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他人が書いた小説の一部を批評するスレ

39晒した香具師ですが:2004/03/21(日) 14:52
「いや、救難信号か。どこから」落ち着いて索敵指示を出した。
 知らずに行けば大隊を相手にするかもしれない。信号はえさで、こちらを釣ろうと
しているのかもしれない。へたを打つと辞世の句も言えずに死ぬことになる。助けに
行って殺されては、意味がない。
 それ以上にダサい、ということもある。根本の考えは簡潔だ。
「赤一、青四。双方識別信号なし。しかも救難信号は青からだとさ。面白いじゃんか」
 口が笑いにゆがんだ。格好悪いのは遠慮するほうだが、厄介ごとは遠慮なしに受け
入れる性格だ。
 男は両足を思い切りよく突っ張った。加速板がいっぱいに踏み倒される。加速に逆
らうもの、慣性が男の身体を支配した。口は苦痛と笑いで複雑にゆがんだ。
 四七秒後、目視で状況を把握した。同系統の駆動兵器が五体、黒い一体は無傷で青
い四体は戦闘不能に近い。ほとんど大破しているといっていい。この状況をどう判断
すればいいだろうか。男にとっては非常によろこぶべき状況だった。
 距離も近づいたところで足を浮かして、動力減速に身を任せた。
 減速に逆らうもの、慣性が男の身体を支配した。男は顔面に血の気が集まるのを感
じたが、感覚を振り払った。
 男は通信を開いた。
「黒い機体、所属を名乗れ。名乗る気がないなら立ち去るか戦うかだ」
 先人にはならっていない通信だった。その上に、いつでも高速徹甲弾を撃ち込める
体勢で黒い機体に近づいている。
 黒い機体は沈黙して、動くことをしない。動力系統の動きさえ感じさせないほどに
静かだった。名乗る気はなさそうだった。
 見切りをつけて、青い機体に通信を開いた。動けない相手に威嚇は必要ない。体勢
は変えずに黒い機体を狙っている。
「青い機体。話せるなら状況を伝えてくれ」




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