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架空の軍隊がファンタジー世界に召喚されますた 2
99
:
タイフーン
◆sePHxJrzaM
:2007/03/14(水) 22:40:04 ID:eImMvDlU0
「それでは皆さん、御機嫌よう」
アカーヤはにこやかに微笑んだ後、部屋を後にした。
「狂信者が・・・」
「ユークトバニアは火力や機動力で大きく我々を上回っていると聞く。今までのように容易い相手ではない!」
居並ぶ高官たちは皆、口々にユークに脅威を述べた。
確かに今までガルデシアは勝利を重ねてきた。
だがそれは山賊まがいの少数民族や途上国を一方的に攻め込んだ上で捻り潰しただけであり、大規模かつ精強な軍隊と戦った経験は皆無だった。
それを如実に現していたのが、先のマクミリィ海岸での戦闘である。
「ユークの鉄の鳥には我が軍のワイバーンが全く敵わないそうではないか。空無しで戦えるわけがない」
「陸上艦とて、鉄の鳥から放たれる破城槍に耐えられるかわからんのだ」
彼らの会話を聞いていた先ほどの初老の高官―――メルクーア・ボルトルス将軍は、低い声で言う。
ガタムール高地防衛司令官である彼は、アカーヤ・クルノヴァスを毛嫌いしていた。
「閣下は敵がどのような連中なのかよくおわかりになっていないようだ。負けるぞ、この戦いは」
メルクーアの言葉に、高官たちは頷く。
彼らはエルフ排斥を掲げる正道派ほどエルフを悪視してはいなかった。
大体、エルフ滅亡を訴えるのは正道派ぐらいだ。
メルクーアを始め多くの国民はエルフと再び共存していくことを望んでいる。
もし正道派が軍や政権の中枢を握っていなければ、エルフとガルデシアは肩を並べて暮らしていたはずだ。
「未来ある若者の命を、怨恨で動く指導者のために殺したくは無いものだな・・・」
メルクーアはそう言った後、声を張り上げて矢継ぎ早に命令を下し始めた。
彼に今できるのはこの戦いを勝利に導き、若者たちを出来る限り殺さないよう戦いことだけだ。
例え自軍に勝ち目が僅かも無かろうと・・・。
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