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架空の軍隊がファンタジー世界に召喚されますた 2

184タイフーン ◆sePHxJrzaM:2007/05/05(土) 00:26:32 ID:eImMvDlU0
 べドロクは深呼吸した後、叫んだ。

 「スモーク散布の後、右旋回して奴の正面に向けろ。AP装填!」

 砲塔脇のスモークディスチャージャーから煙幕弾が打ち上げられた。
 薄紫色の煙の中でT-72は急旋回し、主砲を魔道歩兵へと向けた。
 目視照準で、砲弾が撃ち出される。
 
 「よく覚えとけ!優秀な兵士は時として、優秀な兵器を上回るんだ!」

 二機目の魔道歩兵は、胸部を撃ち抜かれた。
 背中にできた貫通口から炎が伸び、機体全体を包み込んでいく。
 最後の敵を仕留めんとするT-72は旋回しようとした矢先、右キャタピラが何かを噛んだ。
 
 「おいどうした!?」
 「ヒトガタのパーツを挟みました!右のキャタピラが!」

 車体が大きく揺れ、金属が軋む音が砲塔に木霊する。
 魔道歩兵の上腕が右キャタピラと地面の間に挟まり、方向転換を阻んでいた。
 しかしべドロクは焦る様子も無く指示を出す。

 「榴弾装填、時限信管でやれ!」
 「それじゃあ戦車も吹っ飛びます!」
 「荒療治みたいなもんだ!早くしろ!」
 「了解!」

 T-72は右側に主砲を向け、至近距離で榴弾を炸裂させた。
 地面の傾斜と爆風を利用してT-72はキャタピラをロックしていたのパーツを退け、態勢を立て直して魔道歩兵と正面から向き合う。

 <<な・・・なんだと!?>>
 「教科書には、こんな方法載ってないだろうな!もっとも、教科書があるのか知らんがな!」

 榴弾が砲身から撃ち出され、魔道歩兵の胸部を抉り取る。
 爆発を起こすことなく魔道歩兵は跪き、焦げた胸元から煙を昇らせたまま動きを止めた。

 「よし、僚車を合流させた後、後退する。・・・どうした?」
 「ギアがイカれました。エンジンとキャタピラも」

 べドロクは俯き、悪態をつく。

 「訂正する。僚車と合流の後、後退する・・・」


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