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第8回電撃short3

16難民387の作品その1:2003/05/02(金) 01:55
コメント:ラノベとは違う作法で書いてみた。

桜の木々はこの街に分散して存在しているけど
僕達の卒業式の当日であり、桜の開花予想日のど真ん中の今日は
街中が一本の桜みたいで、校門から見渡す僕の学校は
さすが地域一番の桜の名所と感嘆するしかない風景だった。
ポカンと開けている口に桜の花びらが入ってきた。

窓の外は真っ白な陽光に桜吹雪が眩しいかったけど
この美術室は、卒業式の喧騒から切り離された沈黙と
直射日光を遮断した上質な暗闇を保っていた。
僕は空のイーゼルを前に坐り、そんな美術室の油絵の具の空気を満喫していた。
残像として微かに残る入学式のピュアな気持ちを掘り起こして弄んぶ。
そして次は、初めて美術部に入った時の期待。
色褪せた不安が胸に去来すれば、入試の前日は一日中絵を描いていたことを
気恥ずかしさで身体をよじれば、修学旅行の時のハジケっぷりを思い出した。
まだまだ、このような甘酸っぱい思い出は続くけど、
この回想が、ついさっき終わった卒業式で抱いたわずかな虚無感で終わることだけは判っていた。
校舎は変わらない、季節はただ繰り返すだけ
だけど、僕は変わることに気がついて新鮮な感銘を受けた。


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