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架空の軍隊がファンタジー世界に召喚されますた 2

174タイフーン ◆sePHxJrzaM:2007/04/26(木) 23:59:08 ID:eImMvDlU0
2 創世暦987年 10月31日 エルスランド ガタムール高地 ガルデシア軍 第二防衛線前哨陣地

 <<まだだ!まだガルデシアの負けが決まったわけではない!>>
 <<我々の後ろには何がある!?>>
 <<母国がある!閣下がいる!>>

 黒煙が立ち上り、黒焦げの骸が積み重なる陣地から、片腕や頭を失った魔道歩兵が迫り来るユーク地上部隊へ切り込んでいく。
 原隊を失った敗残兵があちこちで数を揃え、まとまった戦力としてユーク軍を襲う。
 彼らを動かすのは―――優性意識とガルデシア兵としての誇りだ。

 <<まだ戦うのかよ、こいつらは!>>
 <<決意、誇り、そういうのが一番たち悪いんだ!>>
 
 対空機関砲や装甲車の機関砲で穴だらけにされ、歩兵から対戦車ミサイルの集中射撃で腕を吹き飛ばされても、魔道歩兵は前進を止めない。
 もはやユーク―――ガルデシアにとっても、魔道歩兵は最強の兵器ではない。
 だがガルデシア兵にとっては、彼らが信ずる最高のパートナーなのだ。
 エルフたちと袂を別ってから、今に至るまで。

 <<こちら陸上駆逐艦アルバーン、ご同道させてもらう!>>
 <<第四十九魔道歩兵部隊残機一、後退が完了するまで、戦線を死守する!>>
 <<うおおおおおおおおおおお!>>
 <<全機、突撃!ガルデシアンの意地を見せてやれ!>>
 <<退けない理由があるのはみんな同じだ!>>

 ガルデシア側の司令官であるメルクーア・ボルトルス将軍は、既にガタムール高地における勝利を諦めていた。
 その代わりメルクーアが選んだのは、できる限り兵力を残しながら、この高地から撤退することだ。
 もっともメルクーアの中では高地上空の制空権が失われた時―――もしかするとそれ以前から―――戦力温存を考えていた節がある。
 ガルデシア兵たちの意識は敗北から、未来の勝利へ繋がる栄光の撤退を成功させる方向へと傾いていた。


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