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架空の軍隊がファンタジー世界に召喚されますた 2
165
:
タイフーン
◆sePHxJrzaM
:2007/04/21(土) 00:25:55 ID:eImMvDlU0
4 創世暦987年 10月30日 エルスランド ガタムール高地上空
「やるじゃないか。ガルデシアの連中も」
エリッヒ・ヒレンベランドは酸素マスクの裏で唇を緩めた。
今彼を包むのは、興奮と喜び。
空を飛び、強敵と戦う―――それが彼を再び空へと戻した理由だ。
<<シュネー3よりシュネー1、腕は衰えていませんね>>
「年には勝てんよ。年寄りはお呼びじゃないかな?」
<<またまた・・・>>
ヒレンベランドはF-14Dを急上昇させ、魔道騎兵の放つレーザーを避ける。
一瞬の攻防、決断、行動。
それらが彼の興奮の度合いを高めていく。
人は彼を戦争狂とかジャンキーだとか言うが、彼にしてみれば褒め言葉のようなものだ。
ヒレンベランドはただ単に―――純粋に―――空で戦うのが好きなのだから。
<<隊長やるじゃないか>>
<<シュネー3、無駄口喋るな。俺たちの任務を忘れたか?>>
<<わかってるよ。シュネー2>>
ユークのパイロットが乗る僚機は無理をせず、隊長機から微妙な距離を取って飛行する。
"オヴニル"を彼らは忘れていない。
かつてベルカ戦争で戦い、ユーク空軍にアグレッサーとして潜入したベルカ強硬派の残党の名だ。
彼らは同じようにオーシアにアグレッサーとして忍び込んだ残党軍部隊と同調し、オーシアとユークの戦いを泥沼化へと誘った。
ユークは最も期待を寄せた連中の復讐に利用され、大きな傷を負わせ、自らも背負うことになった。
大戦を生き抜いたパイロットの中には、今だベルカへの不信を拭いきれない者も多い。
もしヒレンベランドが妙な行動に出れば、最優先で撃墜する命令を彼らは伝えられていた。
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