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架空の軍隊がファンタジー世界に召喚されますた 2

98タイフーン ◆sePHxJrzaM:2007/03/14(水) 22:39:07 ID:eImMvDlU0
3 創世暦987年 10月29日 エルスランド ガタムール高地 ガルデシア軍司令部 

 「一個陸上艦隊に師団規模の魔道歩兵、これだけの戦力を集めて負ける方がおかしいですわ」

 アカーヤは居並ぶ高官たちを前にして、猫撫で声で言う。
 陸上艦隊と魔道歩兵で築かれた防衛線の後方にある城―――ガルデシア軍司令部―――を、彼女は視察という名目で訪れていた。
 彼女は誇らしげに集結した自国の部隊を眺めた後、それらを動かす指揮官たちを見やった。

 「私とて負けるためここにいるわけではありません。ですが、無駄な犠牲は何としても避けたいところです」
 
 アカーヤの言葉に、一人の高官が答えた。
 白い髪を生やした初老の男で、アカーヤは名前こそ忘れたが領地拡大戦以来のベテランということは覚えている。

 「臆病風に吹かれましたか?」
 「人間少し臆病なぐらいが丁度良いのです。必ずや勝利を掴んでみせましょう」
 「それは結構」

 アカーヤは再び、窓の外を眺めた。
 眼前に広がる大部隊は全て彼女のものだ。
 エルフと決別の果てに生まれた兵器たち、憎き同族を打ち滅ぼすための兵器の集結した壮観な様子は、彼女の心に自信と優越感を何度目かわからないほど植えつけた。

 「予想外の出来事で予定は狂ってしまったけど、予想外のことは起きるものですわ。こういうこともあるのでしょう」

 アカーヤはほんの僅かだけ残念な様子で、空を見た。
 もしユークトバニアが現れなかったら、エルフは完全に絶滅させられていたはずだ。
 ユークがエルフに味方していることは腹立たしいことだが、利用価値は素晴らしく大きい。
 だから彼女はガタムール高地でユークに大打撃を与え、その上で再び同盟条約締結を突きつける腹積もりだった。
 もしユークとガルデシアが組めば、もはや世界に敵は無くなる。


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