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架空の軍隊がファンタジー世界に召喚されますた 2

173タイフーン ◆sePHxJrzaM:2007/04/26(木) 23:56:50 ID:eImMvDlU0
 「気持ちはわかるけどな・・・。仕事だろ、これは」
 
 べドロクはどうもすっきりしない。
 指揮官である以上、部下の命を危険に晒し、犠牲にすることは必然のことだ。
 べドロクだって職業軍人になって以来、少なくない数の命を散らせてきた。
 人命を尊重して後退命令を出すのは正しいことだとは思うが、それならはなから戦争などしなければいい。

 「まあいいや。俺が考えても仕方無い」

 ヘルメットを外してフケだらけの頭を掻き毟り、べドロクは深呼吸した。
 こういう問題は自分で考えても仕方無いことを、彼は知っている。
 大体べドロクの脳は、脳味噌より筋肉の量の方が多いのだから。

 <<ザボード1、ヒトガタが接近中だ!>>

 べドロクは感謝した。
 一つ目は思考する前に敵の接近を知らせる通信が入ったこと。
 二つ目は、後退する前に敵に駄賃を恵んでやれることだ。

 「よし、俺がやる。ザボード4と6、車を捨てて8と9でブローハ中隊と合流しろ。ザボード2、3、お前らも下がれ」
 <<拒否します。中隊長殿>>
 <<自分もであります!>>
 「なんだと!?」

 怒鳴るべドロクに、両車の車長は言う。

 <<最高の戦車指揮官である中尉が戦死なされますと、軍全体の機甲戦力が低下するからであります>>
 <<中隊長殿に貸した金がまだ返っていないであります>>
 
 べドロクは黄色い歯を見せて笑った。
 つくづく自分は、部下に恵まれたものだと。

 「よしわかったぞ。ルールはなんだ?」
 <<生き残ること!>>
 <<帰って美味い酒を浴びるほど飲むこと!>>
 「そうだ!生きて帰ったら嫌というほどウォッカを奢ってやるぞ!」


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