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架空の軍隊がファンタジー世界に召喚されますた 2

182タイフーン ◆sePHxJrzaM:2007/05/05(土) 00:24:31 ID:eImMvDlU0
 魔道歩兵から光が伸び、真っ直ぐにT-72に突き刺さった。
 照準の正確さの割りに威力が小さいレーザーは砲塔に装備されたリアクティブアーマーに阻まれ、致命傷を与えることはできない。
 破片を撒き散らして姿を現した戦車は、煙幕を散布する。
 
 「う、撃たれてます!」
 「外側が無くなったぐらいで騒ぐな!照準!」
 「FCS故障!」
 「元々そんなもんアテにしてねぇ!」

 魔道歩兵の装備できる武器で戦車を破壊するには、対要塞戦用の重魔道砲か接近して砲塔上面を鉈で攻撃するしかない。
 通常兵装のレーザーでは、戦車の正面装甲は貫くことができない。
 その代わりレーザーから発するある種の電磁波が作用することで、火器管制装置等の電子機器が使用不能に陥ることは多々あった。
 ガルデシア側は一度の戦闘で百台近い戦車を撃破したと確信しているが、実際に全壊したのはその十分の一程度に過ぎない。
 もしその戦車や車両がガルデシアの計算通りに失われていたとしても、ユークにとっては乗員さえ無事なら、戦車の百台や二百台などすぐ補充できる数だ。 

 「直接照準!まずは挨拶だ。榴弾装填、信管は短延期!」
 「了解!榴弾装填、信管短延期!」

 べドロクは構わず命令を出す。
 バルトライヒ山脈で放射能と核汚染の中、ベルカ陸軍のレオパルド2A6と戦ったことに比べれば楽なものだ。
 ハイテクというものも悪くはないが、どうもべドロクは好きになれない。
 なんでもかんでも機械に任せていては、人間が乗る必要なんて無くなってしまう。

 「照準よし装填よし!」
 「撃て!」
 
 発砲の光に魔道歩兵のパイロットが反応したようだが、遅かった。
 榴弾は機体の前面装甲を貫き、背後で爆散させる。
 その爆風で二機が姿勢を崩す。

 <<なんだ今のは!?>>
 <<砲撃だ!>>
 <<よくもガウバを!>>

 魔道歩兵の銃から光が瞬く頃には、T-72は砂煙を上げて稜線ギリギリを駆け抜けていた。
 多くは命中せず、時折砂柱が上がるも、後には黒い穴の空いた稜線が残っているだけだ。
 スモークを散布し、T-72は砲撃を加えていく。


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