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架空の軍隊がファンタジー世界に召喚されますた 2

474黒綿棒 ◆tkPmBAB0x2:2010/01/08(金) 20:47:38 ID:yNX80.160
着弾の衝撃。戦艦<大和>艦長の有賀幸作大佐は反射的に叫んだ。
「被害報告!」
暫くして左舷三番、四番高角砲全損、他戦力発揮に支障なし、という報告が上がる。
有賀はため息をついた。今回は無事に済んだが、やつらの主砲もこちらと同じ46サンチ。連続で食らうわけにはいかない。
彼が転舵を命じた次の瞬間、見張員の張りある声が<大和>の弾着を伝えた。
「第二十二射、弾着、今!遠、近、遠、近、近、遠、遠、遠、近。」
有賀も双眼鏡を構え、敵艦の方を見た。長大な船体、高い艦橋についた巨大な測距儀と巨人の拳骨のような砲塔。
間違いない、大和級の−通称、<Y級>と呼ばれる戦艦だ。
有賀が指揮する<大和>は敵艦に八発もの命中弾を与えているが、いまだに損傷らしい損傷を与えた様子が無い。
(化け物め。46サンチの直撃で火災一つ起こさないとは。一体、どういう風に作ってやがる。)
有賀は思った。まったく、何だってドワーフが大和型の戦艦なんぞを作るようになっちまったんだ。
ドワーフ海軍旗艦Y級戦艦<ゴールデンアックス>、人智を超える装甲を持つ通称”ドワーフヤマト”は、そんな有賀の思いなど意に介さず46サンチ砲を放った。

日本がこの世界に移転してきたのは昭和10年。その当初、国内外には様々な混乱がもたらされた。
国内的な混乱はすぐに治まった。国内で石油や鉱物資源、何故か生ゴムまでが鉱脈として発見され、露天掘りで豊富に取れるようになった事が大きい。
むしろ問題になったのは対外的な混乱だ。日本が人類国家であった事が全世界に影響を与えていた。
この世界は、人類・エルフ・ドワーフ・オーク等諸種族が数十年にわたり世界の覇権をかけて争っている真っ最中だったのだ。
もともとこの世界に居た人類の科学技術が1860年代並であったこともあり、日本は人類国家の盟主に祭り上げられてしまった。
広大な海が多いこの世界では、日本の持つ軍艦、とりわけ戦艦の破壊力は絶大であったからだ。
<長門>と<陸奥>はまさに”日本の誇り”として東奔西走し、”人類の誇り”といわれるようにまでなっていった。
しかし、他種族も指を銜えているばかりではない。独走し始めた人類にこっぴどくしっぺ返しを行った。
転移初期の混乱期に乗じて日本国内に入り込んだ多種族のスパイが、一号艦−後の大和−の計画図案を盗み出していたのだ。
各種族はその図面を元に、各々が得意とする分野の技術をつぎ込んで46サンチ砲戦艦を作り上げていった。それがY級戦艦の正体である。

はじめに現れたのは”エルフヤマト”こと<アミュレット・オブ・アルテミス>。風の精霊の加護により脅威の命中力を誇っている。。
三万五千トンの比較的小型の艦体に、46サンチ単装砲を四基備えた戦艦。これこそ、世界最初の(起工は大和が先だが、就役は大和よりも3日早い)Y級戦艦だった。
本来は森の住人であるエルフ達は戦艦を作ることにそれほど習熟していない。それゆえに命中力で全てをカバーしようとしていた。
その目論見はある程度成功した。就役後の海戦で、命中力の高さを生かして日本の戦艦<扶桑><山城>を立て続けに撃沈したのだ。
日本の転移以来、人類艦隊に初の大打撃を与える事に成功した”エルフヤマト”。
だが、主砲の少なさが仇となった。<扶桑><山城>との交戦で主砲を半減させられた彼女は、直後に艦隊に合流した<大和>に沈められていた。


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