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架空の軍隊がファンタジー世界に召喚されますた 2

96タイフーン ◆sePHxJrzaM:2007/03/14(水) 22:36:32 ID:eImMvDlU0
2 創世暦987年 10月29日 エルスランド ガタムール高地 ユーク空軍野戦飛行場

 ユークトバニアに英雄はいないと言われるが、その反面欠点は存在しないと各国の軍人たちは口を揃える。
 質で秀ながら継戦能力と資源、人材に乏しいベルカ、物量を誇りながらもあと一つ打撃力が足りないオーシアが足され、二で割られたものがユークだと言われる。
 軍は高度に機械化され、例え一個師団分の戦車が全て無くなっても、一個飛行隊分のF-22が失われても、ユークにとっては大した痛手ではないのだ。
 ガタムール高地に三日で建設された航空基地も、ユークの底知れぬ力の賜物だ。
 気化爆弾で森を焼き払った後、師団規模で部隊を降下させて飛行場を建設するなど常軌を逸している。

 「おいカローニン、なんだそんなに思いつめた顔して」

 給油を続けるヘリの中で、パドフはカローニンの横に腰掛けた。
 カローニンは基地を出てからずっと、銀の指輪を手にし続けている。

 「大事なんだな、それ」
 「ああ・・・。まあ」
 「そうか、そうか」

 別にパドフはカローニンが異世界の女は危険だとか、いつまた元の世界に飛ばされるかわからないと考えるつもりはなかった。
 パドフはまだこの世界がどんなものかと把握しきれていないし、元の世界にまた飛ばされることについては頭から排除していた。
 そんなことをいちいち考えていたら精神がおかしくなる。
 それに、今自分たちがエルスランドに派遣されているのは、今日明日で帰れる見込みが無いことに端を発するぐらい下士官の頭でもわかった。
 
 「持っててくれって言われたんです。エルフの奥さんから」
 「あー・・・」
  
 パドフが呻くと、カローニンは誤解を受けたように弁明する。


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