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架空の軍隊がファンタジー世界に召喚されますた 2

183タイフーン ◆sePHxJrzaM:2007/05/05(土) 00:25:25 ID:eImMvDlU0
 「一機やった!」
 「連続射撃!ケチケチするな、撃ちまくれ!」

 稜線を飛び出したT-72は一瞬停止し、その刹那に主砲を放つ。
 魔道歩兵の脇に着弾した砲弾が砂柱を作り出し、パイロットの目を眩ました。
 
 「偏差射撃だ。よく狙えよ!」
 「任せてください!ユーク戦車兵魂を教えてやります!」
 「その意気だ!」

 T-72は走行したまま、二発、三発と砲弾を撃ち込んでいく。
 いずれも至近弾だが、その爆風や破片は魔道歩兵に少しずつダメージを蓄積させるのに十分だった。
 戦車を狙う腕部の動きが目に見えて低下し、先ほどまで稜線や近辺に命中していたレーザーが車体を飛び越え、あらぬ方向へと向かう。
 
 <<早い!>>
 <<駄目だ。狙えない!>>

 混線する無線から、べドロクは敵に有効な火器管制システムが無い―――下手をすると、目視照準―――ことに気付いた。
 この世界は魔法という概念があるらしいが、その魔法というのはどうやら都合良く色々とできるものではないようだ。
 とは言えべドロクは魔法が強大なものであっても驚くことは無いと確信している。
 べドロクが元々いた世界にも、"リボン付き"やら"ラーズグリーズ"やら、存在そのものが魔法のような連中がごろごろしていたのだから。
 
 <<ザボード1、突出し過ぎだ!>>
 <<スモークだ!スモークを焚け!>>
 
 しまった、とべドロクは口に出す。
 援護の二台を差し置いて、べドロクの車は大きく突出してしまっていた。
 魔道歩兵は別れ、援護を受けつつ鉈を振り翳して前に出てきた。
 巨人のスピードは予想以上で、べドロクは自分の判断ミスを呪う。

 <<馬鹿が!調子に乗りすぎたんだよ!>>
 <<鉈だ!ぶった切れ!>>
 <<了解!>>


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