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フリーミッション『前略、』

1『前略、』:2008/04/23(水) 00:59:52

導入なんて要らない。

詳細は >>2

664ノギシ『ターネイション』:2008/07/11(金) 22:42:20
>>663
(さて、このまま持久戦に持ち込みたかったのですが――
共倒れになりそうですね…致死濃度まで高めるのは問題がありますし)

本体から出る『時球』を『1分』にし、取り出すテンポを上げる。
『時球』を咳の音(するだろうか?)へ投げる。
取り込まれれば、吸引量が増加する。

665『そのままの君で』:2008/07/12(土) 19:01:16
>>660
確認レス。このレスはもしかして、
0.25ppm作れる動作を1分で120回やれたから
30ppmの濃度になったという事なのだろうか?

666ノギシ『ターネイション』:2008/07/12(土) 20:36:40
>>665
大体の数値としてそのつもりで書いたが、問題があるのだろうか?

667『そのままの君で』:2008/07/12(土) 20:44:31
>>666

いやこちらの『読解不足』だった。



というわけで。



『判定』へ入る。

668ノギシ『ターネイション』:2008/07/12(土) 21:02:41
>>667
ついでに質問を
・『塩』で身体の表面が固められきった場合、それ以上の増殖はしない?
・発現した『塩』はすでに『スタンド物質』ではない?
・何らかの効果で、身体についた『塩』をはがした場合、
 もともとの『塩』がくっつくのではなく、新たに『塩』が発現する?

669ノギシ『ターネイション』:2008/07/12(土) 21:04:20
>>667追記
1問目は『子ども』についた塩の『厚さ』からの判断でお願いします

670『そのままの君で』:2008/07/12(土) 21:17:06
>>668

・塩の厚さは『15cmほど』だった。
・『塩』が『スタンド物質』かは『ノギシ』は確かめていない。
・はがした『塩』は、はがしたまま。新たに『塩』が発現する。

671『そのままの君で』:2008/07/12(土) 21:30:42
>>664

『ガシュッ』

『ノギシ』が『時球』を作ろうとした時………。
『三つ』の『災厄』が『ノギシ』を襲った。

『一つ目』の『災厄』は、『天井』から
飛び降りてきたであろう『壷ヤドカリ』だ。
『壷ヤドカリ』は殆ど動かない『ノギシ』にあたりをつけ、
その『顔面』にベタリ。張り付いた。
思わず『動転』する『ノギシ』。

そして『二つ目』の『災厄』は、
『顔面』に張り付く『壷ヤドカリ』と
『ノギシ』自身の意思で行う
『投げる』という行為から齎された。

そもそも『塩素ガス』の『発生源』のもっとも間近に居る男は、
本来、もっともその『影響』を受けやすい。『ノギシ』、君の事だ。
それを防ぐには文字通り『常に』能力を施行
(『ターネイション』で本体を殴り続ける)している必要があるわけだが…。

その『常なる』能力はここで途切れる事になる。
息を止めるなどの対策もしていない、
その結果は『胸痛、嘔吐、呼吸困難、咳』…。
苦しさの余り、のた打ち回る『ノギシ』。


しかし。

まだなんとかなる。と思うのはけして間違いではない。
『ターネイション』で一度時間を戻してしまえば、
この発作は『一瞬』だけだが収まるのだ。

しかし、ここでしゃしゃり出てくるのが『三つ目』の『災厄』だ。
『ノギシ』が部屋に入った時から『無頓着』で居る『症状』がある。
『塩』の『発露』だ。『煙』であまり分からなかったが、
さきほどから『塩』への対応策をとっていない『ノギシ』は、
着実に『塩』の『発露』を一身に纏っている。
のた打ち回り、『床』の汚れを身体で掃除するかのような
動きをとった『ノギシ』。その間に『塩』は容赦なく、
『ノギシ』の身体を侵食し、立派な『塩』の『壁』を作った。

『ガシッ』
意識が薄れ、弱弱しくなった『ターネイション』の拳が
本体に当てられようとするが、『塩』の『壁』にヒビを入れるだけに留まる。


  くるしいのは
  しおのせいなのだろうか?
  がすのせいなのだろうか?
  からだがうごかないのは?
  
  いしきがとおざかっていくのは?
  
                 ノギシ『ターネイション』→『行動不能』『気絶』

672『そのままの君で』:2008/07/12(土) 21:47:07
>>663

『ステア』が目を覚ましたのは、
ひどく息苦しい『空間』の中だった。
体中がヒリヒリと痛み、胸に痛みが走る。

とはいえ。

『ステア』が、比較的穏やかなのは、
彼女の能力の拠り所である『水』が、
近くに酷く溢れているからだろう。

『ステア』の本能によるものなのだろうか?
『水』は『ステア』を守るようにドーム状に発現しており、
『煙』の侵入を防いでくれている。

(あなた………。
ねえ、あなた……)

『声』が聞こえる。聞き覚えのある『声』。
『老婆』の声だ。

気付くと、『ステア』のすぐ横に『壷ヤドカリ』が居る。
声はそこから、弱弱しく聞こえる。『スタンド会話』。

(…あなたのお友達……本当にあなたのお友達なの…?
毒ガスを…毒ガスを使って…『あなたも含めた』私たちを攻撃してきた……。
あの人は…『危険』だわ……。あの人はきっと…あなたの『害』になる……。

わたし……くるしい、とても……とても……。
ねえ、あなた。あなた……『水』をあやつることが
できるのよね……?
その『水』……私の『こどもたち』の力……。
ふりしぼって…………。

ねえ、おねがい……。
そのちからで…『夫』だけでも…たすけて……。
わたしは…いいの…。
あなたと…『夫』だけで…逃げて……)

『ステア』の周りには人間も動かせるかもしれない量の『水』。
(実際は非常に『薄まった』『アルコール』だが、
『少なくとも』これを『ステア』はこれを
『アルコール』だと『認識』出来なかった。『水』に思える)

これでどうするかは完全に『ステア』次第だった。

673ステア『ブラック・ヴェルヴェッツ』:2008/07/13(日) 01:30:14
>>672
「……『ノギシ』さんが何を仕出かしたのかはわからない。
 ……貴女の行動の理由も、理解しきれていない。
 でも、彼には頼まなければならない事がある。
 貴女には私が納得できる『説明』をして貰いたい……。
 だから……この場に居る全員、見捨てるつもりはありません」
 
まずは、『ブラック・ヴェルヴェッツ』を仏壇の部屋にあった『窓』に突っ込ませる。
私の位置が倒れた時から変わってないなら、『窓』は後方真っ直ぐにある筈です。
だからもし『視界』が利かないとしても大丈夫でしょう。
上手くいけば、『窓』は割れて『煙』はそこから流れ出ていくと思います。
同時に外の連中にも音が伝わるかも。
『呪い』にビビってる大人たちがこちらに来てくれるかは疑問ですけど。
 
上記の行動の成否に関わらず、『水』に『老婆』『夫』『ノギシ』を取り込んで、
『煙』の薄くなっている方へ運び出していきたい。
一度に『全員』が無理なら、『夫』>『老婆』>『ノギシ』の順番です。
 
(大見得を切っては見たものの……やれるのか?
 この『毒ガス』が充満した状況、『水』の量はギリギリ。
 ………………助けきる時間はあるのか?
 何とかマルッと助け出したいものですけど…………)
 
自分はドーム状の『水』を潜水服のように着込んで、
ドームの中に蓄えた空気で呼吸を確保して行動します。

674『そのままの君で』:2008/07/13(日) 09:23:57
>>673

『ステア』の身体にすでに『火照り』はない。
『老婆』の能力は解除されたのだろう。
ダメージといえば『毒ガス?』によるものなのだろうか、
先ほどから感じているヒリヒリとした痛み。
そして先ほどまでの『火照り』が齎した
心身両面にある圧倒的な『疲労感』だ。

『水』に関しては『畳』から湧き出てくる。
おそらく『壷ヤドカリ』が行っているのだろう。
『能力』を使用するにはうってつけの状況。

『ガシャァン』

『ブラック・ヴェルヴェッツ』が『窓』を破壊する音が聞こえた。
『煙』の動きがやや変わる。
あとは……。

『ギュァァァァ―――――ン』

『水』による『波』で『夫』『老婆』、
そして『ノギシ』を運び出そうとする『ステア』。
運び出すのは煙の薄い場所…
『仏壇』の部屋の窓際まで一気に『押し出す』ッ。

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

とりあえず『夫』と『老婆』に関しては、
『仏壇』の部屋の窓際まで一気に『押し出す』事が出来た。
幸運……というべきか『仏壇』の部屋には、『糠』が大量に付着していた。
その為、非常に『滑りやすく』
なっていた事もあり、そこまでは『容易』だ。

続いて『ノギシ』。『ノギシ』は先ほどの少年のように
『塩像』となってしまっており、
その足は『塩』で床に『固定』されてしまっている。
その為、『水』で身体ごと流すのは容易ではなさそうだ。

『塩』を『水』で溶かす方法もあるが…
非常に時間がかかる方法でもある。
それまで『ステア』が確保している『空気』が持つのかどうか……。
『正攻法』では間に合わない、と『ステア』は感じる。

675ステア『ブラック・ヴェルヴェッツ』:2008/07/13(日) 13:56:16
>>674
「『生糠』が復活している……『老婆』が見越していてくれたのでしょうか。
 何にせよ、お陰で思いのほか上手くいった。
 ……ただし、『ノギシ』さんの『塩像』以外は、ですが」
 
どうするべきか? 
『塩像』といっても毒ガスが染み込まないとは限りません。
先ほどの少年の例を考えれば、多少の通気性はあるんでしょう。
放って置くつもりは無い……しかし、『正攻法』では時間が掛かる。
 
「ならば……」
 
『水』の流れに乗って自分も窓際まで移動。
そのまま『老婆』と『夫』を連れて窓から外に出たい。
『二人』(と言っていいのかどうか分からないが)をガラス片の無い地面に横たえたら、
全ての『水』を『家の屋根』に向けて伸ばす。
その『水』の中に入って、浮力を利用すれば楽に屋根へ上がれるでしょう。
……そして、屋根からなら『家の裏の湖』が視認できる筈です。
『湖』はどういう状態でしょうか? 
暑さで干上がってたりすると完全に目論見が外れるのですが……。

676『そのままの君で』:2008/07/13(日) 15:33:48
>>675

『シャァァァァァァァァァ―――――』

『窓際』まで赴き、『窓』から脱出する『ステア』。
『ザワザワ』という町人たちの声が聞こえたが、
今は一刻一秒を争う状態。そのまま、
『水』を屋根の上に飛ばす。

『レィンボゥゥゥゥゥッ!』

『虹』のような『アーチ』を描き、
『屋根』の上に跳ぶ『水』。
そこを上に跳ぶ力と浮力を利用しながら、
『雨どい』を伝いつつ屋根に上る『ステア』。
(さすがに単純な浮力だけは上へ上手くあがれなかった)

『屋根』の上からは今回の事件の発端となった『湖』が、
その『水』を湛え、どっしりとそこに存在していた。

677ステア『ブラック・ヴェルヴェッツ』:2008/07/13(日) 16:41:46
>>676
「………………よし。やってやります。
 この衆人環視の状況だからこそ……、
 『ド派手』に―――『ブラック・ヴェルヴェッツ』」
 
『湖』の『水』を全て操り、こちらに向かわせます。
投影するイメージは『天に昇る龍』のヴィジョンです。
 
これで、恐らく町人達は私のことなど眼中に無くなる筈です。
態々『お払い』をするぐらいには、信心深い方々なんでしょうし。
まあ………ともかく。
町人達が『龍』に目を奪われている間に、
『屋根』から下りて『家』の裏手に回っておく。
『龍』はもちろん常に視界に入れたままです。

678『そのままの君で』:2008/07/13(日) 18:26:45
>>677

『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ』


そして、その日、その場所、その時。

お払いも終わり、町人たちが『呪い』が
解かれるのを祈っていたちょうどその時。

『湖』が、呻いた。
それを町人たちは確かに、聴いた。

『ドッシ ャ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ンッッッ!!!!!!』

この町に脈々と語り継がれる事となる『伝説』の
『光景』が今まさに始まろうとしていた。

『湖』の『水』が逆巻き、溢れ、うねり、括られ、
一つの『形』に収縮されると、町人たちの口からは
もはや『感嘆』の吐息しか漏れない。


『水』からは『龍』が生まれ、
荒々しくも圧倒的に『老婆』の『家』へと近付いてくる。
それを見つつ、『ステア』は『裏手』に回る。

679ステア『ブラック・ヴェルヴェッツ』:2008/07/13(日) 22:33:16
>>678
「……これでいい。
 『老婆』やその『夫』の事は全て『呪い』のせい。
 そしてその『呪い』は……この『龍』が」
 
近くに『窓』があれば『ブラック・ヴェルヴェッツ』で割ってカーテンも開けて置く。
『龍』はそのまま『家』の上空を過ぎた所で、Uターン&降下。
 
「……全力全開の力押しでどうにかします。
 『家の修繕費』とかは、『ノギシ』さん持ちです。
 『能力』でしっかり責任を取って貰わないと。
 (何を仕出かしたのかはよく知らないけど)」
 
『龍』を先ほど脱出に使った『窓』から『家』に突入、『家』を水で満たす。
そしてすぐさま、上記で割った『窓』から(ないなら入ってきた場所から)離脱させる。
『ブラック・ヴェルヴェッツ』の制御で、『家』を破壊するような事にはしません。
ですが、『毒ガス』はその圧倒的質量で文字通り洗い流してしまえるでしょう。

680『そのままの君で』:2008/07/13(日) 23:24:47
>>679

『ギュワァァァァァァァァッ!!』

『水龍』は降下すると『窓』から『家』の中に侵入し、
その姿を『水』に戻し、『家』自体を水で埋め尽くした。
その後、すぐさま『外』へ出て行く『水龍』。
おそらくだが、『ステア』の目論見どおり
『毒ガス』を四散させる事が出来たであろう。

その様子をポカンと見ている住人たち。
余りの事に『老婆』と『夫』は今のところ
『放置』されているようだ。

681ステア『ブラック・ヴェルヴェッツ』:2008/07/13(日) 23:44:06
>>680
「……ふう」
 
『水龍』を上空でグルグルと回転させて、注目を集めておきます。
その間に『老婆』とその『夫』の所に戻る。
『水龍』を回転させるついでに、『水龍』の一部で
住人達と『家』の間に視界を遮るカーテンを作っておけば、
見咎められることもないでしょう。
 
ところで、忙しくて確認する暇がありませんでしたが……、
『夫』はどういう状態なのでしょうか?
それと『老婆』の意識はあるでしょうか?

682『そのままの君で』:2008/07/13(日) 23:50:19
>>681

『しゃううううううううううううううう』

『水龍』は旋回し、その『ヒレ』が大きく伸びると、
『家』を覆うかのように『カーテン』状になった。

その内側を通り、『ステア』は『老婆』と『夫』の元へと赴く。
『老婆』にすでに『意識』はなく、『夫』は……
『ミイラ』化している。

683ステア『ブラック・ヴェルヴェッツ』:2008/07/14(月) 00:10:53
>>682
「……『ミイラ』。
 どう考えても死んでいますが……。
 やはり……『老婆』は狂っていたのでしょうか」
 
念の為、呼吸を確かめる。
『老婆』と『夫』の両方ともです。

684『そのままの君で』:2008/07/14(月) 00:14:29
>>683

『ステア』が呼吸を確かめると、
『老婆』には息があるが、『夫』にはない。
『夫』は完全なる『ミイラ』で、
これが『能力』によるもので『解除』すれば元に戻る、
というのでもなければ、完全に、『死んでいる』。

685ステア『ブラック・ヴェルヴェッツ』:2008/07/14(月) 00:18:22
>>684
「…………」
 
振り返って窓から『家』の中を覗く。
『生糠』はどうなっているでしょうか?
『水』で洗い流されたとしても、畳の目地にこびりついてそうなものですが。
『ノギシ』の行方も確認しておく。

686『そのままの君で』:2008/07/14(月) 00:22:34
>>685

『生糠』はすでに『消えている』。
『煙』も、『塩』も、何もかもが、もはや存在していない。
『壷ヤドカリ』のヴィジョンも見当たらない。

そして、『ノギシ』を覆っていた『塩像』も『解除』されていた。
『ノギシ』自体は『気絶』しており、
グッタリと『寝室』の壁の隅で横たわっていた。

687ステア『ブラック・ヴェルヴェッツ』:2008/07/14(月) 00:33:07
>>686
「『老婆』が気を失って、全て解除されてる。
 つまり……どうしようもないってこと……」
 
『水龍』から伸ばした『水流』に『ノギシ』を取り込み、
こちらに連れてくる。さっきと違って水量は十分です。
『生糠』がなくても問題無しでしょう。
 
『ノギシ』を回収したら、『老婆』『夫』『ノギシ』を
『ブラック・ヴェルヴェッツ』の像と『水流』に乗せる様にして、
一旦その場を離れます。
とりあえず……『家』の裏手へ。

688『そのままの君で』:2008/07/14(月) 00:39:55
>>687

『ノギシ』を『水流』で取り込み、
『老婆』『夫』『ノギシ』を、
そのまま『家』の裏手へ連れてくる『ステア』。

一仕事終えた後の途方も無い『徒労感』が『ステア』を襲っている。
これからこの事態をどうするべきか………『ステア』は考える。

689ステア『ブラック・ヴェルヴェッツ』:2008/07/14(月) 01:02:58
>>688
(……もし、少しでも生きていたなら。
 瀕死の『夫』を、『老婆』がその『能力』で生き長らえさせていたなら。
 『ノギシ』さんの『スタンド』でどうにかできていたかもしれない……)
 
『水龍』は、静かに『湖』へと戻す……。
 
「……しかし、事実は『これ』。
 どうする事も出来ないのか……憂鬱です」
 
とりあえず、『事件』は全て『呪い』のせいだった。
とでも証言する事にしましょうか……。
さっきの『水龍』が『呪い』を『払った』と言う事にでもなれば、
事態も収拾するでしょう。
 
あとは……『老婆』が『優しいおばあちゃん』に戻ってくれればいい。
『夫』を失ったという『事実』がなくならない限り、
……例え『時間』を操っても無理な話でしょうけど。
 
→『エピローグ』へ

690『そのままの君で』:2008/07/14(月) 01:32:58
>>689

『生命が終わったものは もう戻らない どんなスタンドだろうと戻せない』

          誰の『台詞』だっただろうか?

『水龍』は『湖』に帰り、そして、それとほぼ同時に、
強大な『スタンドパワー』の使用、かつ、それまでの戦いの疲れからか、
『ステア』は眠りこけるようにその場に倒れこんだ。

→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→

一週間ほどして。

『ステア』と『ノギシ』は『病院』に居た。
『塩素ガス』の治療と疲労の回復のため、しばらく入院していたが、
晴れて、今日、二人して退院となったのだ。

…二人が今回の事件についてどんな事を話し、
どんな事を考えたか…。それは二人自身が一番良く知っている事だろう。

『老婆』に関しては、高齢のため、そして『精神』に
錯乱が見られる為、もうしばらく『入院』という事になるらしい。

『ステア』は、入院中、少しずつ『老婆』と『対話』を行い、
ようやく今回の事件の『真相』を知る事が出来ていた。
それは悲しい、夏の淡い恋のような『真相』だった。


『そのままの君で』


『老婆』の願いに『ステア』は僅かに『涙』する。

いくら『ブラック・ヴェルヴェッツ』で、
この『涙』を操作して消したとしても。

『ステア』の心に伝い落ちた『涙』の跡は二度と消える事はないだろう。


                  エピソード5:『そのままの君で』⇒『了』

691『そのままの君で』 前日談:2008/07/14(月) 02:31:44

『老婆』……『崎山タメ』は探していた。

『夫』が『湖』に落ちたと『警察』に告げられ、
更に『警察』の捜索でも『夫』の『死体』はあがってこない。

しかしなおも探していた。
『夫』を。生きているはずの『夫』を。

そして、その結果。
月明かりの夜、『湖』のほとりで『崎山タメ』は『不思議』な光景を目にする。

『白い粉』が高く、高く、積み上がり、
『湖』の奥底に沈んでいた『夫』の身体を浮き上がらせる。
おそらくだが、『湖』の底の岩にでも引っかかってしまい、
その身体は浮かんでこなかったのであろう。


『白い粉』の正体については、『崎山タメ』はよく承知していた。
彼女の『こどもたち』…『壷ヤドカリ』が作る『塩』に違いない。
『崎山タメ』は昔からこの『能力』を持っている。
『食物』を効率よく『保存』する為に、神様が与えてくれた『才能』。

『壷ヤドカリ』の一匹が『夫』を見つけ、『能力』を使ってくれた。
その事実に単純に喜びを感じる『崎山タメ』。

その意味の『不可解』さを『老婆』が感じるのはそれからすぐの事だ。

692『そのままの君で』 前日談:2008/07/14(月) 02:37:46

『月明かり』の中、『夫』と再開を果す『老婆』。『夫』を見やる。

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

……『夫』は、これは、いや『夫』なのか?

……自分には分かる、確かにこれは『夫』だ。

『夫』は、ふやけた『クラゲ』のような存在と化していた。
『湖』の水をたんまりと吸い、ぶくぶくにふやけた『水死体』。
それに『塩』がまんべんなく付着している。

当然の結果だ。当然の結末だ。当然の終結だ。

ここで。
普通の人間ならば、『夫』の『死』に否応なしに『直撃』する事となる。
しかし『崎山タメ』はその『直撃』を『精神』を大きく捩じらせる事で『避けた』。

すなわち、『狂気』の泉にドップリと身体を浸らせる事で、『夫は生きている』と思い込んだ。



しかし……、そうなると『不可解』な事が出来てしまう。
『壷ヤドカリ』の能力について、だ。
この能力については『崎山タメ』自身、骨の髄まで理解している。
この能力は『防腐』の能力。
つまり『全身』が『腐る』はずもない『生きているもの』から
『能力』…『塩』が発生するはずも無い。
しかし、現実問題、『夫』から『塩』は発生している。
しかも、見た限り『夫』は全身が『腐ってしまっている』ように見える……。

ここで。
普通の人間ならば、『夫』の『死』を確実に受け入れざるを得ない『状況』に陥る。
しかし『崎山タメ』はその『状況』を『狂気』の論理の綱渡りで『避けた』。

すなわち、
「確かに夫は腐ってしまっているように見える。
しかし、夫が死んでいるはずはない。

となれば結論は一つ。
          

       この世界は『生き物でも腐ってしまう世界になってしまったのだわ!』」

693『そのままの君で』 前日談:2008/07/14(月) 02:39:42

『崎山タメ』はその後、『勝手口』から懸命に『夫』を家の中に運んでいった。
『勝手口』を入ると『キッチン』。

『夫』の近くに居てあげたいからしばらくここにはこないかもしれない。
『こどもたち』の一匹に『漬物』の管理を任せておこう、と『崎山タメ』は考える。
元々彼らの本業はそれだから至極当然といえるだろう。

夫を引きずり、廊下までやってくる。
ふと『崎山タメ』は『野良猫』が足元に近寄っているのをみた。
『野良猫』は興味深そうに『塩塗れ』の『夫』を引っかいている。

『しっしっ』

『崎山タメ』が『野良猫』を追いやると、『猫』は一つの部屋に入ってしまう。
…また近寄ってこられると面倒だわね。
そう考えた『崎山タメ』は、その『ドア』をそっと閉じた。

そして『崎山タメ』と『夫』は『寝室』へ。
『壷ヤドカリ』は、『崎山タメ』の思い、
『腐敗から生物を守りたい』という思いを受け、
目に付くあらゆる『生物』を『保存』し始めるようになる。
もしそれに『逆らう』『生物』がいれば、
『罠』をはってでも『保存』する。
『崎山タメ』の強い思念が『壷ヤドカリ』たちをそんな生態へと変えていた。

694『そのままの君で』 前日談:2008/07/14(月) 02:41:34

今はひどく暑い。
だから夫が『腐って』しまっているんですね。
じゃあ次の『季節』まで。太陽がその勢いを落とすまで。
それまで私の『こどもたち』で
皆を『腐敗』から『守って』あげましょう。


ここで『次』の『季節』まで待ちましょう。
ただ…、それだけ濡れていると余計腐りやすいわね。
私のこどもたちの『能力』の中で、
一番、水に強いもの……本来『干物』を作る能力を
使って乾かしてあげましょう。


そして、待ちましょう。

ほんの少しの辛抱ですよ、あなた。
『冬』…いや『秋』にでもなれば、
私の能力が無くても『腐敗』なんてしなくって。
あなたは、きっと、元気になるわね。

そしたら、もう、うっかり足を滑らせて『湖』なんて落ちないで下さいね。

695『そのままの君で』:2008/07/14(月) 02:47:52

『壷』をヤドカリのように背負う『群体スタンド』。『七体』がその数。
『生物』を昔ながらの『食物保存方法』で『保存』しようとするのが能力。
これらの物質は『実体化スタンド物質』。
それぞれの『壷ヤドカリ』がそれぞれの『保存方法』を司っている。

能力は『認知発動』。『腐る』条件が整えば整うほど、
それに抗うように能力は早く『進行』する。
逆に言えば『腐り辛い』状況では能力は弱まる。

『壷ヤドカリ』がお互い触れ合っている状況なら、
一匹の『スタンドパワー』に他の『壷ヤドカリ』の
パワーを合算させてより速いスピードで能力を進行させる事も可能。

『チュチュ・リ・ミキシーズ』
パワー:E スピード:B 射程距離:『建物』程度
持続力:A 精密動作性:B 成長性:?(変性中)

☆本来、『死んだ生き物』(『食べ物』)限定だった能力だが、
本体の強固な意志により『生きているもの』にも有効となった。
☆それぞれ司っている『保存方法』は以下の通り。
『壱』:『塩漬け』
『弐』:『糠漬け』
『参』:『砂糖漬け』
『肆』:『酢漬け』
『伍』:『燻製』
『陸』:『酒漬け』
『漆』:『天日干し』

696『そのままの君で』:2008/07/14(月) 02:52:41

【評】
『ステア』

『ブラック・ヴェルヴェッツ』を十分に活用し、事象を切り抜けた。
元々『ブラック・ヴェルヴェッツ』が今回の相手と相性がいい事もあるが、
『水』を失うまで、その能力は猛威を振るう。
失ってからも果敢に攻めるその姿は素晴らしかった。
最後の結末を選択出来たのは、その動きが運んできた『運命』といえるだろう。
能力使用時にはもう少し『遊び』
(ヴィジョンを動物や武器などイメージしやすいものに変化させる)が
あってもよいかと思ったが、最後に『龍』をもってきて、
更にそれにも意味があった事に関しては非常に良いと感じた。

気になるところは『ブラック・ヴェルヴェッツ』の『ヴィジョン』について。
個人的には『SBR』並みの意味のないヴィジョン、
あるいはこれが『水』にとりつく感じだとイメージしていたので、
『移動』や『エンジン部分』の『回転』を用いた行動には戸惑ってしまった。
本当にそんな事が出来るのか? 機会があれば確認しておくのもいいかもしれない。

697『そのままの君で』:2008/07/14(月) 02:54:12
【評】
『ノギシ』

『ターネイション』という『暗闇』に(GMも含め)振り回されてしまった印象。

『能力』に対する『意欲』と『過信』と『追求精神』が
結果として空回りがちだった事は否めない。
『能力』ではなく素直に『ヴィジョン』を使っていれば
解決出来た事もあっただろう。

パートナーの『ステア』は、今回の敵に
非常に相性のいいスタンドを持っていたものの、
『敵にダメージを与える』という点に対して乏しく
(普通のミッションならば『防御』に関しても不安定だっただろう)
『近距離パワー型』である『ノギシ』が『剣』や『盾』となって、
切り込んでいった方がよりよいコンビとして活躍出来たように思う。

顕著なのが『壷ヤドカリ』の撃破に対して。
『ステア』だけでは『壷ヤドカリ』を捕獲するのが精一杯な為、
結果的に害を及ぼす存在であった以上『壷ヤドカリ』には、
ある程度のダメージを与えておくべきだったし、
それが容易に出来るのは『ノギシ』だけだった。
(おそらく『老婆』に『遠慮』したのだとは思うがそれでも)

698『そのままの君で』:2008/07/14(月) 02:54:58

実質、前半部分では『ステア』の独壇場であった。
(『ステア』のスタンドの有効性から考えてしょうがない部分はあるとは思うが)
そして中盤になり、『パーティー』は分断、
否応無く『活躍』の場が見出せる時になって、
『ノギシ』は『選択ミス』を犯している。
言うまでもないかもしれないが『三匹』の『壷ヤドカリ』の『放置』。
おそらく『視界外』に出れば能力は解除されると思った結果だろうが、
そういう性質の能力ではなかった為、最後までこの能力に
縛られたまま行動せざるを得なくなってしまった。
早く『ステア』を助けに行きたかった、のかもしれなかったが、
その割には『仕込み』に時間をかけている印象がある。
おそらくだが『隣の部屋からの能力使用の奇襲』を
『思いついて』しまった為、それに拘泥してしまったのではないかと思われる。
『三匹』の『壷ヤドカリ』を潰し
『ダメージフィードバック』を『老婆』に与える。
『ステア』の忠告どおり、この方法が
『ステア』を素早くサポートする最善の方法だっただろう。

699『そのままの君で』:2008/07/14(月) 02:55:30

また、最後の大技『塩素ガス発生』は、『理論』だけで
積み上げた『砂上の楼閣』のように思えた。
そもそも
1.一体いつの時期に『塩素(亜塩素酸ナトリウム)』が
投入されたか? を見極めることが非常に困難。
浄水場の水槽に『塩素』が投入されれば
そんなに長くない時間で『水』と混ざってしまい認識不可能になると想定される為。
「『認識』出来なくても『水』の中の『塩素』だけに干渉したんだよ!」
という理論かもしれないが、さすがに『ターネイション』に
そんな『精密動作性』はない(『C』で判定)。

2.『常に』『本体』に能力を使い続ける、という事が難しい。
『塩素』を取り出しつつ、同時に本体にも能力を使う。
「『両手』あるんだから出来るじゃん!」
という理論かもしれないが、さすがに『ターネイション』に
そんな『精密動作性』はない(『C』で判定)。
『両方』こなせるような『幹部』のような能力ではないと思われる。


GMがそう思うのならレス段階で止めればいいのではないか?
とも思われるだろうが、
それでも通したのは、率直に言ってしまえば、

『殺意』を持っているかもどうか分からない相手をッ!
(『塩』が身体を覆っても『死なない』のは『少年』を見て把握しているはず…)
『仲間』もろともッ! しかも『仲間』もろともだッ!
防御困難な『毒ガス』で攻撃しようと思うヤツはッ!
もしその『戦法』に穴があるのならッ!
『自業自得』で 足元すくわれてもしょうがねぇよなァ〜〜〜ッ!!

という『考え』によるもの。
『異論』があるなら聞きはするが、聞くだけに留める。

700『そのままの君で』:2008/07/14(月) 02:56:02

最後に。

『ノギシ』には『超推理』と思われる部分がかなりあった。
『他PC』の得た情報や『家』の地図による情報、これらは
『PC』自身は知りえないものである事を、よく心得て行動するべき。
(PLが知り得るのはしょうがない為、生かすのであれば、
もっと自然な形で生かすよう配慮した方が良い)

『ターネイション』で出来る事、出来ない事の範囲を
質疑応答などで確定させ、『能力』に振り回されないようにする事。
『超推理』をしないよう、徹底する事。
これらをクリアするだけで素晴らしい板活動を送れると思われる。

『ノギシ』の今後に期待する。

701『そのままの君で』:2008/07/14(月) 03:25:52
エピソード5:『そのままの君で』

『前提・参加希望』【>>437-456
『フリミ本編』【>>457-690
『前日談(真相)』【>>691-694
『敵スタンド能力・評』【>>695-700

『総レス』:265レス(本レス含む)
『総日数』:35日 (フリミ本編から評までにかかった日数)

702『前略、』:2008/07/14(月) 18:42:58

『前略、』倉庫住民皆様へ。

『六月後半』くらいから急遽、私(GM)自身の
『生活形態』が変わってしまい、
とりあえず『エピソード5』については終わらせましたが、
恒常的なGMレスをしていくのに『無理』をしないと
いけない状態になってしまいました。

けして来れなくなるわけではないので、
やろうと思えば今後も続けられない事はないとは思うのですが、
果たしてそれで『フリミ』のクオリティが保てるかどうか、
結果的にそれが皆様のご迷惑になるのではないか、
という考えもあり、しばらく『お休み』を頂きたいと思い、
ここに報告させて頂きました。

幸い、といいましょうか、今の状態は
『一時的』なものに収まる予定なので、一応は
『10月』くらいには『復帰』したい、と考えています
(延びる可能性もあります、あしからず)。

皆様と一緒に紡いでいくべき『フリミ』については
まだいくつか『ストック』はありますので、
状態が落ち着けば『復帰』したい『意欲』は『充分』にあります。
『復帰』しましたら、より一層、皆様に楽しんで頂けますよう
精進していくつもりですので、申し訳ありませんが、
もし当フリミを楽しみにして下さっていた方が
いらっしゃったのであれば『秋ごろ』までお待ち下さい。

板自体のチェックは日常的に行えると思いますので、
何か用件があれば、宣伝スレなどに書いて頂ければ対応いたします。

私がこのフリミ群を始めた当初に比べ、
『男』『男(偽』以外のフリミもいくつか増え、嬉しい限りです。
願わくば、『フリミ』や『イベント』が増え、
上記二人が居なくても毎日、どこかのスレが動いている、
そんな倉庫であってほしい。そんなふうに考えています。
 
それでは、しばしの『休止』に入らせて頂きます。
皆様、お体には気をつけて……。

                2008年7月14日 『前略、』

703エピソード6:『病は気から』の【前提】:2008/12/28(日) 11:40:21

『基本設定』

名前:相良靖(さがら やすし)
性別:男
年齢:26
職業:会社員
スタンド:???
持ち物:白のトートバッグ、財布、携帯電話、手帳、ボールペン
ティッシュ、ハンカチ、文庫本、『超能力入門』(テキスト)
血液型:A
生まれた月日:11月20日
容姿・服装:服装はブラウンのジャケットに
ジーンズ、白と赤のスニーカー。
黒髪でうっすら肩にかかるほどの長さ。顔は面長でやや鼻が高い。
身長:177cm
体重:71kg
趣味:トランプピラミッド作成
生い立ち:平凡な家庭に育ち、やることもなくそこそこの大学を出、
特に目的もなく、中堅の会社に就職。
きっかけ:街でたまたま『超能力開発教室』の看板を見つけ
そこの『試験』に合格してしまい、通う事となった。
(『試験』とは、『試験官』の後ろに『何か』が見えるか?
という問い。『人型』の亡霊のようなものが見えた)
宗教観:基本的には信じていないが、祭事などでは
様々な宗教に準じた儀式をそれと感じずに行う、
典型的な日本人の宗教観を持つ。

備考:参加者は一名。『参加者設定』は上記のものを使用してもらう。
『推理ミッション』、やる事は自分で見出すこと。

704エピソード6:『神の不在証明』の【前提】:2008/12/28(日) 11:41:29

『基本設定』

名前:相良靖(さがら やすし)
性別:男
年齢:26
職業:会社員
スタンド:???
持ち物:白のトートバッグ、財布、携帯電話、手帳、ボールペン
ティッシュ、ハンカチ、文庫本、『超能力入門』(テキスト)
血液型:A
生まれた月日:11月20日
容姿・服装:服装はブラウンのジャケットに
ジーンズ、白と赤のスニーカー。
黒髪でうっすら肩にかかるほどの長さ。顔は面長でやや鼻が高い。
身長:177cm
体重:71kg
趣味:トランプピラミッド作成
生い立ち:平凡な家庭に育ち、やることもなくそこそこの大学を出、
特に目的もなく、中堅の会社に就職。
きっかけ:街でたまたま『超能力開発教室』の看板を見つけ
そこの『試験』に合格してしまい、通う事となった。
(『試験』とは、『試験官』の後ろに『何か』が見えるか?
という問い。『人型』の亡霊のようなものが見えた)
宗教観:基本的には信じていないが、祭事などでは
様々な宗教に準じた儀式をそれと感じずに行う、
典型的な日本人の宗教観を持つ。

備考:参加者は一名。『参加者設定』は上記のものを使用してもらう。
『推理ミッション』、やる事は自分で見出すこと。

705エピソード6:『神の不在証明』の【前提】:2008/12/28(日) 11:43:34

『スタンド』という能力が存在する事は、
すでに読者にとっては周知の事であろう。
この『スタンド』に目覚めかけた者たち、
便宜上名付けるならば『半人前スタンド使い』達の
物語を今回は紡いでいきたい。

『超能力開発教室』。

あからさまに胡散臭い、この施設を訪れるのは、
ただならぬ能力の『芽』を自らの内に感じた者たちだ。

『超能力開発教室』。

ここは、『スタンド』の才能はあるものの、
まだ目覚め切ってはいない人々の『能力』を
完全に開花させるのをサポートする施設。

706エピソード6:『神の不在証明』の【前提】:2008/12/28(日) 11:45:20

12月29日、午後9時半。外では小雨が降っている。
今日もこの施設の一角、会議室のような部屋に
数人の『半人前スタンド使い』達が集っていた。

こじんまりとした部屋に移動式の『ホワイトボード』、
中央に大きな『テーブル』が用意されている『部屋』。

『参加者』は『六人』。

今回の彼らの『課題』は、お互いの『不可思議体験』を語り合う事、
『不可思議体験』を語る事によってお互いの『超能力精神』を
研ぎ澄まし、『能力』の発現を促進させるのだという。

ポツポツと『自己紹介』を始める六人。
それからしばらく経った頃だろうか…。

『ダンザイスル』

何かしら『不吉』な声が周囲に響き、
思わず顔を見合わせる『一同』。

何かが、始まろうとしていた。

707エピソード6:『神の不在証明』の【前提】:2008/12/28(日) 11:46:22
<『半人前スタンド使い』とは?>

このフリーミッションにおいてのみの用語および定義。

『他者のスタンドは認識出来るが、
自らのスタンドはまだ発現出来ない、
もしくは極めて発展途上で能力だけが暴走している状態』。

ジョジョ第四部において広瀬康一が射抜かれた後、
東方仗助に治してもらい、『バッド・カンパニー』が
見えるようになった状態のようなもの。

708エピソード6:『神の不在証明』の【前提】:2008/12/28(日) 11:47:56
<受講者名簿その1>
(人物紹介は相良が『自己紹介』時点で観察や話を聞くことで得られた情報)

『相良靖(さがら やすし)』
当ミッションの参加者。

『財部 慶太(たからべ けいた)』
名前:財部 慶太(たからべ けいた)
年齢:31
職業:パンクロッカー(自称)
持ち物:肩掛けの黒いバッグ
容姿・服装:サングラスをかけている。棘のついた黒のレザーの
ジャケットを羽織っている。耳には大きなピアスがたくさんついている。
金髪のモヒカンで、目がすっぽり覆われるサングラスをかけている。筋肉質。
備考:元坊主。春ごろに『寺』で、
『超能力』を使う男と対峙し、その事で
『超能力』に興味を抱いたという。

『藤間 正一郎(とうま しょういちろう)』
名前:藤間 正一郎(とうま しょういちろう)
年齢:28
職業:サラリーマン(自称)
持ち物:黒の書類入れバッグ
容姿・服装:グレイのスーツにワイン色のネクタイ。
黒髪でびっちりとした七三分け。黒縁眼鏡。気弱そう。
備考:真面目そうな印象。同僚の脇に『背後霊』のようなものが
見え、それを同僚自身に告げたところ、この教室を紹介されたという。

709エピソード6:『神の不在証明』の【前提】:2008/12/28(日) 11:48:56
<受講者名簿その2>
(人物紹介は相良が『自己紹介』時点で観察や話を聞くことで得られた情報)

『朝日 香里奈(あさひ かりな)』
名前:朝日 香里奈(あさひ かりな)
年齢:30代前半?
職業:主婦(自称)
持ち物:赤い革のバッグ
容姿・服装:オレンジに近い茶髪で耳が半分くらい隠れている。
小さなピアスがわずかに見える。左手薬指にはささやかな結婚指輪。
ベージュのタートルネックにブラウンのズボン。
備考:フワフワとした感じの女性。
子供の頃から『幽霊』のようなものは見えたらしいが、
特に気にせず生きていたらしい。最近、こういう教室が
ある事を知り、生け花教室を辞めてこちらに来たという話。

『川畑ユレイ(かわはた ゆれい)』
名前:川畑ユレイ(かわはた ゆれい)
年齢:20代前半?
職業:バレーボール選手(自称)
持ち物:白いブランド物のバッグ
容姿・服装:やや厚化粧の女性。白を基調としたブランド物の服装。
派手な金髪の巻き髪が背中まで垂れている。キツそうな顔。
備考:バレーの試合中、ボールが二つに見える現象に見舞われる。
その不可思議現象を周囲に相談していくうちに教室に辿り着いたらしい。

『岸見沙依 (きしみ さより)』
名前:岸見沙依 (きしみ さより)
年齢:20代後半?
職業:語らず
持ち物:見た限り見当たらない
容姿・服装:白いワンピース。腰まで垂れる長い髪。陰鬱そうな印象。
備考:ある五月の晴れた日、宗教勧誘をしていた彼女は、
ドアが生き物のように勝手に動く現象を目の当たりにしたらしい。

710エピソード6:『神の不在証明』の【前提】:2008/12/28(日) 11:50:16
<『一室』の地図>
ttp://tok0.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/gazouup/img-box/img20081228113341.jpg

711エピソード6:『神の不在証明』の【前提】:2008/12/28(日) 11:55:29
【基本設定】(>>704
【前提】(>>705-707
【受講者名簿】(>>708-709
【地図】(>>710

『質問受付』は12月28日(日)23時30分まで
『参加者募集』は12月29日(月)0時から
と、する。

712エピソード6:『神の不在証明』の【前提】:2008/12/29(月) 00:38:15

『参加者募集』している。

713新手のスタンド使いかッ!?:2008/12/29(月) 01:08:47
>>712
参加希望

714『神の不在証明』:2008/12/29(月) 01:20:09

エピソード6:『神の不在証明』

715エピソード6:『神の不在証明』の【前提】:2008/12/29(月) 01:21:27
<これまでのあらすじ>

『スタンド』という能力が存在する事は、
すでに読者にとっては周知の事であろう。
この『スタンド』に目覚めかけた者たち、
便宜上名付けるならば『半人前スタンド使い』達の
物語を今回は紡いでいきたい。

『超能力開発教室』。

あからさまに胡散臭い、この施設を訪れるのは、
ただならぬ能力の『芽』を自らの内に感じた者たちだ。

『超能力開発教室』。

ここは、『スタンド』の才能はあるものの、
まだ目覚め切ってはいない人々の『能力』を
完全に開花させるのをサポートする施設。

716エピソード6:『神の不在証明』の【前提】:2008/12/29(月) 01:22:05

12月29日、午後9時半。外では小雨が降っている。
今日もこの施設の一角、会議室のような部屋に
数人の『半人前スタンド使い』達が集っていた。

こじんまりとした部屋に移動式の『ホワイトボード』、
中央に大きな『テーブル』が用意されている『部屋』。

『参加者』は『六人』。

今回の彼らの『課題』は、お互いの『不可思議体験』を語り合う事、
『不可思議体験』を語る事によってお互いの『超能力精神』を
研ぎ澄まし、『能力』の発現を促進させるのだという。

ポツポツと『自己紹介』を始める六人。
それからしばらく経った頃だろうか…。

『ダンザイスル』

何かしら『不吉』な声が周囲に響き、
思わず顔を見合わせる『一同』。

何かが、始まろうとしていた。

717エピソード6:『神の不在証明』の【前提】:2008/12/29(月) 01:22:37

<『半人前スタンド使い』とは?>

このフリーミッションにおいてのみの用語および定義。

『他者のスタンドは認識出来るが、
自らのスタンドはまだ発現出来ない、
もしくは極めて発展途上で能力だけが暴走している状態』。

ジョジョ第四部において広瀬康一が射抜かれた後、
東方仗助に治してもらい、『バッド・カンパニー』が
見えるようになった状態のようなもの。

718『神の不在証明』:2008/12/29(月) 01:24:26
<参加者略歴>

名前:相良靖(さがら やすし)
性別:男
年齢:26
職業:会社員
スタンド:???
持ち物:白のトートバッグ、財布、携帯電話、手帳、ボールペン
ティッシュ、ハンカチ、文庫本、『超能力入門』(テキスト)
血液型:A
生まれた月日:11月20日
容姿・服装:服装はブラウンのジャケットに
ジーンズ、白と赤のスニーカー。
黒髪でうっすら肩にかかるほどの長さ。顔は面長でやや鼻が高い。
身長:177cm
体重:71kg
趣味:トランプピラミッド作成
生い立ち:平凡な家庭に育ち、やることもなくそこそこの大学を出、
特に目的もなく、中堅の会社に就職。
きっかけ:街でたまたま『超能力開発教室』の看板を見つけ
そこの『試験』に合格してしまい、通う事となった。
(『試験』とは、『試験官』の後ろに『何か』が見えるか?
という問い。『人型』の亡霊のようなものが見えた)
宗教観:基本的には信じていないが、祭事などでは
様々な宗教に準じた儀式をそれと感じずに行う、
典型的な日本人の宗教観を持つ。

719『神の不在証明』:2008/12/29(月) 01:25:02
<受講者名簿その1>
(人物紹介は相良が『自己紹介』時点で観察や話を聞くことで得られた情報)

『相良靖(さがら やすし)』
当ミッションの参加者。

『財部 慶太(たからべ けいた)』
名前:財部 慶太(たからべ けいた)
年齢:31
職業:パンクロッカー(自称)
持ち物:肩掛けの黒いバッグ
容姿・服装:サングラスをかけている。棘のついた黒のレザーの
ジャケットを羽織っている。耳には大きなピアスがたくさんついている。
金髪のモヒカンで、目がすっぽり覆われるサングラスをかけている。筋肉質。
備考:元坊主。春ごろに『寺』で、
『超能力』を使う男と対峙し、その事で
『超能力』に興味を抱いたという。

『藤間 正一郎(とうま しょういちろう)』
名前:藤間 正一郎(とうま しょういちろう)
年齢:28
職業:サラリーマン(自称)
持ち物:黒の書類入れバッグ
容姿・服装:グレイのスーツにワイン色のネクタイ。
黒髪でびっちりとした七三分け。黒縁眼鏡。気弱そう。
備考:真面目そうな印象。同僚の脇に『背後霊』のようなものが
見え、それを同僚自身に告げたところ、この教室を紹介されたという。

720『神の不在証明』:2008/12/29(月) 01:25:34
<受講者名簿その2>
(人物紹介は相良が『自己紹介』時点で観察や話を聞くことで得られた情報)

『朝日 香里奈(あさひ かりな)』
名前:朝日 香里奈(あさひ かりな)
年齢:30代前半?
職業:主婦(自称)
持ち物:赤い革のバッグ
容姿・服装:オレンジに近い茶髪で耳が半分くらい隠れている。
小さなピアスがわずかに見える。左手薬指にはささやかな結婚指輪。
ベージュのタートルネックにブラウンのズボン。
備考:フワフワとした感じの女性。
子供の頃から『幽霊』のようなものは見えたらしいが、
特に気にせず生きていたらしい。最近、こういう教室が
ある事を知り、生け花教室を辞めてこちらに来たという話。

『川畑ユレイ(かわはた ゆれい)』
名前:川畑ユレイ(かわはた ゆれい)
年齢:20代前半?
職業:バレーボール選手(自称)
持ち物:白いブランド物のバッグ
容姿・服装:やや厚化粧の女性。白を基調としたブランド物の服装。
派手な金髪の巻き髪が背中まで垂れている。キツそうな顔。
備考:バレーの試合中、ボールが二つに見える現象に見舞われる。
その不可思議現象を周囲に相談していくうちに教室に辿り着いたらしい。

『岸見沙依 (きしみ さより)』
名前:岸見沙依 (きしみ さより)
年齢:20代後半?
職業:語らず
持ち物:見た限り見当たらない
容姿・服装:白いワンピース。腰まで垂れる長い髪。陰鬱そうな印象。
備考:ある五月の晴れた日、宗教勧誘をしていた彼女は、
ドアが生き物のように勝手に動く現象を目の当たりにしたらしい。

721『神の不在証明』:2008/12/29(月) 01:26:05
<『一室』の地図>
ttp://tok0.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/gazouup/img-box/img20081228113341.jpg

722『神の不在証明』:2008/12/29(月) 01:27:37

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………ッ!」

数秒後、響き渡る悲鳴に、皆驚愕し、
そちらを見やる。

奇妙な『形』だった。奇妙な『怪物』だった。

体長30cmほどの大きな二本の『刃』を持つ『怪物』。
まるで『ハサミ』と『虫』を掛け合わせたような『怪物』が、
『朝日』の前にいつのまにか『発現』し、
バッサリと彼女を切り刻んでいた。

『朝日』は咄嗟に避けたものの…、
その『刃』はそれこそ『ハサミ』のように
彼女の『左肩』をバッサリと抉っている。

その勢いのまま床から転げ落ち、倒れこむ『朝日』。
そして悪い夢だったかのように『怪物』は、
 
ふ ッ
                その姿を消した………。

723相良靖:2008/12/29(月) 01:46:11
>>722
「み……皆さん見えましたよね? 今の!
 ハッキリと見えたぞッ! こんなにも強力に現実に作用して来るものなのかッ!?
 と、とにかく誰か救急車を!」

慌てつつも、周囲を観察する。
「この中の誰かが犯人なんじゃあないか?」と疑っているからだ。
大外からの攻撃だから、一番怪しいのは向いに座っている岸見さんか……その様子を特に見てみる。

724『神の不在証明』:2008/12/29(月) 01:53:59
>>723

相良はやや平静を失いつつも周囲の状況を確認する。

と。

「きゃぁぁぁぁアぁぁぁアアぁぁぁぁッ!!!」

またしても悲鳴。

今度は今まさに様子を確認しようとした『岸見』だ。
見ると『岸見』の白いワンピース、その『左肩』付近が
じんわり赤くなっているのが確認出来る。

そして。

『相良』自身も感じている。『左肩』に大きな痛みを。
まるで、『切り裂かれたような』。

725相良靖:2008/12/29(月) 02:05:49
>>724
「ギャッ……! ま、まさか俺自身も……!?
 クッソォ、一体何者……」

肩を押さえて蹲りながら、残りの三人の様子を確認する。
痛みは前と後ろ、どちらからやって来たのだろうか?
前からの場合、痛みを感じる直前に何も見えなかったのか?
実際はどれほどの傷を負っているのか、肩を露出させて確認したい。

726『神の不在証明』:2008/12/29(月) 02:18:55
>>725

自らの傷を確認する『相良』。
肩を露出させると、前から大きな『ハサミ』で
はさまれたような『切り傷』が存在している。
けして浅くはなく、血が湧き出てしまっているのが見える。
応急処置をしておいた方がいいように思われた。

痛みは…強いて言えば前から来たように感じた。
痛みを感じる直前には全く何も見えなかった。

残りの三人…、まずは『藤間』、彼は、
慌てながらも、まずは『朝日』の様態を確認しているようだ。
続いて『川畑』、彼女は比較的落ち着き払った様子で、
『岸見』の様態を看ている。

「おい、大丈夫か!?」

残りの一人、『財部』は『相良』に声をかけてくる。

「しかし…、なんだってんだ?
なんでオマエも傷を負ってるんだ?
向こうの…『岸見』だったか、アイツもどうやら
肩から血を出してるようだし…」

そういう『財部』自身も右手で『左肩』を押さえている。

727相良靖:2008/12/30(火) 10:04:43
>>726
「見えました? さっき『朝日』さんをぶった切った小さい奴……
 あれがきっと『超能力』に関係しているんでは!?
 向かいに座ってた『岸見』さんと、咄嗟に騒ぎ立てた俺がダメージを受けてるって事は、
 何らかの条件でダメージを『伝播』させているのかも……
 いや、それより……どなたか、包帯か何か無いですか!? みな出血がひどい!」

とりあえずジャケットを脱ぎ、一時的な包帯代わりに肩口を縛るのに使う。
『財部』の怪我については口に出して問題にしないでおき、残る二人の左肩を見てみる。
そうしながら、バッグから『超能力入門』を取り出す……どんな事が書かれていたか?
こういった『超能力』の類型や対処法について、何か参考になる記述は無いだろうか。

728『神の不在証明』:2008/12/30(火) 12:23:00
>>727

ジャケットを脱ぎ肩口を縛る『相良』。
その場に留まる限りでは二人の左肩の詳細は見えなかったが…、
なんとなくだが、直接切られたはずの『朝日』より、
なぜか傷を負っているらしい『岸見』の方が、重傷のように思えた。
『朝日』の意識はハッキリしているようだが、
『岸見』はグッタリしている事からもそれは窺える。

「『包帯』は、あるよ」
そう言ったのは『岸見』の傷を包帯で巻いている途中の『川畑』だ。
サッと、『包帯』を一巻きずつ、『相良』と、そして『藤間』の方へ投げた。

「ああ、見えた。ハサミの化物みたいなのが、
…マジでいきなり現れたな。あれが『ヴィジョン』って奴なのか?
なんらかの条件…、ああそういや講義でそんなコト言ってたな」

近くにいる『財部』が『相良』の言葉に対応する。
冷静…にも見えるが、わずかに顔が青ざめているところを見るに、
冷静を装う事で自分を落ち着かせようとしているのかもしれない。

「それはそうと、オレもちょっと肩が痛むんだが…。
血は出てないようだが、これも『超能力』の仕業なのか?」

729『神の不在証明』:2008/12/30(火) 12:24:28
>>727

『傷』の対応をしながらも『相良』は『超能力入門』に目を通す。

・『序章』の項より抜粋

…さて近年、『超能力』について研究が進み、
単純な『テレパシー』『サイコキネシス』などといった
古典的な能力だけでなく、極論すれば、
一人につき『一つ』の特別な能力が備わっている事が明らかになりました。

その能力は極めて多種多様にわたるのですが、
まったくの無軌道ではなく大抵なんらかの『法則』に
基づいて能力は制限されているようです…。


・『ヴィジョン』の項より抜粋

…最近では『超能力者』同士のみが視る事が出来る
特別な精神力の形、『ヴィジョン』がある事が分かってきました。

統計上、『人型』がもっとも多いのですが、人型以外にも
動植物に近いもの、身の回りの道具に近いもの、
あるいは水や炎などといった特殊なものもあります。

これらは大抵、身近なもの『そのもの』ではなく、
『前衛画家』の絵のような特殊な形にアレンジされて発現します…。


・『能力分類』の項より抜粋

…能力や『ヴィジョン』は完全に自らの意思で操れるものばかりではなく、
『自動操縦』や『無差別範囲』を能力対象にしてしまうもの、
また本体が未熟な精神である為、『暴走状態』になってしまう場合があります…。
受講者の方々は『半人前』な為、特に制御しきれない状態、
『暴走状態』には注意する必要があります…。

もっと深く読み込めばまだ何か分かるかもしれない。

730相良靖:2008/12/30(火) 23:47:24
>>728
「どうも……」

ジャケットを解き、すばやく包帯を巻き直す。

「『超能力入門』によると……我々『半人前』にも何か特別な能力が秘められてはいるが、
 充分に操作出来ていないため、予想外の結果を引き起こしてしまうことがあるらしい。
 『断罪する』と言って現れた、ハサミの化け物……あれは明確な悪意を持って操作された『ヴィジョン』でしょう。
 みんなに同じ傷を負わせているのは、暴走状態にある『朝日』さんの『能力』なのでは?」

『藤間』と『川畑』の肩に傷は無いかどうか、観察したい。
そして周囲の異変に神経を尖らせつつも、『超能力入門』を読み進める。

(二人の怪我の重さの違い……これは単純に体力の差によるものなのか?
 それとも犯人は『岸見』さんで、悪意を向けた分のしっぺ返しを食らったのか?
 もっと理解する必要があるな……『一人前』とはどういうことか)

731『神の不在証明』:2008/12/31(水) 02:08:00
>>730

『藤間』と『川畑』の様子を観察するが、
特に『左肩』に異変があるようには見えない。

「…なるほどね。じゃあどうする?
『朝日』を縄ででもふんじばればいいのか?
こういう場合」
以上は『財部』の言。

「…そういうわけにもいかないんじゃあない?」
こう口を挟むのは『川畑』。

『川畑』はすでに『岸見』の治療を終えているらしい。
そして『川畑』は『携帯電話』をバッグから出し、画面を見ている。

「ちゃんと『講義』きいてんの?
『超能力』は…『本体』が『拘束』されても
『ヴィジョン』や『能力』は、独自に自由に動く事も
あるって習わなかった?
わりと有効なのは『気絶』かもだけど…、
これだって『自立型』や『自動操縦』…
あるいは『暴走状態』の場合は、本体の状態関係なしに
動くケースもあるみたいだし。

本体が『死んだ』って動くスタンドがいるらしいよ。


                 ………はい、そして『圏外』だ」

732『神の不在証明』:2008/12/31(水) 02:09:28
>>730
『超能力入門』の『一人前』について書かれている項を
パラパラと探してみると、以下の文が見つかった。

・『超能力発現方法』の項より抜粋

…そもそも『超能力』は『本体』の『精神力』の発露です。
ひとり一つの独自な『能力』…、これには『本体』の『精神』の形が
大きく左右されます。もちろん『先天的』な部分が多いのも事実ですが、
『後天的』な部分も大いに関係する場合があります。

『一人前』の『超能力者』…。これ自体には大きなきっかけ(生命の危機や、
人生の危機、大切な誰かを守りたいなど)があれば自然となれる事も多いようですが、
受講者皆様にように意識的にマスターしたい、という方は、
まず自分の『能力』がなんであるかを推測してみるのもいいかと思われます。

さきほども述べたように『超能力』は『精神』の発露、よって、
自分にとって深く思い入れのあるもの…。
『+』のもので羅列するならば、『得意分野』『長所』
『お気に入りのもの』『のめりこんでいる趣味』
これらが長じた能力が発現する事が多いようですし、
『−』のものならば『極めて苦手なもの』『短所』『コンプレックス』などを
克服するような能力が発現する事が多いようです…。

733相良靖:2008/12/31(水) 02:49:31
>>731-732
「圏外? 備え付けの電話なんかはありませんか?」

(今まさに、生命の危機のような気もするが……攻撃はもう終わったのか?
 『推測』と言ってもねえ、それらしい『趣味』と言えば『トランプタワー』か……
 『トランプタワーが上手く作れる能力』なんて今更目覚めても微妙だっつーのッ!
 まあ、トランプタワー世界大会とか目指せるなら良いかも知れないが……って、
 今はそんな事を考えてる場合じゃあない。この中で『ハサミ』に思い入れがあるのは誰だ?)

ホワイトボードを確認したい。何か今までの話し合いの経緯が記録されてたりはしないだろうか。

「いや、『朝日』さんのことより肝心なのは……
 『ハサミのヴィジョン』の使い手は誰か?ってことじゃないですか?
 この建物、今他に誰がいましたっけ? どちらにせよ容疑者として、我々『候補者』が真っ先に上がると思いますが」

734『神の不在証明』:2008/12/31(水) 03:20:31
>>733

備え付けの電話も、ホワイトボードへの記録も『ない』。

『相良』の『容疑者』という発言…その響きに皆顔を見合わせる。

「…ていうか外出ればいいんじゃねえか?」
そう言って『財部』がドアの方へ行き、ノブを捻る。

『・・・・・・・・・・・』

なぜか、それから首をかしげドアを開けようとしない『財部』。

「…と、とりあえず終わりました」
そう言ったのは『藤間』。
何かと思えば『朝日』の『応急処置』を終えたらしい。
『朝日』の顔は青ざめながらも意識ははっきりして動く事も可能なようだ。
肩のダメージよりも襲われたショックにダメージを受けている、
そういった様子で、肩の傷はどちらかといえば『相良』の方が酷そうに思えた。

「『岸見』も意識は、あるよ。」
『川畑』がそう告げる。『岸見』は今は部屋の開いている椅子を二つ使い、
横になっている。仰々しく巻いてある『包帯』を見る限り、
『岸見』の肩傷は一同の中で一番酷いように思えた。

「一応…、本当に一応だけど、全員が『話し合い』
出来る状態になったわけだけど。

『相良』だっけ? さっきから一番喋ってる貴方。
どうしようか? この建物に誰か居るかは私たちには分からないけど…。
『候補者』という可能性が高いという話には、頷ける。

                        で、どうしようか?」

735相良靖:2008/12/31(水) 03:45:20
>>734
「どうするか……それは二番目に喋ってる貴方にこそ聞きたいところだ。
 貴方さっきこう仰いましたよね?
 本体が『死んだ』って動くスタンドがいるらしいよ。
 『スタンド』っていうのが『超能力』の名前ですか?
 さっきから『超能力入門』を読んでいますが、『スタンド』なんて呼称は一言も出て来ないんですよ。
 『不可思議体験』も、貴方のものが一番具体的に思えるし……実は俺なんかより多くを知ってるんじゃないですか?
 別に、即貴方が犯人だとか言うわけじゃあない……例えばさっきの『敵』が一先ず矛を収めたのは、
 貴方のような人に『対処』される恐れを感じ取ったからかも知れない。
 そういう意味では、何かを話す事により手の内を明かすリスクはあるが……膠着するよりマシと考える」

『川畑』にそう話しながら、『財部』の方を見てみる。
ドアを開けようとしている様子はあるのだろうか?

736『神の不在証明』:2008/12/31(水) 04:02:39
>>735

「ああ…『スタンド』ね。『超能力』の事をそういうみたいだよ。
『講義』で教える人によっては、そういう呼称を多用する人もいる」
『川畑』はこともなげにそう答える。
「まあ、ワタシはこの『教室』、『長い』からね…。
多分ここにいる中でも一番の先輩なんじゃあないかな。
逆にいつまで経っても半人前の『落ちこぼれ』ともいえるけどね。
だから多くを知ってるといえばそうかもしれないけど…。

『敵』………確かに『暴走』じゃあなく『意図的』な攻撃とも考えられるわけか。
話をした方がいいとワタシも思うけど……、何を話すか。

とりあえず確認しておきたいのは、みんな初対面なんだよね?」

『相良』にとっては確かにみな初めて見る顔だ。
そして他の受講者も皆、首を縦にふっている。

そうこうするうちに『財部』が席に戻ってくる。
「ダメだ…、なんか知らんがドアがあかねえ」

737相良靖:2008/12/31(水) 04:13:31
>>736
「ええ、俺も皆さんと初対面です」

話の先を促す。

(だから殺し合う動機は無いと……まあ、推理小説とかだと疑わしいパターンだけどね。
 当人同士に面識が無くても、その家族と関わってて恨みを買ってるとか……
 んなこと言い出しても始まらないけど)

ドアはどんな材質で出来ているのだろうか?
この部屋に窓はある?

738『神の不在証明』:2008/12/31(水) 04:34:57
>>737

『ドア』は鉄製の一般的なもの。窓はない。

「そうなると『意図的』に攻撃する『動機』は薄いのかな…。
まあ疑いだしたらキリがないけど」
『川畑』が考え込むように顎に手を当てる。

「……あの、ちょっといいですか」
と、ここで声を上げたのは『藤間』だ。

「とりあえず話を聞く限り『超能力』は『暴走』しているって
可能性が高いとは思うんですよ。『意図的』にしては
無差別すぎると思うんです。『朝日』さんを狙ったのはいいんですけど、
その結果、ケガした人が…、
えー『相良』さん、『朝日』さん、『岸見』さんですか?
あとボクもさっき確認したんですけど、
ちょっとだけ『左肩』にアザが…」

そう言って『藤間』は『左肩』を露出する。
確かにうっすらとだが、赤い線が『左肩』に入っている。

「無差別に襲いたい、っていう動機なら別ですけど…。
少なくとも明確な動機の元に行われている行為じゃないって気はします。

それでもし『暴走』しているっていうのなら、
それを『制御』出来るよう、『自覚』させてあげればいいんじゃないですかね?」

ここで、皆の意見を求めるかのように『藤間』は言葉を区切る。
おどおどとはしているが、それなりに状況を分析している様子だ。

739相良靖:2008/12/31(水) 05:24:39
>>738
(最初に俺は『断罪する』と聞いたんだ……単なる暴走で片付けるにしちゃあ臭すぎだぜ。
 尤も、『人間はみな罪人だ』と常に心の中で罵ってるような奴なら、そういう暴走があるかもわからないが……)
「テキストには、『その人の関心事、または苦手な事』が『超能力』に影響しやすい、とあります。
 この中で『ハサミ』に対する造詣が深いのは、生け花を嗜まれていたという『朝日』さん本人でしょう。
 もしも『他人を巻き込んで自爆する能力』なんてものが暴走してるなら、悲惨極まりないですが……」

『朝日』の様子を見ながら、『超能力入門』を更に読み進めてみる。

740:『神の不在証明』:2008/12/31(水) 05:43:49
>>739

「まあ、『ハサミ』自体は具体的な何かってわけでなく、
『凶暴性』とかそういうのを表現してるのかもしれないからな」
『財部』がそう言葉を挟む。

「…私の暴走…なんですかねえ?」
おっとりとした声が聞こえてくる。『朝日』だ。
「『自殺願望』なんて、ないつもりなんですけどねえ…。
『他人』を巻き込むような気持ちもないですし…」

>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

『超能力入門』の具体的にどういう箇所を読みたいのか、提示して欲しい。

741相良靖:2008/12/31(水) 06:06:44
>>740
「『ハサミ』を持った小男が、次々に人を殺していくゲームなんてのもありましたね。
 まあ『朝日』さんのことは、可能性の一つとして挙げただけなので……
 他にもまだ『ハサミ』に関する経験などを話してない方もいるかも知れませんし、
 『暴走』と言うくらいだから、普段意識に上らない真相心理が関係している可能性もあります」

言葉を濁しつつ、『超能力入門』から『ヴィジョン』に関する項を探し出す。
『ヴィジョン』がどのように現れるのか、具体的に『超能力』とどう関係するのか、など。

「皆さんが今まで見た、『ヴィジョン』について話してみませんか?
 『朝日』さん、『財部』さん、『藤間』さんは過去の目撃談がありましたよね。
 ついさっきの例だと、『ハサミを持った大きな虫のようなヴィジョン』……
 こういう個々の特徴について吟味していくのって、『認識』を高めるのに役立ちませんか?」

ちなみに、自分は試験官の背後にどのような『ヴィジョン』を見たのか。

742『神の不在証明』:2009/01/01(木) 19:34:21
>>741

『相良』が試験官の後ろに見たのは奇妙なアフリカの民族の
お面を被ったような人型の『ヴィジョン』。

『相良』の提案に皆、頷き。

「俺があったのは『修行僧』みたいな人型の『ヴィジョン』だな」

まず『財部』が口火を切って話し始めた。

「『超能力者』は浮浪者でそいつを追い出せ、っていう『住職』からの命令でな。
仕方がなく、立ち向かったんだが当然ながら歯が立たなかった。
『住職』がその後、更に他の『超能力者』に依頼して、その事件は解決したようだが…」

続いては、『藤間』。

「ボクが見たのは同僚の脇で働く『機械の手』ですね。
たまたま忘れ物を取りに来た時、一人残業していた同僚の脇で、
PCを叩く『機械の手』を見て…それが『超能力』だったんですね」

そして、『朝日』。

「私は…漠然とですけど、たまに人の後ろに『背後霊』のような
人型のものが見えたんですよねえ。それはずっと『幽霊』なんだと
思ってましたけど…。『超能力』の…その『ヴィジョン』?
じゃないかという話を友達に聞いて、こちらに来たんです」

更に『川畑』が語る。

「ああ…あとワタシもおそらく観てるんだよな。
さっきも話した分裂する『ボール』、その一つがたぶん
ワタシの『ヴィジョン』じゃあないか?
と自分では思っているんだけど。試合で集中するとね、
時々観えちゃうんだよ。まあそういう時は
混乱して、『本当のボールどっちだよッ!』なんて
思っちゃうんだよね」

743『神の不在証明』:2009/01/01(木) 19:35:09
>>741

目当ての『超能力入門』の項を読みふける『相良』。

・『ヴィジョン』の項より抜粋

…『ヴィジョン』に関して重要な事は先述したとおり、
『超能力者』同士でないと視えないという事、そして、
基本的に『ヴィジョン』同士でないと干渉できない事です…

…『ヴィジョン』は基本的に『本体』から『発現』し、
『本体』に戻るか、何らかの衝撃で破壊されるかすると『解除』されます。
ただこれはあくまで『基本』で、中には『瞬間移動』のように
射程内に出現させる事の出来るものもあります…

…『ヴィジョン』に関しては、直接能力に関係はしないものも多々あるようですが、
『形状』そのものが『能力』であったり、『能力』の『法則』に
密接に関係するものもあるようです…

744相良靖:2009/01/02(金) 18:48:58
>>742-743
「なるほど……色々ありますね。ちなみに俺がこの教室の試験官の背後に見たのは、
 お面を付けた人型の『ヴィジョン』でした。皆さんも見たと思いますけど、同じでした?
 まあ、ここに何人『超能力者』が所属しているかはわかりませんが。
 この中で『自分の能力のヴィジョン』らしき目撃談は、『川畑』さんのものだけですが……
 『超能力入門』によると、『ヴィジョン』は『本体』から出入りする、とある。
 先程の『ヴィジョン』は、『朝日』さんの前に突然現れ、そして消えた……
 しかし、『射程距離内で自由に出たり消えたりするものもある』ともある」

『射程距離』に関して詳しく書かれたページを探してみよう。
能力を行使出来る間合いという意味だろうが、どの程度の距離が一般的なのか解るだろう。

745『神の不在証明』:2009/01/02(金) 21:57:08
>>>>744

・『ヴィジョン』の項より抜粋

…『射程距離』という用語、『ヴィジョン』が本体から離れられる距離(『ヴィジョン射程』)、
そして、『能力』が及ぶ限界範囲(『能力射程』)、という二つの意味合いが含まれています。
この二つは異なる場合も多く、一般的に『ヴィジョン射程』より『能力射程』の方が広い傾向があります。
『射程距離』の実際の距離に関しては本当に多種多様で一概には言えませんが、『ヴィジョン射程』に関しては、
一般的に『射程』が短いほど『ヴィジョン』の『パワー』や『スピード』が高く、
逆に『射程』が長いほどそれらは低い傾向にあるようです。例外は『自動操縦』のもので、
それらはある条件下の元でしか動けない、という制限はあるもの
高い『パワー』と『スピード』を誇ったまま遠方へ行く事も可能なようです…

746『神の不在証明』:2009/01/02(金) 21:57:51
>>744

『お面』のスタンドについて問うと、一同に心当たりがありそうな表情が広がる。
おそらく面接官は同一の者なのだろう(少なくともこの六人に関しては)。

『・・・・・・・・・・・・・・・・・』

そして。
『相良』の演説に皆、思い思いの考えを巡らせているその時………。


『ダンザイスル』


『それ』の再来は、唐突に訪れた。
『ハサミ』の『怪物』は、『川畑』の前に

                  >>>『グォォン』<<<

突如、現れた。
至近距離から『川畑』の『頭部』に向かって一直線に襲い掛かる『ハサミ虫』に、
『川畑』は『両腕』をクロスして『頭部』を守るのが精一杯だった……。

『ザン(斬)ッ』

747相良靖:2009/01/02(金) 23:21:32
>>746
(くっ……忘れた頃にやってくる! さっきは大騒ぎしてとばっちりを食ったから……
 今度はあえて抑えてみるか!?)

その傷に目を向けないよう、現場から顔を逸らし、『財部』の方を向くようにする。

「『川畑』さん、あなたは自分の『ヴィジョン』を知っている!
 追い詰められた今こそ、『スタンド』を出して身を守れるのでは!?」
(いや……むしろそうさせることが狙いかも? この『教室』の……)

748『神の不在証明』:2009/01/02(金) 23:42:15
>>747

『相良』の目は咄嗟に『財部』の方へと向く。
『財部』は『ハサミ虫』の出現をただただ驚愕の目で見つめている。

『ザンッ』

『相良』の叫びも空しく、『川畑』は
どうやら『ダメージ』を負ってしまったらしい。
それが分かる理由は………。

『痛み』だ。『相良』の『右腕』『左腕』………
双方に大きな『痛み』が走る。
それは、先ほどの『肩』の痛みと同種のもの………。
『服』が切り裂かれている様子は無かったが、
その奥の『肉』が切り刻まれるヌルリとした悪寒が、『相良』を襲う。

749相良靖:2009/01/03(土) 00:49:54
>>748
「クッ……ダメだ、こいつは防ぎようが無い!」

腕をまくり、先程もらった包帯の余りを巻いておく。

「さっさと『一人前』になって、あの虫を叩き潰すしか……
 いや、俺一人が戦う力を手に入れた所で、そうでない『半人前』の人が狙われたら意味が無い。
 なら……ここにいる全員が『一人前』になるしかない、か?」

とにかく『ハサミ虫』の『ヴィジョン』に干渉できない以上は、
目の前の脅威に対してあたふたしていても仕方あるまい。
カバンの中を漁り、自分が何に傾倒しているかを再確認してみよう。
文庫本の内容は何だろうか?

「『ボール』とか持ってませんか? どなたか……
 『川畑』さんが『超能力』に目覚めるきっかけがあるとすれば、今は『それ』しか考えられない。
 あと同様に、『トランプ』持ってる方いませんかね? 貸していただきたいんですが」

750『神の不在証明』:2009/01/03(土) 01:24:16
>>749

『応急処置』を施す『相良』。

『文庫本』は『カラマーゾフの兄弟(中)』。
持ち物は示されたとおりの、
<白のトートバッグ、財布、携帯電話、手帳、ボールペン
ティッシュ、ハンカチ、文庫本、『超能力入門』(テキスト)>
持ち物からは何に傾倒しているかは分からないが、
『相良』は自分が『マジック』に興味を抱き、とりあえず
『トランプ』に慣れ親しんでいる事を思い出す。

『相良』の呼びかけには誰も答えない。
というより、答える余裕がある人物が居ないというのがより正しい。

先ほどから威勢の良かった『川畑』も、自らが攻撃された
ショックからかわずかながら呆然としている。
ただ『奇妙』な事に、『川畑』に『腕』を抑えたり、
治療をしようという行動は一切ない。
まるで『川畑』自身はダメージを受けていないかのようだ。

ざっと周囲の様子を確認すると、特に酷いと思われるのが『岸見』。
椅子で作られた即席の『ベッド』の上の彼女の『両腕』から、
ポタポタと血が床に流れ落ちているのが分かる。『顔面蒼白』。

「いたッッッ!!」
そしてもう一人、『朝日』。
彼女も『腕』を組むようにして『痛み』を感じるのであろう
それぞれの『腕』の箇所を押さえ顔をしかめている。

「だ、大丈夫ですか!? みなさん」
二度目の襲来でかなり混乱してそうな『藤間』。
とりあえず痛みの声を上げた『朝日』の方へ走る。
彼自身が腕を痛がっている様子は全くない。

そしてもう一人、『財部』。
彼はとりあえず辺りを見回し、『川畑』よりも
『岸見』の方が重篤だと気付いたのか、そちらの方へ向かう。
さきほどは気付かなかったが、彼もよくみると唇をかみ締めている。

751相良靖:2009/01/03(土) 23:50:26
>>750
「そうだ『マジック』だ! 『マジック』をやる事に集中すれば……って漠然とし過ぎか?
 この中で『マジック』に関係ありそうなものといえば、ハンカチぐらいか」

一応ハンカチを取り出して、手に持っておく。

「……実際に襲われる人には関係なく、さっきから怪我をする面子は決まっているな。
 『断罪』とか言ってたが……罪の重さでダメージが決まっているのか?
 別に潔白な人生を送って来た自負も無いが、威張れるほど罪を犯してきたつもりも無いんだけどな……
 大体、『ヴィジョン』を使わないで俺やなんかにダメージを与えられるなら、姿を現す意味は何だ?」

最初に『ダンザイスル』という声が聞こえる直前まで、我々は何をしていただろうか?
あと、『岸見』と『朝日』に周囲と比べて何か不審な点や言動が無かったか思い出す。特に『岸見』。

752『神の不在証明』:2009/01/04(日) 00:29:17
>>751

『ハンカチ』を手に取る『相良』。
そして改めて痛む両腕と肩の傷に辟易する。
今後も、このとばっちりのような『ダメージ』が続くようなら、
場合によっては意識を手放してしまうかもしれない、そんな懸念もあった。

『相良』は一番初めの『ダンザイスル』という声がするまで、
皆で『自己紹介』をしていた事を思い出す。
『岸見』と『朝日』の不審な点について………。特に思い出せない。
思い出せない、という事は『何もなかった』のかもしれないし、
注意不足で見逃してしまっているのかもしれなかった。

他の受講者たちは各々『第二の悲劇』の後処理をしている。
もう少しすれば、それもある程度は落ち着くだろう。

753相良靖:2009/01/04(日) 22:57:35
>>752
「今……成功率にして10%あるかどうか解らないが、『ハサミ』野郎に対抗する策があります。
 『川畑』さんが常にボールを構えているんです。そして奴が現れたら叩き込む。
 ボールが『二つ』現れたなら、どちらかが『ヴィジョン』……二分の一の確率で敵を叩き潰せる。
 ……チッ、マヌケな話だ」

ハンカチをヒラヒラやりながら、室内を見回して敵の姿を追う。
『マジック』用に、服のどこかにボールだのコインだのハトだの仕込んでいないのだろうか?
初対面の人間複数と会う予定があったのだから、『掴み』のために準備をしてても良いはず。
あと、念のため扉が開くかどうかを自らノブを捻って確認したい。

754『神の不在証明』:2009/01/04(日) 23:54:41
>>753

「……『ボール』は常に二つ見えるわけじゃあないし、
そもそも『ボール』なんて今あるの?」
ようやく調子を取り戻した『川畑』は、
『相良』の呼びかけにこう答え、周囲を見回す。
『川畑』の問いかけに答えるものは居ない。

ハンカチをなびかせながら、『相良』は、
室内を見回すが、『ハサミ虫』は姿も形もない。
『マジック』はまだ満足に出来る、というものではなく、
『トランプ』すら、今日は持ってきていないのに、
他のグッズを持ってきてはいない。

『ドアノブ』を捻る『相良』。確かに、『開かない』。

「…気になるんだけど、あの『ハサミ』。
『暴走』にしろなんにしろ、『自動操縦』っていう
カテゴリに入る『スタンド』なんじゃあないかな」

『川畑』が言葉を紡ぐ。

「『自動操縦』っていうのは『ダメージフィードバック』、
……要は『ヴィジョン』に与えたダメージが使い手に跳ね返るって現象……
それが、『無い』ものも多々あるらしいんだ。

てことはだよ、ここに居る誰かが颯爽と『スタンド』に覚醒し、
『ヴィジョン』を操れるようになって、『ハサミ虫』を撃退しても…。
使い手はピンピンしてる可能性もあるわけだ。
それでも『ハサミ虫自体』が滅びればまだいいんだけど……。
場合によっちゃしばらく後に、
『再びヴィジョンが使えるようになる』ものもあるみたいなんだよね」

755相良靖:2009/01/05(月) 00:12:56
>>754
「ふん……」

ドアを一発蹴り込んでみる。
開けようとした感じでは、錠がかかっていて開かないという感触だろうか?
それとももっと別の何かか?

「確かに、テキストを読みましたが……『自動操縦』タイプであれば、
 この室内にいる人間でなくとも、人を殺傷することが可能らしい。
 ただし『射程距離』と『パワー』を両立するため、攻撃には一定の条件が定められているようですが。
 この状況をどう解決するか? 整理してみます」

せっかくホワイトボードがあるので、ペンが備えてあれば記入させてもらおう。

「1・室内、または室外にいる本体を見つけ出して倒す。
 2・部屋の外に脱出する。
 3・攻撃を退ける力を得る。
 4・攻撃の条件を見極め、その条件から外れる。
 優先度というか、ベストな順に選択肢を考えて並べてみましたが……他にありますか?
 1と2は逆でも良いのですが、『とばっちり』の射程距離が未知数なのでこの順にしました。
 簡単そうなのは『脱出』ですが、ドアが開かないなら壁をぶち破れば良いんじゃないでしょうか。
 まあ『藤間』さんと『川畑』さんは今の所このままでも無事そうですが、目の前で人間が切り刻まれていくのも見たくないでしょう」

この部屋の壁の材質は何だろうか。
木で出来た壁程度なら、ガタイの良い男が本気で蹴れば穴が空くはず。

756『神の不在証明』:2009/01/05(月) 00:42:37
>>755

壁はコンクリート製。触れるとズッシリと硬そうな感触が手に広がる。
『ホワイトボード』に案をビシバシと書き連ねる『相良』。

「壁を壊す、ねえ…」

『財部』が呟くように言う。

「そんな事、出来るのかね?
男が総出でよほど激しく体当たりしても…
映画かなにかと違うんだ。難しいんじゃあないか?
『建物の外に皆で出る』する能力とか
『ハサミぽいものを自動的にやっつける能力』とかに
誰かがパーっと目覚めてくれれば万事解決だが、
そんなご都合主義の展開は…あんま期待できないと思うぜ」

『財部』はそういうと、『疲れた』というかのように
後ろに大きく反るかのように伸びをする。

「………となると、『本体』を見つけるか…
『条件』を見極める? そんな事、出来るんですかねえ」
『朝日』が考え込んでいる。




『ダンザイスル』

757『神の不在証明』:2009/01/05(月) 00:43:10
>>755

三度目。『ハサミ虫』は『財部』の前に出現する。

『ザァンッ!!』

『ハサミ虫』は『財部』の『頭部』を狙って
一直線に襲い掛かる。

「うぉぉぉぉぉぉッッと!!!」

幸運というべきか……、大きく伸びをしていた『財部』は
そのまま椅子ごと床に倒れこむ事によって
『ハサミ虫』の一撃をスレスレでかわした。


『持続力』が非常に低いのか、そのまま『ハサミ虫』は
『フッ』と消失する……。

758相良靖:2009/01/05(月) 01:45:52
>>756
「……ま、この中で一番腕力のありそうな『財部』さんが自信が無いというのなら、
 少なくとも我々には無理でしょうな。大体壁はコンクリートでしたし。
 サイキックとかでドカーンとやっちまえれば良いのですが……」

壁を端から端へとコンコン叩いて検分している最中に、>>757を目撃する。

「くっ……ファインプレーッ!
 しかし今のは危ない……腕や肩へのダメージならまだしも、
 『頭部』をやられたら死は確実……しかも手負いの人間を狙われたなら尚更だ。
 思ったより状況は逼迫しているか……」

壁を叩いて回る作業を急ぎ気味に再開。
あまり意味は無いと思うが、どこかに薄い部分が無いとも限らないから念のためだ。
そうしながら、目では『藤間』を観察する。腕に傷を負った様子は全く無いのだろうか。

「そもそも、この攻撃が謎だ。我々全員を『1セット』で標的にしているのか?
 誰が何のために? 試験官が我々を追い詰めて『スタンド』に目覚めさせるため?
 今までにもこういう事はあったんですか、『川畑』さん?
 正直、こんな恐ろしい催しだと知っていたら、俺はこんな所に来ませんでしたよ」

759『神の不在証明』:2009/01/05(月) 02:14:15
>>758

壁を叩いていくが…どこか音が違うなどという事は無い。
『藤間』の様子を見るに、腕に傷を負った様子はないが、
あくまで『衣服』の上からの目視。初回の『左肩時』同様に
アザが出来ていないかどうかはまでは不明だった。

「……前にもこんな『話し合い』の講義に出た事あったけど
ただ話し合っただけで、終わったよ。特殊な事は起こらなかった。
……ああでも、そうだ。その後、同じ『話し合い』の講義に出た受講生が
『スタンド』を操れるようになった、ってきいたな。
『スタンド』に関する『話し合い』や
喩え『半人前』でも『能力者』同士の『話し合い』が
『刺激』となって『覚醒』しちゃう人も居るみたいだね。
だからこそこんな『講義』が設けられているんだろうけど」

『川畑』がそう語る。

760『神の不在証明』:2009/01/05(月) 02:15:24
>>758

「……か、考えていたんですが」

と、ここで口を開いたのは『藤間』だ。

「さきほど『相良』さんもいくつか挙げていましたが
『謎』は『三つ』あると思うんです。

まずは『本体は誰か?』
これは…難しい問題ですけど『能力』そのものや、
あるいは『ヴィジョン』にヒントがあるんですかね?
そもそも、ここに居る誰かなのか外部の人間なのかも分かりませんが…。

続いて『狙われる条件は何か?』
これも…まったくのランダムなのか、何か条件があるのか。

そして最後に『ダメージが分配される条件は何か?』。
おそらく、ですけど皆さんの数人が同じ場所に
ダメージを受けてますから、ダメージを分配する、
という性質の能力はあるのだと思います。
ただ、みなさん受けているダメージの深さが違う。
これは一体何に起因するものなのか……。

……どうでしょう? 考えるきっかけになれば
何でもいいんですけど…。何か考えがある人はいます?」

761相良靖:2009/01/06(火) 00:26:12
>>759-760
「ダメージの度合いとしては……最も重いのが『岸見』さん、
 次が『朝日』さん、俺と続いて、四番目が『財部』さん……
 『川畑』さんは無傷っぽいですが、『藤間』さんはどうなんです?
 ちょっと腕まくって見せていただきたいのですが」

「ともかく次に狙われるのが『怪我人』だとまずい……
 『財部』さん、『岸見』さんのフォローに回っていただけませんか?
 俺が行っても良いのですが、俺の分の襲撃リスクを上乗せすることになりかねない。
 同じ人が連続で襲われる確率は低いでしょうから……根拠は何も無いですが」

全員、最初の席順の位置から大きく動いてはいないのだろうか?
ドア側の壁に回りこみ、テーブルから距離を置いてみる。
あとテーブルの下を覗き込む。何かが落ちていたりしないだろうか。
それと今日ここに来るまでに、特にこの施設に入ってから顔を合わせた人間について思い出したい。

762『神の不在証明』:2009/01/06(火) 19:27:35
>>761

『相良』の言葉に『財部』は頷き、『岸見』の方へ向かう。

全員の立ち位置は、基本的にはさほど変わってはいないが、
ホワイトボードを書きにいった関係で『相良』が、ホワイトボード近く、
『岸見』は椅子を何脚か使った簡易ベッドに横になっており、
その近くに『川畑』とたった今フォローにまわった『財部』。
逆サイドに『朝日』と、それを気遣うかのように『藤間』、という風になっている。

『相良』はテーブルから離れたり、テーブルの下を
覗いたりしてみたが、特に異状は見当たらない。

今日会った人物…、いつもの職場の面子(PM9:00〜17:00までの
仕事だが、実際職場を出たのは18:30ごろだった)
その後コンビニに行き、数人の客や店員に会ったのだろうが、顔までは思い出せない。
この建物では『受付』の女性と…、
後は今居る受講者たちだけだったはずだ。

763『神の不在証明』:2009/01/06(火) 19:28:55
>>761

「分かりました」

『相良』の要望に応え、『藤間』が腕をまくる。
すると非常にうっすらとだが
赤いアザのような線が二つ、出来ているのが確認出来た。

「……痛みのようなものはほとんどないんですが、
一応ダメージが来てるって事なんですかね。
さっきも肩に同じような傷が出来ていたし。

ダメージとしては『相良さん』の言うとおり、
一回目、二回目とも『岸見さん』が一番ひどくて、
『朝日さん』と『相良さん』が…、
見た感じだと大体一緒くらいなんですかね?
そして『財部さん』が…ええと、痛みがあるのかな、
あるのなら私より確かにダメージが大きいといえるでしょうね。
そして、私がわずかにあって、全くないのが……『川畑さん』」

『藤間』はそう言うと『川畑』を見やる。

「…ない、ね。一応ちょっと肩も腕も確認したけど、
赤いアザにすらなっていない、キレイなもんだよ。

…………なぜワタシだけ全くないのかは、知らんけどね」


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