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第8回電撃short3

102真夜中の幽霊:2/3:2003/05/25(日) 02:14
 ロッカーから段ボール箱を引き出し、俊介は手早く中身の検分を始めた。その肩越しに、幽霊がおそるおそる覗き込む。
「なんですか、これ?」
「見ての通りだ。こっちがプラ爆、こいつはGM万能ナイフ……ビンゴ、携帯食料だ!」
「あ、あのー、状況がよく呑み込めないんですが……?」
「なに!?」
「すすす、すいません! も、もし良ければ、そんな物騒なもので何をしようというのか、教えてもらえたら嬉しいかなーって、ただそれだけなんです、ごめんなさい」
「つまりだ、昨日、ウチのクラスがBCVに感染していたのが発覚して、全員、強制処置が取られたのは今朝のeNewsで知っているよな?」
「い、いえ。朝はダメなんです、日光に弱いもんで」
「不健康な奴だな――で、BCV感染者の処置ってのは、結局のところ殺すってことだ。だから俺は看守から銃を奪って逃げ、学校に身を守る物を置いていたのを思い出したんで、それを確かめに――」
 その時、窓からさっとまばゆい探査光が差し込まれ、教室中を明るく照らし出した。とっさに身を伏せた俊介が舌を鳴らす。
「ちっ、嗅ぎつけられたか! おい、幽霊、おまえ、行って偵察してこい!」
「えっ、僕がですか? い、嫌です! 相手もレーザー銃をもっているんでしょ?」
「がたがたぬかすな! おまえは幽霊だ、銃なぞ関係なかろう!」
「そ、そんなこと言ったって、怖いものは怖いんです。それに、だって――」
「うるさい! とっとと行け!」
「は、はいぃっ……」
 幽霊の姿がすっと消える。俊介は窓際に伏せたまま、息を殺し、気配を探る。
 照明は一度当てられたきりで、学校は再び暗闇に包まれた。三分――五分――押し殺したような静寂の中、俊介は汗ばんだ手を拭き、銃を握り直す。
 不意に俊介はあることに気がつき舌打ちした。あの野郎、逃げたな……
 刹那。
 コツッという小さな、だが紛れもない足音。俊介はとっさに銃を戸口に向ける。
 その時――


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