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SSスレ

1魔術師1 </b><font color=#FF0000>(zbg2XOTI)</font><b>:2004/03/16(火) 06:06 ID:5tGeSj8I
比較的硬派なSSを投下するスレッドです。
本スレとほぼ同じ、詳細かつ綿密な設定を練ってSSを書いてください。


ハイテク兵器VS剣と魔法

戦国自衛隊のノリでいて新たなジャンルを開拓すべし
銃を手に、ファンタジー世界で生き残れ!

・sage推奨。 …いや、sageる必要ないか。
・書きこむ前にリロードを。
・SS作者は投下前と投下後に開始・終了宣言を。
・SS投下中の発言は控えめ。
・支援は15レスに1回くらい。
・嵐は徹底放置だ。反論は許さん!…スレ住人が。
・以上を守らないものは………

本家スレ(2004 3月時点)
http://hobby3.2ch.net/test/read.cgi/army/1079351585/

2魔術師1 </b><font color=#FF0000>(zbg2XOTI)</font><b>:2004/03/16(火) 06:07 ID:5tGeSj8I
暫定ガイドライン(分家Ver.)

1.「自衛隊がファンタジー世界に」とあるように、あくまで「現代日本」が主に関わる話であること。
2.現代日本というからには、自衛隊の組織・装備はあくまで現用もしくは近未来的に配備が予想されるものに限る。
3.核兵器などの日本が配備するにはナンセンスなものは極力避ける。
4.あくまで「ファンタジー世界」の話であり、F世界側の設定は作者が自由に決めることが出来る。
  ただし、「超兵器・超魔法まんせー」な話にならぬよう気をつける。また、無敵キャラは作らないことが望ましい。
5.ファンタジー側の人間もきちんと描写する方が好ましい。自衛官主観という演出などであえて描写しないのはこの限りで無い。
6.戦術、戦略としてありえないものを避ける。たとえば人間の徒歩部隊が一日に100kmすすむとか。
7.萌え・色気はあくまで表現手段であり、目的ではない。 安易に狙ったり、しつこく要求するのは流石にウザイので自粛すべき。
8.叩き・煽り・嵐は徹底放置。嵐認定を受けた後に、かまった者も同罪とする。
9.SS作者は、抽出がしやすいようにトリップ装着を推奨。
10.感想書き込む人も節度や口調を考えるべし。作品が気に食わないなら透明あぼーん汁


2補足.どうしても出したい兵器がある場合は納得できるような説明を説得力のある理由つけてハッタリかますこと。
7補足.どうしても萌えが主体でやりたい場合は萌え専用スレ立てておくのでそこでやる事。

3魔術師1 </b><font color=#FF0000>(zbg2XOTI)</font><b>:2004/03/16(火) 06:07 ID:5tGeSj8I
過去スレ
1 http://hobby.2ch.net/army/kako/1037/10371/1037116790.html
2 http://hobby.2ch.net/army/kako/1038/10388/1038809488.html
3 http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/army/1041774797/
4 http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/army/1045319445/
5 http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/army/1052104929/
6 http://hobby3.2ch.net/test/read.cgi/army/1053596453/
7 http://hobby3.2ch.net/test/read.cgi/army/1061460453/
8 http://hobby3.2ch.net/test/read.cgi/army/1071232198/
9 http://hobby3.2ch.net/test/read.cgi/army/1073833118/
10 http://hobby3.2ch.net/test/read.cgi/army/1074781379/
11 http://hobby3.2ch.net/test/read.cgi/army/1075041908/
12 http://hobby3.2ch.net/test/read.cgi/army/1075381959/
13 http://hobby3.2ch.net/test/read.cgi/army/1075795046/
14 http://hobby3.2ch.net/test/read.cgi/army/1076157892/
15 http://hobby3.2ch.net/test/read.cgi/army/1076745722/
16 http://hobby3.2ch.net/test/read.cgi/army/1077128299/
17 http://hobby3.2ch.net/test/read.cgi/army/1077724125/
18 http://hobby3.2ch.net/test/read.cgi/army/1078588258/

2004 3月時点の本スレ
http://hobby3.2ch.net/test/read.cgi/army/1079351585/

4魔術師1 </b><font color=#FF0000>(zbg2XOTI)</font><b>:2004/03/16(火) 06:08 ID:5tGeSj8I
保存庫
ttp://shizuoka.cool.ne.jp/fantasure/
ttp://fwsdf.hp.infoseek.co.jp/

参考資料

自衛隊公式サイト
http://www.jda.go.jp/
戦略、戦術について
ttp://www.d1.dion.ne.jp/~r_dom/lans_index.htm
ttp://bezkrilo.hp.infoseek.co.jp/beskrylyi/mil.htm
自衛隊の装備について
ttp://www.military-powers.com/

戦術の世界史
ttp://www31.ocn.ne.jp/~tactic/

京大RPG研究会
ttp://www.ku-rpg.org/
ttp://www.ku-rpg.org/trpg/population.html 中世の人口

Dragon's Lair by Water Dragon
ttp://ww2.enjoy.ne.jp/~tteraoka/
ttp://ww2.enjoy.ne.jp/~tteraoka/esse.htm 中世とF世界の食事
ttp://wdragon.fc2web.com/fg/index.html 中世ヨーロッパの装い(下着含む)

ファンタジー辞書
ttp://www.asahi-net.or.jp/~QI3M-OONK/tosyokan/fantasy/aafanindex.htm

Wiki
ttp://fwsdf.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/wiki/wiki.cgi?%BB%F1%CE%C1 資料

5魔術師1 </b><font color=#FF0000>(zbg2XOTI)</font><b>:2004/03/16(火) 06:10 ID:5tGeSj8I
■今まで本家で討議された議題

・ファンタジー世界の市場規模についての考察
・褌エルフとTバックドワーフ、見たくないのはどっち?
・食料輸入を経たれた日本は自活できるか
・メイドさんの服は黒と青のどちらが望ましいか
・麻薬による世界支配は許されるか
・江戸時代とファンタジー世界の類似性について
・中世城郭入門
・エルフの着衣はどこまで許されるか
・大陸国家VS海洋国家戦略、その長短について
・マッチとメラ、着火手段としてどちらが優れている
・F世界での日本経済再生と交易について
・二大料理カレーとラーメン、新たなる勢力の台頭はあるのか。
・ドラゴン…契約方法と空軍戦力としての有効性を考える
・生首砲台の進歩と改良についての一考察
・自衛隊的ダンジョン攻略法
・対人地雷と魔法の罠。
・その世界を司るもの:科学・魔法・宗教

6S・F </b><font color=#FF0000>(7jLusqrY)</font><b>:2004/03/21(日) 07:05 ID:LgjpIS.M
さて、自分が分家一番乗りになってみる訳だが・・・まずは始めから行きますわ。

200×年 日本全国が突然白い光に包まれた!だが人々は死滅していなかった・・・
いや、それどころか殆どの人がその事に気付きすらしなかった。
極々僅かの例外を除いて、人々は普段と何ら変わらぬ夜を過ごしていたのだった。

気付かなかった人間の事を書いても仕方がないので、ここでは例外的存在について
幾つかの例を挙げて、日本国を襲った奇妙な現象について少しだけ記述してみようと思う。

7S・F </b><font color=#FF0000>(7jLusqrY)</font><b>:2004/03/31(水) 18:41 ID:LgjpIS.M
A県某所山中

男は、空一面に広がる星の光を眺めていた。ファインダーと望遠レンズを
通して見るそれは、肉眼で見る星空よりも遙かに美しく輝いていた。
もっとも、男の視力は成人男性の平均値を大きく下回っていたから、
ある意味でそれは当然のことと言えた。

男の周りには着ぶくれて眼鏡を掛けた大人が大量におり、そこにごく僅か、
少年や少女が混じるという奇妙な光景が広がっていた。

天上と地上の、何と隔たりのあることか。男はそんなことを考えて苦笑した。
そこにいる大抵の者は一般社会に於いて「美」という形容詞が絶対に付かない
種類の人々であり、男もまたその光景の一部として溶け込んだ姿をしていた。

男は考えを中断し、もう一度星空へと意識を集中していった。そこには黒い
滑らかな大気が広がり、彼が二十年来良く知った星々が輝いていた。

8S・F </b><font color=#FF0000>(7jLusqrY)</font><b>:2004/03/31(水) 18:52 ID:LgjpIS.M
彼とその周りの男共は、皆一心不乱にレンズで空を映し出していた。
ビデオカメラ等を持ち出すものもあったが、やはり天体望遠鏡が主力だった。

彼らは別に特別な何か・・・未確認飛行物体や、特定の時期に見られる
流星群や彗星を見に来ているわけではなかった。むしろその逆、彼らの行動は
その多くが新しい物を見つけるために行われて居るのだった。

彼らは時間の許す限りを趣味へと割いて、未だ発見されていない天体や彗星を
探し出すために空を眺めているのだった。
天体観測が趣味の教師などは、部活や教育の一環として子供達を連れ立っている
ようだったが、それは彼らにとって理解できる行為であった。

9名無し:2004/04/13(火) 22:34 ID:eGtwyIA6
書き込みあったんだ。

10S・F </b><font color=#FF0000>(7jLusqrY)</font><b>:2004/04/14(水) 12:18 ID:LgjpIS.M
>>9書き込んではおりましたが、どうも後が続かなくて・・・
続き自体は考えているので書きます。

11S・F </b><font color=#FF0000>(7jLusqrY)</font><b>:2004/04/17(土) 12:07 ID:LgjpIS.M
教師が行っている事は、一種の布教活動であった。子供たちの好奇心に大きな
肉付けを行うことで、自分と同じ趣味者を増やそうと言うのだった。

その事を周囲の者達は、悪意無く受け入れるか、もしくは懐かしんだ。自らもまた
少年期に同じような経緯で、「この世界」に足を踏み入れた人間だったからだ。

ほんの少しだけ懐かしさを覚えると、男はまた空に視線を戻した。
彼の周りは全員が同志であると同時に、ライバルであった。
先を越されてなるものかと、男はまた空に目を向けた。

12S・F </b><font color=#FF0000>(7jLusqrY)</font><b>:2004/04/17(土) 12:15 ID:LgjpIS.M
最初の異変は、ひどく緩慢であった。最初は緩慢すぎて、異変であると
誰も気付かなかった程だった。

星を見に来た人々は、思い思いの道具でそれを目撃した。
空の一角が、黒く抜け落ちて行ったのだった。

それを見た誰もが違和感を感じていた。子供達はただ漠然とだったが、
大人たちは何となく理屈を考えていた。

航空機が低空飛行しているのだとか、雲が懸かったのだと考えた。
最初はそれで勝手に納得していた。

だがしかし、彼らはそれが大きな間違いであることに気付いた。抜け落ちた
空は範囲をどんどん広げていったし、その形は雲でも飛行機でも無かったのだ。

13S・F </b><font color=#FF0000>(7jLusqrY)</font><b>:2004/04/24(土) 19:44 ID:LgjpIS.M
抜け落ちていったその空は、まるで大きなドームの様な形をしていた。
ドームはその占領範囲を広げていき、どんどん山の方へと迫ってくる。

余りのことに子どもは泣き出し、大人は呆然となって立ちすくんでいた。
その内、星々が何かに飲み込まれるようにして、線を描いて
抜け落ちた空に吸い込まれるのが肉眼でも確認できた。

そして山の頂上まで巨大なドームの端が到達した。

14S・F </b><font color=#FF0000>(7jLusqrY)</font><b>:2004/04/24(土) 19:52 ID:LgjpIS.M
空の全てが闇に覆われた瞬間、奇妙なことが起こった。
突然、そこに光が戻ってきたのだ。
今度は子供も大人も呆然となったが、大人の方はすぐに動き出した。
といっても、彼らは正気を取り戻した訳では無かったが。

大人達は子供の状態を確認する事もなく(教職にある者も)、全員が
携帯電話を取りだし、短縮ボタンを押しまくっていた。

大人達が掛けた先は、全て同じだった。そこは国立天文台であった。
彼らの目の前には、見たことも無いような星空が、一面に広がっていた。

15S・F </b><font color=#FF0000>(7jLusqrY)</font><b>:2004/04/24(土) 19:55 ID:LgjpIS.M
こちらでのSS投稿が無いのが、私が区切って居なかった
せいだとしたら、大変失礼いたしました。

ここで一端区切り、ずっと放置しっぱなしだったことを
お詫びします。

16名無し三等兵:2004/06/04(金) 23:26 ID:yqJPfjbY
愚者さんさぁ こっちでやっちゃえば
一気に全部いってすまえ〜!

17名無し三等兵:2004/06/07(月) 01:45 ID:kGF2oLZE
>比較的硬派なSSを投下するスレッドです。
>本スレとほぼ同じ、詳細かつ綿密な設定を練ってSSを書いてください。
これにちゃんと該当するとおもうんですが。
>ハイテク兵器VS剣と魔法
最終的になるんですよね。

18名無し三等兵@F世界:2004/06/12(土) 23:17 ID:qUq6iUEM
SS投下してよろしいでしょうか。
返事をお願いします。

19F世界猿:2004/06/13(日) 06:46 ID:qUq6iUEM
返事がないけど投下します。
なんで本スレ書き込めないんだろうなー。

アジェント王国東海岸の商業都市ラーヴィナ。
アジェント王国の中でも貿易、その他ある理由によってアジェントでも一、二を争うほどの町の市の中、
果物屋の店主が無用心にも温かい日差しの下、店先でまどろんでいた。
まあ、それはこの町の治安の良さを表すものでもあるのだが。
その証拠に果物に手を出そうとする人もおらず、
果物を買おうとしている二人組みのエルフが困った、という顔をしながら待っているぐらいだった。

20F世界猿:2004/06/13(日) 06:48 ID:qUq6iUEM
「ニッグ、ニッグ!」
まどろんでいた男に布を売る男が興奮した口調で声をかけると、ニッグと呼ばれた男はめんどくさそうに目を開けた。
「なんだ、オザ、素っ頓狂な声を出して。」
「何で起こしてくれなかったんだ、もう太陽が天頂を過ぎてる、昼過ぎだ!
アシェナの神にかけてお前を呪うぞ。」
30を過ぎてるであろうオザはその黒い髭をゆらしながら、およそ年齢不相応の仕草をして大声を出した。
通りを行き交う金髪の買い物客達何事か、と振り向いたが、オザは気にしなかった。

「あん…?ああ、そういえば今日はアレがあるんだったな。」
「お前は見に行かないのか、一年に一回なんだぞ?」
「そう毎年毎年やっていればな、初めのうちは面白くても飽きてくるもんだろ。ふわ〜あ。」
ニッグは大あくびをしてオザにあきれた目を向ける。

「お前もよく飽きないもんだな、これで七度目か?」
「ああ、面白いじゃないか、なんたって究極の召還魔法だ。それに異世界の布は物を問わず高く売れる。」
「商売熱心、ご苦労なこった、あいにくオレにとっちゃ果物なんてどこの世界も変わりゃしないんでね。」
「っと、お前と話している場合じゃない、ランクルーブ広場で夕方からだったっけ?それじゃ行ってくる。」
「はいはい、アシェナの神のご加護がありますように。」

いってらっしゃい。と、ニッグはもう小さくなったオザの背中を見送りながら
ニッグはいい加減怒り出したエルフ達の対応をし始めたのだった。

21F世界猿:2004/06/13(日) 06:48 ID:qUq6iUEM
10年ほど前からか、この世界は大きく動いていた。
アジェント王国のある大陸、地球で言えばユーラシア大陸に位置も形も大きさも一致するだろう。
その大陸の中央部、アジェントの西側に、一つの国家が発生した。
バルト帝国と名乗るその国は機械や科学、黒い肌を嫌うアシェナ聖教によって迫害されていた
ドワーフやダークエルフを保護することで、高い技術と魔法技術を得、急激にその勢力を増していた。
彼らが否定するアシェナ聖教を国境とし、大陸東部一帯を支配する強国であるアジェントと帝国の
対立は当たり前といえば至極当たり前のことであった。

22F世界猿:2004/06/13(日) 06:49 ID:qUq6iUEM
日に日に増す帝国の脅威、機械を否定し、魔術に頼りっぱなしであったアジェントは、
帝国に対抗するために、ある「手段」を用い始めた。
それが「召還」。異世界のものを召還する技術である。
詳しい説明は割愛するとして、もとはエルフの技術であるこの召還は魔法の素であるマナが存在しない世界の島を召還。
その魔法が使えない(=軍事力の弱い)島に侵攻しその魔法による軍事力で制圧、
原住民を奴隷とし、資源を略奪するという帝国も真っ青の残酷なやり方であった。

23F世界猿:2004/06/13(日) 06:49 ID:qUq6iUEM
召還する場所はアジェント東の海、当然奴隷は東海岸の町へと連れて行かれる。
このように召還は異世界の奴隷の売買というラーヴィナの裏の顔を作り始めていた。
そして国民達の間でこの「異世界の奴隷」が当たり前となった頃、
アジェントにとって大きなの誤算が起きたのだった。

時は王国暦972年6月現地時刻1時20分、日本が召還される6時間前のことであった。

24F世界猿:2004/06/13(日) 06:51 ID:qUq6iUEM
レポートの副産物のせいもあって、誤字が多いと思いますが、
投下終了です。
さて、さっさとレポートを仕上げ…られる量じゃねぇなぁ…。

25名無し三等兵@F世界:2004/06/13(日) 20:01 ID:LgjpIS.M
おお、奴隷戦争ですか。一番怖いのは、開戦初期と状況判明後でしょうねー。
ワクワクしつつまっとります。

26F世界猿:2004/06/14(月) 21:21 ID:qUq6iUEM
沖縄西の海上。
黒い艦隊が尖閣諸島周辺海域へと向かうべく海を切り裂き進んでいた。
特に目を引くのは「こんごう」人類英知の結晶であるイージスシステムを採用した艦である。
と、言っても第一世代イージス艦。それ以上の性能を誇る物も現れ始めているのだが。

27F世界猿:2004/06/14(月) 21:22 ID:qUq6iUEM
その甲板で沈み行く夕日の光に目を細めながら青島二等海尉は物資の点検のため、部下を率いて歩き回っていた。
「もう日が沈むのか…、ずいぶん早く感じるな。」
「それは訓練ばかりの毎日よりもこうやって海に出てた方が早く感じるに決まってますよ。」
部下にタメ口を聞かれるのはまだ防衛大学を出たばかりの若造幹部だからか、
それともその気さくな性格からか。しかし青島はそれを咎めもせずに笑って返した。
「それにしてもなんでこんな重装備で行くのでしょうかねぇ、戦闘は起こらないんじゃないんですか?」
そしてその口調を直さないまま佐藤二士は続けた。

28F世界猿:2004/06/14(月) 21:23 ID:qUq6iUEM
戦闘は起こらない。
こう言われる今回の彼らの任務は非常に単純の物だった。
尖閣諸島沖海底油田開発団の護衛。
佐藤二士が重装備過ぎるというのも無理は無い、
127ミリ単装速射砲1基、20ミリCIWS2基、
Mk41VLS(スタンダードSAM、アスロックSUM)2基・90セル、
3連装短魚雷発射管2基、ハープーンSSM4連装発射筒2基。
これだけの装備を持つ戦艦達なのだ、戦争に行くのでもないのにこれは重装備過ぎる。
軍国主義への始まりではないのか、が左翼やマスコミの言い分でもあった。

29F世界猿:2004/06/14(月) 21:23 ID:qUq6iUEM
さすがにこれには青島二尉も少し怪訝そうな顔をした。
今回の出港の際も彼らは自称平和団体達の熱い見送りを受けた、それを思い出したのである。
「中国の過激派の襲撃の可能性がある。ほんの一滴でも国民に血を流させるわけには行かないんだ。」
「…そうっすか、外交でそいつらを抑えてもらうことは出来なかったんですかね。」
「無理を言うな、本来なら海底油田開発だってとても出来ることじゃないんだ。
外務省には感謝しなきゃならない、それよりもさっさと仕事にもどれ。」
青島は佐藤を軽く小突くと外務省に入っていった友人のことをふと思った。
防衛大に入るという自分を最後まで一緒に東大に来い、と言って説得しようとした男。

30F世界猿:2004/06/14(月) 21:25 ID:qUq6iUEM
その男から逐一中国との交渉のことを聞いていたため青島はこの問題については人並み以上に詳しかった。
なんでも外務省では過労死したものが2名出たとか、血尿、胃潰瘍は当たり前だったとか恐ろしい話を聞かされたが、
結局大規模な経済援助をする代わりに中国は尖閣諸島を放棄するということで決着がついたらしい。
これは外交三流で通っている日本からすれば大金星であった。
この大規模な艦隊は、その祝勝会という意味合いも含んでいるようであった。
今度うちの基地の秘伝激辛カレーでも食わせてやろうかなどと、
「胃潰瘍になった」と言っている友人の言葉を思い出しながら考えていた。

31F世界猿:2004/06/14(月) 21:26 ID:qUq6iUEM
「お疲れ様。」
ぼうっとそんなことを考えていると突然肩を叩かれ青島は驚いて後ろを振り返った。
「か、狩野海将補!」
その相手に気づくと慌てて十度の敬礼と呼ばれるお辞儀をする。
「いやいや、そんなにかしこまる必要は無い。」
「は、はい。」
「青島三尉…だったかな、がんばってくれ。」
「は、有難うございます。」
再び敬礼を返すと、青島はこの艦の艦長が自分の名を覚えていてくれたことに少なからず感動していた。


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