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第8回電撃short3

90イラストで騙す予定の名無しさん:2003/05/16(金) 02:31
正直スレ違いかもしれんが、ほかにいい場所を知らない&今廃れてるから利用させてくれ。
第7回のに送ったやつなんだが、いまだになんで落ちたのかわからん。
どこがまずかったのか、言ってくれると嬉しい。



 里美がマンションの三階にある家に着くと、ドアの前に花束が置いてあった。見事な赤いバラだった。
 ――?
 心当たりがない。
 ……疲れのせいで幻覚を見ているんだろうか。
 たしか今日は、鞄を落として困っていたお爺さんを手伝って一緒に探しまわって、その後は駅で体調を崩した女の人の介抱をした。
 損な性格ね、とか人によく言われる。知らない人によくそんなに関われるね、とも。
 でも、人が困っているのを見ると、どうしても助けてしまうのだ。そうしないと、逆に心が疲れてしまいそうな気がして……
 そんなことだから、疲れのせいで幻覚を見ているのかと、里美は思ったのだ。
 しかし、それならこの甘い香りは――?
 手を伸ばしてみる。
 掴んでみる。
 確かな茎の感触。
 ……。
 少し考えてから、里美はおもむろに花束を小脇に抱えた。
 そして、ドアに鍵を差し込もうとする。
「それ、持って入るんですか?」
 不意に、廊下の奥から声がした。奥は照明が切れかかっていて、暗い陰になっている。
 陰から現れたのは茶髪の少年だった。黒目がちの大きな瞳で、こちらを見ている。
「え、ええ」
 戸惑いながら、里美は答えた。
 ――誰だろう、この人……?
 里美はじっと彼のことを観察する。


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