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架空の軍隊がファンタジー世界に召喚されますた 2

502超ソビエト大戦:2010/06/01(火) 20:19:48 ID:6LiHdjEo0
「ゴルァアッ!」
唸りをあげて繰り出された碇の一撃を慣性ドリフトでかわしたクリスカは、右足を軸にして超信地旋回。
勢いあまってたたらを踏む巨人の背中に、左腕に装着されたデュアルパイルバンカー−盾と一体化した杭打ち器−を叩き込む。
背中から胸板に抜けた傷口から、血と肉片と骨髄液が霧状になって飛び散り、鮮やかなピンクの花が咲く。
巨人は豚のような悲鳴をあげて地に伏した。
イーニァのATは手持ち式の大口径機関砲を使い、人形アニメのようにギクシャクした動きで迫る骸骨兵士の集団を機械のような精密射撃で撃ち砕いていく。
戦車とATがファンタジー軍の戦列を切り崩している間に、歩兵部隊も交戦を始めていた。
突然目の前に開いた穴から飛び出してきた犬面の小鬼を、カラシニコフ銃の短い連射が撃ち倒す。
「チッ!ムジャヒディンよりもタチが悪いな」
ソーフィア・イリーノスカヤ・パブロヴナ率いる第318後方撹乱旅団・第11支隊は、ゴブリンのゲリラ戦術に苦戦を強いられていた。
大地の悪霊は信じられないスピードで地中を掘り進み、前線に平行に掘られた戦闘壕だけでなく、後方に向けて掘られた兵站壕の床や壁面から、松くい虫ように湧き出してくる。
ゴブリンに気を取られている間に斬りかかってきたイケメンの騎士を、ヤクザキックで一蹴したソーフィアの足元にコロコロと転がってきた人面岩がひとつ。
つい目をあわせてしまったソーフィアを見上げ、人面岩はニヤリと笑った
「メガンテ」
爆風に吹き飛ばされたソーフィアに、バトルアックスを振りかざしたミノタウロスが迫る。
右手に握ったAKMを持ち上げようとするが、ショック状態に陥った身体は脳の指令に反応しない。
これまでかと思った次の瞬間、迷彩服を着た熊が飛び込んできて、手にしたスコップでミノタウロスをどつき倒す。
「大丈夫ですか同志中尉殿?」
ミーシャ・クリンコフ少尉候補生は茶色の毛に覆われた手を伸ばし、なんとか起き上がろうともがく女性将校を抱きあげた(いわゆるお姫様だっこである)。
「は、離せ!この程度ケガのうちにも入らん!」
なぜか顔を赤らめ、まだ麻痺の抜けきらない体で無理矢理歩き出すソーフィア。
(なんということだ!アフガン帰りの古強者を束ねるこの私が…もっとモフモフしたいなどと!)
意外と乙女なのであった。
そして場面は時速400キロで空を飛ぶ複葉戦闘機の開放型操縦席に移る。
戦いの中で苦悩する乙女がここにも一人。
ポリカルポフI−153型機を駆って天馬やドラゴンと熾烈な空中戦を行うマーシャ・カルチェンコ大尉である。
「なんで…なんでチャイカなの!?!」
ああ噂に聞くMig31、それが無理ならせめてコブラ(P−39)に乗りたかったなー、アメリカ製はシートが上等って言うし。
などとつい戦場にあることを忘れ、我が身の不幸を嘆くマーシャの背後にドラゴンが迫る。
ドラゴンの鼻の穴から放たれた火炎弾が機体を掠めてやっとピンチに気付いたマーシャが慌てて回避行動に移ろうとした直後、派手な爆発がドラゴンを吹き飛ばした。
「ウェイ?」
ありのままに起きたことを言う、ネコミミ尻尾つきの美少女がぱんつ丸出しで飛んでいた!
おもわず奇声をあげるマーシャ。
「あ、そう言えば…」
そして思い出した、出撃前の慌しいブリーフィングでちょっとだけ顔を合わせたサーニャ・V・リトヴァクという名の可憐な“魔女”を。
あらためて見てみると、黒ストを履いた細い脚にストライカーユニットと呼ばれる飛行装置を装着し、ゴツい空対空ロケット発射筒を担いだ華奢な少女の姿は実に超現実的というか、悪夢的なものを感じてしまうマーシャであった。


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