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第8回電撃short3

14難民381の作品その2:2003/05/02(金) 01:54
寝室の中で一人になると僕はいつも春の陽気に誘われるように眠りにつく。夢の中の僕は二本の足で歩くことが出来るから。
夢に入ると僕はいつも一面の平野を歩いている。いつも同じ風景。緑色の草花が子犬がえさをもらう時と同じで必死に訴えかけるようにして日光を欲しがっている。
たまたま、その日の僕は平野に座り込んだ。ふと、見下げるとお尻の近くにつくしが生えている。そのつくしは口を持っていて僕に喋りかけてきた。
「君はいつもなにもしようとはしないね」
 僕はつくしが話している事よりもつくしが話した事に驚いた。
「だって、仕方ないじゃないか。なにもしようとしないんじゃない。出来ないんだもの」
 咄嗟にそう言ったのはつくしが僕を見下しているように思えたからだ。
「それは甘えだよ。足が動かなければ何も出来ないなんて本当に思っているの? 足が動かなくても必死で何かをしようとしている人はたくさんいるよ?」
「でも、僕はまだ子供なんだ。だいたい、君だってそこで土に植えられているだけじゃないか」
 僕の声は大きくなっていた。
「僕は違うよ。必死で生きているんだ。土から養分をもらって、太陽から日光を貰っている。君とは違うだろ?」
「何も違わない! 僕だって必死に生きてるし、食物だって食べてる! 何が違うのさ」
「君は、自分で何かしようと思ったことがあるかい? 自分で何かをやり遂げようとして、必死に努力したことは? ないだろう。だからそんな甘えた事が言えるんだ」
「違う!! ――何で君は僕を傷つけようとするの……」
「君を助けたいから言ってるんだ。僕は君の事が好きなんだよ。だから、諦めてほしくない。0%に近くてもいいじゃないか。それでも可能性はあるだろう? 必死に頑張ればきっと君は歩けるよ」
「神様が僕を見捨てたんだ! だから、絶対歩くことなんて出来ない!」
「神様なんていないんだよ。いるとしたらそれは幻想だ。人生は神様が決める物じゃなくて自分がどれだけ必死で努力をするかで決まるんだ」


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