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架空の軍隊がファンタジー世界に召喚されますた 2

171タイフーン ◆sePHxJrzaM:2007/04/26(木) 23:53:50 ID:eImMvDlU0
トナカイたちの旅

第十一話

1 創世暦987年 10月31日 エルスランド ガタムール高地 ガルデシア軍第二防衛線前哨陣地

 <<こちらHQ、各部隊は現在のラインからポイント"ネヴァ"へと移動せよ>>
 「ああん!?」
 <<ザボード1、聞こえなかったか?後退だ>>
 
 砲塔の中で司令部からの通信を傍受したべドロク中尉は、言葉にならない声を上げた。
 無理も無い。
 彼が知っている限り、ガタムール高地での戦いはユークの優勢で進行しているはずだ。
 
 「中尉、上の奴ら・・・!」
 「あの馬鹿野朗ども、俺たちは勝ってるんだぞ!なんで後退なんか・・・」

 ガタムール高地におけるユークとガルデシア軍の戦いは混戦状態となっていた。
 確かに制空権はユークによって奪取されたものの、地上においては双方泥沼化した戦いが展開されている。
 ユークにとって不幸だったのは、ガルデシア軍が空爆や砲撃を受けてなお戦意を喪失せず戦い続けていることだった。
 それに戦闘機の絶対的優位が一時的にせよ崩れたことを鑑みた空軍は、攻撃機を一時的に帰還させていた。
 よって高地では、純粋に陸上兵力同士で戦いが行われていた。
 混線しっぱなしの無線からは、双方の声が聞こえてくる。
 
 <<間合いさえ詰めれば、戦車は敵じゃない!>>
 <<やっぱり砲撃が足りなかったんだ!砲兵は戦場の神なんだぞ!>>
 <<空を取っても、下は地獄だ>>
 <<ガルデシアに降伏は有り得ない!絶対にだ!>>

 ガルデシア魔道歩兵は足や頭部を失いながら戦車に特攻を仕掛け、鉈の一撃と代償に自爆する。
 混線した無線でユークの戦術が近接航空支援と砲撃によって成り立っていることに気付いたガルデシアは、犠牲を覚悟の上で近接戦を挑んだ。
 航空支援を封じ、至近距離で戦うことで砲撃を防ぐ術を覚えたガルデシア軍は、自爆同然の攻撃を仕掛けているらしい。


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