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架空の軍隊がファンタジー世界に召喚されますた 2

476黒綿棒 ◆tkPmBAB0x2:2010/01/08(金) 20:49:27 ID:yNX80.160
そのほかにも様々な種族がそれぞれのY級戦艦を作り出し、その数だけドラマが生まれた。

ドラゴニュートこと竜人族の誇りである”ラプテリアンヤマト”<バハムート>。排水量六万五千トンで46センチ砲三連装二基、連装二基というバランスの良い戦艦だが、戦運は無かったのだろう。
ささいな種族の違いによる執拗な虐めに耐えかねたリザードマン水兵が火薬庫に火を放ったため自爆してしまうという悲劇に見舞われていた。

悲劇のY級戦艦といえば雪男・雪女族の”イェティヤマト”Y級氷山戦艦<ハバクック>を忘れてはならない。熱帯の海で機関が故障してそのまま融けてしまったため、彼らが存在した証は海底にむなしく転がる46サンチ砲の砲身のみだ。

海に住む半漁人、ギルマン族が作り上げた”マーマンヤマト”Y級潜水戦艦<インスマウス>。彼女は処女航海で母なるダゴンの宮殿に潜行したまま帰ってこなかった。多分、それで良かったのだろう。

陽気で小柄なホビットが完成させた”ホビットヤマト”Y級戦艦<センス・オブ・ワンダー>。小柄なホビットは、誰も46サンチ砲弾を扱えなかった。作るときには使うことを考えなかったようだ。

昆虫人類の”スパイダーヤマト”Y級多脚陸上戦艦<アラクノフォビア>。水陸両用戦艦として作られたが、昆虫人類の科学力では洋上での推進機関を満足に作れなかったため、脚が付かないほど深い海には出られなかった。

ピクシー達が作り上げた”フェアリーヤマト”<ウェンディー>。主砲の「口径」ではなく「砲身長」が46センチであるため、Y級戦艦に含めるべきかどうかは現代でも異論があるところだ。

これら有象無象の種族達のように自滅していくY級戦艦の方が多かったとはいえ、それぞれの”ヤマト”は各種族の誇りをかけて戦っていった。
数年に及ぶ海上戦闘の末、生き残ったY級戦艦の保有国は僅かにドワーフと人類のみ。
それ故、ドワーフと人類は”覇者”の座をかけて争う事になった。この海戦に勝利した側が”覇者”の称号を得ることになるだろう。
そうすれば、この数十年にわたる大戦は終結する。どちらが勝つにしろ、これが最後の戦闘になるはずだった。
”ドワーフヤマト”こと<ゴールデンアックス>とY級本家本元の人類艦隊旗艦”ヒューマンヤマト”こと<大和>は、その海戦で雌雄を決さんとしていたのだ。

「艦尾に命中弾!航空機運用設備全滅、火災発生!」
その報告に有賀は軽く舌打ちした。まずいな、これを目印に撃たれてしまう。やつらの砲術自体は大したことは無いが−
「あの2tを越えるという超々重量弾は厄介だな。」
艦隊司令官の伊藤整一中将がつぶやいた。有賀も同感だ。
「この<大和>も1.6tの超重量弾−試製五式超重徹甲弾を使用してはいますが、冶金技術ではまだまだドワーフにかなわないというのが実情です。
 現にこちらの砲弾は<ゴールデンアックス>の装甲を貫通することが出来ていませんが、彼らの超々重量弾はこちらの装甲を貫通しえます。
 ここは−」
何事かを言いかけた有賀を制して伊藤中将は言った。
「”艦首軸線砲”の使用を許可する。このまま超々重量弾を撃ち続けられるのは不利だ。接近して、一撃で仕留めろ。」


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