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他人が書いた小説の一部を批評するスレ
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それから六年。
月日が経っても二人の仲が変わることはなかった。近所の公園に顔を出せば、自然と子供達が集まってくる。どの顔も笑いで満ち溢れていた。
「こーえーくん、なでしこちゃんばいばーい」
空はオレンジ色に染まる頃、子供達は誰からともなく家路につき始めた。
「うん、また遊ぼうな」
「また明日遊びましょう」
撫子の丁寧語に子供達は首を傾げるが、一瞬後にはもう忘れて、大きく手を振りながら遠くに駆けていく。
「紅英さん、私たちも帰りましょう」
たくさんの足跡だけが残った公園の中を撫子は歩き出そうとするが、紅英は動こうとはしなかった。
数歩の間をおいて、二つの長い影が落ちている。
「どうしました?」
「撫子。この前に話したこと、覚えているか?」
二人は数日前に、桜が咲いたら学校という所に行かなければならないという話をしていた。
「はい、もちろんです」
撫子は学校という所をよく知らなかったが、紅英と一緒という安心感が不安を打ち消していた。
「僕、学校に行けなくなった」
うつむく紅英。撫子はその言葉を飲み込めずに、きょとんとした表情で紅英を見つめた。
「僕は撫子のお母さんの子じゃないから、学校に入れてもらえないことがわかった」
「そ、それって私のこと嫌いになっちゃったからですかぁ?」
紅英と一緒に居られない。突然襲ってきた不安感に、撫子は泣きそうになる。
「そうじゃない。今もこれからもずっと、いっぱいいっぱい大好きだ」
「私も紅英さんのこと大好きです。だからどこにも行っちゃイヤです!」
「大丈夫。もう家には戻れないけど、桜が咲いたり、セミが鳴いたり、紅葉が落ちたり、雪が降ったりした日には会いに行くぞ。約束する」
紅英が右手の小指を立てた。撫子もその意味に気がついて、自分の小指を絡める。
夕空にカラスの鳴き声が溶ける中、二人は指切りをした。
そして紅英は、必ず撫子の元に戻ると心に誓い、親を捜す為に歩き出した。
段々と小さくなっていく紅英の姿を見つめながら、撫子は桜は明日には咲くのだろうかと思った。
公園の桜のつぼみはまだ固い。
こんなのでどうだろう
>>1230
>神楽撫子の丁寧語に、友達の多くは不思議がった
撫子と子供達は初対面なの? 知り合って長ければ気にならないと思うんだけど。
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