう言った途端。彼の肩がビクンと跳ねたのを私は見逃さなかった。
 そう。そう言う事だったの。ふふふ。
「ちょっと待っててね」
「お、おう」
 私は。彼の背後にあるクローゼットの中から寝間着用にと買ったある服を手に取った。
 これは。吹寄さんたちと一緒に行って買ったんだけど。ちょっと訳有りでクローゼットの肥やしになっていた物。

241『ちょっと接近アプローチ』3/3 ◆kxkZl9D8TU:2010/07/22(木) 17:26:51 ID:m6bN5n0s
 まさか日の目を見る日が来ようとは。
 あ。ちょっと私ドキドキしてる。
 きっと君も今こんな感じなんだよね。
 私は寝間着とハンガーを一緒に持って部屋を出るとそのまま脱衣スペースに飛び込んだ。
 早速制服を脱ごうとしたら。指が震えてリボンが解けないなんて。
「あんなに色々見慣れたと思ったのに。案外。私って普通なんだ」
 そんな普通の。日のあたる場所に私を引っ張り出してくれた人は。今。ほんのちょっと手を伸ばせば届く所に居た。
「がんばれ。私」
 何とかリボンを解いて。制服はきちんとハンガーに掛け。靴下と下着はまとめて洗濯かごに放り込む。
「む。裸でははしたないと思われるかな?」
 今更見せて困る様な所は無い筈だが。何事もイメージが肝心だと言ったのは。確か吹寄さんだった。
「ま。これもイメージ」
 私は寝間着をさっと着込んで姿身でさっと確認すると。彼の元に足音を忍ばせて帰る。
 相変わらずカチコチに固まった彼の後ろに立って声を掛ける。
「上条君」
 初めて呼んでみた割には上手く呼べたと自分でも感心した。
「上条君。着換えて来たよ」
「お、お……う……!?」
 彼の顔が振り向いたまま凍りついた。
 そのままピクリとも動かない彼に。私はその時きっと変だったのだろう。調子に乗ってキスをした。
 軽い。本当にあいさつ程度の。そんなキス。
 でも。そのキスには魔法を打ち消す効果が有ったみたいで。
「ひ、姫神ッ!?」
 止まっていた彼の時間は。ほら。動き出した。
「何?」
「お、おま、お前今ッ!?」
「そんな事より」
「そんな事ってお前!?」
「そう。そんな事だよ。これからもっとすごい事をするの」
 ふふふ。今の君の顔ってすっごく間抜け顔。
 でも安心して。そんな君もひっくるめて。
「好き」
「へ?」
 彼の頭を抱きしめる様にすると。逃げるかと思ったけどそんな事は無かった。
「1つ。聞いてもいい?」
「な、何?」
「似合ってる?」
「え?」
「吹寄さんと盛り上がって買っては見たんだけど。いざ冷静になると」
 そう言って私は寝間着――真っ白なベビードールの。そのキャミソールの裾をめくった。
「あ、お、おま、し、したっ」
「Tバック。初めて履いたけど。これなら巫女装束の時みたいに履かない方が良いかな? お尻が丸見えなのは変わらない」
「…………」
「で。どうかな? 似合うと思う?」
「……う」
「え?」
 声が小さくて良く聞こえない。
「に、似合うと思うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
 最後の悲鳴は私がまた抱きしめたせい。
 皆ごめんね。今日の主役(ヒロイン)は。私みたい。



END

242Aサイド ◆kxkZl9D8TU:2010/07/22(木) 17:30:03 ID:h/NXc92U
姫神一人称ってウザかったかな?
前回感想くれた方々感謝。
皆さまのご感想は肥やしにさせていただいておりますので。
ただ、リクエストはちょっと荷が重いので何時かご期待に答えられたら……ごめんなさい。
でわ。

243■■■■:2010/07/23(金) 00:21:31 ID:XyY/u0ww
        (゚д゚ )
        (| y |)
    わっ       ふる
    わっ ( ゚д゚)  ふる
     \/| y |\/

        ( ゚д゚) わっふるわっふる
        (\/\/

..キタ━━━━(゚∀゚∩━━━━ !!!!!
        (|y⊂ミ わっふる
              わっふる

244■■■■:2010/07/23(金) 01:00:51 ID:ADyxcCNg
GJ!姫神系のSSは、少ないので新鮮でした。

245■■■■:2010/07/25(日) 16:10:16 ID:Cc4KDqVk
>>242
一人称うんぬんよりも、地の文でも句点使ってるのを見て
「Aサイドさん、茶目っ気だして遊んでんな……」との思いがw
緊迫感の無いバトルといい、姫神のおとぼけ感がなんとも良い味出してますなー
そんなこんなで全くのチラ裏だけど
ベビードール出したの20巻のレッサーの影響かねぇ…
スケスケベビードールと言えば黒子が筆頭だよな…
寝間着って今じゃパジャマやスウェットが主流だろうけど、ネグリジェはどれくらい売れてんだろ…
あら? ここに投下した作品って、どこに保管されるのかしら…
そんな取り留めも無い事が脳裏に浮かんだ

246Aサイド ◆kxkZl9D8TU:2010/07/27(火) 16:09:49 ID:nIF8Cwwg
こんにちは。
読んでくれている方に感謝。
今回は俺得でワシリーサ×サーシャネタを投下します。
『真夏のロシアのコスプレ大会』3レス。微々微エロ、かな?
でわ。

247『真夏のロシアのコスプレ大会』1/3 ◆kxkZl9D8TU:2010/07/27(火) 16:10:24 ID:rPJRPz6Y
 今年のロシアの夏は例年に無い酷暑に見舞われていた。
 余りの暑さに噴水にまで飛び込む人間が出てくる始末。
 訳あってこんな格好――シースルーアンドボンデージルックにマント姿――をしているサーシャ=クロイツェフも、顎から滴り落ちる汗をぬぐったのはこれで何度目になるだろう。
 他人からは露出狂だの変態水着だの言われるこの衣装、実は見た目ほど涼しくは無い。
 ぴちっと肌に張り付いたインナーは事の他通気が悪いし、その上から更に通気の悪い革製の拘束服。更に革製のフードとマントの中はちょっとした温室状態だ。
 暑い……そう思う度に頭に浮かぶのは一回りは歳の離れた上司の顔。
「だ、第七八の独白ですが……、ワシリーサぶっ殺す……」
 呪詛と共に蒸し焼きにしようかと言う勢いで照返すアスファルトを踏みしめるサーシャ。目指すはロシア成教『殲滅白書(Annihilatus)』の本部。
 任務の遂行完了を上司に報告し、このうだるような暑さから解放される為に……。


「おかえりなさいサーシャちゃん♪ 暑い中御苦労さま」
 そう労いの言葉を発したワシリーサの姿と言うか執務室の惨状にサーシャは呆然とした。
 本部の中は出力は押さえられているとは言え空調が掛けられ、日差しが無いのも相まって外よりは幾分過ごし易い。
 それでも汗を止めるには至らない室温は、ここ執務室の中でも変わってはいない。
 変わっていたのは、デスクの前に置かれた子供用のビニール製のプールと、その中で水鉄砲を片手に、もう片方の手にトロピカルジュースを持って、室内なのに麦わら帽子を被ったワシリーサだった。
「ささ、汗かいたでしょ? シャワーにする? それとも冷たいものでも食べる? 私なんかとびきり冷えてて丁度いいわよぉー♪」
 その声は後ろから……いや、耳元の側で聞えた。
 呆然としていたとは言え目を放した覚えも無いのに、気が付いた時にはひんやりと冷たいワシリーサの手が頬を撫でていた。
 その心地よさに思わずうっとりとしかけたサーシャだったが、すぐに我に返ると、猫の様なしなやかさで床を転がり距離を取った。
 そしてワシリーサを睨みつけて改めて心底がっかりした。
「第一の質問ですが、その……あ……いや、もういいです……」
「ええーっ!? 何でそこで諦めちゃうかなぁー。色々突っ込んでもらおうと思って用意して待ってたのにぃ……」
 こちらも当てが外れて心底がっかりした顔をするワシリーサ。
 そんなサーシャが突っ込むのを躊躇った彼女の姿と言えば、三十間近とは思えない淡雪の様な白い肌を晒し、雪原に咲いた赤い花の様な、真っ赤な極小ビキニを身に付けていた。
「第一の解答ですが、一切関わりたくありません。補足説明しますと、邪魔だからそこをどいて下さい」
「もう帰っちゃうの? あらあら、今日のサーシャちゃんはつれないわねぇ」
「第二の解答ですが、私は一度も貴女につられた覚えはありません。補足説明しますと、どれもこれも貴女が強引に事を進めただけです」
「あら、そうだったかしらぁ?」
 とぼけた様に視線を宙にさ迷わせるワシリーサに対し、サーシャは腰の獲物に手を伸ばす。
 今まで一度たりとも勝てた事の無い相手。丸腰と言えども万に一つも勝てるとは、サーシャ自身そんな幻想は抱いていない。
 ではどうするか――。
 サーシャは腰の鋸を引き抜きざま、そのままワシリーサに向って投てきした。
「ぅわおっ♪」
 それを嬉しそうに人差し指と中指だけで受け止めるワシリーサ。
 と、その一瞬のやり取りの間にサーシャは、次にバールを引き抜くと床目がけて振り下ろした。
 ズドンと言う建物を揺るがす様な衝撃に、床はすり鉢状に凹んだが抜けるまでには至らない。
 そして床が抜けなかった代わりに、サーシャの身体が砲弾の様に天井目掛けて打ち上げられた。
 ここまではサーシャの描いた計画通り。狙うは天井。そこを突き破って部屋の外に逃げる作戦だ。
 しかし、飛び上がって睨みつけたそこに居たのは……、
「はい、残念でしたー♪」
 満面の笑みをたたえて両手を広げるワシリーサだった。


「はい、そこに座って頂戴♪」
 そう言ってワシリーサに肩を押されて椅子に座らされたサーシャの目の前に、先ほどワシリーサが飲んでいたのと同じトロピカルジュースが置かれる。
 逃亡も失敗して破れかぶれのサーシャは、それを手にとってストローから一口飲んだ。
 すると、清涼感と甘酸っぱさ口の中に広がって、とげとげした気持ちが落ち着いた気がした。

248『真夏のロシアのコスプレ大会』2/3 ◆kxkZl9D8TU:2010/07/27(火) 16:10:45 ID:R6NmyqAI
「どう? 変わった物は入れなかったからサーシャちゃんには物足りないと思うけど」
「第三の解答ですが、むしろその方が助かります」
「そう? 何かこう甘いと思って飲んだら辛いとか苦いとか、羽が生えるとか角が出るとか、蛙になっちゃうとか……」
「第二の質問ですが、わざとそう言う事を言っているのですか? 補足説明しますと、折角感心しているのですから少し黙……、第三の質問ですが、何ですかその顔は?」
「いやぁ、何て言うか……。サーシャちゃんにこんな事で感心されるとは思わなかったから驚いちゃった」
 普段は見られない照れくさそうにするワシリーサに、それがうつったのかサーシャもグラスを両手で抱えて俯くと、
「……第四の解答ですが、何時も貴女には感心していますよ。補足説明しますと、こんな無駄な事に全力……なのかは判りませんが、いっつもいっつもくだらない事をあれこれ考え付く頭とか……」
「あっはっは。それはどーもどーも」
「第一の指摘ですが、褒めてませんから」
 胸を張って妙に誇らしげなワシリーサにツッコミを入れると、サーシャはまたジュースを一口喉に流し込んだ。
「第四の質問ですが、何の用事で引き止めたのですか?」
「あれ? 今日のサーシャちゃんは一変乗り気ねっ♪」
「第五の解答ですが、嫌な事はさっさと終わらせて部屋に帰って休みたいだけです」
「そうなの? 別に私はサーシャちゃんがここで居眠りしたって我慢できるわよぉ」
 そう言ってワシリーサが自分の胸をドンと叩くと、嫌みの様に胸がぷるんと揺れる――いやあんな乳はその内垂れてしまうのだから、若い自分の方が将来性でも断トツ、とサーシャは自分をアイデンティティを確保しつつ、
「第二の指摘ですが、貴女の言葉には一々信憑性が有りません。補足説明しますと、我慢が出来る人間はそんな事を宣言しなくても我慢出来ます。裏を返せば、そう言う事を言う人間が一番信用出来ないと言う事です」
「そう?」
「第六の解答ですが、過去の貴女の行動を振り返れば火を見るより明らかです」
「ふぅーん……」
 明らかに聞き流された事が伝わってイラっとくるサーシャだが、ここでつられると後々が厄介にな事は、それこそ火を見るより明らかだ。ここは我慢だ、とぐびっとジュースをひと飲みして心を落ち着ける。
「第四の質問をくり返しますが、何の用事で引き止めたのですか?」
「あ!? そうそう……」
 そう言ってワシリーサはデスクの後ろに回り込むと何かゴソゴソとやりだす。
 それだけで多分あれだなと察したサーシャの頬が引き攣る。
 過去の経験からしてワシリーサが何か持って来ると言えば……、
「今年の夏は暑いじゃ無い? そ、ん、な、夏ピッタリの新作戦闘服♪」
 そう言ってワシリーサがいそいそと持って来たのは、全身タイツかウエットスーツに似たワンセットの黒の上下。それには光沢が無く、サーシャにはそれがまるで影を切り取って作ったかの様に見えた。
「どう? って着てみないと判らないわよねぇ」
 そら来た、と身構えるサーシャを前にワシリーサはにっこりと微笑んで、
「ね♪ ちょっと着てみてくれない?」
 予想していたとは言え、サーシャはガックリとうなだれるのだった。


 あれから十数分後……。
「どうかしら? もう着替え終わった?」
 そわそわとしながらカーテンに向かってもう何度目になるか判らない質問をするワシリーサ。
 最後の防衛線とばかりにワシリーサの前で裸になるのを拒否したサーシャの為に急ごしらえで作った更衣室。
 その前でうろうろする姿はウエディングドレスを着た新婦を待つ新郎の姿に似ているとは、サーシャ辺りが知ったら卒倒モノだろう。
「第一の解答ですが、き、着替え終わりました……」
 そう言ってカーテンの間から顔を覗かせたサーシャを前に、
「きゃッ♪ で、それでどんな感じ?」
「第二の解答ですが……、どんな感じと聞かれましても……」
 普段は歯切れの良いサーシャの言葉が珍しく濁る。
 と、ワシリーサの瞳がきらりと光る。
「言葉じゃ表せないんだったらぁー、そこから出てきちゃいなさい、なッ!」
「あッ!?」
 ワシリーサの手が神速とも呼べる素早さでカーテンの向こう側のサーシャを引っ張り出す。
 そしてワシリーサの目の前に現れたのは、華奢な身体にぴったりとしたウエットスーツを着た様な格好のサーシャだった。

249『真夏のロシアのコスプレ大会』3/3 ◆kxkZl9D8TU:2010/07/27(火) 16:11:06 ID:rPJRPz6Y
 先ほどの通りの光沢の無い黒が身体のラインを平たんに見せる為か、以前の拘束服の時より更にほっそりとして見える。
「あれ? サーシャちゃんまた痩せた?」
「だ、第三の解答ですが、それは多分この服のせいです。補足説明しますと、き、窮屈では無いのですが、明らかに体を締めつけています」
「ふーん、な、る、ほ、どぉ……」
 遠慮も無く上から下へと舐める様なワシリーサの視線に、何が見える訳でもないのに大事な部分を隠してしまうサーシャ。
「だ、第一の質問ですが、もう脱いでも……」
「駄目よ」
 そう言ったワシリーサの手にはいつの間にか紙の束が握られていた、それをペラペラと捲りながら、
「まずは通気性ね。どんな感じかしら?」
「第二の質問ですが、どんな感じとは?」
「暑いとか寒いとかそんな感じかしら?」
「第三の解答ですが、了解しました。第四の解答ですが、前の拘束服と比べると全く苦痛はありません。補足説明しますと、裸の様な感覚で少し心もとない位です」
「へー、それで」
「だ、第一の発言ですが、じろじろ見ないで下さい!」
「はいはい」
 体を縮めて叫ぶサーシャに、ちょっとにやけながらも返事を返したワシリーサは、
「次の確認は……っと」
 と呟いた彼女の手には、いつの間にか不釣り合いなほど大きな拳銃が一丁握られている。
「サーシャちゃん動かないでね」
 と言った次の瞬間、サーシャに向かって拳銃を発砲した。
 相応の破裂音と共に銃身が僅かに跳ね上がる。
 そして、それより一瞬早く打ちだされた弾丸は、大口径に見合ったサイズに、腔線(ライフリング)の螺旋に乗って回転しながら、サーシャの幼い膨らみに突き刺さり、「ガキンッ!」と固い音と共に天井に弾かれた。
「やっぱ銃って無粋よね。指が痺れちゃったじゃ無い」
 そう言って拳銃を部屋の隅に放り出したワシリーサは、驚いて声も出ないサーシャの顔を覗きこむ。
「何とも無い?」
 その質問に無言でコクコクと頷いたのを確認すると、
「これだけのモノが通販で簡単に手に入るなんて……。やはり学園都市侮りがたし――」
 と呟いたかと思うと書類の束もポーンと背後に放り出し、空いた両手であろう事かサーシャの両のふくらみを鷲掴みにしたのだ。
「ひゃん!?」
 彼女にしては珍しく、歳相応の少女の様なかわいい悲鳴を上げて飛び上がるサーシャの胸をなおもむにむにと揉みし抱きながら、
「衝撃に呼応して強度を変える。なるほど、実用向きじゃあない訳だ」
「ひあッ!? だ、第三の質もンッ!? な、何、ぅを!?」
「いや、何。どーせだからそのスーツの弱点をもう少し探っておこうかと思って」
「あッ、第よ、ぅ、んッ、ほ、本ね、は?」
「エッチな全身タイツのサーシャちゃんを心行くまで堪能♪」
「第一の確信ですが、やっぱりそれが目的かぁッ!!」
 やっとの思いで己が胸を魔の手から取り戻したサーシャが荒い息を吐きながら後ずさるのを、にやにや顔のワシリーサが追い詰める。
「まあどっちでもいいじゃ無い?」
「だ、第五の解答ですが、良く無い!!」
 そう言って無駄などと微塵も考えずに逃げを打ったサーシャだったが、その背中に優しく指を這わされると、「きゃはッ!?」と背をのけ反らせた。
「サーシャちゃん感度良好♪」
 続いて雨あられの様に襲うワシリーサの指先に、
「あッ、い、嫌ッ! うッ、くふッ、やッ、ダメッ……」
「北○百烈拳!! あたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたた――」
 後日、学園都市の外部組織の繊維メーカーが1つ、跡形も無く消し去られた理由が、とある少女の八つ当たりだった事を知る者はいない。



END

250Aサイド ◆kxkZl9D8TU:2010/07/27(火) 16:12:23 ID:nIF8Cwwg
以上でした。
でわ。

251■■■■:2010/07/27(火) 23:25:23 ID:itqStzTo
GJです。
ワシリーサ最高(笑)

252Aサイド ◆kxkZl9D8TU:2010/07/29(木) 14:46:06 ID:mwUXX1G6
暇人と思われがちなAサイドです。
『蜜会』と言う題名で何回かに分けて投下したいと思います。
今回は『蜜会、お出迎え』姫神×上条で4レスです。
でわ。

253『蜜会、お出迎え』1/4 ◆kxkZl9D8TU:2010/07/29(木) 14:46:43 ID:Zos369T2
 唐突ではあるのだけれど、俺、上条当麻はとある目的で拉致されてしまいました。
 これだけ聞くと、何落ち着いてるんだと思われるだろうが、これが初めてでは無い俺としては、もう慣れっこと言うか、慣れたく無かったと言うか……。
 とにかく奇妙な浮遊感に目を覚ました俺だったけど、目を開けても真っ暗なんてある筈が……。
「なあ、誰かいるかー?」
「あ。目が覚めた」
 声を出してみてから「お、声が出た!?」なんて心の中で思いつつ、俺は返って来た返事に耳をそばだてる。
 この独特の喋り方は……。
「姫神か」
「か。って言う部分の語尾の下がり具合に。悪意を感じる」
「い、いや。特に何かを含ませたわけじゃねーんだけど、気に障ったんならごめん、悪かったよ」
 何かに付けて自分の存在を軽視される事を嫌う姫神……。ここは慎重に話題を選ばないとだな。
「姫神が来てるって事は吹寄も一緒か?」
「私は吹寄さんのオプションじゃない。君にはどーも。お仕置きが必要」
 し、しまった!? 墓穴を掘っちまった!!
「ちょ、ちょっと待て!? 何か俺が悪い事を言ったんなら謝るから! ごめんなさいごめんなさい、本ッとおおおおおおおに、ごめん!!」
 くッ!? こんな時、身体が自由なら土下座(ぜんしん)でお詫びの意志表示が出来るんだが、椅子にでも縛り付けられているのか、自由になるのは口だ――、
「うおッ!?」
 き、急に股間を撫で上げられて思わず声が出ちまった。
「おしおき」
「いやちょっと待て! カミジョーさんの話を一寸だけでも聞いて下さいまし!! お願いします姫神さん!! どうか、どーかお願いでございますですお代官様ああああああああああああああ!!」
 と、こっちは必死でジタバタともがきながら騒いでいる間も、股間は相変わらずやわやわと揉みしだかれる。
 すると当然と言うか、残念な事に……、
「固くなった」
「あ、いや、ちょ、ちょっと」
「遠慮しない」
「い、いやむしろ遠慮してもらいたいっ」
 しかし何時もながらこう言ったお願いが通った事は一度も無い訳で。チャックが下ろされ、そして衣擦れの感触と共に、
「きゃッ!?」
 目隠しで見えなくても、姫神の声と股間の開放感で何が起きたか判ってしまう。
 何かホントこう言う事に慣れてしまうって、「不幸だ」と思いませんか?
「む。おしおきもまだだと言うのに。何か漂う終わった感。君はやっぱり失礼」
「な!? ちょ、ちょっと待て、今のはただの口癖!?」
「問答無用」
 そうして言葉通りに姫神が、問答無用で俺のナニをがっちりと掴んだと思うと、おい、まさか……!?
「いでッ!!」
 ううううう……。いきなり剥くなんて酷いっすよ姫神ぃぃぃ……。
「ふふふ。音がする程汚れてる」
「え!?」
「臭いもすごい。君。ちゃんとお風呂入ってる?」
 その指摘に頬を冷たい汗が流れる。
 風呂は昨夜になって何故だか突然お湯どころか水も出なくなった。
 それで俺は仕方無く、体は濡れタオルで拭いて、頭は台所で洗って……って!?
「なあ、姫神」
「黙って。今。いい所」
「そんないい所で悪いんだけどさ、ひとつだけ教えてくれ。うちの風呂なんだけど……」

254『蜜会、お出迎え』2/4 ◆kxkZl9D8TU:2010/07/29(木) 14:47:07 ID:mwUXX1G6
「大丈夫。帰る頃には直ってる。君は何も心配する必要は無いから。今はこれに集中して」
 そうしてやわやわと扱かれながら、何か俺は諦めムードになった。
 でも、これだけは言わせて欲しいんだ。うん。言わせてくれ。
「やっぱお前らの仕業かよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
 と精一杯叫んだ所で姫神の手が止まる筈も無く、段々と腰が浮き上がる様な感触が這い上がって来た――と、思った瞬間、俺の柔らかい部分にネトッとしたザラッとした何かって!?
「ひ、姫神ぃッ!?」
「ん。ふ。は。陳腐な表現だけど。舌がビリビリする」
 情けなくも裏返った声に、姫神の感想が恥ずかしさを倍増させて、最速俺は死にたくなった。
「不幸だ……」
「むむ。まだそうんな事を言うの?」
「へ?」
 気が付いた時には姫神の手が、俺を追い上げ始めていた。
 とはいっても姫神に舐められただけで尻の穴がすぼまる思いだった俺に、追い上げ始めるも何も、ゴールなんかすぐそこに見えている訳で、
「ひッ、姫ッ、が、あ、あ……」
 玉がぐぐっと持ちあがって発射態勢に入る俺の体。充填を知らせる熱っぽさが根元に集中して来るのが良く判る。
 既に俺のナニは弾丸を発射する為の潤滑剤で外も中もぬるぬるだ。
「ぎ、ぃ」
 意味の無い叫びが口から漏れる。
 そして、何かが熱いものが尿道を押し広げようとしたその時、


『ミチッ』


「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
 俺は射精を中断されたショックに大絶叫を放った。
 見なくても俺のナニは先端をパクパクと痙攣させている事だろう。
 先ほどの『ミチッ』と言うのは多分例のアレ――強制的に精通を止めるリング状の器具を縛(いまし)められた音だ。
 アレを付けられると、射精感が襲う度に俺のナニに張り裂ける様な灼熱感が襲うのだ。
 何度達しても萎えないってのはやっぱ考えものだと思う。
 とか、案外冷静に頭のどこかがそんな事を考えていると、
「う゛あ゛ぅぅッ!?」
 射精を中断された衝撃も醒めやらぬうちに、ナニの口に何かをねじ込まれた。
 そこをぐりぐりとこじ開ける様に責められると、俺の股間は空打ちの射精感にびくびくと痙攣する。
 更にそこを責められながら、先端がヌメッと生温かい何かに包まれた日には、俺のナニは出もしない精液をそれでもぶちまけてやろうと痛い位にいきり立つ。
 てか、もう痛いんだからいい加減にしろ――、
「姫がびぃッ!!」
「うん。どうしたの?」
「ど、どうしたのじゃねえよぉ……。忘れてっかもしらねえけど……、わ、輪っかを付けられると、お、おお、お、お……」
 話の途中で扱かれてまたも俺はびくびくと痙攣する。
「これだけ暴れても出ない。ちょっと虚しい」
「虚しいのは俺だっつの……、はぁ、不幸」
「む」
「あ」
 し、しまっ――、

255『蜜会、お出迎え』3/4 ◆kxkZl9D8TU:2010/07/29(木) 14:47:27 ID:Zos369T2
「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、ひ、ひ、ひ、ひめ、が、が、が、が、が、が、が……」
「口だけで許してあげようと思ったけど。駄目。君にはもう少し頑張ってもらう」
 姫神がリズミカルに俺のナニを扱きながら不穏な事を口にする。
 頑張るって言うと、もしかしてアレか? もしかしてアレをするんですかああああああああああああああああああああ!?
 そんな不安は見事にこんな時ばかり的中する訳で、俺のナニに先ほどとは違うよりぬめりを帯びた熱くて厚ぼったい何かが押し付けられた。
「あっ、はっ、はっ、はっ」
「そうがっつかないで。すぐに私の中に入れて上げる」
 いやそうじゃ無くてもう限界なんだって、と頭の中で否定したって俺の身体は勝手に腰を動かしてやがる訳で……ははは、もう笑うしかねえよな。
「んっ」
「うおッ!?」
 姫神が小さく声を上げたと同時に、どうやら俺は姫神の中に入ったらしい。
 相変わらずきつい締め付けに俺は、ナニが底を突き上げるまでの間にまた何度も空打ちさせられるはめになった。
「これで出てたら幸せなのに。順番とは言え。寂しい」
 うっとりとそんな事を言われれば、本来なら男冥利に尽きるのだろうが、これからの事を考えるとそうも言ってはいられない。
 このあと何人相手にするまで射精をお預けされるのかと考えると、何時までギンギンになってやがんだこの野郎と自分のナニながらも叱責したい気持ちになる。
 そもそもこの誘拐劇は姫神1人で行っているものでは無い。
 では他に誰が加わっているのかと言えば、その……、何と言うか……、自分から言うにはとっても言いにくいのだが……、俺がフラグを立ててしまったらしい方々が集まっているらしいのだ。
 それってやっぱり俺のせいなんだよな。
 だから責任を取るなんて啖呵を切っちまったんだが、まさかその結果がこんな事になるなんて……、ああ不幸だ……。
「ん。集中っ。ん。してないっ。どこまでっ。うんっ。君っ。あ。うん。しつっ。れいっ」
 何を変な所をまさぐってるんですかヒメガミサン!?
「おしおき」
「うがッ!?」
 ズグッと言う違和感と共に細い指が俺の中に入って来やがった!? て事はまさか、ま、まさ――、
「やめぇ――」
「おしおき」
「ふうッ!」
「うあッ。まだ。そんなに大きく?」
 いや姫神もう限界……。裂ける。これ以上デカくなったらナニが裂けるって!?
「もっと」
「ぐはッ!」
「すごい。もっともっと」
「あ、が」
「もっと」
「は、ぐぅ」
「あ。満たされる。私。い。く」
 ちょ、おい、そこで締めつけるんですか!? 折角ちょっと緩みかけてたってのにいいいいいいいいいいいい――、
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

256『蜜会、お出迎え』4/4 ◆kxkZl9D8TU:2010/07/29(木) 14:47:50 ID:MlVraYBE


 ひでえ。痛えよ姫神……。
 カミジョーさんもうお婿にいけない体になってしまったかもしれないでせうよ。よよよよ、よ。
「男の子がめそめそしない」
「あのさ。言わしてもらうけど誰がやったの」
「それは君が悪い。その辺は後日ちゃんと返してもらう」
 あの、滅茶苦茶今後が不安なんですけど。
 何て考えているとキスをされた。
 柔らかい姫神の舌が俺の口の中に入って来て、彼女の唾液がその舌を伝って俺の口の中を満たして行く。
 俺がそれを全部飲み終えるのを確認した姫神は、俺の上顎を軽く擽ってから唇を放す。
「少し虐め過ぎた。ごめんね」
「あ、うん」
 急にしおらしくされると調子狂うな。
 そう言えば俺の周りの女の子は、何故かそう言う性質(たち)が多い気がするが。
「さ。残念だけど。私の出番はお終い。次の人たちが待ってる」
「うえ。そうだった」
「大丈夫。君ならいける」
「あの、何処に話し掛けてるんですか姫神さん?」
「君のい○け○。あ。びくびくした。言葉も有効なんだ」
 くそッ、思いっきり不意打ち喰らっちまったぜ。
 大体、姫神のあの顔で『い○け○』とか反則だろ。
「じゃあ。途中まで送ってく」
 今気が付いたんだが、俺って車いすに乗せられてるのね。
「出来れば拘束全部解いてくれたら自分で歩いて行くんですが」
「駄目。前科2犯」
 ははは。駄目か。
「じゃあ次に誰が待ってるかだけ教えてくれよ!?」
「駄目。楽しみが減る」
「いや、むしろ不安が軽減されるんですが?」
「次のイベントだけ。お風呂」
「風呂!?」
「入って無いから君には丁度良い」
「いや誰のせいで風呂に入れなかったと思ってるんだか」
 そんな言葉を返しながらふと思うのは、次が最後か、もしくはせめて相手が1人だったらいいなあ、なんて、多分無理、なんだろうなあ……。
「不こあだッ!?」
「不幸じゃ無い」
 何も殴らなくても。
 それなら心の中で、不幸だああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!



To Be Continued

257Aサイド ◆kxkZl9D8TU:2010/07/29(木) 14:48:18 ID:mwUXX1G6
以上です。
でわ。

258■■■■:2010/07/30(金) 14:51:34 ID:OwWO6SZk
暇人&日常生活で常にネタになるものはないかなーと探している
その結果、何でもかんでも脳内変換してしまい、頭の中は四六時中SSが渦巻いてる
……えーっと、こういう認識ですが何か問題があるのでせうか?

まぁ、真実は明後日のほうに放っといて……( ゚Д゚)/オイ!!
投下間隔ちと早いですぅ〜
こっちはマッタリ進行なので、保守代わりに日数おいて感想レス付けようかと思ってたんですが――
>>250
“この二人に関しては……最早何でもアリだなw”と感じてしまいます
それと、ノリノリで書いてる貴方の姿が幻視されましたが――
(いっそのこと、ワシリーサ秘蔵『サーシャちゃんとの愛の蜜月(メモリー)』とでも銘打ってシリーズ化しちまうか?)
と幻聴まで聞こえてくるようで……………あ、とっくにそんなフォルダ作ってるかw
時事ネタに絡めての愉快なお話、GJ!でした
>>257
何気にぼかしてるのは意味があるのだろうか……
あぁ、目隠しされてるから趣向を変えてみた、のかな?
……続き待ってる(・∀・)

259Aサイド ◆kxkZl9D8TU:2010/08/11(水) 15:18:42 ID:KAs5tRb6
こんにちは、節操の無いAサイドです。
>>258
的確なご指摘ありがとうございます。
確かにカミジョーさん視点&目隠しなので状況はあくまでカミジョーさんの推測と憶測で説明しております。
で、今回は前回の続き『蜜会、泡にまみれて』なのですが都合により半分だけ投下します。
余りに長くなりすぎたのと、色々と諸事情がありまして……。
決してここを占有するつもりはございませんので、どうかどうか皆さんも投下して下さい!!
話を戻しまして今回は美琴&黒子&インデックスの登場です。
では9レス頂きます。

260『蜜会、泡にまみれて』1/8 ◆kxkZl9D8TU:2010/08/11(水) 15:19:25 ID:zRP81Ds6
 姫神は俺を置いて何処かに行ってしまった。
 別れ際に「ガンバレ」なんてエールを送ってくれたけれどもだ。
「それならこの目隠しと、後ろ手の拘束も解いて欲しかった」
 姫神の奴、裸にひん剥いたくせにこれだけ残すなんて。これじゃあまるで――、
「ヘンタイがいるんだよ」
「や!? 何で裸なのよアンタはぁ! そ、ま、前位隠しなさいよッ!」
「あらまあイヤですわ。そんなにがっついてお待ちになられていたなんて……。これは立派に、ヘ、ン、タ、イ、ですの♪」
 何でよりにもよってコイツら――インデックス、御坂美琴、白井黒子――がセットで現れるんだよ? あれだろ? ジェットコースターで言うなら発射して3秒で垂直スパイラル喰らったようなもんだろ!?
「不幸だ……」
「とうま。不幸だなんてまだ言うには早いかも」
「おチビちゃん言う通りですわ。まだわたくしたちとは何も始まっておりませんの」
「チビとか余計かも洗濯板」
「ぐぬっ!」
「むうううううう」
 誰だよこの人選した奴。明らかにミスだろミス。
 急に側で不穏な空気が肌を突き刺し始めたのを感じて、俺はそっと気付かれない様に後ずさる。
 と、誰かが俺の左腕に触れて来た。ま、今更誰かも無いか。
「さ、今のうちに……」
「お?」
 御坂はグイッと俺の腕を引っ張ると、更にはその腕に自分の腕を絡ませて……って、
「(お、おい! 当ってる、当ってるって!)」
 大きい声じゃ言えないが、ふにふにツンツンとアレが俺の腕を刺激してるんだって! てかお前も何で裸なんだよッ!!
「(あ、当たり前でしょ!? 当ってるんじゃ無くて、あ、て、て、ん、の! てか恥ずかしい事言わすなっ!)」
 そりゃどうもすいませんでした。
 つかどっちが恥ずかしいんだよお前ら……。
 しかし意識しちまったら余計に気になって、そうすると当然ナニにみるみる血が通って行くんだよなぁ。その内貧血起こすぞ俺……。


「滑りやすいから足もと気を付けてね」
「お、おう」
 足の裏から伝わる感触は濡れてツルツルしていて、うちのユニットバスとは明らかに違う。
 つか、耳に聞こえる感じからするとかなり広い。
 何処だよここ? まさか何処かの銭湯とかそんな馬鹿な事無いよな。嫌だぞ俺は。こんな姿を人目に晒すのなんて。
「座って」
「と言われましても……」
 目は見えない、手は使えないじゃ怖くてしゃがむ事も出来ない。
「仕方ないわねぇ。それじゃあ私が手を貸し、し、し、し」
「どうした御坂?」
 まるで壊れた録音機械よろしく「し」を連呼しやがって。
「ア、アンタ!」

261『蜜会、泡にまみれて』2/8 ◆kxkZl9D8TU:2010/08/11(水) 15:19:47 ID:xBlw2/iI
「へ?」
 どうした事か、御坂の様子が急に変だ!? いや、驚く事は無いな。よくある事でした。
「これ」
「ふぅッ!」
 いきなりナニを突っつかれたもんで、声が漏れるわ腰は引けるわ……、俺は今、猛烈に恥ずかしいッ!!
「ごめっ。い、痛かった?」
「い、いや、ちょっとびっくりしただけだ」
 正直例のリングが無かったら……、
「イケないんだよね。かわいそうに」
「う、おッ!?」
 多分両手で挟む様にされて、吐息なんか吹きかけられたりしてんだろうなぁ、と見えないながらに推測してみる。
 と、言、う、か、だ!
「何に話しかけてんだお前は?」
「言わせたいの?」
「いや結構です」
 取り合えず遠慮してみたがもう遅い気がする。
 だって急に生温かくなって来たんだよ。そう、俺のナニが。
「あむ」
「あぐッ!?」
 やりやがった!? 中学生のくせに、ちゅうがくせいの、く、せ、にぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!
「あふぁふぃふぁはうはほほひふひふひふぁふぁふはへへふほ」
「く、わえながら、しゃべんじゃねぇッ!?」
 気持ち良すぎて瞼の裏に星が散ったじゃねえか!!
「気持ち良かったでしょ? 好きだもんねアンタこう言うの」
「……黙秘させていただきます」
「えへへへへ」
 何か顔は見えないけどきっと嬉しそうな顔してんだろうな、ってそんな場違いなイメージが頭に浮かぶ笑い声。
 何だかんだ言って御坂もかわいい所があるからな。
 これでスイッチ入ったみたいに喜怒哀楽が入れ替わるのさえなければ俺の心臓の負担も大分軽減されるんだけどなぁ……なんて場違いな事に思いを馳せていると、
「短髪」
「お姉様」
「「い!?」」
 おいおい、このタイミングで戻ってきますか? と言うか最速この状況に波乱しか思い浮かばないのだが。
「「抜け駆けは良く無いかも(ですわ)」」
「きゃ!?」
 何だ? 御坂が悲鳴を上げたぞ? クソッ、こんな時に目が見えれば……。
「とうまはこっちなんだよ」
「え?」
 御坂の次はインデックスか?
「う、わ」

262『蜜会、泡にまみれて』3/8 ◆kxkZl9D8TU:2010/08/11(水) 15:20:07 ID:zRP81Ds6
 今度はインデックスかよ。何だ急に?
「とうま、これ痛く無いの?」
「うっ」
 また的確に俺の弱い所を突いて来るのが堪らなく、
「や、止めろ」
「うん。今は止めて上げる」
 あれ? 随分とあっさり引き下がってくれたもんだな。
「手を貸すからゆっくり腰を下ろして」
「あ、うん」
 てっきりタイルの上に座らされるかと思ったら……何だ? このふわふわツルツルした感触?
「そのまま今度は寝そべって」
 寝そべるのか今度は? ちょっと後ろ手の手錠がきついけど……。
「準備が出来た様ですわね」
「そっちも準備万端みたいだね」
「む゛ーむ゛ー」
 何の準備が終わったって? 大体最後の声って御――、
「う゛!?」
「とうまは暫く動かないでね」
 う、動くなって言ったって、それより勘弁してくれるんじゃなかったのかよ?
「し、扱くな」
「待っててね。今凄い事してあげるんだから♪」
 何だこのインデックスの妙にはしゃいだ感じは?
「おーらーいおーらーい」
「む゛ー!!」
 インデックスの変な掛け声にかぶってるが、御坂のうめき声がさっきより近い。
「お、おい! 何する気だ!?」
 まだ手は添えられたままだが扱かれて無い分まだ余裕がある。
 と、俺のナニの先端に、ぽたっ、ぽたっ、と……?
「お゛!?」
「む゛、む゛ぅぅー!!」
 何か垂れて来るからって集中していた所にヌトッと肉厚で熱を帯びたモノを押し付けられてビックリした!?
 だがビックリしたついでに何だか判ってしまったぞ。
「お、い」
「短髪、きっといい夢が見れるんだよ♪」
「む゛む゛む゛む゛む゛む゛む゛」
「楽しみですわねお姉様♪」
「む゛ぅむ゛ぅむ゛ぅむ゛ぅぅぅ!!」
「おいちょっと俺の話を聞けッ!!」
「む。うるさいんだよとうま」
「そうですわ。お姉様にお預けさせるなんて恥をお知りになって下さいまし」

263『蜜会、泡にまみれて』4/8 ◆kxkZl9D8TU:2010/08/11(水) 15:20:32 ID:KAs5tRb6
「いやそこ俺が叱責される所か? てか聞えてるんなら返事しろよ!」
 何かコイツらに愛されてるんだか急に不安になって来たぞ。
 白井はともかく、インデックスは俺の事好きだったんじゃないだろうか?
 ま、そんな疑念なんかより、今は命の方が大事だ。
「さあいくんだよ短髪」
「ほらお姉様、力をお抜きになって」
「む゛う゛う゛ー!」
 いや何か勝手に進行進んでやがる!?
「うおッ!?」
「む゛ぶッ!」
 ヌルッと先端が肉を掻き分けた感触が伝わって、俺の腰がまたもや勝手に動きそうになる。
 ええい、この節操無締め!! 今はそれどころじゃねえッ!!
「じゃあカウントダウンなんだよ♪」
「いきますわよ♪」
「おいッ!!」
「む゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛」
「さん♪」
「だから俺の話を」
「に♪」
「聞けって言ってるのに」
「いち♪」
「不味いんだって!!」
「「ぜろぉ♪」」
 インデックスと白井の声と共に俺のナニが御坂の中を駆け上がって行く。
 それは僅か一瞬の事なのに、俺は状況を忘れてそこに集中してしまった。
 御坂の中も姫神と同じでキツイ。
 とか、そんな事に浸ってる場合じゃ無かった!?
「馬鹿!? そんな事したら御坂が!!」
 そう俺が叫んだ次の瞬間、俺のナニが御坂の天井――いやあのぶつかった瞬間のコリッとした感触はアレを直撃したんだろうな――を勢い良く突き上げた。
 そして続く御坂の「ぶごッ!!」と言う間抜けな悲鳴。
 自重で内臓を突き上げた様なもんだからさぞ痛かったろう。
 てかそんな心配よりもこの後だ。
 御坂が痛みで我を忘れるって言う事は、つまりアレがビリビリっとする訳で。
 おい! 俺の右手は背中にあるんだぞ!! 何でも打ち消すっつったって背中にあったら何に……お、アレ? 両手を戒めていた手錠の感触が消えた……?
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
 俺は何も考えずに上体をバネの様に跳ね上げると串刺しになった御坂の体をギュッと抱きしめた。
「ぶう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!」
 その直後に耳元で響く大絶叫。
 ふぅ、何とか間に合った……と思ったのもつかの間、御坂に回していた手に手錠が掛けられた。
「なあ、これ必要なのか?」

264『蜜会、泡にまみれて』5/8 ◆kxkZl9D8TU:2010/08/11(水) 15:21:00 ID:zRP81Ds6
「もちろんですわ。あら? それよりお姉様。食べ残しはいけませんですわよ。まだ少し残っておりますの」
「う゛う゛……、ぶう゛ッ!?」
 食べ残し? 一体何の話だ?
「ほらお姉様、黒子が手を貸して差し上げますわ」
「ぶっ、ぶう゛っ、ぶう゛っ、ぶ、う゛、う゛、う゛、う゛、う゛、う゛」
「うぐっ」
 な、何だ? 俺のナニに圧力が……?
「がんばるんだよ短髪。後少しだからぁ」
「う゛、う゛、う゛、う゛、う゛、う゛、う゛、う゛、う゛、う゛、う゛、う゛」
「あ、お前ら、何してんだあ……?」
 御坂の中を俺のナニがえぐって行くのが判る……ってお前らまさか!?
「御坂はまだ全部――」
「えい、ですわ!」


『ゴリッ』


「ぶう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!」
「うお、ぐぅッ!!」
 またも御坂の大絶叫。
 そして俺の方は限界点でぎっちり御坂に締めつけられての空打ち。
 イテ、イテテ。もげてないか俺の分身? いやそれは大丈夫そうだ。
 俺に似て頑丈に出来ているらしい。自覚も無ければ嬉しくも無いけど。
「さあお姉様、殿方さんも、呆けている場合ではございませんですわ」
「「!?」」
 な、ん、だ、と……?
「2人とも驚く事無いかも」
「そうですわ。2人ともまだ始まったばかりではありませんの」
「う゛ぶぶぶ! う゛ぶぶぶ!」
 御坂が何言ってるか判んねえけど多分無理とか止めろとか言ってんだろ。
 そりゃそうだ。たった今派手にイッたばかりでこれからもうひと勝負しろってのが無理だろ?
「さあお姉様腰を動かしましょうですの」
「ぶぶ! ぶぶ! ぶぶ! ぶぶ!」
「駄々をこねてはいけませんですの」
「ぶぶ! ぶぶ! ぶぶ! ぶぶ!」
「可哀そうだから止めてやれよ」
「殿方さんは黙って下さいですの!」
「はいすいません」
 立場低いです僕……。

265『蜜会、泡にまみれて』6/8 ◆kxkZl9D8TU:2010/08/11(水) 15:21:21 ID:KAs5tRb6
「仕方ありませんですの。例の手筈で」
「おっけー」
 おい、何だよその「例の手筈」って。
「いくよ短髪。力抜いててね」
 いくって何だよインデックス?
「ぶう゛ッ!?」
「うおッ!?」
 今急に御坂の中がギュッとすぼまったぞ!?
「はい短髪腰上げようね」
「ぶぶ! ぶぶ!」
「やだじゃないんだよ? ほら腰、上げないと……」
「ぶぐッ!!」
「うおッ!?」
 また締まった。しかもあんなに嫌がってたのに腰が浮いて行く。
「ほぉらぁ、素直に言う事聞かないと、お尻の穴が破けちゃうかもぉ♪」
 そう言う事か!? はあ、なんて無茶しやがるんだコイツら。
 何て考えてる間に半分位外にむき出しになったか?
「はい、もういいですわ――さあお姉様。ズドンと腰を落として下さいですの♪」
「ぶうーッ!!」
「あら反抗的ですの。仕方が有りませんですわね」
 おい、今度は一体何が始まるんだよ。
「ぶ!? う゛ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ!!」
「えい、ですの!!」


『ズグンッ』


「ぶう゛ッ!!」
「うわ、ま、出るッ!!」
 いやリングがあるから疑似なんだけど……、ホントはマジでぶちまけたいッ!!
「さあ、休んでる暇は無いんだよ」
「ぶう゛う゛……」
「ほらほら腰をさっさと上げる」
 おいおいおいおい……。
「さあお姉様」
「ぶ、ぶう゛ッ!!」
「もう、また駄々をこねて……」
 御坂ぶっ壊す気かお前ら!!
「おいちょっと待て白ら――」
「えい、ですの!!」

266『蜜会、泡にまみれて』7/9 ◆kxkZl9D8TU:2010/08/11(水) 15:21:52 ID:KAs5tRb6




 それから何回位それを続けたのか良く憶えていない。
「あ?」
 インデックスの声に我に帰ると腰の辺りが温かかった。
「短髪がおもらしかも」
「あらまあ。それじゃあここまでにしましょうですの。うふふ。お姉様ったらとっても幸せそうな顔をしておりますの」
 何が幸せそうな顔してますのだ。
 きっと御坂の奴は壮絶な事になっているのだろう。今回ばかりは目隠ししてて良かったぜ。
「それではお姉様はこちらで預かりますから、あなたは殿方さんをよろしくお願いしますの」
「判ったんだよ」
 そう言う事で、どうやら御坂は白井と共に退場した様だ。
「んふふふふふふふ」
 何時からそんな笑い方をする様になったんだインデックス? そんな子に育てた覚えはありません!
 一度身体をお湯で流された後、抱きつくように押し倒された。
 合わされた体が妙にぬるぬるしているのが気になると言うか、もしやこれって!?
「私の体をスポンジ代わりに洗ってあげるんだよ♪」
 特殊浴場で行われると言われる伝説のマットプレイ♪
「てか何処で憶えて来たインデックス!?」
「秘密なんだよ。それより気持ちいい? とうまぁ」
「ああ確かに気持ちいいよインデックス。お前はどこもかしこもツルツルだからとっても気もイデデデデデデデデ……」
 天国から地獄。この状況で頭に噛みついてくるなんて、不幸だ……。
「とうまは何時も何時も私に対して失礼かも! 私の事どう思ってるのかな!? 一度その辺の事をじっくり話し合ってみたいかも! いや、今すぐとうまの体に問いただす!!」
 不味い。これは何かフォローを入れなければ目隠し手錠では俺の行く末はデッドエンドしか見えない!!
「いや何これには訳があるんだインデックス。そうだ! お前の事を身近に思ってるからちょっと気が緩むんだよ。でも聞いて欲しい。それはお前を軽んじているとかそう言うんじゃ無くて、お前が特別な存在だからなんだ」
「え、私が、特別?」
「そうだ。当別だ。だって他には俺と一緒に暮らしてる奴は居ないだろ? お前だけだ。お前とだから俺は一緒に暮らしていけるんだ」
「そ、それって……」
「インデックス」
「とうまぁ!」
 ギュッと首に抱きつかれると……すまん、ホントツルツルとか言ってスイマセンでした!!
「とうま、私断然サービスしちゃうかも!」
「だったらこの手錠と目隠しとリング」
「駄目」
「そこを何とか」
「駄目」
 やっぱり駄目か。
「じゃあ始めるね♪」
 ぬるぬるぬる、ぬるぬるぬる、とインデックスの体が俺の体の上を移動して行く。
 微かに粟立つ感じから、本当にこれで体を洗っている事にしているのだろう。
 右に移動したり、左に移動したり、脚に絡みついてきたり、マットと背中の間にまで巧みに体を潜り込ませて来るのは、何だか初めて体験する俺が言うのも何だが、手馴れていると思うんだ。
「なあインデックス」
「どうしたの?」

267『蜜会、泡にまみれて』8/9 ◆kxkZl9D8TU:2010/08/11(水) 15:22:15 ID:xBlw2/iI
「マジでお前のテクニックには感心してるんだ」
「ほんと!? とうまに喜んでもらえるなら嬉しいかも」
「だから1つ教えてくれ」
「何かな?」
 ここで俺は生唾を飲み込む。
 この感じって、浮気現場を押さえる感じに似て無いか?
「なあ、これホントに何処で憶えて来た? 本読んだだけじゃこうはいかねえだろ?」
「うふふ。気になるんだ?」
「気になるもならなうおッ!?」
 いきなり男の乳首を摘まむなこらッ! 心臓が止まるかと思ったろうが!!
「大丈夫だよ。相手はひょうかにしてもらったの」
 相手は風斬!?
 ちょっと想像してみようか。
 インデックスと風斬がぬるぬるになってくんずほぐれつ。
「やだとうま!? 今想像したでしょ?」
「いや何の話かさっぱり」
 取り合えずインデックスの名誉の為にもとぼけてみたが、
「とぼけても……これがぴくぴくしてるんだよ」
「うおッ!?」
 この正直者めッ! って俺自身か……。
「ねえとうまぁ」
「なに? てか扱くの止めて下さい痛いから」
 するとインデックスは手を止めた代わりに俺にキスをして来た。
 小さな舌が、その上にたっぷりの唾液を乗せて俺の口の中に潜り込んで来る。
 そこで初めて喉が渇いている事に気付いた俺は、インデックスが流し込むのに任せて、その唾液で喉を潤す。
 何か餌を与えられてるみたいな気分だぜ。
「入れてもいい?」
 唇を放したインデックスが早速そんな事を聞いて来る。
「普通それは男の俺が聞くもんだぞ」
 零れた唇を舐めるのもそこそこに俺が答えるのと、インデックスの熱く柔らかい部分が俺のナニに触れるのは同時だった。
「ん」
「うっ」
 久しぶりのインデックスは、相変わらずのきつさと共に初めての時を思い出させた。
 あの時は何だかいつの間にかいい雰囲気になってたな。
 インデックスの天井は俺の知る中でも1、2を争う程浅い。
 すぐに天井につかえてしまって、インデックスは相当残念な思いをしたと後で聞かされ……、
「んんん」
 おい、もう天井突いてるのに何してんだ?
「無理すんなよインデックス」
「あ、う」
「おいインデックス!」
「短髪は、全部、は、いったんだよ……。わ、私も、負けて、いられない、かも……うぅ」
 そう言ってぐいぐい腰をゆすっているが、そんなんじゃ入らないのはお前にも判ってる筈だぜインデックス。
 な、の、で……、
「あうっ! と、とうま!?」

268『蜜会、泡にまみれて』9/9 ◆kxkZl9D8TU:2010/08/11(水) 15:22:38 ID:zRP81Ds6
 俺は上手い具合に腰だけを使ってインデックスを腰の上に誘導すると、戸惑うインデックスを下から突き上げた。
「あぐっ! ぅ、ぅぅ……」
 短い悲鳴と共にピクピクと痙攣するのが伝わって来る。
 しっかし、ナニ一本でこうも簡単に支えられるなんてな。
「相変わらず軽いなぁ、インデックスは」
「あ!? 相変わらずな、う、ん、ん、んんッ!」
 思わず口が滑ってご機嫌斜めにさせてしまたお詫びに、強弱にグラインドのおまけも付けてリズミカルに突き上げる。
「ひど、い、わた、しに、じゃべ、らせ、あ、あん」
 見えなくてもメロメロなのはすぐ判る。インデックスはテクが凄い割に本番は弱いんだよなぁ。
 てな訳で完全とは言い難いがイニシアチブを掌握したので、ちと気になる事を問いただしておこうと思う。
「なあ。最近お前なんか俺に遠慮してるだろ?」
「!!」
 中がきゅきゅっと締まって顔を見なくても図星である事を教えてくれる。
 最近飯を余り食わなくなったり、積極的にお手伝いをしたがったり、と一見俺にとっていい事ばかりの様な気がするだろ?
 でも俺に言わせてもらえばそんなインデックスはインデックスじゃ無い。
「お前が変わるなんて俺は嫌だからな」
 贅沢だとか我がままだとか言われようとこれは譲れない。
「とう、ま、ぁぁ……」
 今度の締め付けはどんなニュアンスだったのか? ええい! 目隠しっつのはホント邪魔だな!!
「喉が渇いたからキスしてくれ」
「うん」
 素直な返事と共に、俺の胸に手を突いてインデックスがおずおずと唇を重ねて来る。
 先ほどと同じように小さな舌にたっぷりと唾液を含ませたそれが入って来ると、俺はそれに舌を絡めた。
 するするとインデックスの舌を伝って口の中に侵入させて、思う存分インデックスの口内を堪能する。
「ん゛ん゛ッ!?」
 インデックスのくぐもった悲鳴は嬉しいの裏返し。
 証拠に舌を扱く度に嬉しいって締めつけて来る。
 キスが終わったら早速突き上げるテンポを上げてやると、
「ひああッ!?」
 ほらさっきよりも素直に鳴き始めただろ?
「だめっ、だめだめだめっ、だめぇッ!!」
「さっき御坂もそう言って無かったか?」
「だ、だって、あん、あ、あれは、せんたッ、い、た」
 あら? インデックスさんは人のせいにしちゃう訳だ。
「人のせいにする様な悪い子にはお仕置きが必要だなぁ」
「イ、インデックス、ん、わ、わる、いこッ!?」
「ああ悪い子だ」
 あれれ、インデックスさんはお仕置きが御所望ですか? って中の様子で察した矢先、
「お、おしおき、して、くださいっ……」
 なるほど。
「いい子だ!!」
 一度高く持ち上げてから素早く腰を引いて、落ちて来る所を大事な部分目掛けて鋭く突き上げる。
 子宮が押しつぶされる感触と共に、内臓を突き上げられたインデックスが「ぶッ!!」と吹き出す声が聞えた。
 ごめんなインデックス。でもこれが一番好きなんだよな。
 ナニに感じる痛い位の締めつけと、胸から腰までに噴きつけられる尿とは明らかに違う液体の感触、そして雌の臭い。俺はそれらを感じながら、ちょっとだけ悦に入っていた。

269Aサイド ◆kxkZl9D8TU:2010/08/11(水) 15:24:10 ID:KAs5tRb6
以上です。
続きはまたその内にでも。
それにしても誰か投下に来ないかしら?
でわ。

270■■■■:2010/08/12(木) 09:58:15 ID:a0ySwZLI
GJです
エロエロ展開ナイス
続きどうぞお願いします

271■■■■:2010/08/13(金) 08:21:40 ID:bVWQGBbQ
エロい……

272Aサイド ◆kxkZl9D8TU:2010/08/20(金) 16:10:12 ID:juYaSXvs
こんにちは!
前回の『蜜会、泡にまみれて』の続き11レスです。
これでこの章は完結ですね。
インデックスは退場。黒子、そして復活の美琴、それぞれ個々で繰り広げられるちょっとアブノーマルチックなやり取り。
ネタばれ覚悟で、上条鬼畜、上条飲尿、上条アナル責め(ドライオーガズム)と上条受難ですが良ければ。
ま、刺激的な前フリほど大したことは無いと思います。
では。


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