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架空の軍隊がファンタジー世界に召喚されますた 2

475黒綿棒 ◆tkPmBAB0x2:2010/01/08(金) 20:48:26 ID:yNX80.160
次に現れたのは”オークヤマト”こと<ジャ=デデ=ジャス>。居住環境を犠牲にしてまで装備を大幅に増やした戦艦だ。
四万五千トンの排水量のうち、武装部分だけで二万トンを超えている。46サンチ三連装砲塔五基、20サンチ連装砲片舷十基の武装は最早常識とは無縁の存在だった。
乗組員居住施設を随伴船につくるという極端なことをしてまで攻撃力を上げた<ジャ=デデ=ジャス>だったが、その方法が祟った。
ヴァンパイア族が作り出した”吸血ヤマト”こと<デューク・ヴラド>が、”オークヤマト”の乗組員を満載した随伴船<アーレ=マア>を撃沈したため、早々に戦闘力を失ったのだ。

<デューク・ヴラド>は46サンチ四連装砲を二基、艦の前半部分に搭載した戦艦である。ちなみに後部甲板は吸血鬼たちの社交場である。
吸血鬼独自の超感覚による測距能力と、その艦形を生かした突撃戦術で<デューク・ヴラド>は夜の大海原をしばし暴れまわった。
だが、<デューク・ヴラド>は無敵とはいかず、その命脈は長いものではなかった。ヴァンパイア族が太陽に弱いという弱点をつかれたのだ。
燦燦と太陽が輝く中、<デューク・ヴラド>は本来の力を出すことも無く、人類艦隊が決行した昼間一斉雷撃によって沈んでいった。

ライカンスロープたちは他の種族とは違うアプローチを取った。戦艦を作り出すのではなく、彼ら自身が戦艦になろうというのだ。
彼等は、ある満月の夜に儀式を執り行った。獣人族の精鋭を集め、月の魔力を元に合体し、”ワーバトルシップ”になる。
彼らのY級戦艦”ワーヤマト”こと<ベオウルフ>はそうして作られた。魔力が強い彼ら自身を元にしただけあり非常に強力な戦艦だ。
六万トンの排水量を誇る<ベオウルフ>は46サンチ砲連装四基八門を持ちながら30ノット超の高速を発揮することが出来た。
だが、この方法はあまりに特殊すぎた。月の魔力を失うと船の形を維持できないのだ。
結局、”ワーヤマト”は満月の夜に母港の周囲をぐるぐる回る以上の事は何も出来なかった。

”グレムリンヤマト”はもう少しマトモだった。見かけどおりずるがしこい彼等は、戦艦を「見えなく」することを考えた。
乗組員が、それぞれに戦艦の部品を持ち、ある地点で一斉に組み立てる。何も無いところからY級戦艦を作り上げ「見えない戦艦」による奇襲を実行するのだ。
このアイディアは早速実行に移された。部品点数の兼ね合いで乗組員数は1万人にも達することになってしまったが、彼等は問題ないと考えていた。
こうして完成した”グレムリンヤマト”<ギズモ>は任意の地点に戦艦が突如として現れる、という戦略奇襲を確かに実現させた。
だが、いざ海戦となった時に思わぬ弱点を露呈した。彼等は砲弾を持ってきていないかった。弾薬についての考えは抜け落ちていたのだ。
人類艦隊は、砲火を交える前に降伏して自壊していく”グレムリンヤマト”を呆然と見つめる事しか出来なかった。

翼持つ人々、有翼族の作り出した”ウィングヤマト”こと<アークエンジェル>は他のY級戦艦とは一線を画している。
空を自在に飛ぶことが出来る彼等は、戦いにおいて優位を得るためには制空権が必要だと早くから気が付いていた。
魔法だけでなく科学技術にも優れていた彼等は、Y級戦艦に飛行能力を付与することで絶対的な制空権を得ようとしたのだ。
艦の中央部に巨大な翼を設け、艦尾から巨大な魔道ロケット推進の炎を引いて試験飛行を行う姿はまさに”空の絶対者”の名にふさわしかった。
多大な期待がかけられた<アークエンジェル>。だが彼女が初実戦を迎える前に人類艦隊が有翼人の港を航空奇襲したのが運の尽きだった。
”ウイングヤマト”は、第一航空艦隊<赤城>搭載機によってあっけなく撃沈されてしまった。やはり制空権は大事な要素なのだということを、彼女は逆説的に証明した。


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