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他人が書いた小説の一部を批評するスレ

1317ちょっと長いけど、よろしく 追加:2006/05/04(木) 02:56:39
「フン、大した生命力だな、さすがは人狼だ」
 突然、真理と男、いや人狼以外の第三の人物の声がその場に響いた。真理と人狼
は同時に声がした方向に顔を向けた。
 何時の間に現れたのだろうか、その背の高い人物は、真理のすぐ後ろに立ってい
た。
 真理は、這いつくばって、その人物の足に縋りついた。
「お、お願い!助けてぇ………て、アンタはさっきのマッチョゲイ!?」
「誰がマッチョゲイだ!………て、そう言うお前は、さっきのバカ女か!?」
 真理とその少年は、顔を見合すなり声を上げた。無理もない、つい今先、一悶
着起こした相手とこんな所で顔を合わせる事になろうとは
「だから言わんこっちゃねぇ!、言っただろうが、女がこんな時間に一人歩きする
なってな!」
 少年は、拳を振るわせながら怒鳴るよう言った。
「……アハハ、やっぱり怒ってる?」
 愛想笑いを浮かべながら真理は、首を竦める。
 少年は、無言のまま、座り込んでいた真理の制服の襟首の部分を左手で掴むと、
そのまま持ち上げた。
「うにゃん!」
 真理は、首根っこを摘まれて持ち上がられた子猫のように空中で手足をぷらんぷ
らんとさせた。
 その姿勢のまま少年は、左腕を回して真理を人狼の目から隠すように自分の背後に
下ろした
「八時の方向に……お前から見て左斜め後ろに道があるはずだ、その道を真っ直ぐ
行けば公園を出られる」
 少年は、肩越しに真理を見ながら言った。
「あの……助けてくれるの?」
 真理は少年の顔を見上ながら遠慮がちに言った。この娘にしては珍しく、しおらし
物言いだ。
「男てのは女を守るもんだ、例えそれがどんな性悪女でもな、ホレ、早く行けよ」
 そう言うと少年は、悪ガキのように鼻の頭を指で擦った。
「あ、ありがと!……そんな奴ケッチョンケッチョンのギッタンギッタンにやっつけ
ゃってよ!」
「ヘイヘイ」
 真理が去って行くのを確認してから少年は、人狼の方に顔を向けた。
「よう……ようやく会えたな」
 まるで古い友人に話しかえけるような気安さで少年は人狼に声を掛けた。が、
無論と言うべきか人狼からの返事はない。
 二人は、――と言ってもいいのものか?――7mの距離を置いて対峙していた。
 人狼は、今先から一歩も動いてはいなかった。右腕の傷口からは止めど無く鮮血
が流れ落ちていた異形の顔は、苦痛と憤怒に歪み、剥き出しにした牙の隙間からは
呪詛の言葉にも似た唸り声が漏れていた。そして赤い凶眼から放たれる光には狂気と
殺意を孕んでいた。
 その凶眼を真っ直ぐ正面から見据えながら少年は……笑っていた。
 真理に見せていた悪ガキ然とした表情とは、根本的に違う凄みのある笑みだ。
 その笑みを形容するとすれば、不敵でも、大胆でも、剛毅でもなく、それは”獰猛
な笑み”だった。
「痛いかい?……そりゃ痛いよなぁ、腕が千切れてるだから……だが!テメェに食われた人達の痛
みや苦しみはそんなモンじゃなかったぜ!」
 そこで言葉を一区切りすると、少年は自分の右の拳を左の掌に打ち据えた。
 パン!
「テメェを殺るには、法術も符術も要らん。体術で……俺の拳でぶっとばす!!」

 すみません、長い上に読み難くなってますがよろしくお願いします。




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