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他人が書いた小説の一部を批評するスレ

1イラストで騙す予定の名無しさん:2004/02/20(金) 16:17
 書いてみたはいいけど、この表現どうなの?会話シーンに自信ないんだけど、ちょっと見てもらいたい・・・。
 そんな悩みを抱えるあなたは、このスレに、書いた作品の一部を載せてみましょう。
 ついでに、執筆上の悩みもガンガンぶちまけましょう。
 
 投稿する際には、あまりに長いのは避けてください。また、このスレはオリジナル限定とします。
 その他は、ライトノベルであれば、ジャンルその他は問いません。

1835イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/06(土) 19:44:22
>>1833
ついでにもう一つだけ。
その「面白いポイント」の後半二つは、どこか『成功する』感じがするんだけど、
話を盛り上げる為には『失敗する』方がオイシイってことも考えておいた方がいいかもね。
さらに、失敗した際の周りの反応で『ひっくり返す』ようにしておくと、かなり引っ張り込めるかも。

1836イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/07(日) 00:14:57
「恥ずかしい」んじゃなくて、単純に忌まわしい過去にすりゃいいんだよな。
過去にもそういう事があって、恋人が死んだとかにしてさ。
最後は、その小説に従ってヒロインも死ぬ運命にある。
だから主人公はヒロインに冷たくしたりしましたって風にすれば、それなりに綺麗に収まるだろう。

恥ずかしいってのは少なからず好意や肯定する意味が含まれてるもんだ。
それが自分の小説となれば、単なるナルシストでしかない。
その小説がつまらない「理由」はそういう所にある。
「理想のヒロインがいました」程度なら、単なる恋人自慢でしかないからな。

結局の所、相対する敵も逆境もない。

1837イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/07(日) 08:46:11
>>1830の感想を簡単に。
 一人称だと説明が楽なんだろうけど、どうも主人公がほとんどを説明しているような
 気がしてならない。これが俺は気になった。
 自分の小説なり設定があらかじめ分かっているんだから、それをひっくり返すサプライズがもっと
 欲しいな。

 タイトルがよくない。もっと現実的な物にしたらどうか。

1838イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/07(日) 09:52:55
>>1823
やっぱりどうしても、説明的に過ぎるんだよなあ。てか、シoナかよと思った。悪い意味で。
この設定だと、俺なら最初の6行は抜くね。
そして、「〜な話だった」「〜な設定だった」みたいな説明部分は省く。
むしろその説明すべき部分を「主人公が読者に対して隠し持つ謎」として物語の核に備えて、敵を斃したり世界の謎を解いたりするストーリーと平行させて読者に提供する。

1839イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/07(日) 11:50:23
ラノベの一人称モノなら、これくらいの一人語りや説明臭さは結構あるからいいんじゃね?
ただ、無駄しゃべりはいらないな。説明臭さも状況を言うのはともかく、設定云々
は言わさないほうがいい。

冒頭はアクションシーンだけで、厨小説云々は後に回したほうが良くないか?
じゃないなら、今現在執筆中で〜って感じにした方がいいとオモ。

1840イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/07(日) 15:08:54
>>1830
んー。すまんが楽しめなかった。
なんというかノリがネットの二次創作まんまなんだよね。
漫画やアニメのキャラがこっちの世界にきてワーキャーっていう。
二次創作の場合は、元ネタとなった素材を読者が知っている&好きな状態ではじめるからいいんだけど。
邪王戦聖記は俺らの誰も知らないから、説明が大量に必要になる。この時点でかなりマイナス。
そういや何回も火琉奈が美形だっていう説明が入ってるけどさ、そんなに繰り返す必要ないよ。うざいだけ。
しかも全部描写じゃなくて説明になってる。これじゃ読者には火琉奈がどう美しいのか伝わらない。
美形とかけば読者は勝手に美少女を想像してくれるであろうって考えはやめたほうがいいよ。
説明ではなく描写をってのは小説の基本だからがんばろうね。

1841イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/07(日) 16:55:10
>>1830
すまん。ヒロインふたりがシャナと吉田さんにしか見えない…orz
一人称の語り口に特に違和感は感じなかった。
だいたいの情報量こんなもんでしょ、って感じ。多くも少なくも無い。
だが、せっかくの一人称なのに個性が感じられないと思った。
あとさ、情景描写が少ないよ。読んでて光景が全然浮かばない。

あとタイトルよくない。すまん。

18421830:2007/01/07(日) 17:53:16
みなさん、本当にありがとうございます。

これほどの感想をいただけたのは初めてで、それだけでも嬉しいです。

自分が感じていた問題点が正しく問題であることがわかったうえに、
さらに自分の感じていなかった問題点を指摘していただけたことに
感謝と喜びを感じています。
この感激と高揚があれば、あと十年は戦えます!

設定説明の配分と方法、情景およびキャラ外見描写、キャラ立て、語りの工夫、
このあたりをまず検討しようと思います。

1843イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/07(日) 21:02:01
>>1842
最後に一つ言っておく。これは忠告だ。
その燃料を使って一年で燃え尽きろ。

1844イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/08(月) 19:21:10
>>1842
これぞネット小説、って感じのジャンクな楽しみ方ができるいい話だと思う
俺の黒歴史ノートが現実に! みたいな設定はかなりラブで
この先昔子供だった僕たちへ的な展開を見せるなら、笑いだけでなくノスタルジーすら
感じられるものになると確信している。いやマジで。
確かに、金が取れる、と言えるような緻密な組み立てではないが、
この内容なら構造的に、そのラフさを許容していると思う。むしろ手堅く書いてしまうと
良さが損なわれてしまうかもしれない。
というか、他に投稿する場所はなかったのか? これがウケる場所は必ずある、
それについては保障するが、多分ここではないぞ。

1845イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/08(月) 22:52:41
批評依頼ではないですが、2ちゃん鯖規制喰らってることもあって、ちょっと質問させてください。


 Yは無言。備品だろうか、さほど大きくないノートパソコンのキーボードをそのごつい指で叩いている。お世辞にも上手いタイピングとは言えないが、全く使えないAからみると、それでも驚嘆に値した。
 R奈はというと、綺麗に積み上げられた十枚程度の書類の一枚一枚に目を通し、ボールペンでなにやら修正を入れてはYに手渡している。と、その右手が止められてテーブル脇に置いてあった通学鞄に伸ばされる。
(お弁当でも出すのだろうか?)
 そのAの予想は、半分は正解で半分は誤りだった。R奈が取り出したのは確かに昼食である。しかし、弁当などではない。机の上に置かれたのは、手のひらサイズのレトルトパックの、ゼリー食品が二つ。
 R奈は左手だけで器用に飲み口のキャップを開けると、次々と咥内に流し込んだ。その間も書類を見る目とペンを握る右手に忙しそうに使役を強いている。
 ごくり、とその白いノドがなまめかしく動いて、彼女は即席の昼食を胃に流し込んでいった。
 キーボードを叩く乾いた連続音、紙をめくりペンを走らせる擦過音、小さな準備室の空気中に存在するものはそれだけ、である。
 (※窓ガラス一枚を隔てた)外では、雑多なざわめきが聞こえ始めていた。もうほとんどの生徒が食事を終えた頃合なのだろう、談笑する者、ドッジボールやサッカーに興じる者、ふざけ合いじゃれあう者、それらの声が混然となってどこにでもある日常の一場面を形作る。
>※たった一枚の、叩けば割れてしまうような窓ガラスで仕切られた内と外の世界は、ストイックさと奔放さという意味において、あまりにも対照的であった。
「さ……待たせたわね。――で?」
 気が付くとR奈はすでに書類を底辺でトントンと揃えて鞄にしまい込むところであった。Yもパソコンを閉じてしまっている。


>※たった一枚の、叩けば割れてしまうような窓ガラスで仕切られた内と外の世界は、ストイックさと奔放さという意味において、あまりにも対照的であった。

この一文、あったほうがいい? それとも「対照にしている意図はわかるんだし、くどい! 不要!」かな?
いまはとりあえずは、この部分が無くて(※窓ガラス一枚を隔てた)がある状態でかいてますが。

1846イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/09(火) 01:04:37
>>1645
正直、まずは放っといた方がいいな。

全体の文体として、こういった表現が出てくるのであれば、効果はある。
あえて言明して対比させることに効果がある場合も、意味はある。
何となくなら、意味はない。
オタクファッションと同じだな。
決して髪を縛ったりバンダナしたりすることが格好良いんではない。
そのスタイルをしたキャラクターが格好良いんであって。
もしくは、そのキャラクターの格好のモデルとなるスタイルが流行っていたんであって。
同じように、メッシュベストや革グローブ、チェーンが格好いいんではない。
その全体に流れるモードや一貫したコードが、きっちりと整っているから格好良いんであって。
もしそれが付け焼き刃ではなく、そういった台詞を自分がよく出すなら、
出しておいていいことになる。
まぁ、試しにやってみるのもいい。
その台詞が最終的に浮くようなことにならないなら、成功だ。
浮くってのは、普段着にネコミミを付けるようなものだ。
狙ってるならいい。何かのキャラクターを真似している場合もいい。
ただ、ネコミミが好きだからという場合は……い、いや、それはそれでいいか。

……まぁ、間違いないのは最初に言った通り、書ききってから推敲することだな。
こんな質問をする時点で「自分が何者であるか」ってのは分かってないだろうし。
書いてるうちにわかってくるもんだから、気にしなくてもいいが。

以上。

1847イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/09(火) 05:27:57
>>1846
ありがと。

実はここ、付け焼刃で出そうとかいうよりむしろ、普通にそう書こうとして筆が止まってしまった場所なんです。
読む人に対して少々押し付けがましい、言い換えると「野暮」かなあって。

とりあえず、おっしゃるとおり迷わずに書ききってから全体のバランスを考えて推敲することにしますね。

1848イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/14(日) 01:29:46
現在進行中の一部です(投稿用)。戦闘シーン自信ないので批評お願いします

早瀬あかりと名乗った少女は空中で静止しながらこちらの様子を伺っている。その赤黒い目は何を考えているのかよく分からないが、ただひとつ言えることは、こちらにとって非情にまずい展開だということだ。
(ワシを抜いて早く構えよ。この者相当な厄介者だぞ)
 ムラサメが鞘の中で暴れている。
 俺はその声のままに、鞘からムラサメを抜き放ち、京子の前に立ち位置を変えると、赤目女に向かって青眼に構えた。
 俺がちらりと背後に目をやると、京子は分けがわからないといった様子だったが、俺と目が合うと、背中にぎゅっとしがみついてきた。
「ばか、掴むな。身動きが取れない」
 俺は視線を赤目女に向けたまま押し殺した声を出したが、京子はますます強い力でしがみついていく。
(この背後の女邪魔だな……)
 ムラサメが冷静に呟く。
 その時、赤目女が口を開いた。
「お前たち、たしか……みずきの友達だったか……」
 それは聞きなれた声だった。みずきとは違う、低くかすれて聞く人を不快にさせる。亡者の声だ。
みずきはこいつに憑かれている。
「とにかく、その物騒なものは邪魔だな……」
 そう言うと、赤目女は左手をこちらに向けた。
 瞬間、風を切る音ともに五本の指の爪が、矢よりも早くこちらに伸びてきた。
 早いっ。
背後に京子がしがみついている俺は、京子ごと体を右側へ投げ出し、左手で足に向けて伸びてきた爪の一本を打ち落とした。
「京子、逃げろ」
 体を反転させ京子を振り払うと、倒れている京子が背後に逃げられるように体を移動させた。
「え、わたし……なにがなんだか……」
 京子は泣き声になっている。そりゃあそうだ、普通の人間だったら生涯体験しない夢物語が今現実で起きているのだから。
(小僧、次が来るぞ)
 赤目女が右手をこちらに向けた。直線的な攻撃のためよけやすいのだが、よければ京子に当たってしまう。
 青眼から下段に構えを変え、体を落とした。ぎりぎりのところで斬り上げて方向を変えるしかない。
 その時、どこからか犬の遠吠えが聞こえた。それは次々と他の犬たちに連鎖していき、遠くの家の二階に明かりが灯った。
 赤目女は狼狽した様子で周囲を見渡した。亡者のくせに、なぜか人目を気にしているようだ。
(何か動揺しておるな……)
ムラマサも異常に気がついたらしい。
(しかし、まだ相手の殺気はまだ消えてはおらん……)
 赤目女は左手を伸ばすと時計をちらりと見た。
「まだ、いける……」
 そう言うと、赤目女がなにごとかを呟きだした。負のオーラが彼女を中心に凝縮していく。
(これは下法じゃ。まさか、こやつこのようなことまで)
「どういうことだ」
(負の気を凝縮させることによって、その場にもう一つの空間を作りだすつもりのようじゃな。この術を使うものと遭遇するのは二百年以来じゃな)
 赤目女のところへ集まった負の気は、すでに普通の家なら三、四軒は飲み込めそうなほどの大きさになっている。どこまで大きくする気だ。
(退却したほうがよいな。相手の条件下で戦いを強いられるのは不利じゃ)
 俺は下段に構えたまま、首を京子の方へ向けた。
「京子、明日香の家は分かるか」
 京子は両手で顔を覆って泣きじゃくっていた。気持ちは分かるが、今はちょっと我慢してくれ。
 俺は構えを解くと、京子の右頬を軽くはたいた。
 京子がはっとした表情でこっちを向く。
「明日香の助けがいる。呼んできて欲しい」
 俺は両手で京子の顔を優しく挟んでうなずいた。
「一之瀬さん……」
「そう、ここはもう危ない。明日香に今の状況を知らせて君はそのまま家に帰れ。そうすればなんとかなる」
 京子はぼんやりと俺の目を見ていたが、やがて子供のようにこくんとうなずいた。
「一之瀬さんを呼んでくればいいのね」
「そう、頼む」
 まだ目は虚ろだが、とりあえずすべきことが認識できたようだ。
(小僧、来るぞ)
 ムラマサの声で振り向くと、先ほどからさらに5倍ほどに肥大した黒い球体を、赤目女が持ち上げていた。
「暗黒結界……」
 赤目女はそう言い放つとその球体を真下に投げ下ろした。
 光の閃光が地面を走り赤目女を中心に円を描いていく。
「涼君……」
 閃光の奥に京子の姿が見えた。どうやら彼女はぎりぎり範囲から外れたようだ。
 俺は右手を握り締め親指を立てて、京子へ振った

1849イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/14(日) 01:58:13
2chで要望伺いこちらに参りました。
一通り拝見させていただきましたが、戦闘の描写自体はさほど問題とは感じませんでした。
以下、個人的にいくつか気になった点を述べます。
①「スピード感・切迫感が感じられない」
主人公、ヒロイン、そして剣の霊ムラサメ?ですか、会話に切迫感が感じられません。
目の前に自分たちの生死を左右する敵がいるという実感が欠けているせいで、
描写自体がスピード感に欠けたように感じられるのがもったいないと思います。
②「漢字、カナ、単語の選択に対する疑問」
①にも関連しますが、日本語的にやや微妙な部分が特に会話文に見られます。
例:(しかし、まだ相手の殺気はまだ消えてはおらん……)
また、漢字をひらいて書くことを心がけているのだと思いますが、
主人公とムラサメの言動が平板な感じに見えてしまっているのは
言葉の選択も影響しているかと思います。
例えばこのへん。
(これは下法じゃ。まさか、こやつこのようなことまで)
「どういうことだ」
(負の気を凝縮させることによって、その場にもう一つの空間を作りだすつもりのようじゃな。この術を使うものと遭遇するのは二百年以来じゃな)
正直、ムラサメの発言は微妙です。口に出してみると多分判ると思いますが不自然です。
背後の設定がよくわからないのですが、主人公より遥かに年齢を重ねた剣ならばそれなりの話し方というものがあると思います。
以上、私は戦闘描写自体よりむしろ全体の流れが気になったので、あえて指摘させて頂きました。
どうかご容赦。それでは

1850イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/14(日) 02:29:00
>>1848
戦闘シーンというか、動作の描写がいい加減でバラバラになってる感じ。

>体を反転させ京子を振り払うと、倒れている京子が背後に逃げられるように体を移動させた。

例えばこれとかね。前後をよく読んでもどういう状況なのかがさっぱりわからない。
他にも刀を持って敵に立ち向かっているのに「俺は両手で京子の顔を優しく挟んでうなずいた」とか
正確さも緊迫感もない。
こういう箇所がちらほらとあって、一読でイメージが浮かばないような描写、あれ?と疑問に思うような描写は
スピード感を要求されるシーンでは大きなマイナスじゃないかな。

それと、これ以前の話で説明されているかもしれないけれど、「青眼に構えた」のような剣道をやっていない人には
さっぱりわからない表現とか、「負の気」みたいな雑すぎる表現とかは避けた方がいい。

あと表記ミスだろうけども「ムラサメ」と「ムラマサ」が混同しているのが個人的には一番気になったかなw
登場人物(?)ぐらいちゃんと書けとw

1851イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/14(日) 02:54:10
>>1849

ご指摘ありがとうございます。たしかに戦闘シーンに緊迫感がないように感じたのでここにアップして批評いただこうと思いまして。
もう一度練り直してみます。
語彙のほうは指摘されるまできづきませんでした。アドバイスありがとうございました。仰るとおりムラサメは250歳くらいの設定ですので、もう一度推敲してみます。

>>1850

ご指摘後再度読み直してみると、確かに分かりにくいところが多いような気がします。ご指摘ありがとうございます。
剣道の構えについては、司馬遼太郎や池波正太郎でこのような表記がそのまま使われていたようなので使っていましたが、ラノベの場合はもっと開いたほうがよいのですね。ご指摘ありがとうございます。
あと、ムラサメとムラマサは本当に凡ミスでした。ご指摘ありがとうございました。

お二方とも読み苦しい拙作のご批評ありがとうございました。精進して再度アップしていきたいと思います。

1852イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/14(日) 16:20:51
>1848
何か描写が変だ。
たとえば

>俺がちらりと背後に目をやると、京子は分けがわからないといった様子だったが、俺と目が合うと、背中にぎゅっとしがみついてきた。
主人公が振り返ったのはほんの一瞬だよね。この書き方だと数秒間振り向いてたような印象が。
“京子は分けがわからない…”“俺と目が合うと、背中に…”のどちらかを削ったほうが良くない?
自分なら、ちらっと見たときは茫然自失の京子だったが、赤目女と対峙中にいきなり主人公の背中に抱きついたとか、そういう流れにする(これもベタだけど)

それとこの赤目女の身長は普通の女性サイズ?相当大きい?憑かれているらしいし、「早瀬あかりと名乗った少女」と書かれているから人間サイズかと思ったが、
>左手で足に向けて伸びてきた爪の一本を打ち落とした。
「爪の一本」ということは相手が大きい?
さらにいうと赤目女はどんな体勢で襲い掛かってたのか?
爪で狙っているのは主人公?剣のほう?
主人公は相手を倒したい?できるだけ身体は傷つけたくない?

おまけで
>この者相当な厄介者だぞ
この短文で「者」が二回は微妙。「この者」を「此奴(こやつ)」に変えてみるのはどうだろうか。

1853イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/14(日) 17:36:35
>>1848
他の方々に指摘されている部分はともかく、全体の文章としては読みやすくわかりやすく、問題は無いと思った。
ただ、これ、「戦闘シーン」じゃないよね?
敵キャラの登場であり、戦闘へとつながるエピソードの一部ではあるけれど。

「京子」という「足を引っ張る存在」を上手く使うことで、緊迫感を十分以上引き出せると思うので>>1852さんの意見あたりを参考に推敲をお勧めします。

1854イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/14(日) 22:58:20
およそ戦闘シーンに相応しくない言葉遣いなんだよな。語彙少ないんじゃねぇ?

つーか、「村雨」で「喋る刀」って流行ってるのか?

1855イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/15(月) 03:18:17
>>1854
流行じゃないだろうけど、まあ喋る刀剣ってのはメジャーな題材ではあるな。

1856イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/16(火) 02:46:17
ttp://wannabee.mine.nu/uploader/files/up0360.txt

ストレス解消に書き殴ったプロローグ。後を書くかは不明。
良ければ感想でも書いてくれぃ。

1857イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/16(火) 07:04:09
>>1856
字下げのない部分があるのは、ワードの勝手字下げのせいか?
主格を表す代名詞を徹底的に排除した一人称、これは好みの分かれるところだと思うけど、まあ、プロローグだし、普通に上手いと思う。
俺はこういう書き方は好きだな。短いセンテンスを連ねて改行している部分も効果的だし。

ちょっと細かいけれど
>全身を覆う鋼鉄のアーマーは、八○ミリの弾丸を弾かない。

「弾」という漢字がかぶるし、出だし部分でどちらのアーマーの説明かちょっとわかりにくい点もあると思うので、俺なら
全身を覆う鋼鉄のアーマーは、それでも八○ミリの弾丸の前には紙くず(布切れ、無意味も、どれでも好きな表現を)同然だ。
という風にするかな?

18581857:2007/01/16(火) 07:21:18
と、
>主格を表す代名詞を徹底的に排除した一人称、

自分でこれを書いていて思ったのだが、
もしかしてこのプロローグの主人公は、本編の主人公の敵または味方内での正体不明のライバルとして登場し、斃されてアーマーを剥ぎ取ると中身は女の子だった。
とかそういう感じなのかもね。

1859イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/16(火) 11:55:42
>>1856
文意が伝わるかどうか、という点では問題がない気がする。
何をしているか大概が理解できた。

ただし、死への恐怖や緊迫感は感じてこなかった。
いきなりの自分語りで、「これが恐怖か」、とかいわれても、ふーん、そういうものなの、としか言いようがない。
それよりも、必要な装備も持ってこないで自分に浸っているこのバカは何をやってるんだと思った。

あと、最後の段落の文章の陶酔感が鼻についた。

1860イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/16(火) 14:48:40
>>1856
プロローグとしてはまぁまぁ面白かった。
ただ「六〇九」が「何」なのかが序盤で出てこなかったので、パワードスーツみたいなもんだと
気づくまでに2、3回読み返しちゃったよ。

1861イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/17(水) 10:20:11
>>1856
感情移入しにくい

1862イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/17(水) 15:53:13
>>1856
悪くはないけど味気ないな。人に見せるって意識が薄いっちゅーか。
主人公の独白部分も、人間味なさ過ぎ。始めからの数行は詩かとオモタ。

1863イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/23(火) 22:40:06
冒頭部分なんだが、処女作ゆえ滅茶苦茶になってないか不安だ。辛口評価を頼む

 十二月初旬、昨日から降り出した雨は相変わらずに谷地市を濡らし続けていた。空は正午近い時間だと言うのに夕方のように暗い。初冬の冷たい空気と過剰な湿気は不快な大気となって地域一体を覆っている。黒崎透はノートを取る手を止め、傍の窓ガラスを伝う雨垂れと、霧に覆われて薄らぼやけた稜線を眺めながら、授業の退屈さを誤魔化そうとしていた。
 市の外れ、山間部に位置する高校の、最上階の教室からの光景は悪く無いが、長時間の鑑賞に堪えうるほどではない。誰かと私語でもしながら潰せれば最良だったが、前列にいる彼の悪友、新山は授業開始十五分後に早々と夢の世界へ旅立っていた。起こすという考えも浮かんだが、彼はかつて起こそうとした教師に拳で応えて謹慎処分を受けた男だ。痛い目に逢うのは御免だった。
 そして隣の席に座っている女子、立花は話しかける相手としては生真面目すぎた。無視されるか、注意されるのが目に見えている。おまけに黒崎には女性に話しかけられるような話題も、テクニックも無い。放課後ならともかく、授業中にナンパして振られた日には末代までの恥だ。
 幾つかの考えが否定され、教室の中に興味を惹くものを見つけられなかった黒崎に残された暇つぶしはやはり外の鑑賞しか残されていなかった。冬休み間近の半日授業、あと二十分我慢すれば自由の身になれると考えれば、少しは気も紛れた。
 雨は少し小康状態になってきたようだ。雨垂れの数が段々と少なくなり、分厚い雲の隙間にも僅かな隙間が見える。時計に目をやるが、針は相変わらず進んでいない。黒板には先日の期末考査の解答が板書されていたが、何故か写す気にはならなかった。今やらなくても誰かに頼めばいい。最悪、写さなくても大きな問題は無い。その場のテストさえなんとかしていけば、卒業くらいは出来るはずだ。黒崎はそう考えながらも、自分が妙に怠惰になったと客観的に思った。授業を放棄して何処かに逃げ出したい。そんな欲求がこみ上げている。新山のように昼寝をするのもいいと思ったが、こんなときに限って眠気は無かった。
 ぼんやりしていると視線はどこか惹き付けられたように窓へと向う。雨は止んでいた。雲の切れ目は更に広がり、そこからは映画に出てくる教会のステンドグラスのような光の帯が地上に漏れ出している。その光は正午の時間のそれにしては妙に紅く、まるで夕刻の空のように黒崎の眼に映った。
 違和感と、何故か焦燥感を覚えていた。むしろそれは不吉な“予感”と表現したほうがいいかもしれない。唯物論信者とは言わないまでも、超常的な現象を信じない彼にとって、予感などと言うものは、フィクションの中の都合合わせになって久しかったはずだ。しかし、それ故にその予感は妙な確実性をもって黒崎の心に蟠る。それはここ数年、彼が忘れていた感情。幼い頃、ふと深夜に目覚めたとき、闇に閉ざされた廊下を一人でトイレへ向うときの恐怖に似ていた。
 恐怖を振り払うべく、黒埼は窓から眼をそむけた。時計の針を見つめるがその動きは何時に増して、遅い。ふと、彼は上方から発せられる僅かな物音に気付いた。どんどんと床を叩くような音。それは上階から響く、誰かの足音のようにも聞こえた。それは少しずつ、しかし確実に大きくなっている。
 上に教室があるのなら何の不思議も無い、ただの足音だ。だが、ここは最上階である。おまけにこの校舎には屋上に上がる階段は無い。上には誰も居るはずはないのだ。
音は数秒後には天井を蹴るような、バスケットボールでもやっているような騒音へと姿を変えていた。更に数人の生徒が気付き、上を見上げ始めた頃には、音は最高潮に達した。教室にざわめきが満ちた。教師すらもそれを静止せずに上を見上げる。最早足音から、誰かが和太鼓でも叩いているかのように肥大化していた音は、視線を察知したかのように唐突に途切れた。
 暫時、教室が不穏な沈黙に包まれた。黒崎は立花が、不安げなこちらを見つめている事に気付いた。いや、立花だけではない。教室内の全ての人間が、事前に打ち合わせたかのように、無言で互いの顔を見合わせていた。まるで誰かが怪音についての合理的な説明をするのを待って、けん制しあっているように思えた。
 巨大な揺れが校舎を揺らしたのはその直後だ。

18641830:2007/01/23(火) 23:18:16
辛口なあ……

どっかで見たことある文体だな。
これ書く前に、なんかこれっぽい小説読んでないか?
内容はとくにおかしいことはないし、とくに目立つものはないが。

若いときって一度はこういうのやりたくなるんだよね。
「無かった」とか「相変わらず」とか「居る」とか「何故か」とか「御免」とか。
こういうの、作者補正の色眼鏡なかったら読みにくいだけだから。

まあ、上のやつらとかをひらがなにひらいてちょっとリズム整えたら
ラノベ読者にも普通に読める文体になるんじゃない?
根本的にラブクラフト翻訳文的難解熟語とか古語とか使ってないし。

気になったのは、
>巨大な揺れが校舎を揺らしたのはその直後だ。
これは
>巨大な揺れが校舎を襲ったのはその直後だ。
じゃなかろうか。
これくらいだな。

1865イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/23(火) 23:19:03
しまった名前残ってた……ウカツ

1866イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/23(火) 23:19:26
自分も割と似たような文体なので思うが、ちと堅すぎるような。独白っぽい部分が高校生と思えないよ。
堅い文体の上に、読み進んだときのリズムもちとごつごつしているので余計にそう感じるのかも。
とりあえずホラーなのかな?緊迫感を狙っているのならいいのかもしれない。

1867イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/23(火) 23:28:49
ムダに言葉を重ねすぎ。文庫体裁で4ページも使っているが、その割にちっとも話が進んでない。
つかみとしては弱すぎる。つか、半分ぐらいで続き読む気無くす。
この手の文体でいくなら、最初にガツンと事件でひっぱたかないとだれる。
読み手が何に注目すればよいのか理解しづらい。

1868イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/23(火) 23:31:08
>>1863
最初の一行目で物語が始まってないので読む気が起きない。
やるなら最後の一行を一番最初に持ってこないと。

1869イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/23(火) 23:36:02
>>1864
今まで一人称で書いてたんで、手元のスティーブン・キング系を参考にしたのが裏目に出たか…
あとPC変換に頼りすぎたのも痛い・・・

>>1866
ホラーです。
ただ、緊迫感を狙って堅くしたと言うよりは自分の悪癖が出ただけですな。
>独白っぽい部分が高校生と思えないよ
一年前まで高校生やってたんですけどね…もうちょっと軽くしたほうがいいか。

1870イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/23(火) 23:44:36
>>1867-1868
この前に序章を入れるか否か迷ってたのですが、入れたほうがよさそうですね…
無駄な文が多すぎるという意見には反論できません。精進します。

1871イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/23(火) 23:47:14
このままではラノベの賞は難しいのではないか。
一般でも無理だろうけど。

ラノベホラーの冒頭セオリーとしては、
どっかの誰かが襲われたりするショッキングシーン→主人公の平穏な日常→
主人公襲われる→主人公の日常
軽いラブコメタッチで始まる→不吉な予兆→

このへんがよくあるパターンだな。

キングはラノベのテキストにはむいてない。長すぎる。


まあ、あんまり難しいこと考えずに書いてみたら。

1872イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/24(水) 00:10:32
>>1871
受かる見込みが無いのは処女作だし、仕方ないっすよね…
だからって放置するのも目覚めが悪いんで修正しながら完成はさせますよ。

1873イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/24(水) 00:23:50
べつに処女作だから受からないといっているわけではない。
このタイプの文体でラノベ賞受賞した作品がおれの記憶にないだけだ。

1874イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/24(水) 00:33:49
>>1873
ウホッ、いい辛口…

とりあえず市場調査をやり直してきますわ…

1875イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/24(水) 00:42:07
 何だか賛否両論あるけれど、この文体ならば一般向きだという点では一致してるようだね。
漢字を開いたり、もう少し推敲して文を整えれば、一般小説の方でいけるんじゃないかな?
無理にラノベを嗜好して作品をいじらない方が良いと思うけれど。

1876イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/24(水) 01:02:59
無力な人間が怪異の前に右往左往するのがキング系ホラーだから、
ヒーローとかキャラ立ちが要求されるラノベとは相性悪いんだよな。

1877イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/24(水) 01:12:22
>>1863
描写が細かすぎる。この一言に尽きる。
緻密さは、あなたの文体の個性的な長所ではあるとは思うが、冒頭でこれではまずい。
冗長な情景描写が、読者が物語に入る事の妨げになってしまっている。

私見だが、文章は非常に上手だと思う。
ただ、ラノベに向きとはお世辞にも言えない。
その年齢で、これだけ書けるなら、普段の読書はラノベではないであろう。
自分の文体が活かせる、普段良く読む小説と同じカテゴリーの賞を狙った方が良いのでは?

そうすれば、俺のライバルがひとり減るし。

1878イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/24(水) 01:18:26
>>1875
個人的にはラノベの大らかさが好きなんですよね。
日本の一般ホラーはサイコサスペンスばかりで好きになれないし。
どうすりゃいいんだ。

>>1876
俺の方向性自体がラノベに向いてないって事か…

1879イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/24(水) 01:23:29
雑音はあんまり気にせずにどんどん書いちゃうのがいいよ。

語ってる俺らだってどうせみんなド素人なんだし。

だいたいこの中に19歳でそんだけ書けるヤツが何人いるやら。
オレは無理だった。

1880イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/24(水) 01:24:11
>>1878
つメフィスト賞

1881イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/24(水) 01:24:35
>>1868
その評価はちょっと変じゃね?

1882イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/24(水) 01:29:41
>>1873
「狼と香辛料」は?
情景描写にかなーりの文をさいているけども。

1883イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/24(水) 01:57:05
狼と香辛料の舞台は読者にとって馴染みがない。だからこそ、情景描写が生きてくる。
つまり、未知の風景は見ているだけでもそこそこ楽しめる。
が、どこにでも転がってるような日常風景を延々ダラダラと描写されてもちと困る。

世界の車窓からと山手線一周ビデオ撮影をどうじにホイと差し出されて、山の手一周を食い入るように鑑賞するのは難しかろう。

1884イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/24(水) 02:10:17
描写が細かすぎるか。逆は想定してたのに思わぬ答えだなぁ…
例えば一段落目はどの程度にまとめられるでしょうか?

1885イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/24(水) 04:34:49
個人的にまとめるとするならば、

 雨が降っていた。教室と外を隔てる窓に、幾筋もの小さな川が出来ている。

だな。

1886イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/24(水) 10:56:32
>>1883
小説における情景描写っていうのは作者のイメージに近いものを
読者にも持ってもらうためのもので、読者が知識として知ってるか知らないかで
あったら困るとかいうものじゃないと思うけど。

その山手線にしたってそう。東京在住の人には見慣れた風景かもしれんが、
地方に住んでいる人にとっては珍しいものだよね。

1887イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/24(水) 11:08:07
いわば世界の車窓からはハイファンタジー、山手線の車窓からはローファンタジーだな。

1888イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/24(水) 15:14:23
山手線の風景は見慣れてはいないが東京の街並みという点で珍しいというほどでもないなぁ。テレビで見かける風景として頭に浮かぶから。
とはいえ例えとしてはそんな感じだろうね。

個人的に>>1863を読んでわかったのは、
「12月の午後、どんよりした空の雨の降る退屈な授業中、外を眺めていたら変な音が聞こえてきてクラス内がざわついている」
というだけ。
友人の性質の片鱗と主人公の性格的な部分、勉強への熱意の薄さとかもあるけど、読んでいて興味を引かれるというものでもなかった。
本にして最初の1ページ目でこれだけの情報を得られるならいいかもしれないけど、ページめくっても物語が動かないのはちょっとダルいかなという印象だった。
友人については物語が動き出して会話などで接触した時にでも描写すればいいんじゃないかな。

文章そのものは上手だと思ったよ。漢字をもう少し減らせば読みやすくもなるし。

1889イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/25(木) 15:29:16
冒頭の部分なのですが、おおまかな世界観などはこれで伝わりますか・・・?
動きのあるシーンで始めたかったもので・・・。
他にも気づいた点ありましたらご教授願いたいです。


駆け抜けた。
雨田重工製自立式自動警備ロボットPOR-669“ポーラス”のボディを、一筋の赤光が。
その光は、中央部の装甲の隙間から内部に侵入。そのまま鋼の心臓を貫いた。
「ギ――グご――」
無様な音を出しながら、ポーラスは幾度か弱弱しく火花を散らす。
機能停止の証だった。
その火花が、一人の男を照らし出す。背が高い、初老の男。
短く刈り揃えられた口髭と白髪混じりの短髪は男の精悍さを引き立てている。
漆黒のボディスーツとスペクトラアーマーに身を包み、体つきは非常に筋肉質。
腰の後ろには横一文字に長いナイフが装着されていた。
真っ直ぐ突き出された右腕が、鉄の体から引き抜かれる。
赤い光を伴って、腕は再び外気に触れた。
忍術外部入力用手甲型デバイス“十六夜”の中枢宝玉が発していた赤い光が、消える。
廊下は再び、静寂と闇に包まれた。
畜生。
男――如月重蔵は心の中で呟く。
いくら本調子で無いとはいえ、この程度のガードロボに補足されるとは、通常では考えられない。
他に連絡される前に処理できたからいいものの、判断が遅れれば脱出するしかなくなる。
一度そうやって警戒されれば、再びこうして忍び込めるようになるまでどれぐらい時間がかかるのか、想像したくもなかった。
こういう日はさっさと仕事を終わらすに限る。
余計なことは考えずに、だ。
「くかか……」
はっ、とナイフを引き抜きながら背後を振り返る。
そこに立っていたのは、異形の人間であった。
「やっぱりぃ……お前ぇかぁ……如月ぃ重蔵ぉ……」
重蔵とよく似たボディスーツを着た、痩せ細り、ひょろりとした男であった。
背丈は重蔵と変わらないぐらいだが、手足が異常なほど長い。
特に、左の腕は地につきそうな程である。どうやら義手であるらしかった。
闇に蠢くそのアンバランスなシルエットは不気味という他ない。
「……手の長さの違う知り合いなどいないが」
「そうつれねえ事言うんじゃねぇよぉ……」
「……俺がお前ならば、相手に自分の存在を悟られる前に背後を取る」
重蔵は話しながらナイフを構え、腰を落とす。
いつ何がおきても対応できるようにするために。
「自ら相手に存在を明かすなどという馬鹿な真似はしない」
「言ってくれるぜぇぇえ……」
痩せた男も同じく腰を落として構えた。
長い左腕はだらりと力なく垂れ下がったままだ。
「まぁあ……いい……お互いちゃんとお仕事をしようぜぇ……」
二人の間の空気が一気に張り詰めていく。
「死ぃねやぁッ!」
男の叫びと同時に重蔵の体が、弾丸になり直進した。
男の右手も凄まじいスピードで動く。
瞬時に“印”を結び、手に埋め込まれた宝玉が緑の光を放つ。
「きぃぃぃぁあああああああああ――!」
長い左腕がさらに長さを増し、飢えた大蛇のように一直線に重蔵を迎え撃った。

1890イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/25(木) 16:02:21
>>1889
>冒頭の部分なのですが、おおまかな世界観などはこれで伝わりますか・・・?

時代背景は現代〜近未来で忍者っぽいのが2人出てくる以外はさっぱり。

冒頭から動きを出したいってのはわかるけど、俺には動きを出しすぎて読者置き去りに
なってる感じがするなあ。
あとガードロボットっぽいのについてる名称や〜重工製云々の説明は
まったくいらないように思いました。

1891イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/25(木) 17:03:03
>>1889
判っていてわざとなら構わないが文章の最初とカギ括弧の後の文章は一マス空けて。
これで言ったら

 駆け抜けた。
雨田重工製自立式自動警備ロボットPOR-669“ポーラス”のボディを、一筋の赤光が。
その光は、中央部の装甲の隙間から内部に侵入。そのまま鋼の心臓を貫いた。
「ギ――グご――」
 無様な音を出しながら、ポーラスは幾度か弱弱しく火花を散らす。
〜以下略〜

こういう感じで。
あと捕らえられるという意味なら補足じゃなくて捕捉。補足は補足説明など足りないものを補うという意味で使う。

これは好みの問題かもしれないが、「ギ――グご――」も文章で表現したほうがいいと思った。
シリアスな文章なのになんか間抜け。狙ったならそのままで。

ちなみに世界観に関する感想は>>1890と一緒。

1892イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/25(木) 17:25:45
>>1889
>冒頭の部分なのですが、おおまかな世界観などはこれで伝わりますか・・・?

近未来っぽいことは何となく想像できるぐらいか。

それよりも、未知の固有名詞の俺設定情報が多すぎてついていけない事が問題だ。
逆に、ロボットに心臓とか読み進めるのにひっかかるところを説明せずにスルーしている。

1893イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/25(木) 17:32:37

見つかったらどうなるかわからないから緊迫感がない。

18941889:2007/01/25(木) 18:04:24
うお、レス早!

>>1890
やはりあまりに描写や説明を省きすぎるのもまずいですね・・・

>あとガードロボットっぽいのについてる名称や〜重工製云々の説明は
>まったくいらないように思いました。

これは本当にその通りですね・・・ありがとうございます。

>>1891
初歩的な指摘痛み入ります。

>補足じゃなくて捕捉

すいません・・・普通に誤変換ですorz
「」の部分は考えてみます。うまく表現できれば文章のほうがよさそうです

>>1892
>それよりも、未知の固有名詞の俺設定情報が多すぎてついていけない事が問題だ。
>逆に、ロボットに心臓とか読み進めるのにひっかかるところを説明せずにスルーしている。

やはり軽い説明を入れないとわけがわからなくなってしまいますね
なんとかリズムを崩さずに入れたいですね・・・

>>1893
仰るとおりです


全体的には説明と描写をもう少し増やしたほうがいいのかなと感じました
指摘・ご意見ありがとうございます。
世界観はとりあえず現時点で伝えたい部分は伝わってる・・・と思いたいorz

1895イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/25(木) 21:09:01
>>1891
>判っていてわざとなら構わないが文章の最初とカギ括弧の後の文章は一マス空けて。

ちなみに横書きの場合はあけなくてもOKよ。

1896イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/25(木) 21:33:35
後ろに義手の男が現われる部分だが「くかか・・・」だけでは混乱してしまう。
誤植かと思ったくらいだ。笑い声である事を示す一文を入れたほうがいい。

1897イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/26(金) 07:39:01
>>1889
個人的には「駆け抜けた」の時点で減点だな。十点中三点くらい。
逆に「重工云々」の部分は単なる記号で、同時に「ああ、近未来アイテムだな」程度なので問題なし。
どちらかといえば警備ロボットの通称を「ポーラス」とでもした方が面白いけど。
あとポーラスがどういう形状してっか分からないから「中央の装甲」とか言われても浮かばない。
それと「火花が散ると機能停止」ってのもよく分からない。火花が散ってるって事は駆動してる証拠だろ。
目ん玉に灯ってた光が消えたとか、全身の力が抜けたとか、バネが飛び出たとかならまだしも。
なんたらスーツとか宝玉とかも問題だな。オリジナルアイテムなら見た目の描写から始めるべき。
男が出てくるのも唐突すぎる。なんの状況説明も描写もないから「ああ、文字の向こうでなんかやってんなぁ」としか思えない。

ところでこの冒頭って途中だよね? それともこれで終わり?
途中までならまあこれから推敲のしようはいくらでもあるからいいけど、
これでまるまる冒頭(プロローグ?)っていうんだったら問題がありすぎる。
廊下にいたロボットをチョップで壊し、後ろから忍び寄ってびっくりさせてきたキモいお友達とナイフでケンカ。
この何処に描写したかった所があるのか俺にはよく分からない。
物語で重要な位置を占めるとも思えないし、簡単に言えばその先を読みたくならない。
長編で送られてきたらパラパラっと読み飛ばしてだいたい真ん中辺り見て、引っかかるものがなかったら即ボツにするタイプ。

1898イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/26(金) 09:29:32
読ませてもらったから、感想を書いておく。

なんか、最初からつっかかる感じだな。印象づけたい気持ちはくみ取れるんだけど
>>1897と同じく減点。「何がどうした」っていうのを明確に書ききった方がいいぞ。
「なんたら重工」って書くと、いかにも近未来メカチックなお話に行けると思うけど、
それもチープ。もぎとった腕から火花が散っているのを見て、メカと戦っていたんだなと
思わせる方がいいかも。その腕のナンバリングで、なんたら重工製というのが分かればいい
くらいの設定の方がいいかな。物語に噛んでくる企業ならな。
あと、ナイフをもてあそんでいる奴が「ヒッヒッヒィ」と気色悪く笑うのは、もうこれ馬鹿一じゃない?

構成が悪いのと、やっぱり絵柄が脳内補完されてるところ。そこが気になる。
アクションをどう見せるかと、説明をしすぎないようにしたら?
ロボットがきしむ音を「ギ――グご――」 変な奴が笑うと「くかか……」
かなり安っぽい文章になるよ。今の感じだと、同じようなダラダラが最後まで続いちゃう気がする。
新人賞に応募するならがんばれ。もう一回推敲してから人に読んでもらいな。

18991/3:2007/01/27(土) 16:51:35
// アクション皆無の雰囲気先行もの。実験中

 指定された店の指定された席には、事前に聞いたとおりの格好で一人の男が座っていた。

 大正時代のカフェを模した店内は、四人掛けの丸テーブルがいくつかとカウンター席があるのみで、その男と文士気取りの数人の若者のほかに客はなく、ゆっくりと流れるジャズが若者たちの話し声と重なりあっていた。
 カウンターには火のついていない紙巻を咥えた店員が一人と、まるい盆をもった和装にエプロン姿の女給が一人いるだけで、どうやらそれだけで店を切り盛りしているようだった。カウンターの後ろにはコルクの掲示板がかけてあり、古いポートレートが鱗のように重なりあって張られていた。
 いらっしゃいませと笑いかけてくる女給に笑みを返し、クロウは咥え煙草の店員に事前に教わったとおり要件を伝えた。
 男は後ろの壁から一枚の写真をはがし、それを持っていくようにと教えてくれた。

 丸テーブルの一つに腰を落ち着けた男は、向かいに座ったクロウにも顔を上げず、新聞を読みふけるポーズを続けていた。熱々のエスプレッソが注がれたデミタスカップに、紙を敷いた小皿の上のビター・チョコレート。ときおり、ちょこんとカップを持ち上げる右手には小指と薬指が欠けていた。
 女給がクロウのためのミルクと砂糖菓子を置くのをまって、クロウは渡された写真を相手に見えるようにテーブルの上に置いて見せた。男がようやく新聞をたたみ、クロウの方へと視線を向けた。口角を上げたアルカイックな笑みを浮かべ、写真を手にとってほほ笑みを強くする。
「どこかで、お会いしたことがあったでしょうか。ええと、ミス……?」
「クロウです。シスター・クロウ。初めてお目にかかります、高井様」
「はじめまして、ミス・クロウ。失礼ですが、ずいぶんとぶしつけな印象を受けますが」
きゅっと、クロウはテーブルの下で手を握る。
「失礼ですが、高井様が我々の出したメールを確認した痕跡が見当たらないもので。失礼、私も高井様とお会いするために費やした日々を思うと、つい礼儀を忘れがちになってしまいます」
 高井が困ったような顔をして写真をくるくると回す。
「いや、すみません。正直に言えば、最近はメールをチェックしていなかった。最近はこの店に入り浸りっきりで、この店は端末の持込を禁じているもので」
失礼します、と言って高井は席を立ってカウンターへと向かう。高井は咥え煙草と少し話すと、預けていた端末を受け取って店の外へと姿を消した。

19002/3:2007/01/27(土) 16:52:12
 クロウはミルクを飲みながら高井を待った。聞くこともなしに若者たちの話を聞いていると、どうやらサンドボックス内で自律進化させたAIを収穫し、商業的に再加工する技術の新手法についてしゃべっているようだった。
 クロウは少し眉をひそめて考えた。サンドボックス――論理的に保護された領域でプログラムを走らせる手法は、時として設計者の想定を超えて破綻することがある。致命的なバグによる被害は致命的なもので、ハードウェアとウェットウェアの境界線が消えつつある現在では、悪夢的な事象すら起こりえることをクロウは身をもって知っていた。
 クロウはテーブルの上の新聞へと視線を移した。新政権の管理官が出来合いの電磁飛翔体加速装置で吹き飛ばされた、最新のテロについての記事が載っていた。

 高井が戻ってくるまでに、クロウは二杯のミルクを片付けていた。どうやら高井はクロウ以外からのメールも確認していたらしい。ますます印象が悪くなったが、高井は気にした様子も見せずにクロウに対して営業用の顔をして見せた。
「確認しました、ミス・クロウ……ええ、紹介者の方にも確認が取れました。その上で、私の提供するサービスについてどの程度理解していただいているのかを、お伺いしてもよろしいでしょうか」
一瞬、クロウは怒りで我を忘れかけたが、意識して深く呼吸をすると、自分の知っていることを話しはじめた。
「『AI殺しの高井軍曹』」
高井が苦笑いをして頷いた。
「敗戦間際に編成された陸軍部隊に所属していた。敗戦時に破棄された軍のプログラム・デッキを隠匿し、戦後はそのデッキとインプラントでコンピュータビジネスのシーンで独特の存在感を示していた。敗戦時に流出した軍用AIの処置で数件の請負仕事を成功させたことが知られている」
二人の間に置いてある写真には、若き日の高井と思われる姿が写っていた。私物らしいジーンズにフード付きのジャンパー、正規軍の作業帽。正規の軍服の変わりに、PBと書かれた腕章が左腕に巻かれていた。ひどいものでしたよ、と高井が言った。
「私は四年間軍にいて娑婆に出たんだが、予備役登録はしなかったんです。誰かが名簿を持っていて、予備役もそうじゃないものも関係なしに駆り集めた」
こつこつと、写真の腕章の部分を指でつつく。
 PB。憂国旅団。戦争末期に予備役その他を無理やりにかき集めて組織されたいくつかの半民兵部隊の一つ。その手の部隊のほとんどが、映画撮影用のフラッシュをまともに浴びた蛾のように一瞬で燃え尽きる中で、重火器の不足を補うためにゲリラ戦へと走り、それでも補えない戦力不足を覆すために実験的な技術をむやみに投入した鬼子たち。傀儡政権が起った後はテロリストとされ、ほとんどが処刑か投獄の憂き目にあったと聞く。
「まぁ私やこの店の彼のように生き残ったものもいたわけでして。私の場合は牢屋で知っていることを洗いざらい吐き出して刑期を減らした。仲間内では裏切り者で通っています」
高井は軽く言い放ったが、高井と咥え煙草の店員の仲はそれほど険悪には見えなかった。実際のところは、もっと複雑な事情があったのだろう。クロウは確認するような視線を高井へ向けた。
「メールの内容では、私がやるべきは、とあるAIの被害にあった少女の救出……治療? というのでしょうか」
「はい。私の教会を支援してくださるある方のお嬢様が、生まれついての障害の為に脳にインプラントをしていたのですが……詳しくはここでは」
 高井は難しそうな顔をして見せた。
「正直に言えば、私はこの件についてあまり乗り気ではありません」
口を開こうとするクロウを片手で制して、高井は続けた。
「理由を聞いてください。まず、私は人間に直接影響力のあるAIを相手にした経験がないことが一つ。いままでに処理をしたものは、研究室レベルの自己増殖ユニットの制御部や装甲兵員輸送車にたっぷりとチップを詰んだAI車両などでした。脳を増設した人間の、増設部に巣食ったものを相手にした経験はありません。もう一つは、以前と違って今の私はそれほど経済面で危ない橋を渡る必要がないことです」
高井は札入れから名刺を出してクロウへと渡した。
「今の私の肩書きです。北欧のサービス企業の、当地におけるコンテンツ・ビジネスのアドバイザーです。こちらの流行を伝える調査員も兼任しています。MoeとKawaiiは儲かるんです」
 名刺には、企業名と高井のフルネーム、部署とアドレス、メルヘン趣味でありながらひどく生地の少ない服を着た幼い少女の絵が描かれていた。

19013/3:2007/01/27(土) 16:55:52
 クロウが高井との接触が時間の無駄だったと結論付け、とりあえず二三発殴ろうと決めたところで高井は言った。
「ですが」
高井はあのアルカイックな笑みを浮かべていた。
「さらに正直に言えば、私にも紹介者の方への義理と貴方に迷惑をかけてしまった点があります。それに、ええ、メールで写真を見ましたが、くだんのお嬢様も実に儚げで同情を禁じえません。恥ずかしながら、戦争と投獄で縁がなかったためか、私、大の子供好きでして。お嬢様のためにも一度きちんとお話をうかがおうかと思います」
 つまりはロリコンなのね、とクロウは思った。

// ここまで。文章中で独自用語の説明はつけていませんが、
// インプラント;サイボーグっぽい身体埋め込み機器
// サンドボックス:メモリ領域を論理的に隔離して、その範囲内での動きが外に影響しないようにする考え
// シスター・クロウ:ヒスパニック
// あたりは説明を加えておきます。

1902イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/27(土) 17:28:33
大正時代のカフェを「模している」にもかかわらず、「文士気取り」「紙巻」「女給」なんて単語を使うのに違和感。

1903イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/27(土) 18:40:38
で、なんの実験をしているの?

1904イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/27(土) 18:54:03
敬語表現がおかしくて引っかかるな。
「ぶしつけな印象」を与えるために崩しているのか?

> 致命的なバグによる被害は致命的なもので
このトートロジーはギャグですか。

1905イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/27(土) 20:07:41
バグが致命的なのと、被害が致命的なのをかけてるんでそ。
(仕様的にヤバいバグを致命的なバグという)

19061447:2007/01/27(土) 20:41:42
以前に晒した奴の続きなんです。
一回お蔵にしたんですが最近また続きを書き始めました。
どうしても獏さんの影響が出すぎてしまいます。
こういうのってどうにか解消できるものなんでしょうか?
(似ないように考えながら書きまくるしかないのかなとは思っていますが)
批評いただけましたら嬉しいです。


ビニールの張られた長椅子の上にあぐらをかき、目を閉じる。
頭をよぎる大量の雑念をしばらく無視し続けていると、自分の心の形が見えてくる。
黒柄の直槍――。
それが自分の心の形だった。
試合前の精神集中は、それを磨ぐイメージで行う。
徐々に、徐々に、少しづつ、丁寧に、鋭くしてゆく。
そのまま磨ぎ続けていくとその槍に変化が起こる。
ぎらり、ぎらり、と凶暴な光を放ち始めるのだ。
そして、槍は自分に語りかけ始める。
早く突けと。
早く肉を裂かせろと。
早く血を浴びさせろと。
頭に直接訴えてくる。
そういう状況まで集中することができれば、後はそれと同化を図るのだ。
自分は槍だと思い込む。思い込ませる。
脳に、体に、血に、魂に。
そのうち、敵を貫くその為に自分は生まれてきたのだと思うようになる。
試合前には、そこまで持ってゆく。
そしてゆっくりと目を開ける。
肉体が、精神が、心地いい緊張感に包まれている実感がある。
時計を見ると、いい頃合だった。
長椅子から立ち上がり、控え室のドアの前まで歩く。
ノブを回し、外に出ると右に千佳が立っていた。
うっすらと顔が汗が残っていた。走ってきたのだろう。
「邪魔しちゃ……悪いと思って。」
そう言うと畳んだ状態で手に持たれていたタオルを広げ、男の肩にかけた。
「がんばって。」
こくり、と晋作は頷いた。
何か言えば一緒に抜け出るものがある。
精神集中の後に、言葉を交わすわけにはいかないのだ。
それを、千佳もわかっていた。
晋作が、千佳が来たほうと逆の方向へ歩き出す。
厚くも広くもないが、限りなく硬い背を、千佳は見送った。
気安く触れることすら憚られる様な鋭さが、その後姿にはあった。

19071447:2007/01/27(土) 20:44:24
すいません・・・行頭空けとかのルール一切無視してました(;´Д`)
そのへんの突っ込みは控えめにしていただけると幸いです…

1908イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/27(土) 21:58:36
>>1907
で、何を尋ねたいんだ?
夢さんに似てしまうというなら、もっと他の作家の本を読んで見れば良い。
>>1906についての感想というなら、ぶっちゃけ「以前に晒したものの続き〜」とか言われても意味不明。
そもそも前の晒しをどう変更したのかしてないのかさえもわからん。

文体がどうとか文章がどうとかいう以前にだな。
おまいが何を望んでいるのか意味不明。

1909イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/28(日) 03:14:57
>>1899
非常に微妙なところ。
ひっかかる部分は多いが、読めないほどではない。十点満点で六点かな。
「こういう事がしたいんだろうな」というのが分かるんだけど、
読者が求めている情報を提供できてない部分も目立つ。

それに文章の選択も考慮してないのか、読み返さないと分からない部分も多い。
あまりにもモヤモヤしたので言っておくんだが、

「指定された店の指定された席には、事前に聞いたとおりの格好で一人の男が座っていた」

という部分。冒頭一行目だから一番目立つので「あれ、読むのやめようかな」と迷ってしまった。
最初の「指定された」は、わざと繰り返しているのは分かるんだけど視覚的に引っかかる。

「ゆっくりと流れるジャズが若者たちの話し声と重なりあっていた」

というのも個人的には気持ち悪い。「重なり合う」って事は融合するって事だから、
イメージとしては若者達の喋りがジャズのリズムベースになっているか、ジャズが若者達の会話に参加してる事になる。
考えた末の表現かもしれないけど、「重なる」は避けた方が印象がいいと思う。混じる、とか、の中で、とか。

「女給がクロウのためのミルクと砂糖菓子を置くのをまって、クロウは渡された写真を相手に見えるようにテーブルの上に置いて見せた」

これも個人的には気持ちが悪すぎる。「給仕が自分の前に」などにした方が収まりがいい。
この段落は三回もクロウと出てくるので、なんとかまとめて一つにするべき。この辺が一番考慮が足りてないという印象を持つ。

小指と薬指がないくだりは目をひくんだけど、高井がどんな印象の声をしているのかが知りたい。
勝手に想像する事は出来るんだけど、高井のセリフを読む間じゅう、不確定だからずっと頭の端に引っかかる。

それにシスター・クロウが高井の説明をするくだりも、敗戦間際と敗戦時がごっちゃになる。
説明の仕方が文章的に雑で、セリフを全部拾って整理しないと状況が飲み込めない。
もっと分かりやすくなるように入れ替えたりする努力をしたほうがいい。

基本的にはクロウを中心とした一人称付き三人称だから、その面でもっと整理出来る部分はいくつもある。
一つ言えることは、とにかく最後まで読むのに苦痛は感じなかったこと。
根本的な技術力としてはそれなりの物が整ってるようだから、あとは文章力を磨けば宝石が出てくると思う。

>>1906
改行のしすぎと自分酔いの臭いが酷すぎて読むのが苦痛だった。

そう言うと畳んだ状態で手に持たれていたタオルを広げ、男の肩にかけた。
「がんばって。」
こくり、と晋作は頷いた。

の部分で、視点が動きすぎて物凄く混乱した。

「あ、そう。勝手にして」という印象しか持てないし、どういう読者に見せようと思ってるのかも分からない。
もしかしたらスポーツ物好きの人達には物凄く面白そうな印象を与えるのかもしれないけど、
少なくとも俺からは、文章に重さが足りない。という感想しか出ないな。
ぶっちゃけ後のシーンがなくても「このシーン全部いらないだろ」と断言できそうなくらいに軽い。

君の場合は批判を受ける以前の「自分で試行錯誤する段階」で、
それ以上に成長出来ないなら「お前にこの業界は向いてないからあきらめろ」としか言えない。

1910イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/28(日) 11:39:46
>>1906
影響をなくしたいのなら他の人の作品を読むのがいいと思う。

> そう言うと畳んだ状態で手に持たれていたタオルを広げ、男の肩にかけた。
ここから、視点がおかしくなっているので修正が必要。

自分酔いは気にならなかった。緊張状態ならこのくらいはありでしょう。
改行も歯切れを出すためにありだと思う。
が、もし、この場面意外でも改行しまくりなら、ちょっと考えた方がいい。

君の問題点は他の人が指摘しているように、晒すことによって、どうして欲しいかが伝わってこないことだな。

1911イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/28(日) 12:31:12
>>1899
これも何を目的で晒しているかが書いてないな。

文章は下手ではないが、上手でもない。
所々、視点がずれたり、形容詞が重複したり、表現がおかしいところがある。
推敲して直そう。が、もし推敲してこれならば不味い。友人など他人にチェックしてもらう必要があると思う。

描写をがんばっているのは伝わってくるが、ややくどい気がする。
説明台詞や耳慣れない単語が飛び交っていて、読み進めるのに難をきたしているところに、長々と描写を続けられたらたまらない。
読者は、交渉がどう進むかが一番気になっていると思うので、ここは雰囲気よりも物語を先に進めるべきだと思う。

あと、気になった点は、ずいぶん技術がすすんだ世界みたいだが、そんなところでメールチェックを怠る奴がいるのかということ。
それに、インプラントという技術があるぐらいなら、指を治すことぐらいわけないだろう、と思ったことか。

19121899:2007/01/28(日) 21:48:37
どうもです。自分が今回意識して書いたのが、
・十分に視覚化できるだけの背景描写
・わざと断片的に情報を出して、矛盾を少なくできるか
・セリフはわざと少しおかしくする(日常会話は文法が破綻しているほうがらしいとの考え)
・テクノロジック使いまくり
などでした。トートロジーっぽい繰り返しの多さや、
技術レベルと運用の間の差は、単純に自分の手癖です。反省。
フラッシュを浴びた蛾の下り等、わざと違和感を残すような書き方をした部分が
特に指摘を受けない反面、あまり意識しないで書いた地の文が指摘を受ける等、参考になりました。

最初にどのような指摘が欲しいかを明示しなかったのは失敗でした。
すみませんでした。自分としては、
『極端な破綻はないが終始違和感が残る文』を書いたつもりだったので、
いただいた指摘はとても参考になりました。感謝。

1913イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/29(月) 07:38:05
一つ言える事は、そういう「俺しかできないんだぞ」的な事を目指そうとするのは危険だ。
そもそも読者は君らしさなんて求めてないから。小説を書くとき、君が君である必要性はない。

1914イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/04(日) 00:29:28
人生で始めて女の子に告白されて舞い上がってたら
バツゲーム告白だったので泣いてアパート帰ってそのまま眠った。
目覚めたら体が触手になっていた
ついでにその触手の虜になった女の子が横で寝ていた。

女の子によると昨日俺はなんかレベルEクラスの生物兵器に襲われて
頭以外全部食われて体は触手がヒト擬態してぶっちゃけ宿主にされたらしい
体の支配権は俺にあるが生物学的に俺はもうヒトではないのだそうだ
コンビニで言うところの従業員社長の雇われオーナーみたいな感じか。ちょっと気が滅入る。

だから俺はその気になれば頭以外を全部触手にできるらしい。
出来るといわれたらやってみたくなるのが人情だ。
早速やってみたらなんかFFに出て来るモルボルみたいな有様になった。
なんか溶けたキャンディーみたいなネッバネバの分泌物が遠慮会釈なく撒き散らされ、
しかもそのままフトンに染み付いた。ふざけんな触手。掃除する身にもなれ。
壁に染み付いたら敷金返ってこねーだろうが。

急いで人間形態に戻ってみたら、なんか女の子がぽやーっとした目でこっちを見てた
なんだいきなり。尋ねてみると主人に命令を貰った犬みたいな目で答えてくれた。
何でもこの触手は自分の一部を他生物の体内に入れる事で寄生増殖が出来
そして親株の分泌する体液がそのフェロモンになってるそうな。
じゃあご主人様と読んでみろと言ってみたら夢心地で読んでくれた。GJ触手。敷金の件は不問にしてやる

掃除が終わって甘い香りが消えうせたら
女の子は突然キルモードシャナばりの怖い顔になって切りかかってきた
女の子は実は触手を退治にきた戦士なのだそうで
昨日ちょっと取り逃がしてしまいしかも触手(俺)にあろう事か寄生されたのだそうだ
ちょっととり逃したじゃねぇだろ。やばい殺されると思ってまたモルボル化して見たら
またぽえええっとなっとなった。試しに一本足に絡めてみたらそれだけで感涙した
殺そうとしてすいませぇええんとか泣くないい子になりますぅうううとか叫ぶな
どうすんだこれどうしよう。これが世に言うツンデレですか多分違うけど

後一ヶ月で触手は俺の脳味噌まで食い進むらしい。
まあいいやどうせ今後数十年生きててもモテそうもないし人間辞めてこいつと子孫作ろう。
そんで人類滅ぼそう。愛とか恋とかムカつくし。敷金もどうせ返ってこないし。


みんな死ね。死んじまえ。

1915イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/04(日) 00:46:05
二次ドリにでもいってくだしあ

1916イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/04(日) 01:09:46
むしろ釣りだと言ってくだしあ

1917イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/04(日) 17:35:40
>>1914
俺は好きだなぁこういうのw
まぁこれで完結してるから、ショートストーリーという類なんだろうけど。
むしろ長編をずっとこの調子だったら、書き手の方がつらいかもしれん。
同じテンションでずっと続けるにはどれだけの濃い世界観とプロットが必要になるのやら。

1918忘・藤:2007/02/04(日) 20:16:33
ここやラノベ板の本スレで、戦闘シーンについて言及があったので、いま書いている作品の後半部分の一部を晒してみます。
格闘中の「説明」が割りと多目ですので、スピード感はあまりないだろうと自覚してますが、緊迫感と熱さがなんとか伝わればいいな、と思ってます。

あくまで「部分抜き出し」で、キャラ説明が不十分ですので、そこだけ書かせていただきます。

藤原アキラ:身長160センチ以下の小柄な少年。ベースは柔道だけど、元軍人に格闘術を教わった経験あり。
     実は女の子。
山崎 :高校のキックボクシング部部長。長身痩躯で禿頭。アキラが女の子とは当然知らない。

ttp://wannabee.mine.nu/uploader/files/up0375.txt

1919イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/04(日) 21:18:40
>>1918
>蝶番の油が切れてさび付いたドア

必要かこれ? あえて例は出さないけど、もっと分かりやすく縮められるぞ。

>だがそれは……すべて避わされた!

この表現、俺は嫌い。間の取り方が素人(まさに素人だが)じみてる。
経験を積まないとならんだろうけど、もっとスマートな間の取り方がある。


全体的に流し読みだけど、確かに情報を詰め込みすぎでテンションが低いね。
悪くはないけど、もうちょっと綺麗に出来る余地があるから微妙。
ここに晒された中では良い方だと思う。


あと設定いらねぇ……。

1920イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/04(日) 21:29:44
>>1918
ちょっとよけいな説明ゼリフが多いかな。でも嫌いじゃない

改善案
①1:1でスピード感出したい戦闘中
アキラ、アキラ、山崎、山崎ってキャラ名連呼しないほうがいいよ
例 名前を最小限にして、技や思考の流れだけで表現してみたりとか試してみて

②ただ殴りあいじゃダメだと思うんだ
例 最後の「そしてアキラの拳は山崎のあごを正確に打ち抜いた」
ここにこそもっと「どんな」が欲しいと思うんだけど、どうだろう
「どんな」で組長の、バカな男山崎に対する思いを表現できると思うんだけど

重要な交差には表現を濃く、そうでない所はちょっと抜く。メリハリ付けてみて


気になったセンテンス
・蝶番の油が切れてさび付いたドアを後ろ手に締める山崎をにらみ
・十二畳ほどの大きさの部屋が実質上の密室になったことがアキラの胸に不安をよぎらせる

組長の石ころヘッド頭突きと足関節。ネタ分かる人には面白いな

1921イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/04(日) 21:30:53
あ、1920は寸○めね

1922イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/05(月) 01:38:01
>>1918
悪くないと思う。
自覚しているとおりに、スピード感がないのが玉に瑕だとは思うが、おおむね問題ない気がする。
個人的には、三点リーダーとダッシュを使用しすぎだと思うが、好みの問題ともとれるレベルだ。

逆に気になったのが、内容の方。
身長160切るような女の子なら、どんなに重くても体重は50キロくらいだろ。
長身と表記される山崎なら身長180前後だろう。体重は軽くても65キロはあるだろ。
最低でも15キロ差。現実的にはもっと開きがあるだろう。
これだけ差があるのに、やすやすと攻撃を受け止めることはできないだろ。
特に膝蹴りなんか、ガードしても気絶するぞ。
戦い方なんかはリアル志向なのに、こういうとこだけご都合主義だと読者は冷めてしまうと思うのだが。

1923イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/05(月) 20:24:05
スピード感が無いのは、全般的に文章が欲張りすぎなせいだろう。

 >蝶番の油が切れてさび付いたドアを後ろ手に締める山崎をにらみ、アキラは問いかけた。

これなんか描写したいのは、ドアを閉めたこととその時に蝶番が錆びていること。
そしてアキラが問いかけたことの二つに分けられるし、分けるべきではないかな?
或いは思い切って蝶番は削除してしまう方が良い。

 >ドアを後ろ手に締める山崎をにらみ、アキラは問いかけた。

読者に廃屋だと説明したいなら、別に文をもうけた方がシンプルで切れが出るよ。

1924忘・藤:2007/02/05(月) 20:29:27
>>1919-1921
ご批評およびアドバイスありがとうございます。
なお、「○○は××の効果で書いたつもり」「△△はわざとです」みたいな「言い訳」はしないで素直にご意見を受け止めたく思いますので、
個レスは控えさせていただきます。

ご指摘のあった最初の部分は、実は自分でも文章として違和感がありました。
そして、他の部分も最もな御意見ですが、推敲で修正可能のようにも思えますので、
>>1919-1920さんのレスを最終推敲の参考にさせていただこうと思います。
そして>>1922さんの御意見ですが、読んでいてご都合主義に思わせてしまうほど「ハッタリの効かない」私自身の筆力および技量の不足と、
真摯に受け止めさせていただきます。

この作品は、一部とはいえ投稿用にと用意したものですので、今夜中に削除させていただきますね。
mixiのどこかには常時晒していますので、運が良ければ見つかるかもしれません。
そのときには、駄文ですがどうかよろしくお願いいたしますm(_ _)m

1925忘・藤:2007/02/05(月) 20:31:43
>>1923
ありがとうございます。やっぱり複文だとこの場合はおかしいですよね。
参考になりました。ありがとうございましたm(_ _)m

1926本田透 ◆99GaM7IbzU:2007/02/14(水) 15:31:54
すいません。前にぶつ切りの作品投下して申し訳ありませんでした。
今後、気をつけます。
ちょっとラブストーリーらしき物持ってきたので見ていただけないでしょうか?
ちとファンタジーほど遠いですが、ちょっとした
練習を兼ねて書いてみたものです。
自分で読むと序盤〜中盤の肉が少なめな気がします・・・。
他、書き足したらおk見たいな所あったらおねがいします。

1927イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/14(水) 15:34:06
>>1926
いいからとっととうpしろ

1928本田透 ◆99GaM7IbzU:2007/02/14(水) 15:35:16
アレから何年と通っている道。
アレから何年と通っている病院。
アレから何度も通っている病室。

君はあそこから出られないでいる。

病院の二階、312号室。ドアを軽く二回ノックし、ドアを開ける。
彼女は無機質な白い部屋の中央に配置されたベッドの上で座っていた。
まだ明るい午後の日差しが彼女を包んでいる。
その光は、白い病室と彼女を一層白く見せた。
彼女は「皆勤賞だね」と僕を労う。俺はあぁと軽く返し、
お土産に買ってきたジャンクフードを渡す。
彼女は中から鮎菓子を取り出しはいと僕に渡す。
彼女の体を見る。
白い服から覗く白い腕や足は病的なるいそうを起こしているのか、
無駄なものが付いていないように細い。
まるで骨と皮のような気もする。簡単に折れてしまいそうだ。
残念ながら性的欲求のようなものは残念ながらあまり感じられないだろ
う。
顔も顔色が優れない。慢性的な貧血なのだ。
対照的に黒い髪は長く、美しかった。
彼女の病気は慢性骨髄性白血病。
今のところドナーも見つかっていない。
それはそうだ、アレで下半身不随に陥る可能性すらあるのだ。
公共広告機構がCMでドナーが足りませんとやっているが、
アレはアレで酷い。
彼女と俺が同じ血液型だったため僕は前に髄液検査を受けた。
大人でも泣き出す痛さだというが、
彼女はそれ以上の苦痛に常時耐えているのだ。
そして検査の結果を待ったが、芳しくない結果が返ってきた。
なんでも、髄液のHLA型という型が合わないらしい。
血液型のようなものだと医者言っていた。
結局、骨髄移植はできなかったが、代わりといっては何だが輸血をした。
貧血のためらしい。
彼女は「なんか力が出てきた」と一時的だがとても元気に見えた。
心因的なものだろうが。
「いらないの?」彼女の言葉にふと現実に引き戻される。
大丈夫?と声をかけてくる彼女に大丈夫と言って鮎菓子を受け取る。
おいしそうに鮎菓子をほおばる彼女は素直にかわいいと思う。
俺も鮎菓子をほおばる。餅が甘い。
俺が一匹食べた頃には彼女はもう二匹の鮎を平らげていた。
ちょうど限がいいときだったので俺は彼女に提案した。
ドライブに行こう、と。
彼女は喜んで了承してくれた。

駐車場に二人で降り、車の鍵を開け、助手席のドアを開ける。
どうぞお姫様と冗談を飛ばしつつ彼女を室内に招きいれた。
彼女はシートに座るとありがとうと声をかけてくれた。
僕は助手席のドアを閉めた。
そしてサプライズ。車のソフトトップを開ける。
わぁ、と彼女は感嘆の声を上げて喜んでいた。
僕は運転席に乗り込み、青いグリフィスのV8のエンジンに火を点け、
駐車場を後にした。
最後のデートとも知らずに。

1929本田透 ◆99GaM7IbzU:2007/02/14(水) 15:36:36
オープンカーに初めて乗る彼女はとてもはしゃいでいた。
普通の人には若干肌寒いのかもしれないが、
常時微熱のある彼女には気持ちいいのかもしれない。
途中コンビニで飲むものを二人分買い、また走り出した。
彼女がどこに行くのと聞いてきた。僕は答える。
いい物を見せてあげると。

しばらく走って着いたのは小高い山の上だった。
二人で外に出て街を見る。
町の向こうには赤く輝く夕日が見える。
彼女は「綺麗・・・」と呟くと夕日に見入ってしまった。
その内に俺はソフトトップを閉め、
トランクからブルゾンを2着出して閉めた。
彼女にブルゾンを着せる。流石に夜風は体に悪い。
もう夕日が沈んで暗くなり、次は、美しい夜景が姿を見せた。
俺もブルゾンを羽織り、彼女の横に立つ。
すると彼女の俺にもたれて来た。俺は彼女をしっかり支える。
また来ような、と僕は彼女に言い、彼女はうんとうなずいて俺を見上げた。
身長は俺が178㌢あるのに対して、彼女は156㌢程しかない。
俺が若干腰を屈めて、彼女の肩に手を置きキスをした。
二人とも時間が止まって思えた。

しばらく二人で夜景を眺めてからそろそろ帰る事にした。
病院の看護師さんに怒られては堪らないし、
彼女の体にもよくはない。
帰りの車の中で彼女は惚けてぼーっとしていたが、
病院に着いてまた一緒に来ようなとと言うと嬉しそうに頷いてくれた。

病室まで送り届け、お休みと声をかけて帰ろうとしたが、
彼女が「ねぇ・・」と問い掛けてきた。
なんだい?と振り向くと彼女はベッドの前に立って俺に言う。
やらないの、と。
俺は彼女が好きだ。
そりゃあもうやりたいさ。
でも、やったら彼女を壊してしまう。
彼女はそれを承知で言ってくる。
壊れてほしくないと思う俺。
壊れてもかまわないという彼女。
俺は彼女を抱きしめた。
頭を抱えて抱きしめた。
彼女も俺を抱きついてくる。
ただそれだけ。
言う事は必要ではなかった。

俺はまた明日と言って、病室を出て行った。

だが、一晩も経たない内に僕は病室を訪れた。

1930イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/14(水) 16:24:28
>>1928-1929
まず、小説としての評価から。大筋としては可もなく不可もなく、というか
よくある展開なので別に感動も斬新さも感じない。

けど、描写面で
>ただ、残念ながら性的欲求のようなものは残念ながらあまり感じられないだろう。
みたいな部分は不必要だし、見舞いの品にジャンクフードをもっていく、
病人をオープンカーに乗せて連れまわすなんて行動は、少なくともまともな人間がすることじゃない。
あと2階なのに300番台の部屋番号等、細かい粗が目立つな。

で、だ。

君ね、病気の事を書きたいならそれを真剣に調べてから書きなさいよ。
作中の白血病やドナーに関する描写はほとんどでたらめじゃないか。

例えば、骨髄移植のドナーが下半身不随になるって都市伝説な。
こんなのをいまだに信じてる奴がいるとは思わなかった。
これはおそらく骨髄と脊髄の区別がつかない馬鹿のいいだしたことで、
移植用骨髄はほとんどの場合、骨盤から抽出する。
主要な神経網が通っていない骨盤に針さして何で半身不随になりますか。

さらにHLAは「白血球」の型であって、その検査方法は採血。
髄液の型だ、なんて、いったいどこの無免許医師?

作中ではおそらく、彼女の容態が急変して死に至るような描写がなされているけれど
慢性骨髄性白血病ではこういう経過はたどらない。急性期に入っているんだ、とするなら
前述したオープンカーで連れまわし等が犯罪の域に突入だな。

そもそも現在は骨髄移植以外にも、造血幹細胞移植もあるし、放射線治療等の効果向上、
新薬の登場とCMLの治療は劇的に変化している。
白血病だ→不治の病だ=かわいそうなんて図式は、今時、韓国ドラマでもやらんよw

もっと勉強してください。

1931本田透 ◆99GaM7IbzU:2007/02/14(水) 23:19:07
>>1930
根底からのまちがいでしたかっ!?

ありがとうございました。勉強します。

1932イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/15(木) 01:26:04
病気について扱いが難しいのは、「読み手がいるから」なんだけど…
あまりわかってないみたいだなw

1933イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/15(木) 01:26:40
既存作家名騙るなよ……

1934イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/15(木) 04:43:54
りすかファンと同じレベルだよな、




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