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ショート・ショート

1ぬふあうえ:2003/02/27(木) 19:54 ID:xj6ucTtw
「みなさんで小説をいかがでしょう」スレッドの短編小説バージョンです。

===賭け===
「トイレに行くよ。」Aがそう言って部屋を出た。
Aがトイレのドアを開けると、そこにはナイフを持った男が居た。
「ん・・・あぁ。俺は殺されるか・・・。」と、Aは暗い声で言った。
しかしナイフ男はいきなり自分の首筋を切り、そのまま絶命した。
Aはトイレから戻り、居間にいたBにこう告げた。
「またお前の勝ちだ。」 Aが1万円札を差し出した。
「これで41万の負けだ・・・お前、運が良いな。」
「お前がな。」Bはそう言って一万円札を財布にしまった。
ただ、Aが初めての勝利とともに人生を終えるまでの時間はそう長くなかったが。

52首時計:2003/03/28(金) 05:03 ID:Tw.G03SI
>軽いジョーク

 神様が言った。
「汝がこの沼に落としたのは、金の斧か、銀の斧か、鉄の斧か」
 村人が答えた。
「どれだと思う?」

 その後、村人の姿を見たものは、誰もいなかった。


>恐れていること

「スーパーとかによくある、お菓子や電池を釣り下げるための鉤爪状の金具。もしその真ん前でスッ転んだりして、その金具に目の玉抉られたらって思うと、恐くない?」
「恐い恐い」
「手首を上にして寝てると、何だかそこを、ズパッと剃刀か何かで切られそうで、恐くない?」
「恐い恐い」
「どんなに清廉で純粋で崇高に見える思いでも、どんなに危険で魅力的で狂気じみた思いでも、ふとした現実に抵抗する間もなく叩き潰されてしまうのって、恐くない?」
「恐い恐い」
「酔っぱらったおじさんて、恐くない?」
「恐い恐い」
「じゃあさ、次はこんなの……」
「恐い恐い」


>酔っぱらい

 まだ10歳にも満たない少年が、ふとした折に飲酒した。
 その酒は真っ黒な背景に、毒々しいが魅力的な紅をあしらったラベルを張付けていた。
 ラベルにはただ「18歳未満閲覧禁止」の文字だけが印刷されていた。

 10分もすれば、少年はもう充分に酔っぱらっていた。
 免疫力の低い少年の身体にはいよいよ酔いが回り、意識は興奮すると共に朦朧ともし始めた。
 そして少年は、初めて味わうその酒の興奮に、どことなく誇りを覚えていた。

 ボトルの口を鷲掴みにして、混濁する意識を抱えて、部屋のなかをゆらゆらと彷徨ってみる。
 どんな理由からかは分からないが、自分がそんな状態にあるという自覚が、尚のこと少年を誇らしくさせた。
 少年は自ら、より酔っぱらって見えるように自分を演出した。
 これ以上は呑みたくないという小さな拒絶の声を横目で無視して、さらにボトルを呷った。
 
 やがて少年は真っ赤になった顔と、よろよろ凭れる千鳥足を引きずって、居間の奥にあるソファに横たわった。
 目をつぶって瞑想すると、気持ちが悪くてしようがなかったが、同時に何らかの真理を悟ったかのような達成感も、小さな身体のうちで脈打っていた。
 未だ頭のなかに渦巻く奇妙な感覚にとっぷり浸りながら、少年は気取って「うえっ」と…もう酔い過ぎて何もできないと主張する彼の父親のように…咽せ込んでみせた。
 そこまで辿り着いて、ようやく少年は自分を解放した。
 両の腕を自分の額に当てるようにして、少年は安楽の姿勢をとった。
 やがて自分の荒い呼吸が落ち着いていく様子を感じ取り、少年はふっと風船を手放すように意識を混濁に放り出した。

 すぐさま少年は眠りに落ち、世界は暗転した。


 再び気がついた時には、少年の目の前に、嵐のように猛り狂う母親の顔と、険しくも見えるが笑っているようにも見える父親の顔。

 さんざん母親に叱られてみると、先程までの誇らしげな気持ちなど、まるで踏みつぶされた雑草のようにしおれてしまった。
 少年はどうしようもないまま「もうしません」と誓わされると、熱っぽい頭を押して、寝室へと向かわされる。
 さっきまでの自信に満ちていた自分は何だったのだろう、何処かに消えてしまったのだろうか。そう思うと、少年は寂しかった。


 混乱したまま扉を開けて、居間を出る間際。
 母親の非難をかいくぐって、少年の父親がひっそりと呟いた。「もう少し大人になったらね」。

53はいどーもー:2003/03/30(日) 01:15 ID:U9h2azvY
首時計さんの話、どれもいーなぁー。
こんなん好きです

54さつき:2003/03/31(月) 02:32 ID:aNTndCL2
                −胡蝶の夢−
その鉢植えが贈られてきたのは、昼過ぎだった。
白の中に微かに淡い緑の混じった花。名前は知らなかった。
送り主は・・・大学の友達だった人だ。
友達ではあったが親友と呼べるほどでもなかったのだが・・・。
『ほのかな芳香をお楽しみ下さい』とのみ書かれている。
確かにその花からは甘い、良い香りがした。
私は早速鉢植えをソファの横に置いた。これだけで部屋の印象が
がらりと変わるのだから不思議だ。私はソファに寝転がった。

私はゆっくりと舞うように空を飛んでいた。向こうに柔らかな黄色の花が見える。きっと美味しい蜜を持っている事だろう・・・。
とてもお腹が空いていた。急いであちらに行きたい、と思った。
と、何かにぶつかった。何だかべたべたしている。
上の方でずる、と何かが動いた。まさか・・・。
かちかちと音がする。体は上手く動いてくれない。逃げられない。
顔のすぐ近くに息が感じられた。直後、頭部にひどい痛み・・・。
私は海を泳いでいた。たくさんの仲間達と一緒に、海藻の間を通り抜けて。
今は浅い所にいるが、今からもう少し深い所へ戻るのだ。
砂の段差を通ったその時、下から何かが飛び出してきた。
それが何かを確かめる間もなく、腹部に衝撃が走った。
私は草原にいた。すぐに何かに潰された。私は水辺にいた。後ろから何かに飲み込まれた。私は梢にいた。何かが首筋に食い込んだ。私はアスファルトの上にいた。何か速い物にはねられた。
私はどこかの庭先にいた。何か白い粉に埋め尽くされた。私は研究所にいた。何か薬を投与された。私は道を歩いていた。何かが腹部を抉った。私は戦場にいた。足下の何かに吹っ飛ばされた。
私は家の中にいた。私は、私は、わたし・・・。

病院の一室に一人の女性が眠っていた。
揮発性の猛毒を塗った花を使った大量殺人のたった一人の生存者だった。彼女はそれから五十八年後、一度も夢から覚める事なく永遠の眠りについた。

55首時計</b><font color=#FF0000>(0MB3jlw2)</font><b>:2003/03/31(月) 02:53 ID:Tw.G03SI
>遺書

「あたしさ〜、今まで自分が死ぬってこと考えたことないんだよね」
「…はぁ?」
「なんて言うのかさ思い付かないって言うか、自分だけは死なない、みたいに考えてるってこと」
「…ああー。あるある、あたしもそうだった」
「そうだった、って何で過去形よ?」
「今はちょっと、もしかしたら自分も死ぬのかな〜、って思ってるもん」
「えぇ、何で?」
「前さーちょっと眠れなかった夜にさ? もし自分がいきなりガンですって言われたらどうしようって、よく分かんないけど考えたのね」
「へー」
「で、自分はそん時どんな風に思うんだろうとかー病院で暮らしてるときどうしてるんだろとか、お母さんたちどうするんだろうとか、死んじゃったらどうするんだろうとかー色々想像したん」
「ふんふん」
「で、そんなことず〜っと考えてたら、ふと遺書を書いてみようって思い付いた」
「遺書〜?」
「そうそう。で、はじめは頭のなかで考えてたんだけど、だんだん訳分かんなくなってきたからノートに書いたんだよ」
「マジで?」
「もうマジ。真剣だもん。お父さんやお母さんや彼氏あてに色々書いたんだけど、それ見て皆泣くのかなーとか笑うのかなーとか思ってしばらく想像してたら、なんか、いきなり、あー自分も死ぬかもしんないんだなー、って寂しくなった」
「うっわー」
「いまこうやってられんのも、やっぱ健康一番だよなーとかね」
「それ話関係なくないか?」
「それでまあ、とりあえず、最近はそんなふうに考えてるってこと」
「へー」
「で、あんたどうすんの。やってみるとか?」
「ううん。だって遺書とかなんか面倒そうだもん」
「あーやっぱねー!」
「あははははっ」
「あははははっじゃねーよおまえー!」


首時計さんの話、撃沈。わーいゲバッ。

56ゼファー:2003/03/31(月) 11:30 ID:zHWQQ4KE
「バラバラ」

雨露真次は、最近市内で多発していた連続幼児バラバラ殺人事件の最重要参考人として、署内に連行された。それが昨日の夜十一時三十五分、雨露真次が就寝しようとする三十分まえの出来事だった。

狭い取調室。雨露真次と対座するのは、深い皺をかおに刻み込んだ年配の刑事だった。

「雨露真次。お前は十年前、別れ話を切り出してきた恋人・伊東和子を衝動的に殺してしまった罪で六年間、都立刑務所に服役していたな。そのとき採取した指紋と、三日前に狭間山で発見された工藤春菜八歳の遺体に付着していた指紋とが一致した。これがどういうことかわかるか雨露」

雨露真次は黙ったまま。

「雨露真次。少なくともお前は工藤春菜を殺した犯人だな」

「げひょひょひょひょ。違いますよ刑事さん。犯人はバラバラになった、という事実そのものだ。バラバラが僕を犯人に仕立てようとしているのさ。僕だけが今回の事件は、バラバラの仕業と分かっているからね」

年配の刑事の顔がひどくゆがんだ。扉の前で腕を組んでこちらを見ていた制服警官は侮蔑の目で雨露真次を眺めた。

「げひょひょひょ。刑事さん。あなたにもすぐにわかりますよ。バラバラとは一体なんなのか。・・・あ、そろそろだ」

「な、なにがだ」

「バ、バラバラがくる!バラバラがやってくるぞぉぉ!刑事さんの元に!げひょひょひょひょ!」

雨露真次は突然狂ったように叫びだした。

「おい!」

年配の刑事は制服警官に、雨露真次を取り押さえるように命じた。

「雨露真次!どうしたというのだ!雨露真次!」

「刑事さん!早く逃げてください!バラバラの狙いはあなただ!早く逃げないとバラバラに殺されてしまう!」

ぴきいん。

部屋に、甲高い金切り音が轟く。

「なんだ!」

年配の刑事は狼狽する。一体なにが始まろうとしているのか皆目検討さえつかない様子だ。取調室の蛍光灯がチカチカと点滅しだし、金切り音はいっそう高まる。

「う、うおおおおおおおお」

そして年配の刑事はみた。信じられない光景が眼前で展開されていた。

「たすけあぎゃああああああああああ」

制服警官の身体のあちこちに亀裂が走ったかと思うと、音をたてて、制服警官の身体がバラバラになりはじめたのだ。腕が飛び、足が飛び、手首が飛び、耳が飛び、真っ二つになった胴体が飛び交う。

制服警官は一瞬でバラバラになった。

「う、雨露真次!これは!一体!どういうことなんだぁああああッ!」

刑事は雨露真次の胸ぐらをひっつかんだ。雨露真次は虚ろな瞳を刑事に向けて、言った。

「無駄だ。バラバラには勝てない。バラバラの殺戮は一度始まったら誰にも止めることはできない。刑事さん。あんたは絶対に殺される」

「ふざけるな!なにがバラバラだ!そんなオカルト俺は信じないぞ!」

年配の刑事はショルダーホルスターから拳銃を取り出し、雨露真次へむける。極度の恐怖で手が震え、銃口が定まらない。

「あ、バラバラがあなたの後ろに」

刑事はゆっくりと、後ろを振り返った。

「おまえがバラバうぎゃあああああ」

刑事の足が、腕が、耳が、手首が、足首が、頭が、真っ二つの胴体が、切断され宙をまった。

雨露真次は思った。

ひょっとすると。

ひょっとするとこの殺戮は止まらないのかも知れない。既に五百六十人の幼女をバラバラにしたバラバラは、このまま人類を絶滅させるまでバラバラ殺人を続けるのかも知れない。

内臓やら腕やら何やらが飛散した取調室。金切り音はいつのまにかやんでいた。そして、廊下から、悲鳴が轟いた。

57ゼファー:2003/03/31(月) 11:35 ID:zHWQQ4KE
「マイホームからの出発」

さて、ここは私の家である。もうここに住み始めて九ヶ月と数週間ほどになる。私の腹に繋がれた気味の悪い管から、出発の日が近いとの通達が送られてきたのが一週間前になるか。

ふむ。

これはこれは、早く準備をしないといけない。何しろ私は出発の準備が何も整っていないのだ。私は血液を全身に送り出すための心臓も持っていなければ、呼吸するために絶対に不可欠な肺も持っていなければ、外の世界を眺めるために必要な眼球も持っていなければ、栄養を摂取するため食物を食べなければいけない口、それに伴う消化機能を果たす胃や大腸も持っていない。ややあ、肛門もないではないか。

ふむ。

急がねば。とりあえず、陽気な仕立て人を呼ぶことにする。彼に出発に必要な準備を整えてもらおう。その際、報酬を支払うことを忘れないように。

ふむ。

「お呼びですかな、タケル様」

彼が陽気な仕立て人だ。年齢は五十代の半ばほど。いや、ひょっとするとまだ若いのかも知れないし、百歳を超す爺なのかも。いやいや、そんなことはどうでもよいし、陽気な仕立て人がどんな人間かは私には絶対にわからないことなのだ。なにせ私は眼球を持っていないのだから。

「そろそろ出発する日なんでね。それに必要なものを取り寄せてもらおうかと思って」

「ははあ。もう出発の日が。タケル様も大きくなりましたなあ。この陽気な仕立て人、うれしゅうて涙がちょちょきれます」

「いいからいいから早く準備をしてくれないかな。もう私には時間がないのだ」

陽気な仕立て人は感受性が豊かだ。私のちょっとした言葉にも直ぐさまに感動し号泣してしまう。お陰でいつもちょっとした世間話するつもりが、陽気な仕立て人の鳴き声を聞かなくてはいけない羽目になる。やれやれ。しかし、それもあと数日で終わってしまうワケか。それはそれで名残惜しいぞ。

「そうでしたねタケル様。この陽気な仕立て人、いつものように泣いてばかりはおられません。何たって、数日後は、タケル様初の晴れ舞台ですから。さてさて、ではまず何から取りかかりましょう」

「うむ。それではまずは心臓からだ。思いっきり活きのいい心臓を貰おうか。いや待て。ただの心臓ではつまらない。黄金に輝く純金製の心臓にしてくれないかね?」

「かしこまりました。心臓は純金製ですね。それではちょいとお待ちを」

陽気な仕立て人は慌ただしくどこかへ駆けていったようだ。私は彼がどこから臓器を持ち出してくるのか知らない。

ふむ。十分ほど経っただろうか。息を切らした陽気な仕立て人は、私の腹部をなにやらいじくり回している。さてさて、どんな出来映えになることやら。

「タケル様。純金製の心臓、装着完了いたしました」

「うむ。さすがは陽気な仕立て人だ。最高級の心臓をありがとう。悪いが、どんどん注文させてもらうよ。何しろ時間がないのでな」

58ゼファー:2003/03/31(月) 11:36 ID:zHWQQ4KE
「結構でございますよ。ささ、どんどん注文なさってください」

それから私は薄いシリコンで出来たデリケートな肺二つと、生物策敵機能とミサイル表示レーダーを搭載した眼球をこれまた二つ、オリハルコン製の歯を贅沢に並べた口、ペーハージャスト一.〇の強烈な胃酸を排出する胃と、伸縮自在な最新製の大腸をオーダーした。これで基本的な装備は完了したが、ええいついでだ、レーザーブレードが飛び出るよう、右腕をチューンアップしてもらおう。いやまだ予算には余裕がある。全身の骨格を鋼鉄製のものに変えてもらい、暴漢対策に膝からナパーム弾を発射可能なよう足をカスタムしてもらおう。いいや、まだだ。まだだ。どんな状況でも決して酔わない三半規管に取り替えて貰おう。飛行機に乗る手間を省くため背中にウィングをつけてもらおう。急激な温度変化でも常に快適な生活を送れるよう、いっそのこと恒温動物ではなく変温動物に全身をとりかえてもらおう。

「ははあ。これはタケル様。随分と奮発なさるのですね」

ふむ。

少し贅沢しすぎだろうか。

「でもしかし、タケル様にはこれくらいが丁度よいかと。溢れるタケル様の気品を際だてるには、それ相応の肉体が必要でございますからね」

さすがだ。陽気な仕立て人は私のことをよくわかっている。

そんなこんなで数日間は慌ただしい時間の中であっと言う間に過ぎていった。そして、今、私はマイホームからの出発の時に立たされている。

「いよいよお別れでございますなタケル様」

眼球を装備した私はまじまじと陽気な仕立て人を眺めることができた。よれよれの礼服をきた陽気な仕立て人は感極まり、溢れる涙をハンカチで拭っている。思えばこの十ヶ月間、彼には迷惑をかけっぱなしだった。彼はその度に私に尽くしてくれた。愚痴の一つも零さず。彼はまさしく、私の家族だった。最高の家族だった。

「陽気な仕立て人よ。長い間迷惑をかけた。・・・ありがとう」

私は陽気な仕立て人の手を差し伸べた。

「タケル様・・・こちらも幸せな十ヶ月でございました。ありがとうございました」

私たちは初めて握手をかわした。

ややあ。

マイホームの扉が、ゆっくりと開き、まばゆい白い光が私や陽気な仕立て人や部屋の内部の鮮やかに照らした。

「さらばだ」

「むこうでのご活躍、祈っております」

私はゆっくりと、白い光の中へと歩みを進めていった。



医師や看護婦、そして脂汗にまみれた二十四歳・山岸由佳子は、腹から這い出した我が子をみて絶叫した。

59spooky:2003/03/31(月) 11:43 ID:RDXe9npM
>56
素晴らしいですね。
この奇妙な味とアイディアが狂気太郎さんチックです。
セーカーを思い出しました。

60spooky:2003/03/31(月) 11:48 ID:RDXe9npM
>58
大笑いしました。
流石はスタンド使いッ!!生まれてくる子もスゴイです。
これならレクイエムスタンド装備のカーズ様にも勝てますね!!
いや、ちょちときついかな?柱の男には勝てそうです。
陽気な仕立て人はスタンドですか?というか胎盤ですね。
ラストのアレが最高でした。
では。

61spooky:2003/03/31(月) 11:49 ID:RDXe9npM
すいませんねナタバレで・・・・・・
あまりにも面白かったもので。

62真里。:2003/03/31(月) 11:50 ID:B1oSNMqU
[不死身のヒーロー]
私は正義のヒーローだ。しかも不死身である。この世の悪は許さない。
今日も悪者がいないか、街をパトロールしている。
「きゃああああ!!誰か助けて」 むむっ、彼方から私の助けを呼ぶ声が! 
「どうしました、お嬢さん!」
「ふふふ、この女は貰ってゆくぞ。我々は悪の秘密結社B・B団だ。」
「そうはさせないぞ、さあ来い悪人共!私が相手だ!」
「邪魔をするのか、おい、お前らやっちまえー!!!」
ボカドカスカバコゴスグシュべチャスパズルブチブチグシャグチュグチュブシュー

「はあ、はあ、だ、大丈夫ですか、お嬢さん。」
「いやああああっ寄らないで!!!こ、この人腕が千切れてお腹に穴が空いて内臓を
 引きずって眼球が潰れて顔面が黒焦げで鼻をもがれて耳を裂かれて首の骨が折れて頭蓋骨が割れて
 頭蓋骨が割れて脳味噌がグシャグシャになってるのにまだ生きてるわ!!!」
「ブチッ……」 何かの糸が切れる音がした。

こうして、不死身のヒーローは不死身の殺人鬼となり、
女の死体を引きずりながら街へと歩き出して行った……。

63真里。:2003/03/31(月) 12:25 ID:REfCdcto
あ、頭蓋骨が割れてが被ってる。アイタタタ…(恥

64あんず:2003/03/31(月) 17:19 ID:DZ3I7xOc
更新したさいに直しておきました。

65MIACIS−α:2003/04/10(木) 19:22 ID:I9/Hl.GI
<空から>
 私は実家へ帰るため、飛行機に乗った。
何度も里帰りしているから、飛行機は慣れている。
たまたま、指定された席が窓側なのをいいことに私は離陸の時ずっと窓を見ていた。
 ああ、今離陸したな・・・まちがどんどん小さくなってゆく・・・。
 家も車も公園もビルも木も人も、みんなちっちゃいなー。
 なんだか、小学生の時学校にあった『私たちの住む町』とかかいた
街の模型を思い出すよ。縮小された街で自分ちもあったりしてさ。
 でも、古くて何か安っぽかったよなー。
 そう、家だってプラスチックのクズみたいのに、ノリと紙でまどつけたり、
ビニールの消しゴムのカスみたいのを植物にしたり・・・触れるとすぐ壊れて
自分で直した事もあったよなー。でも、だれもきずかないんだよなー。
 何か、遠くから見ると住み良いこのまちもあの模型と同じに見えてくるもんだなー。
・・・・・・ってことは、まちから空を見上げてるやつにはこの飛行機も
そんなふうにみえているのか・・・・・・
 突然、飛行機の安全性に疑いを持った瞬間であった。

66spooky:2003/04/10(木) 20:01 ID:x/wxBpcg
>65
なんかいいです。精度の高い独白と鋭いオチがいいですね。

67呉羽:2003/04/10(木) 21:28 ID:X8N0Zw4w
皆さん素晴らしいですね。

『雨』

 雨が、降っていた。凍り付くような冬の雨とは違う。
湿気を帯びて辺りを汗ばませる、夏の夕立である。私は
空を見上げていた。私の居る本屋の軒先は、同じく
雨宿りの人々で溢れていた。
 首が疲れてきたので私は一旦それを止め、周りの人々
を見渡した。誰もが一心に空を見上げている。夕立だから
すぐにでも止むだろうと。しかしそんな思いとは裏腹に
雨脚は強まってくる。暫くすると傘を差した人足さえも
途絶えてしまった。
 私は辺りを見廻した。そしてゆっくりと、シャツの
胸ポケットからボールペンを取り出した。プラスティック製の、
百円均一で一ダース百円だったものの一本である。誰も
私の動きには気付いていない。
「済みません」
 私は隣に立っていたサラリーマン風の男に声をかけこちらを
向いた所で男の頚動脈へボールペンを突き立てた。ガボボと
妙な音を立てて男は血の泡を吹き、その場に崩れ落ちそうになった。
私はすかさず男の脇の下へ手を入れ、平積みされた本の影に死体を
寝かせた。本の白い表紙は血に塗れ、デコラティヴなそれは
帯の一部分しか見えなくなっていた。読める部分には「死の鉄槌を」
とある。
 私は雨宿りの列を振り返った。まだ誰も気付いていない。全ては
雨音に掻き消されたのだ。私は薄く笑った。
 懐に手を入れ、二本目のボールペンを取り出す。

 その後五分で、雨宿りの人々総勢十二人は全てボールペンの餌食
となった。
「うー……む、何かが足りない」
 私は一服して足りないものを考えることにした。背広の内ポケット
から煙草を取り出し、一本咥える。
「ライター……」
 その時、後ろでパタパタとハタキを使う音が聞こえた。調子外れな歌も
聞こえる。
「本屋〜ああ私は〜アルバイト〜」
 私は振り返ったが突然右の眼窩へ突き入れられたハタキの柄が
私の脳まで一気に貫通したためにその店員の姿を見ることは無かった。
「当店は〜ああ禁煙に〜なって〜……ほう、お見事な殺しっぷりですな」
 店員は歌うのを止めて男の眼からハタキを引き抜いた。
「ひいふうみい……おお、あなたで丁度十三人目ですよー」
 ああ好い数だ、と店員は嬉しそうに言ったが、引き抜いたハタキを
見て泣きそうな顔になった。
「ありゃ、折れてしまった」
 店長ー、と言いながら彼は店の奥へ戻って行った。
「またやっちまったのかい。ハタキ代、バイト代から引いておくからな」
 店主はそちらを見もせずに、冷たく言った。
「はあ」
 男は礼服の上から着けていたエプロンをカウンターの上に置いた。
「うえーん」
 彼は折れたハタキを持ったまま夕立の店外へ飛び出していった。

 雨は一時間ほど降ってから止んだ。夜のニュースではオフィス街へ
乱入した男がハタキで七十四人を殺戮して廻ったと告げた。
 そのニュースの衝撃性ゆえか、本屋の十三人は地方版の囲み記事に
小さく掲載されたに留まった。


黒贄さんを使ってしまった……。

68spooky:2003/04/10(木) 21:38 ID:x/wxBpcg
>67
うわっ感動です。
わたし以外にもボールペン殺人鬼を書かれる方がいたとは!
ああやっぱり殺人鬼はいいなあ・・・・・・

69ゼファー:2003/04/10(木) 22:18 ID:zHWQQ4KE
牛丼屋



「いらっしゃいませー」

店員が言った。

私は無言で席につく。

「ご注文の方は?」

店員は目を輝かせながら、言った。

私は壁に貼られているお品書きをざっと見渡し「牛丼大盛り」と言った。

店員は黙って伝票に書き写し、厨房へと消えて行った。

私はテーブルに肘をつき、片手で文庫本を読みながら、牛丼が運ばれてくるのを待った。

と、そのとき「うんぎゃああああああああ」と絶叫が聞こえた。

それと前後して若い女が甲高く、笑う、声。

「お待ちどーさまーでしたー」

店員は何食わぬ顔をして、丼一杯の牛丼を運んできた。

私は眉をひそめた。

「血がついてるよ」

「はい、新鮮ですので」

店員は平然と言った。

「さっきの悲鳴は?」

「大森さんですよ」

私は唖然となった。

「え?そ、それは、どう、いう」

「え、あなた、牛丼大森って言ったじゃないですか」

店員は異生物を眺めるような眼差しで、言った。

私の頭は混乱してきた。

「わ、私が言ったのは牛丼『大盛り』だぞ?け、決して大森という人を捌いて、牛丼にしろだなんて」

店員の顔に怪訝な色が走った。

店員はお品書きを指差した。

「ほら、牛丼大森って書いてあるじゃないですか」

私はそれを凝視した。確かに『牛丼大森』とあった。

そして、見つけたのはそれだけではなかった。牛丼大森の左右には、五十音順に、ありとあらゆる苗字が並べられていた。

牛丼鈴木、牛丼田中、牛丼近藤、牛丼金井、牛丼山本、牛丼中島、牛丼牛島、牛丼中村、牛丼藤井・・・・・。

「な、なんだこれは」

私は『牛丼大森』が入った丼を、手で思いっきり払いのけた。

派手な音をたて、脳漿と血漿と、人肉と牛肉と、内臓、米が詰め込まれた丼が割れた。

内容物が、拡散した。

「お、お前らは人殺しだ!」

店員は、笑った、甲高く。

「なにいってるんですか?あなたが注文したじゃないですか?」

「ななな何を言ってるんだ!?」

店員はため息を漏らした。

「あなた、ひょっとして、自分が生きてることでどれだけの生物が死に絶えているか分かってないんですか?」

口調には憎悪と苛立ちが表出している。

「私達は他の生物―――人間や動物、虫、魚など全てですが―――を殺すことを代償にして生きているのですよ?あなた、そんな事も・・・忘れたのですかあ!?」

「し、知るか!私は牛丼を食べに来たんだ!大森さんを殺すために来たのではない!」

「人に罪を擦り付けるのはやめてくださいっ。大森さんを牛丼にして、殺せと言ったのは、お客さんのほうでしょう!?」

「ち、ちが」

「すいませーん」

私の声を、他の客が遮った。

「牛丼波ください」

店員は憎悪で湛えられた顔面を笑顔で綻ばせ、愛想のいい返事を返した。

先程とは、別人の、ようだった。

「あら?」

店員は私の胸を見て、言った。

私は息を飲んだ。

「あなた、波・公平って言うんですね?」

店員は、私が着ているスーツの所にあった会社の名札を見て言ったのだ。

「ご注文なんで。すいません」

「な、なんだと?」

「ちょっとお待ちくださーい」

店員は他の客に言った。

私の予感は的中した。

「アハハハハハ」

店員は笑った、甲高く。

次の瞬間、私の胸に、刃物が突き刺さった。

私は、捌かれるのだろうか。

牛丼波として。

70ゼファー:2003/04/10(木) 22:19 ID:zHWQQ4KE
あ、人をさばいて丼にしているのだから、牛丼というのはおかしいな。

71くま:2003/04/11(金) 00:47 ID:Lra06kD6
おじいさん「ゆでたまごおひとついかがですか〜」
客「じゃあ2つください」
おじいさん「はいよ〜はい、ゆでた孫二人。ありがとうね〜」

72ゼファー:2003/04/15(火) 18:08 ID:zHWQQ4KE
秘密



ハンチング帽をかぶり、背に五十リットル登山リュックを担いで豊かな広葉樹に周りを囲まれいている山道を歩いていた日下部は足をとめた。

前方三十メートルの場所に、目的の集落を発見したからだ。遠目にも、そこに人の姿が確認できた。伝説は本当だったのだ。

日下部は、疲労困憊していた体に鞭打って、赤や茶色の鮮やかな落ち葉で彩られた緩やかな傾斜を駆け下りた。

日下部は集落の入り口に辿り着いた。

『下印』

入り口に立て掛けてあった腐った木の表札にはそうあった。日下部は首を捻った。見たことも聞いたこともない名前である。移り行く時代の波の中で、取り沙汰にされてしまったのか。伝説になるのも頷ける。

人の姿は疎らだったが、少なすぎるという印象は受けない。普通の田舎の村くらいのレベルだ。村と呼ばれても何ら不思議は無い。

彼の足がついに、伝説の村『下印』へと踏み入られた。そこの土に何故か、日下部が歩いて来た山道とは違う、ある種の違和感を感じた。踏み固められて土が固いのではない。湿った沼地の泥のように、妙に不安定だったのだ。足を進めるたびにぐちゃっと鈍い音がする。劇的な変化だった。

「ああ、すいません」

日下部は横を通り過ぎようとした頭に籠を乗せた老人に声をかけた。老人は日下部が余所者だと分かるやいなや、訝った表情を浮かべた。そこには敵意、不信などの感情が入り混じっているようにおもえた。

「私、週刊グリーンワールドの日下部という者です」

慣れた手つきで名刺を渡そうとした。が、老人は受け取るのを拒否し首を横に振った。

「えっと、酋長さんがいらっしゃる場所ご存知ですか?」

老人は、高台に聳える藁葺き屋根の小屋を指差した。いかにも、といった風貌だ。他の藁葺き屋根の簡素な小屋とは違う、厳粛な雰囲気が小屋の周りに感じられた。屋根の頂点には、人間を模倣した泥人形が縄で縛り付けられていた。何か特別な意味でもあるのだろうか。

「出たほうがええ・・・」

「え?」

突然、寡黙だった老人が口を開いたので、日下部は慌てて振り返った。野暮ったい、長年山に囲まれた生活をしてきたしがれた声だった。

「早くここから立ち去ったほうがええ。ここは禁じられた秘密の土地じゃ。秘密。・・・そう。秘密の土地なんじゃ。決して、探求してはいけない秘密の土地。自分から答えを求めてはいけない。傍観することしかできないのじゃ。そう。そうやってこの村の秘密は守られてきたのじゃ。全ては掟と、下印様のお力」

「え?どういうことなんですか?お爺さん。今の話、もう少し詳しく聞かせても」

「ひゃあああああああああ」

老人の行動はまたしても突然だった。いきなり奇声を発し叫びだしたかと思うと一目散に駆け出し、日下部から逃げようとした。十メートル行ったところで同じく籠を頭に乗せたよぼよぼの老婆に衝突、二人は地面に突っ伏した。

慌てて二人に駆け寄る。

「大丈夫ですかー!?」

日下部が声を張り上げると同時に、老人は短い悲鳴を漏らし、両手で口を押さえた。

何かを言おうとして、止めた?

そう言えば、衝突して地面に倒れた老人は、同じく倒れこんだ老婆の耳で何かを囁いていたような気がする。気のせいではない。老婆は蛇に睨まれたように顔を恐怖に歪ませ、立っても、服に付着した泥に近い土を落とそうとせず俯いている。

何を囁かれたのだろうか。日下部はジャーナリスト特有の好奇心に心を震わせていた。そして彼の思いはやがてある一つの思いに収斂されていった。

73ゼファー:2003/04/15(火) 18:09 ID:zHWQQ4KE
『この集落には何かとんでもない秘密があるのでは』と。

―――秘密。老人も、この下印を秘密の土地と呼んでいたではないか!日下部の思いは確信へと変わっていった。

「お婆さん、もしよろしければお話を伺えないでしょうか?禁じられた秘密の土地、下印について」

老婆の体がさっと、老人の弱弱しい体躯の後ろに隠れた。何を避けているのだ。この二人は。

「あ、あんたは酋長の『ヤクモ』様に御用がおいでなのだろう?さっさと行ったらどうなんだ!」

不意をつかれた日下部は後ずさった。その声には憎悪が満ち満ちていたからだ。憎悪の発生源は恐らく、得たいの知れない存在への恐怖であろう。無論、得体の知れない存在というのは、余所者で村には似つかわしくないカジュアルなトレーナーを着込んだ日下部ではない。

「わしらはこれでも忙しいのだっ!さぁ、早くわしらの前から消え失せてくれ!」

こう凄まれてはしょうがない。ジャーナリストの腕の発揮所、と言いたいが何せこの老人は普通ではない。後ろの老婆は未だ口も開かない状態で話にならない。手早く酋長の所に向かったほうがよさそうだ。だが―――

「最後にいいですか?その籠には何が?」

「しつこいやつめ!殺すぞ!」

遂に殺すぞと言われてしまった。正気でない雰囲気を感じた日下部は踵を返し、惜しみながらも二人の前から逃げた。

この人達、秘密を『聞かれる』のを恐れているんだ。だが、何故?彼らは決して秘密自体を守ろうとしているわけではなかった。むしろ、秘密を喋った事による報復を恐れているようだ。あの怯えよう・・・日下部は思った。

「殺される?馬鹿な」

そう言っては見たが、これは本当なのではなかろうか。

ジャーナリストとしての自分が言う。

『これはスクープだ。間違いない。この集落の秘密を暴き、新聞社か何かに投稿すれば、自分は念願の記者になれる。糞つまらない週刊グリーンランドなんて糞雑誌からとっとと退社できるじゃねえか』

人間としての自分が言う。

『早くこの集落から離れるんだ。見ただろ?老人の異様な態度を。秘密なんかより、ずっと自分の命の方が大切だ。逃げろ、今すぐここから逃げるんだ。老人も警告していたんだぞ。
このままじゃ自分は殺さ



気がつくと日下部は、高台に建てられた酋長の小屋まで来ていた。遠くで見る小屋は、厳粛と言うより、おぞましさとも取れる形容し難い雰囲気に包まれていた。気を抜くと魂が奪われてしまうような
感じ。屋根の頂点に縛り付けられた泥人形はこの位置からではみえない。詳しい造形が知りたい。老人がいう秘密に、泥人形が関係している気がするからだ。酋長に話を聞いた後にでもゆっくりと眺める事にしよう。

小屋の扉は鉄製だった。藁の小屋に鉄の扉、いささか妙な組み合わせだ。ノブに手をかける。ぎぎぎいと、錆びついたノブが回りきり扉がゆっくりと開いた。

「うっ、何だこの臭いは」

日下部は小屋から溢れ出す臭気に眉をひそめた。獣の毛を焼いたような生臭い臭いだ。鼻を腕でおさえながら内部を見渡す。中は外から見るよりも広い間取りで作られている。天井からは、干し柿や干し椎茸
などが吊り下げられている。特に変わった点はないようだ。この臭いを除けば。

「誰かな」

74ゼファー:2003/04/15(火) 18:09 ID:zHWQQ4KE
小屋の奥で、呻く声がした。声帯が枯れ切ったような老人の様な声だった。

「あなたが酋長様ですね」

日下部は尋ねた。声の主はこくりと頷く。

酋長は座布団の上で座禅を組んでいた。深い皺が顔中に刻まれていて、百歳を超える老人にみえた。

「私、週刊グリーンランドという雑誌の編集者の日下部といいます。今日はこの集落の秘密についてお尋ねしたく、参ったのですが」

「秘密・・・」

酋長は深い皺が刻まれた顔を歪めた。乾燥しひび割れた泥人形のようだ。

「帰りなさい」

凛とした声だ。まるで、先ほどの老人とは思えぬほど口調がはっきりしている。

「ここは禁断の秘密の土地じゃ。秘密を探ることは許されん。何があってもな。下印様のお怒りに触れたら大変じゃ」

「下印様というのは一体何者なのですか?」

「こらっ!」

酋長の一喝に日下部は肩をびくんと震わせた。

「秘密を探ってはならぬ。私は君の為を思っていっているのじゃ」

「どういうことなんですか?一体、下印様というのは。そもそも何故探求してはならないのでしょう。外を歩いていた人にも酋長様にした質問を同じようにしました。しかし彼らは何かを恐れているように、何も教えてはくれませんでした。秘密とは一体」

「もう黙らないか!いいか、若者よ。さっさとこの集落を去るのじゃ。今ならまだ間に合うはずじゃ。さあ早く」

「お言葉ですがそれはできません。今回の企画は私の将来を決める大事なものなのです。何を言われようとも決して帰れません。秘密とは何なのですか」

突然、大気が震え、小屋の床に亀裂が走った。そこから凄まじい量の蒸気が巻き上がり、二人を取り巻いた。

「逃げるのじゃ!さあ早く!下印様がお怒りになられてしもうたああああ」

酋長は頭を抱え込みわあわあと泣き出した。異常事態に日下部の足はすっかり竦み地面に貼り付けられてしまった様に動かない。

足が、足が動かない!

蒸気が乱舞する小屋の中、地面の亀裂の幅がさらに広まった。

な、なんだありゃああ!?

亀裂から、黒いタールのような陰湿な光沢を放つ液体にまみれた大男が出現した。それをみた酋長は破顔し、号泣し、許しを乞うように何かを唱え始めた。

タールの巨人は日下部に迫る。

こ、これが下印様!?

タールの巨人の大木のような腕が、日下部を薙ぎ払った。頬骨が割れ、鼻が吹き飛び、血が舞った。

「ぐ、ぐはああああ。うぎゃあああああああ」

激痛に身を捩りながら日下部は這って、出口の鉄の扉に手をかけた。しかし巨人の手が日下部の胴体に巻きつき、一気に締め付ける。

床に叩きつけられ仰向けになった日下部の上に巨人が馬乗りになった。

「あ、あううう。よせ・・・よせえええええええええええええええ」

絶叫する日下部の顔面を、巨人は次々に殴りつけた。殴るたびに日下部の顔の骨が折れ、皮膚が貫かれ、脳漿が舞った。

日下部の顔は五秒と持たず、原型留めず爆発した。

跪く酋長を無視した巨人は、亀裂の中に戻っていった。

「秘密などは知らないほうが・・・ええのじゃ・・・」

酋長は日下部の死体を見下ろし、震える声で言った。

秘密を自ら求めてはならぬ。それは破滅への階段である。これ、下印の掟なり。


あとがき:塾の最中に、イサオさんという人を見て思いついた。どうでもいいか

75spooky:2003/04/15(火) 19:57 ID:LfaEBqeE
↑これを見て思ったのですが秘密とは実はくだらないもので
それを守るためにはなんでもするという認識こそが主体なのでは、
と思ういました。

76ゼファー:2003/04/17(木) 22:54 ID:zHWQQ4KE
『体質』

「ケンチャン。はい、チャーハンよ」

母らしき女の声。手元に触れるヒンヤリと冷たい陶器の感触。今日の夕ご飯はチャーハンらしき物体。

「いただきます」

目をつぶったまま、僕はチャーハンらしき物体に手をつける。口の中に広がるチャーハンらしき物体の味。僕は母が作るチャーハンらしき物体の味が大好きだった。

「ねえケンチャン。今日こそは教えてもらうわ。なぜケンチャンは目を開けないの」

僕が目を開けなくなってから既に二ヶ月が過ぎようとしていた。いや、僕は実際にはその二ヶ月の間に三度ほど目を開けたことがあるのだけれど、母らしき女はそれを知らない。正しく言えば、僕が目を開けたとしても母らしき女の世界では僕は眼をあけてはいないのだ。

現実とは観測されてから、初めて現実となる。ちょっと小難しいドラマや、ちょっと前に読んだヴァイオレンス小説に書いてあった言葉だ。

僕は、もう二度と世界を見ることはできない。

「ねえ答えてケンチャン。答えて。お医者様もケンチャンの目には何の異常もないって言ってるじゃない」

そう。僕の眼自体にはなんら異常はない。思うに、僕の、この異常ともいえる体質は脳にあるんじゃなかろうか。大脳。後頭葉一次視覚野と前頭葉に異常な活動が。きりりりりり。世界を、飲み込む。蛇が蛙を一度に飲み込むように、僕の大脳、後頭葉一次視覚野と前頭葉が世界を喰らう。

「ケンチャン。お願いだから眼を開けて。そんな・・・そんないつまでも病気みたいなフリしているとママ許しませんよッ」

いいさ。開けてやる。開けてやる。でもその瞬間、世界は僕の大脳、後頭葉一次視覚野と前頭葉に飲み込まれるぞ。く、くく。

まあ、いいや。

僕は眼をあけた。

眼前に広がるのは母の顔でもなく、六畳の自室でもなく、日本でもなく、地球でもなく、月でもなく、太陽系でもなく、銀河系でもなく、この世ですらない、僕の大脳、後頭葉一次視覚野と前頭葉に飲み込まれた世界。

きりきりきり。

音も時間も自分の肉体すらも、すべての存在が抹消された世界。

きりきり。

僕は孤独だった。

僕は圧倒的に孤独だった。

無限に広い世界。限りなく小さい世界。

僕は、ただひとり、浮遊するように・・・。

眼をつぶった。

「ねえケンチャン。答えて!ケンチャン!」



アトガキ{頭が痛い。ずいぶん、テキトウな文章だ。俺の文章力はとうに枯れ果てたようだ。

77さつき:2003/04/27(日) 17:03 ID:RIopWnIs
                「影」

いつもの帰を私は歩いていた。
(今日は家庭教師もないし、本屋にでも寄ろうかな)
と、とりとめのないことを考える。
一応受験を控えている身なのだが、実感は未だ湧いてこない。
(はあ、勉強なんかしたくないなあ。対数とかって何の役に立つんだろ)
愚痴をこぼしてみても何にもならないことくらい分かってるが。
信号が青から赤に変わる。必然的に思考は中断された。
(だる・・・。ここの信号長いんだよね)
暇だったので、ぼんやりと過ぎていく車と自分の影を見ていた。
車が通る度に影は道路から車体へと移動を繰り返す。
銀のワゴン。青のミニバン。赤のオープンカー。それから白の・・・
(あれ・・・なんで・・・・)
白い車の車体には影が映っていなかった。
車が通り過ぎた。影は道路にあった。
そして倒れ伏した少女の額とみぞおちの辺りは完全に潰れ、
まるで車に轢かれたかのようなタイヤの模様が刻まれていた。

78MIACIS−α:2003/05/02(金) 22:46 ID:I9/Hl.GI
       【神社】
 僕の帰宅途中にはとある有名な神社がある。
何故有名かというと、まあ属に言う呪いの名所ということだ。
そこでは夜な夜な・・・こーん、こーん、こーんといった音が聞こえてくる。
やだやだ、帰りの遅くなった僕は足を早める。
 ところが、その日は違った。
 僕が残業で遅くなったあの日いつものように神社を通らねばならなかった。
こーん、こーん、こーん・・・・・・。
まただ、早く去ろう・・・と僕は思った。
こーん、コン、コーン、こーん、こーん、カン、かーん、こん、コン、
コーン、かんかんかん、こっこーん、かこんかこん、かーん、こん、
がん!がん!がん!かっこーん、、こーん、こーん、コン、こん、かん、
・・・・・・おかしい、明らかに1人の音ではない・・・・・・。
世の中そんなに不満があるのか、と僕は走って去った。

79ぬふあうえ(JIS):2003/05/15(木) 17:09 ID:OXrb5V.A
===ル−ル==========
「円周率を9999正ケタ言ったらお前は死ぬ」

・・・・・・・・・・・438975948754843209439032758425087438327387612156211032048364
・・・・・・・・・・・・・・

男は120年間、死ぬためだけに生き続けた。

80中2:2003/05/18(日) 12:46 ID:vdtow4Ic
A君はただ普通に転んだ。
そしてうずくまって顔を隠しながら泣き始めた。
転んだ時に血が出たのを見て、道路の向こう側にいたB君はだいじょうぶかと言い
ながら駆け寄った。
そのB君を、たまたまCさんがバイクではねた。
はねられたB君は、道路の真ん中に飛んでいって、トラックがそれを避けようとし
て転倒した。
そこにCさんも突っ込んでしまって、さらに車が次々に激突して大惨事となった。
A君が顔をあげたときには、辺りは地の海と化していた。
A君はその日の内に、事故で死んだトラック等の運転手の遺族に惨殺された。

81:2003/05/18(日) 15:25 ID:2Nt7iPk6
Aは言った。
「世の中はなんて素晴らしいんだ。色鮮やかに輝いている。」
Bは言った。
「見ろ、世界は光に満ちている。」
Cは言った。
「ああ、まぶしくて目が潰れそうだ。」

世界は、核の炎に包まれた

82真里。:2003/05/19(月) 17:25 ID:cGmn1Xss
少年は歩きながら呟いた。
「畜生何が勉強だ、将来の目標だ、
 馬鹿馬鹿しい。明日にでも死ぬかもしれないのに!」
その時、いきなり突っ込んできたトラックによって
少年は、今、死んだ。

83くま:2003/05/31(土) 18:10 ID:Lra06kD6
♪ある日〜ごみの中〜くまさんに〜出会った〜
コーラの〜飲みすぎで〜ぶくぶくと水太り〜

84:2003/06/03(火) 14:57 ID:QczyTfFI
朝、起きる。
目覚しの音にムカついたので叩き壊してしまった
後で買いに行かねば
朝飯を食らう
今日の朝飯は家の前に仕掛けてあった罠に掛かってた猫だ
結構美味い
学校へ行こう。
ドアを開けると隣の住人が顔を出した所だった
化粧が濃い。ムカついたので愛銃を向け軽く引き金を引いた。
散弾が顔面をグチャグチャに吹き飛ばして首の無くなった死体が倒れこむ
まったく。面倒だ。人付き合いという物は。
道路に出る。とまっていた車の鍵を壊して無理矢理エンジンをかけて学校へ向かう。
途中5、6人轢いたが大した問題ではないだろう。
校門をくぐると突然襲われた
「きしゃぁぁぁぁぁ」
腕と足が4本の壊生物だ。蹴り倒して頭部に銃口を押し当て2度ほど引く
ぐちゃり、と強酸性の液が飛び散った。まぁ、いつもの事だ
始業のベルが聞こえたのでとりあえず時計をぶち壊し教室へと向かう
「おはようさなぶぎゃっ」
きさくに挨拶をして来る同級生の顔面を蹴り倒し自分の席に着席した
一時間目の授業。殺人の科目の先生が入ってくる。
「今日は皆さんにちょっと殺し合」
クラスのほとんどの人間からの銃弾が先生を消し飛ばした。まぁ明日になれば生き返っているだろう
自習と言う事で前の席の女子の首を掻き切り後ろの席の男子の頭を散弾でぐちゃぐちゃにし
左右の席の生徒を蹴り倒しまとめてから銃口を向けて数回引き金を引く
ノルマを達成した。でも暇なので辺りの生徒を手当たり次第殺した。
二時間目の授業になっても先生は現れなかった。また自習か
蛙と言う名の四つ足2mの生物を殴る
殴る殴る殴る殴る殴る
すぐにゼリー状の血液が飛び散り肉塊となったそれはぐじゅぐじゅと音を立て再生を始めた
面倒くさそうに再生しかけのそれをまた殴る殴る殴る殴る殴る
再生しなくなったらそれを箱に入れて提出した
三時間目の授業、化学の時間だ。
「今日は皆さんにサリンの作り方を」
面白く無さそうだったので愛銃を向けて引き金を引いた。
ぐちゃぐちゃになった肉塊から煙が立ち昇りソレを吸った生徒がばたばたと倒れた
まぁ、いつもの事だ。
四時間目。楽しい家庭科
「今」
教室に入ってきた瞬間に地雷で消し飛ぶ家庭の先生
まぁ、いつもの事だ。
昼休み。購買に行くのが面倒だったので近くの生徒の弁当を奪取し食う
紫でぐちょぐちょとしているそれは奇妙にも『ブヂン』と言う食感だった。
目とかついてる。味は普通という所だ
まぁ、いつもの事だ。
今日は土曜日だったので昼までしか無かった。
とりあえず荷物をまとめて外へ出る
白っぽい服を着た人たちが首吊って死んでた
まぁ、いつもの事だ。
校門から出ると十数人が銃撃戦をやっていた
五月蝿かったのでとりあえず手前の奴に注意してやる
「五月蝿いぞ」
何も言わず銃を向けてきた奴に軽く蹴りを喰らわせて怯んだ所を蹴って蹴って蹴って蹴って蹴った。
ミンチになる前に他の奴等が邪魔をしてきたので愛銃で穴だらけにしてやる
向こうに居た人間達が集まってきた。面倒くさかったので穴だらけにしてやった
まぁ、いつもの事だ。
部屋へと帰り着いた。ドアを開けたら6つ足と一つ目の生物が笑っていたのでとりあえず殺した
いつものようにベッドへと寝転がる。ベッドが動いた。愛銃で穴だらけにしてようやく眠る事が出来た。
まぁ、いつもの事だ。
そして、明日が始まる

85鼻腔の腐敗:2003/06/06(金) 02:18 ID:rgK9mRRA
     <<害虫駆除>>
ここは新しく出来たニュータウン。
過疎化の末に、誰一人住みつかなくなった村や土地を一挙に、安く買い取った大企業の進めたプロジェクトで完成した。
木を投げ倒し伐採。コンクリートで厚化粧の如くコンクリートを塗り固め。広大な森林にそびえたつ高層マンションは、人工物と自然の矯正された違和感を放っている。
激安料金に、定年を迎え余生を静かに暮らそうとする老夫婦でマンションはすぐにいっぱいになった。
オープンから一年後。問題が多発した。まずは蟻の大量発生。下から上まで全部の部屋で発生した。
次に蝿。げじげじ。蛾。管理室に苦情の連絡が集中した。
「害虫駆除してください!」
管理局はすぐさま業者を派遣した。害虫駆除は徐々に進む。
しかし、更なる問題が発生した。全面電気がストップしたのだ。運悪く夜である。非常灯もつかない。
住民はパニックに陥った。都心から離れた孤独の町。
そのさなか。なにやら重低音が森に響いている。その音はふくらみを増す。まるで怒りに震えるかのように。
そして、月明かりに照らされた青白いニュータウンが、一瞬にして黒に染まった。
次の日、所々虫食いに遭い絶命した全住民が発見された。
地域虫民曰く。「せっかく居なくなって済々してたのに。またおれたちの土地にずかずか入ってきやがって。その上こんなもん作りやがった」
だから駆除したそうだ。彼らからしたら、長期に渡り脅かされつづけた平穏のため。害虫(にんげん)を駆除したのだ。

なんか在り来たり。駄文ですいません。(保険)

86MIACIS-α:2003/08/03(日) 09:48 ID:ClUmvnsk
  [青錆十円玉〕
大学受験をひかえた僕は願かけに近くの神社に足を運んだ。
賽銭チャリ―ン鈴をガラガラリン手パパンがパン。
「えー、どうか何でもしますから××大学に合格させて下さい。どうか、
どーぅか・・・お願いします」
その時、白い煙とともに白ヒゲの杖を持った神様が現れた。
驚く僕を前にして神は言った。
「本当に何でもするのじゃな?」
「は、・・・はい!本当です。何でもします!!」
「そうか・・・ならば・・・」
神は杖の先を僕の頭にかざした。
「取り合えず、勉強しなされ」
神は白い煙とともに消えた。
帰り道、僕が考えていた事は賽銭の十円玉の事だった。

87気分屋:2003/08/27(水) 14:23 ID:gLqu78J2
シークレット

 「ああ。そうだよ。俺達は組織の情報について、許されている範囲で話していいことになっている。敵対者だろうと後援者だろうと関係なくね。そうだな、資格の話をしようか。普通、中級、上級、特級だ。特級以外には上位の『特別』がつくこともある。いや、特級以外はあくまで能力の分類であって組織における上下関係を示すものじゃない。普通資格は正直ツマラン。要するにガチで殺しあえるヤツラのことだ。喧嘩が強いだけのバカはこの世にいくらでもいるってこった。普通特別も同じだな。成績で可ぐらいだろ。中級は十分に楽しいヤツラだ。なんたって応用ってものが利く。逃げ足、操作、収納とかな。中級特別は中級の中から選抜される。能力の応用度が高いだけじゃなく個人の資質も問われるみたいだがな。で、上級だ。コイツラはいろんな分野のスペシャリストだ。医者スパイ、大工、いろいろだ。俺の上級特別は、うん、よく分からん。早い話が『隠し玉』らしい。組織にとって切り札となりうるかで決まるってさ。部長が言ってたよ。特級?ああ、アレはもう強いとか弱いとかの概念じゃないな。ヤツラに挑むのは自分の着ている宇宙服を破り捨てるようなもんだ。これで大体説明は終わったわけだ。え?俺の能力。ああ、ジャンケンが強いんだよ。それだけ。いや、笑うなよ。確率って結構重要なんだぜ?マークシートで問題読まずに満点取れるか、サイコロの出目が常に自分の思い通りか、人類生き残りジャンケントーナメントで優勝できるか。ほら、大切だろ?おっと、もう時間か。じゃあな。」

 そういって男はロシアンルーレットの敗者を蹴飛ばすと、部屋から出て行った。

88spooky:2003/08/28(木) 01:22 ID:Uy0gy4PY
>87
その能力、名付けるなら「ラッキー・フェロー」と名付けましょうか。
面白いですね。この手の話で1話書けてしまいそうです。

89気分屋:2003/08/28(木) 04:47 ID:gLqu78J2
 能力名称 ラッキーフェロー

 命名者 spooky氏

 使い手 アレクセイ=ガヴリーロヴィッチ=ラフマニノフ

 内容 確率操作

 補足 操作対象の事象には常に排中律が適用される。

90闇神楽:2003/08/28(木) 09:28 ID:3rVmbgBA
★泳ぎ続ける

「なんでこんな事をするのっ!」
今にも泣きそうな悲痛な表情で叫ぶ美しい女性。
「ん?なんで?そんな簡単な事もわからないんだ、姉さん・・・」
別になんでもない事を話すように言う少年。でもその表情は微笑んでいる。
「わからないわよっ!ひ、人を殺しをしたいなんて分からないわよっ!」
「そっか・・・姉さんは呼吸をするでしょ?」
「こきゅう?」
「うん、呼吸。息を吸って吐いてってね」
「・・・」
「それと同じだよ、呼吸をしないと死んじゃうように殺しをやめたら僕が死ぬ」
「そんな事あるわけないでしょ!」
女はイヤイヤをするように顔を左右に振りながら目からは涙が零れ落ちていた。
「本当だよ、僕の心が死んじゃうんだ、人殺しをしてるから…今、僕はギリギリ人間でいられるんだよ」
少年は少し苦笑いをしながら言った。
「・・・・・・」
「さよなら、姉さん」
「えっ?」

風を切る音のあとに重いものが落ちる。
「残念だよ、姉さんは僕の事わかってると思ってたのに・・・残念だよ」
悲痛な叫びはもう聞こえない。
姉さんと少年に呼ばれていたモノは痙攣して床を紅く染めていっている。
「僕は殺すよ、殺し続ける、僕はある限り殺し続けるんだ・・・」
少年は一粒の涙を微笑んだ表情のまま落とした。
「僕は行くよ」
少年は靴下に染み込む紅い液体を不快に思ったがそのままに家を後にした。

彼が生涯殺した人間の数は不明である・・・

91古臓:2003/09/02(火) 23:18 ID:QDE5lGB6
   - この投稿を 肉王子に捧げますぅ 〜- 

やっぱここのサイトはグロかい?・・ グロ苦手だけどガンバレ!オレ・・・。

 -------- 『 訪 問 販 売 』 --------------

TVゲームをしながら、アイスを食っていると
ピンポ〜ン♪・・とチャイムが鳴った。
・・・・ピンポ〜ン♪・・・・・。
・・・・・・・・ピンポ〜ン♪

「ちぇ!母ちゃんいねーのかよ」としかたなくアイスをくわえ玄関に行くと、

「こんにちは!学習の友出版の者ですが、おぼっちゃまでいらっしゃいますか?」
「あ?おぼっちゃまぁ〜?・・なに?教材売る人?」
「はい、お母様はおみえですか?」
「オレしかいないよ」
販売の人は、30代くらいの男で、グレーのスーツに黒のカバンをさげ、やたらニコニコ笑っている。

「そうですか、今日は『がんばりクラブ』のご案内でうかがいました」
「あ、おれそうゆうのやらないから」
「何かもうやっておられますか?」
「やってないけど、いらないよ」

「でしたら、ぜひ一度お試し下さい。失礼ですがおぼっちゃまは北中学校でいらっしゃいますか?」
「そうだけど・・・」
「北中学校の方でしたら・・・佐藤翔太様も御入会いただいておりますが」
「げ、翔太そんなんやってるの・・ハハ」
「お友達でいらっしゃいますか?」
「友達ってか、家近いし」
「でしたら、ぜひ一度お試しくださいませ。今回は5周年記念で付録が充実しております」

販売の人は勝手に玄関に、付録の「磁石セット」「シール」「下敷き」等を並べ、
「このタマエモンボールペンは、ここが光るようになっております」
とアニメのバッタもんの様なボールペンをオレに見せた。

あきれて「そんなの・・」とオレが言いかけた目の前を、
茶色い紙のような物が通り過ぎたと思った瞬間、
販売員がものすごい速さで、それをボールペンで刺した。
でっかい蛾だった。
販売員は何事もなかったかのように、その毒々しい鱗粉のついた蛾をスーツのポケットに入れた。

オレが目を丸くしていると、
「この付録がお気に召さない場合は、Bのダマスカス風ナイフもございます」と小型のナイフを取り出し
「ダマスカスナイフをご存知ですか?ダマスカス鋼はこの模様が特徴です。
静かな水面に広がる波紋のような、年月を経た大木の年輪のような、美しい縞模様。ハァ〜・・
・・・このくらいの物ですと普通7万円はいたします。
今回は特別にご入会の方には、このダマスカス風ナイフを付録としてお付けいたします。
なお、今回は5周年記念で、さらにもう一本お付けいたします。
また半年分まとめてお申し込みのお客様には、この便利なお掃除ブラシもお付けいたします」

「こちらの切れ味ですが・・・」と、どこから出したのか生きた鳩!
「・・・この様につぶさずスパッと切れます」と鳩を真っ二つに切った。
生きて動いていた鳩は、血も流さずハクセイの様に切れていた。
切った鳩を、販売員は蛾の入ったポケットにまたしまった。
小さいポケットはふくらみもしなかった。

「このナイフはこの様に硬い木も切ることができます・・」と、鉛筆を3本切り始めたが、
「あ!」販売員の手がすべったと思うと、床にボトリと切れた指が落ちた。
販売員はサッと自分の手を後ろに回し、あわてて切れた指を拾い、またポケットに入れた。
床にパタパタと赤い血が落ちている。
「ゆ、ゆび!!」っとオレが言うと、平気な顔で

・・・・・う、うう・・・ってか・・・オレ(古臓)ここですでに限界・・・。
  あかんわ!これ以上は書けません・・・やっぱグロ苦手・・。

とりあえず長書きしたぞ・・・『ショートショート』で・・。
        ・・・・・・・・・・・・・なにやってるのオレ?

92蛙星人:2003/09/05(金) 21:36 ID:mkXwGaY.
ああ・・・もったいない・・・。オチがどうなるか知りたかったのに・・・。
次回は是非最後までお願いいたします。

93古臓:2003/09/07(日) 01:35 ID:akjeDmoc
中途半端ですみません>蛙星人様
一応オチも考えたんですが、途中のグロ表現に限界がありました。
グロは極端に苦手です。何か消耗します。
ん〜・・・・・・こうゆうのならオチまでいけるけど・・・。

----------『 独 り 言 』------------

  -とある茶店にて-
あ〜、なんか疲れたなぁ〜。
やっとテスト終わったぜ。やっぱあそこの数式憶えとくべきだったなぁ。
出るの分かってて、なんで憶えないかなぁオレ・・。

ジャンプの『こち亀』は長いなぁ〜、毎週よく描けるなぁ。
まぁーたまに似た様な展開だけど・・・。

う!不味い!!・・コーヒー苦いなぁ。砂糖入れたろかぁ・・。
裕也はテストの時どうしてるのかな?アレ先生に使ってるのかなぁ。
オレは今回危ないかもな・・昨日もう少しやれば・・・

・・・げ!やばっ!昨日見たエロ本思い出しそう・・・
・・裕也にばれるな・・・うざいな・・・
あ!しまった!!今、うざいとか思っちゃったよ!・・

「いいって。気にするな健太。そうゆうの慣れてるから・・。親でも嫌がってるし。
やっぱ、皆気づくと気味悪がるから・・・。
誰でも、知られたくないこととかもあるしな。

あー、そういえば野村も、テストの時エロビデオ思い出してたぞ!
同じ所ばっかリバースしてさぁ。皆思うこと同じ同じ!

んで、昨日どんな本見てた?
・・・ん?・・・・男・・・??
・・お前・・・そうゆう趣味あったの???・・・
オレのブリーフ姿想像するなよ!!
トランクスかって?そうゆう問題じゃないだろうが・・・
・・・告白するなよ!!・・まじかよ!!!かんべんしてくれよ!!!

あ、違います!おかしいのこの人でオレじゃないです!!
ほら!変なやつと勘違いされたじゃん!

まじカンベンしてくれよ。
オレノーマルだから。そうゆうのダメだから!」

オレは頭を掻きながら・・・
「裕也さぁ・・・・お前・・・・独り言言うなよ。」

--------------------------------------------------
え?面白くない??やさしい気持ちで読んでやって下さい。

94could:2003/09/09(火) 13:31 ID:rhS0J3nw
>93 多重人格者的な雰囲気がなんか好きです。


実行委員


ある男子は携帯をいじっている。
ある女子も携帯をいじっている。
席を立った男子もいる。
居眠りを始める女子もいる。
私はただプリントに書いてある文章を読み上げる。
携帯のメール音が鳴る。少ない和音のそれをからかう者が出る。
また騒がしくなる。
私はただプリントに書いてある文章を読み上げる。
ある女子が聞こえませんと私に言う。
私は少し声を大きくして読み上げる。
その女子はしばらくしてから隣の席の女子と話し始める。
私は少し声を小さくして読み上げる。
まだプリントの文章は続いている。
私は空いた片手で筆箱を探る。
冷たい金属が指に触れる。
ゆっくり引き出そうとして気付く。
一人の女子がじっと私を見ている。
目が合う。
少し首をかしげ、微笑む。
取り出しかけたそれを再び筆箱の奥に押し返す。
私はプリントの続きを読む。


拙いながらに挑戦してみました。
オチも展開もあったもんじゃないですが。

95古臓:2003/09/10(水) 22:20 ID:Oj8ynvRs
むぅ!今日『ゲバ!』を読んだ・・・便利な言葉だなぁ・・。

> could様 詩を創られる方なんでしょうか?
実行委員会の状況が目に浮かびます。すみません私もいじってる口です・・。

96ゼファー:2003/09/13(土) 22:23 ID:zHWQQ4KE
『拡散』

薄暗い部屋。男が一人。いすに座っている。年齢は二十三歳。アメリカ白人。礼服。ピンクのネクタイ。首にはグルグルに巻かれたロープ。先端は天井へ。天井から突き出たフックにかけられている。男の顔は鬱血し、通常の2倍くらいに腫れ上がっている。

部屋は静かだ。

「こんにちは」

部屋に突然、女があらわれた。きめ細かい肌。美しい黒髪。セミロング。ピンクのキャミソール。香水の匂い。

「実は依頼があって」

無言。男は動かない。女の眉、ピクリと動く。

「その男は死んでいる」

女の背後に、アメリカ白人。老人。しわがれた声。生気のない、瞳。首にぐるぐるにまかれたタオル。先端は天井へ。天井から突き出たフックへ。

「私が代わりに聞こう」

「実は、ある男を殺してほしいのです」

「ほほう」

「その男は私の恋人で、でも、私の知らないところで浮気をしていたのです。それも、30過ぎの女と。なぜ?こんなにいい女がいるのに。どうして?なぜなの?なぜ私を捨ててそんな女と浮気したの?許せない。絶対に許せない。殺してやる。私はだれ?私は谷川裕子よ。あの谷川裕子よ。谷川裕子なのよ!いつだってそうだわ。あの人は私を弄んで、散々弄んで、その後でこうやって笑うの。きひひひ。裕子はバカだなぁ。アヒルみたいだ。ブタみたいだ。ヤギより下劣だ。きひひひ。許せない。きひひひ。きひひひひ」

ヒステリックな訴え。無表情。の、老人。

「よろしい。私が殺してあげよう。その男はどこに」

「そこよ」

女、指さす。部屋の隅を。男がひとり。礼服。ピンクのネクタイ。アメリカ白人。

「殺せ!殺せ!」

「よろしい」

老人の手。手の中にロープ。

「きひひひひひひひひひ。死ね。お前はまるでアヒルみたいだ。ブタみたいだ。ヤギより下劣だ。死ね、死ぬがいい。きひひひひ」

男の首にまきつくロープ。ぐるぐるぐる。残った先端。老人はそれを自分の首に。老人は跳躍。天井に突き出たフック。刺さる。老人の体。飛び散る。鮮血。ぶりゅりゅ。

「きひひひ」

女は口から血を吐き死んだ。きひひひと笑いながら。

老人は死んだ。

男は死んだ。

「きひひひひやっぱりお前はバカだ。ブタみたいだ。アヒルみたいだ。ヤギより下劣だ」

いすに座るアメリカ白人。

「きひひ」

彼。笑う。笑う。

ぐりゅりゅりゅりゅ。

でも、腹から。血が。出て。アメリカ白人は。

男は死んだ。

97spooky:2003/09/15(月) 05:04 ID:LYifx1RI
グール

すいません、ちょっと、ちょっといいですか?
しばらく動かないでください。
あ、いいですね。そのベッドの上に横になって。
そう、そうです。
あ、これですか?
塩ですよ。
体が引き締まるようにね。
あっ、目をあけないでください。
見るとびっくりしますから。
ええ、何もしなくていいんですよ。
すぐ済みますから。
・・・・いただきます。
あっ暴れないで!ちょっと痛いだけだから!
死んで喰われるだけだから!!
落ち着いて!大丈夫です安心してください。
おいしく戴きますから。
あれ?急に静かになりましたね。
まあいいや。
とてもおいしいですよ。

彼はとても幸せそうな表情で肉片を口に入れた。

98這い寄る混沌:2003/09/18(木) 00:43 ID:OMuOWvYo
宅配物

ガタン
「え―?何?」
今朝配達されてきた宅配物―それから仕事に出たので放りっ放しだった、が動いた様な気がした。
私は今、ソファに腰掛けて映画を見ている所だ。古い、ゾンビ映画。
画面の中ではヒロインが茶色く変色したクソ醜いゾンビに襲われている。
そう言えば―ゾンビが墓場から出てくる時、棺桶を叩いた音がガタン、だったな。
まぁ、気の性だろう。机に置きっぱなしのソレを一瞥して画面に視線を移した。
ヒロインは無残にもやられてしまったようだ。ああ、見逃してしまったではないか。
普通はハッピーエンドなんだろうけどなぁ。
ガタン
また音がする。けれど、私はさっきの事にイラついて放っておいた。
ガタン、ゴトッ、ガタン
私の背後にある宅配物が、動いているような音。
気にするもんか。今度は見逃せないじゃない。
映画は、ヒロインがゾンビになって甦り、他のゾンビをブチ殺しているシーン。
ビリッ、ベリッ、バリバリッ…!
包装紙を破き何かが出てくる音がする。知るもんか。どーせ悪戯か何かだ。
私は音を無視して画面を食い入る様に凝視する。
そして、クライマックス。ヒロインの恋人がゾンビになったヒロインの首を――
ごきり

99ごめんなさいと謝る者:2003/10/06(月) 19:46 ID:R3I/rwuM
思想の交錯

朝起きた。
ガタン
「え、?何?」
後ろを振り向くと筺があった。
「なんだ、筺か・・・いつものことだ・・・そんな訳無いだろ。」
これを俗に一人ツッコミという・・・と自分を神だと思っている存在はおもっているが
本当のことは誰も知らない。
「何だこの筺は?」
「遊びなさい。遊びなさい」
彼は困った。何故ならその部屋には彼と布団と筺とテレビと・・・
生命体では彼しかいないはずである。
(疲れているんだな、俺は)
起きたばかりだがそうとしか思えない。
「遊びなさい。遊びなさい」
当然彼は凄まじく驚いた。「なななななな・・・・!」
「遊びなさい。遊びなさい」
「は、はぁ・・・」
「私は正義のヒーローだ。」
「え、ええ?」
その後筺は一日中意味の分からない事、意味があるかどうかも怪しいことを
言い続けた。
捨てようかと思ったがとてつもなく重いのだ。
彼は掴んできた。きっかけは彼の友人が「糖尿病の予防!」とかいって殺そ
うとしてきたのを撃退した後家に戻ったら筺が「糖尿病の予防!」と叫んだからだ。
この筺は思想のホワイトホールだ。
筺の中身も気にならないわけでは無かったが穴を開けたら
中の思想の渦が飛び出してくるのではするのではと怖かった。
しばらく筺とともに彼は生きた。
その間に世界では五千九百円の斧を買った男が
人殺したりとと、まぁいろいろあった。

100生まれてきてスミマセン:2003/10/06(月) 20:15 ID:R3I/rwuM
後編

そのうちに筺の事を彼は愛するようになった。
愛する、というのは行き過ぎた。
そのうちに彼は筺の言うことを楽しめるようになった。
なれてしまえばラジオ番組以上の楽しさである。
筺は愉快な仲間だ。筺の声には世界を包む法則も世界の核となる一者の声も含まれていた。
だが、筺を手に入れてからおおよそ1年後、筺の声の量が少なくなった。
その代わりに「見ろ、これが現実だ」とか濃い内容の思想が多くなった。
思想の量が減ったのはそいつらのせいらしかった。
「だが、別にいいんだ・・・。だってこれはもともと無かった物だから・・・。」
しかし、次第に筺はウンともスンとも言わなくなった。
外でボーダーを越えた者共が潰しあい、自分と戦いあったり害虫に駆除されたり告白に
自分の心臓を使うのが流行ったりした結果であった。
しかし筺に魅せられたため食料も水も大量に買い置きしている
ヒキコモリ以上のタテコモリである彼には外がどうなっているのか全く分からない。
彼は困って困って困り果てた。
「なぁ、何とかいってくれよおおおお・・・。」
彼は泣いた。
筺も何だか悲しそうだった。悲しい思想。カナシソー。
「頼む、おねがいだぁぁぁぁ・・・。」
筺はとてもとてもとてもとても哀れな声で
「あろろろろ。」
彼は当然怒った!。この筺め!俺の期待を裏切りやがって!
そうして中をあけると中ゲバッ!

思想の交錯

101狂気太郎 </b><font color=#FF0000>(.MADwAFA)</font><b>:2003/10/07(火) 12:17 ID:/mYl1E2M
>>99-100
なんだか胸の痛むお話ですね。

102懺悔か謝罪か・・・?:2003/10/07(火) 17:52 ID:R3I/rwuM
すいません。
これはただの毒抜きです。

103MIACIS−α:2003/10/23(木) 19:39 ID:vLVHw.M2
【どうしよう】

学校帰り、バスから降りるともう辺りは真っ暗になっていて大きな丸い月が見える。
僕が歩く前をミニスカートで茶色の髪の花の香りが息苦しいおねーさんが歩いている。
こういう雰囲気のおねーさんは苦手だ。
僕は角を曲がり大きな道から細い道へ入った。
別にどっちから行っても同じ時間だけかかって帰れるんだけど・・・
今日みたいな日はこっちの道は通らないほうがいいんだ。
『変な人』に会ったらどうしよう・・・。
この道は灯りが少ない、どうしよう。
ここらは変わった人が多いんだ、どうしよう。
会っちゃったら、どうしよう。
来ないでくれ、来ないでくれ、来ないでくれ。
・・・・・・どうしよう・・・・・・。
前からおじさんが歩いて来た。
何故だか足元がふら付いていて、この寒い中上半身は裸で、手には・・・
何だろう何か動物のようなものを引きずっている。
そして何だか笑いっぱなしだ。
『どうしよう』
僕は口元が上がるのを感じる。

104誤り・謝り:2003/12/22(月) 21:26 ID:6AaZKorM
「黒が来る」
 
僕は一人で夜道を歩いていた。塾から帰るためだ。
街灯のおかげで多少は明るい。でも街灯の明かりってかえって恐怖を煽る物だ。
バスを使おうと思ったんだけど、停留所で待っていたら「クラニ」がきそうで怖かったから。
でもよく考えるとこうやって歩いていても来そうな気もする。こ、ここ、怖いいぃなぁ。
しかし、噂によると「クラニ」は奇声をああげる習性があるらしい。だから奇声が聞こえたら全力で逃げ出せばきっと大丈夫だ。
僕は街灯の明かりを頼りに腕時計を見た。10時半だった。
突然、後でギャア!と悲鳴が聞こえた。
あれはもしや・・・クラニ?
僕は悲鳴をあげながら駆けだした。この先には林があるはずだった。
そこに逃げ込めばきっと大丈夫だと思った。
しかし膝が震えて上手く前に進めない。
でも僕は無我夢中でとにかく走った。
林まで辿り着いた。
ふぅ、ここまで来れば大丈夫だろう。
すると突然後から「待って!!」と声が聞こえた。
僕はびっくりして立ち止まる。
すると同じクラスのヒロシ君がもの凄い顔で走ってくる。
ヒロシ君はだんだん近づいてきた。あれだけ必死な顔つきと
言うことは近くに「クラニ」がいるに違いない!!
僕は以前よりもっと凄い早さで走り始めた。
すると林の中でこちらに向かってくる人影が見えた。担任のタナカ先生だ。
僕はタナカ先生に声をかけようとして転んでしまった。
痛くて痛くてギャア、と声が出た。
タナカ先生はくるりと僕に背中を向けて走り始めた。
「待ってぇ!一人で逃げないでぇ!」
僕は必死にタナカ先生に追いつこうとさらにスピードを上げた。
いつのまにかタナカ先生の前にも「クラニ」から逃げている人がいた。
朝になってみて分かったことだが、僕たちは林の一角をぐるぐると周り続けていたらしい。

一晩中走り続けてくたくたになった僕は、どしんと地面に腰をおろした。
真後ろから声が聞こえる。
「アロピャー」
・・・え?





タナカ先生は林の中で何をやっていたのやら。
きっと「クラニ」から逃げている最中に入って来ちゃったんですね。

105通行人間:2003/12/28(日) 12:24 ID:kLmC5trY
娘が自殺しようとした。
母親がそれを止めた。
「親より先に死ぬってことは、最大の親不孝なのよ!」
「じゃ、お母さん先に死んでよ」
ザシュッ。


皆さんお上手ですね。
初挑戦してみました。
妙な物ですが。

106報復ZO:2004/01/24(土) 00:12 ID:C2ucUH8Q
『たぶん、政治的かつフェミニズム的に正しい一寸法師』

 むかしむかし、ある所に、栄養学的に問題があったのか、生物学的な問題点があったのか解りませんが、小指ほどの女性の小さな赤ん坊が、病気であることもなく経済的に貧窮することなく充分な余裕をもったおじいさんとおばあさんに育てられておりました。

 おじいさんとおばあさんはその子が一寸(日本という国の古い長さの単位)という垂直方向にチャレンジされた背であることから、一寸法子(いっすんのりこ)と名付け、かわいがりました。決して差別的意味ではなく、むしろ愛情を込めてそう名付けたのですが、一寸法子は成長期を迎えてもさっぱり大きくなりません。

 あるとき、一寸法子は、京の都(古代において日本という国の首都)へ行ってみたくなり、おじいさんとおばあさんに許しをもらって、家を出て行きました。垂直方向にチャレンジされた背を持ちながらも世間で自立した女性として立派に生きてゆく決心をしたのです。偉いですよね?

 京へ着き、しばらくすると、一寸法子は、ある経済的に恵まれたお屋敷の古くさい封建制度的な支配階級の子女としての呼び名であるお姫さまの遊び相手としてその家に置いてもらうことになりました。最初は差別的好奇な目で都の人々に見られましたが、いつしか快活で元気な彼女をリベラルな都の人々は認めました。

 ある日、お姫さまが清水寺(仏教の寺院です。昔の日本に宗教の自由はあまりありませんでした)へ行きお参り(自分や他人の幸福を祈るということです)をするというので、一寸法子は姫のおともをすることになりました。

 しかし、そこへ鬼の女性が現れて、清水寺へのお参りの帰りに、お姫さまを連れ去ろうとしたのです。

 そのとき、一寸法子が飛び出して、鬼に理由を尋ねました。

 鬼はとても驚きましたが、自分の恵まれない境遇を涙ながらに話したのです。というのも鬼の伴侶である男性の鬼は非常に古くさい男性的権威を押しつけるタイプの鬼だったからです。お姫さまを連れ去ろうとしたのも彼が非菜食主義的な食欲を満たすために伴侶である鬼の女性に押しつけた仕事でした。

 彼女が女性を従属させる男性的権威に抑圧されている事をお姫さまと一寸法子はかわいそうに思いました。

 さめざめと泣いていた鬼でしたが、ふとある事に気が付きました。それは、打出の小槌という、打てば願いごとがどんなものでもかなうという宝物を持っていたという幸運です。

 三人は打ち出の小槌の利用法について相談し、結論として一寸法子のようにみんなで小さくなって静かに楽しく暮らすことに決めたのです。女性だけの共同体(コミュニティ)を創る事にした彼女らは小舟でとある島にたどりつきいつまでも幸せに暮らしましたとさ。

 めでたし、めでたし。

107胡蝶骨:2004/01/27(火) 21:54 ID:NOq2HHyc
真っ白な
ただ純粋に真っ白な壁があって
そのちょうど眼の高さにちょうど顔が映りそうなくらいの
しゃれっ気のない真四角の鏡がある
もちろんその中には僕がうつっていて
とても嬉しそうに笑っている
彼の後ろの壁は真っ赤で彼は僕の白とは違う
真っ赤な部屋にいるみたいだ

彼が怖い

だって彼の部屋はまるで戦場
真っ赤な血にまみれていてところどころにひとの部品がある

そして彼は笑っている

そろそろ彼がこちらの部屋にきそうで僕は怖くて見張っている
真っ白な壁に四角い鏡があってそれに僕が…

あれ?

じゃあ彼は僕だね
なぁんだ
とっても簡単だったね
僕は彼だったんだ 認めてみたら

何も怖くないさ

ほら振り返るとそこは真っ赤な血の海
僕はずっと笑ってた
恐れることなんかない
罪を怖がることなんていらないさ
だって…

殺っちまえばいいんだよ

ハヒャーー!

108気分屋:2004/02/10(火) 00:01 ID:V365oo/.
昔々、二つのグループがありました。
一つは「殺人否定派」でもう一つは「殺人否定否定派」でした。
「殺人否定派」は「個人的な殺人」のみを否定する派閥でした。でも戦争は克服できないのでした。
「殺人否定否定派」は「殺人否定派」を否定する派閥でした。
「殺人否定否定派」はある強力な根拠をもって「殺人否定派」を否定していました。
ところが合法的に殺人を行えなくなる事を恐れた「殺人否定派」は「殺人否定否定派」を何か理由をつけて皆殺しにしてしまいました。
ところが「殺人否定否定派」が全滅したので「人を殺してはいけない理由」を知るものがいなくなってしまいました。
そういうわけで今日、人を殺してはいけない理由を誰も知らないのでした。

109古臓:2004/02/15(日) 13:35 ID:Sry32MLY
    --『白い犬の話』-- 
 ボクの家には畑に残飯処理器があるため、たまにノラ犬やノラ猫が来ます。ノラ達は頻繁に来ているなぁと思っていると、知らぬ間にプッツリ来なくなります。たいていは残飯をあさるだけが、その白い犬は家の玄関の靴をくわえ盗んでいくのです。なので、母ちゃんや兄ちゃんはその白い犬を見ると、大きな声で怒鳴ったり石を投げて追い払っていました。皆が白い犬の悪口を言っても、ボクだけは言えませんでした。家族全員の靴や草履や洗濯物まで盗まれる中、ボクの物は一度も盗まれたことがありませんでした。ボクはその犬が「シロ」ではないかと思っていました。
 その日は、少し遠くの友達の家に遊びに行くことになっていました。ボクの自転車はボロだったので、天気も良かったし歩いて行くことにしました。青空の下一人歩いていると、道端の草むらにあの白い犬が寝転んでいました。友達の家は遠かったので、ボクはお供がほしくて「ついておいで」と犬を呼びました。草むらで眼を合わせないように伏せていた犬は、ボクをじっと眺め様子を伺いました。手招きしながら歩いて行くと、10メートルくらいの距離を保って、恐る恐る後を付いて来ました。きっとお腹を空かせているに違いないと思い、ポケットにあったお菓子を道にそっと置きました。犬はお菓子の匂いを嗅いだだけで、食べなかったのでがっかりしました。ボクが歩くと犬も歩く、止まると犬も止まる。そうやって、段々と距離を縮めている犬のシッポが嬉しそうに振られています。2メートルくらいに近づくと、もう嬉しくて堪らないとボクの回りをクルクル回りピョンピョン跳ねました。犬はシッポを千切れるほど振って、ボクにピッタリくっついて来ました。家来が出来た様で最初は嬉しかったボクも、間近に見る犬は痩せて艶がなく醜く、白い毛がよりいっそう不潔に見え、段々鬱陶しく思えてしまいました。近くで見ると明らかに「シロ」ではありませんでした。犬は嬉しそうにシッポを振りながら「グーーーグーーーッ!」と低い声で唸るのです。「ワンワン」と鳴かずキバを見せ低く唸る声に、今度は急に怖くなりました。この犬は「シロ」ではなくタダのノラ犬でした。「もうあっちへ行け!」と言うと、犬は訳が分からない様子でまだシッポを振っています。ボクはなるだけ乱暴にならないように、無視したり早歩きしたりしましたが、犬は相変わらずシッポを振って付いて来るのです。「石を投げるぞ!」と投げる振りをしましたが、それも効かずとうとう本当に石を投げ、家の者がしたように大声で追い払いました。犬は何度も振り返り立ち止まるので、その度に石を投げ、仕舞いには本当に当たりそうになりヒヤリとしました。それでもまだ50メートル先からじっと眺めていましたが、もう一度石を投げるまねをすると向こうへ駆けていきました。
 ボクは「シロ」のことを思い出しました。・・・続く・・とゆうかショートショートじゃなくなった。他人ん家の掲示板で許されない長さになってきた。

110あんず:2004/02/24(火) 21:10 ID:xGtDNoFg
>古臓さん
ぜひとも続き読みたいです。書いてくださいませんか?

111放恣放漫:2004/03/03(水) 19:55 ID:dsbaH99Q
 静寂の教室には、チョークの音と教師の声だけが響いていた。生徒たちは皆、机にうつ伏せになって寝ていたが、教師はそんなことは気にしないらしく、普通に授業を続けている。
「えー、地球温暖化は、人間によって空気中の二酸化炭素が増え、それが地球を暖めることによって起こります。温度が高くなると、南極の氷が溶け、標高の低い地域は海に沈んでしまいます。」
 教師が、黒板に『地球温暖化→二酸化炭素の温室効果』と書いたが、誰もノートをとるものはいない。教師は表情一つ変えずに授業を続けた。
「二酸化炭素は、ご存知の通り、物が燃えるときに発生します。そして、この二酸化炭素を減らしてくれていた植物を人間が伐採することで、地球温暖化が更に進行しているのです。」
 生徒の一人がなにやら寝言らしいことを言っても、教師は無意味な授業を続けた。
「また、二酸化炭素は生物が呼吸するだけでも発生します。」
「じゃあ死ね。」
 何処からか声が響いて、教師の首がぽろっと落ちた。生徒たちはそれでも寝ていた。

>110
古造さんじゃなくて申し訳ないですが、こんな白昼夢を見て、どうしても書きたくなってしまいまして。

112放恣放漫:2004/03/03(水) 19:56 ID:dsbaH99Q
ああ、何か古造さんとか書いてしまった。
古臓さんでした。申し訳ない。

113古臓:2004/03/03(水) 21:38 ID:QOnZSaKw
>>112 放恣放漫さん 
いえいえ、ちゃんと「こぞう」と入力して頂いたんですね。私は『ふるいぞうもつ』で変換です。

>>110 あんずさん 
さげてあったので気が付きませんでした。読んでくれてありがとう!

>>狂気さん 前のと同じくらいの長さなら書き込んでもいいですか?

114雨刻:2004/03/09(火) 20:43 ID:HiEieZEc
ある街に夢売りがいた。
夢売りは沢山の夢を沢山の人に売り、沢山の金を持っていた。
ある夜、それを嫉んだ男が夢売りを殺して、夢売りの夢を奪った。
あくる日、男が広場にいくと、昨日と同じように夢売りが夢を売っていた。
その夜、男は昨日と同じように夢売りを殺して、夢を奪った。
翌日、男が広場に行くと、夢売りが夢を売っていた。
夜になり、男は夢売りを殺した。

ある街の広場で男が眠っていた。
子供が近寄って、男を揺すったが、男が起きることはなかった。
夢売りは、相変わらず夢を売っていた。

115:2004/03/10(水) 18:34 ID:qn4dwXc6
キーンコーン、カーンコーン。
耳障りな音が俺の耳を支配する。

鮮やかな紅の液に囲まれながら、俺は微笑を湛えていた。
手に握る紅に塗れた美しい鋸は鋭利な刃を剥き出しにさせ、血を滴らせている。
床にはそれから垂れた血が血溜りとなって溢れていた。
俺はそっと鋸を持ってないほうの自分の手を自分の顔の前に持ってきた。

キレイナ、アカダナ、、、、、

手についた血をゆっくりと舐め上げ、俺は部屋を見渡した。
そこには俺の手についていたような鮮血が綺麗に散りばめられていた。
それと共に奇妙な形の肉塊も存在した。
多分、人だろう。
近づけばようやく解る塊の顔らしきもの。
俺は沢山ある中の一つを持つと、近くにあった椅子に座りそれに向って話しかけた。

「――・・やっと、叶ったんだよ。君の夢が。」

肉塊は微塵な動きすら見せない。
ただ、潰れた頭から少量の血を垂れ流すだけだ。
それでも俺は、もう一度尋ねた。

「叶ったんだよ?嬉しくないの?ねぇ・・・」

俺はその頭に口づけた。
反応は、全くなかった。

俺はゆっくりと涙を流し、肉塊を胸に抱いた。
力を入れてゆけばゆくほど、肉塊は姿を変化させていった。
そして、もう頭の形をしていない肉塊は俺の腕から床へとズルズルと落ちていった。



――・・私の夢はね、このクラスの人達を全員殺すことなの。
    あ、勿論貴方を除いてよ?
    この道徳の欠片も持たない馬鹿達を肉塊にすることが私の夢なの。
    いつか、叶えたいな。そのときは一緒にやらない?



「俺だけでやったのは悪かったよ。でも、何も喋ってくれないなんて酷いじゃないか。
なぁ、喋ってよ、早く。俺に笑いかけてよ!」

いつになく感情的になった俺の言葉をパトカーのサイレンが掻き消した。
涙で霞む景色の中、俺はずっと肉塊を抱いていた。
幾度腕から滑り落ちようが、また抱きなおした。


暫しの時の後、生ある物質がこの部屋に入ってきた。

「                  」


何か言っていたが、俺は何も聞いていなかった。
ただ、ひたすら胸にある肉塊を抱いていた。








すいません。荒らしじゃありません。
これが私にとってのショートなんです。
意味不明なものですいませんでした。

116spooky:2004/03/10(水) 23:36 ID:oaBzj54s
>115
荒らしだなんてとんでもない。ごく普通のショートショートですよ。
なかなかに綺麗な文体だと思います。

117身元不明歩く死体:2004/03/12(金) 13:01 ID:lilCxBkk
ショートショートというか、実際にあった会話。あんまり意味無い。長いし。

「あねゴーン面白い話を考えたよ」
「お前はトートツになに言い出す」
「あのねー、『変出るとグレーてぃる』て言う話」
「聞けよはなし。てか、明らかに何かパクってる感全開だな。しかも、変出るってなんだ?ナニ出してんだよ」
「そりゃ〜変な物を変な感じで・・・うわっ!なんだこれ!?変なん見えた!!」
「お前、自分が言ったこと想像して自分で驚くの止めろよ」
「ソーゾー力が豊かって言え」
「お前のソレは妄想っていうんだ」
「本質的には同じだと思う。ただ方向性が違うだけで」
「どうでもいいわ。そんなん」
「想像することって人間やってく上で大切だと思うけど?」
「屁理屈を・・・」
「どうでもいいことに一々道理を求めるのは賛成しかねるよ?」
「おめぇが大切だって言ったんだろうが!」
「でも、あねゴンがどうでもいいって思うなら、あねゴンにとってはどうでもいいことでしょ。じゃあ別に道理を求めなくてもいいじゃん?って考えると、道理を求めない道理が成り立つよ。どうでもいいけど」
「なぁんかムカつくなぁ。この腐れ妹は・・・」
「なんか怒るし・・・。最近の新成人はこれだからいけない」
「・・・・・・・お前の左にいる人の右側にいるヤツが何やら愉快な最期を遂げてくれることを切に祈るよ」
「お。中々遠まわしな言い方。あねゴンがそんなことできるようになるなんてね。これは俺の日々の特訓のおかげだな。感謝しろ。あねゴン」
「するかっ!!アホっ!!!」

118クリム:2004/03/12(金) 17:17 ID:.kWf5Q4M
ある夜のことです。
息子の部屋から泣き声が聞こえました。母親が急いで駆けつけると、息子は顔をおおって泣いていました。しかし、暗くて何があったのかはよく見えません。
息子が涙声で話し出します。
「お、お母さん…遊んでたら…遊んでたら…取れちゃったの…!」
おもちゃが壊れたのか、直してあげようかと電灯をつけ、母親は息子のほうを向きました。
息子の目からは流血。息子の手には眼球。
「お母さん…どうしよう!」
悲鳴が広がります。ある夜の事でした。

駄文スイマセン…これで全力です。失礼しました。

119:2004/03/12(金) 22:12 ID:qn4dwXc6
<116
有難う御座います。そういって貰えると浮かばれます。
文体綺麗ですか?わぁ・・目指してたので本当に嬉しいです。
また書こうと思ってるので見てもらえれば幸いです(図々しい/苦笑)。
では。拙い文で申し訳ない。

120古臓:2004/03/14(日) 10:52 ID:bmTb.UDY
109『白い犬』の続きを書いてみました。あんずさんみえるかな?
長くなったので自分のHPスペースに入れてみました。すぐ消します。
http://www13.ocn.ne.jp/~kozou/otamesi.html

121古臓:2004/03/14(日) 10:56 ID:bmTb.UDY
>>118 クリムさま
皆の書き込みはその人の個性が出てて面白いですね。駄文なんてことないですよ。
自分で文章を書いてみると、物書きさんってすごいなーと思います。

122放恣放漫:2004/03/15(月) 17:14 ID:dsbaH99Q
「俺は、生まれてこのかた、誰にも迷惑をかけたことが無いんだ。」
 僕の友人の佐藤君は、しばしばそんな事を口にした。今思えば、それは彼の誇りだったのではないだろうか。
 それに対して僕は、大体、ふーん、というような反応ばかりしていたと思う。でも、あの日の僕は、ちょっと機嫌が悪かったんだ。だから、つい、こう言ってしまった。
「はあ? お前が生きているって事は、他の豚や牛、鳥、野菜なんかを食い殺してるって事だぞ? 迷惑なんて、かけてない訳が無いじゃないか。それに、お前みたいな糞野郎は、生きているだけで僕にとっては迷惑なんだよ。」

 ・・・まさか、自殺するとは思わなかったんだ。

123楚良:2004/03/17(水) 02:08 ID:qYWa.TzY
↑なんかありそうで怖いよ!一瞬ホントかと思った。

124放恣放漫:2004/03/17(水) 11:48 ID:dsbaH99Q
お褒めに与り光栄です。
ちなみに、この話は実話ではありませんが、「人に迷惑をかけるな」と熱弁している人を見たときに思いついた物です。
まあ、思いついたと言うより、そんな妄想をした、と言った方が正しいかもしれませんが。

125could:2004/06/05(土) 00:34 ID:VqUUtim6
むかしむかしあるところに しなないにんげんがおりました
けんできられても やりでつかれても どくをもられても
けっしてしなない ふしぎなにんげんでございました
ばらばらにされても あっというまにもとにもどるので
だれもがそのにんげんのことを けっしてしなないとおもっておりました

ときはながれて かつてそのにんげんをしっていたものたちはいなくなりました
じゅうだとかかえんほうしゃきだとかいうぶきが あらわれだしました
しなないにんげんは そりゃもうしにませんでしたので
だれもがそのにんげんのことを うらやみはじめました

そしていつしか なんとかしてしなないにんげんをころしてしまおうとするようになりました
ばくだんでふっとばしてみたり ぷれすきでつぶしてみたり
それはもういろいろやったのですが やっぱりしなないのでした
そしていつしか だれもがしなないにんげんをころすことをあきらめました

ときはながれて しなないにんげんいがいのにんげんはいなくなりました
しなないにんげんは あとすうじゅうおくねんでちきゅうもおわることをしっていました
そしてたぶん じぶんはそれでもしなないであろうとおもっていました
すうじゅうおくねんさき それがただしかったことをしるのでしょう

しなないにんげんといえども いたいものはいたいのですが
それでもやっぱり しなないにんげんはしにたいとおもうことはなかったのでした

126気分屋:2004/07/05(月) 12:22 ID:AKbLfdr6
sagaっているのでage。

127報復ZO:2004/07/05(月) 17:09 ID:bxhrXYcY
>しなないにんげん
 ワッハマン?

128spooky:2004/07/05(月) 21:07 ID:qY3ex/Bc
>しなないにんげん
黒贄さんじゃ。

129kokesi:2004/07/07(水) 01:44 ID:BjxSJw1A
「死んじゃダメだよー!」
私がそう叫んだ時から彼は死ななくなった。
彼はいつも悲しげに会社へと出ていく。
時に楽しげに酔って帰ってくる。
「ずっと酔っていれば楽なのにね」
そう言った次の日から彼は酔っている。
今もふらふらとどこかをさまよっているのだろう。
彼はもう何も覚えていない。
彼は死んだように酒を飲み続けている。
私はそんな彼を見るのが嫌で自殺しようとする。
ゴメンナサイ。
サキニイキマス。
だが、彼がその時叫んだのだ。
「死んじゃダメだよー!」
私は何故か死ねなくなった。
だから私は酔っているのだ。
だから今も私の体は動かずに自動的に酔っている。
もう、そんな事はどうでも良い。
私は、私の体は次のお酒を求めてさまよい続ける。

未成年の飲酒を許可してホスィ・・・・・・・・・・・・・・・・
ダメスカ!

130spooky:2004/07/10(土) 11:54 ID:Tp.ZVyxs
日本はもう飲酒OKみたいなもんじゃないですか。
ゾンビみたいに自動的に生きてる人も多いんでしょうね。
はっこれが動物のように何も考えないで生きること!?
ならば彼らは幸せなのかっ!?

131kokesi:2004/07/10(土) 22:10 ID:BjxSJw1A
「世界が終わりついに僕らだけが残った日に君は俺を食べても良いからね」
「その時は私はあなたを愛しながら食べてあげる」
「それは良いね」
俺は笑ってから彼女にキスをした。
五日後、完全に世界は砕け散り人間と称される物が二つになった時、
逆に俺は彼女を食べた。
真っ暗という名の虚空の中で、僕は二人きりで君を食べ続けた。
そして、血が僕を塗らし僅かな肉片も残らない暗闇で俺は君を食べきった。
愛する君はもう、俺の中だ。
痛かったならゴメンよ。
でも、俺はこう思っているんだ。
最後で最高の思いやりを君に与える事が出来たのだろう、とね。
いや、思いやりなんて軽々しい言葉では表せない。
表せない程の愛。
愛という名の俺からの最後の贈り物。
あぁ、君よ。俺は君を救えたのかい?
俺は一人、夢の中の君に語りかけるしか無い。
この時既に意志の疎通という物は意味を為さないのだ。
でもね。
でもね?
俺の愛はここにあるんだ。
真の愛はここにしかないんだ。
だから今、君は愛の中にいるんだよ。
(ファンタジック(的)・ラブ 永遠の一人より君へ贈る唄)

P・S  ビールは体に悪いらしいよ?という担任の先生の話を思い出し、チューハイを飲んでみました。
    俺はチューハイには不向きらしいです。

132身元不明歩く死体:2004/07/28(水) 18:52 ID:IvTCVwWo
「お母さ〜ん。あのオモチャ欲しいよ〜。」
「駄目よ。この前絵本を買ったでしょう。」
「やだやだ!欲しいよ〜欲しいよ〜。何でもするから〜。」
「・・・本当に何でもするの?」
「・・買ってもらえるなら・・。」
「分かったわ。買ってあげる。だけど一つだけ条件があるわ。」
「何?」
「・・・・死ね。」


そこには幼児の死体とブロックのオモチャと血濡れの女だけが立っていた。

133放恣放漫:2004/08/06(金) 16:20 ID:XAYFpPa.
 男は目の前の老人を見つめながら思った。今日こそはきっと、分かってもらえる筈だと。
「また来たのか。バカめ。お前らが何度来ようとも真理は変わらない。一足す一は二じゃ」
 男の姿を認めて、老人はそう言った。
「いいえ、違います。一足す一は五なのです。私たちは、貴方が分かってくれるまで何度でも来ます。いい加減に分かって下さい。今、世界で一足す一を二だと考えているのは、貴方だけですよ」
 男が老人に、嗜めるようにそう言う。
「阿呆め。一足す一は二じゃ。良く見ろよ・・・」
 老人は男を睨みつけながらそう言って、右手の人差し指を立てて差し出した。
「これが一じゃ」
 そう言いながら、更に左手の人差し指を立てて、右手の隣に並べる。
「これも一じゃ。そしてこの二つをあわせると、二じゃろうが。誰が何と言おうとも、一足す一は二じゃ。たとえ世界中の人間が違うと言ってもな、真理は変わらない」
 老人の言葉を聞いて、男は困ったように溜め息をつく。
「違うのですよ。とにかく一足す一は五なのです。世界中の人々がそう考えていますし、これは数学の常識ですよ。幼稚園児だって一足す一は五だと知っています」
「死ねアホが。消え失せろ。お前らのようなクズ阿呆とは話したくもないわ、ボケ」
 老人が遂に怒って、暴言を吐き捨てる。男は再び、困ったように溜め息をついた。
「では明日再び参ります。その時までに良く考えておいてくださいね。一足す一は五です」
 男はそう言って、部屋から出て行った。老人は憎悪に満ちた瞳で、去っていった男を睨んでいた。

 ここ、日本反社会的思想矯正施設では、収容した危険な思想を持つ者に、このようにして毎日矯正教育を施している。ちなみにその老人は、半年後に舌を噛んで自殺した。

134ぜふぁ:2004/08/07(土) 01:19 ID:y4V7iALg
『馬鹿犬』

犬。

犬が座っている。

地面に。

犬。

なにかをみつけた。

犬。

犬は思った。

あ、あれは。よーし。

犬。

犬は主人の姿をみつける。

犬。

犬は主人に知らせるために吠え立てる。

犬。

「わんわんわんわんわんわんにゃんわんわんわんわんわんにゃん」

犬。

吠えれない犬。

うまく、吠えれない犬。

135kokesi:2004/08/08(日) 22:55 ID:icCdGr9k
自己洗脳が上手な方への攻撃

「抹殺!射殺!撃殺!瞬殺!惨殺!滅殺!爆殺!」
「で?」
「だから爆殺するって言ってんだよ!」
「いや、君は何が言いたいの?」
そう言うと少年は拳銃を突きつけたまま訳がわからないという顔をした
「言い方を変えると、君は何をしたいのかって事だよ」
「だからお前を滅殺するんだっての!」
「メッサツって何?」
「知るか!」
「じゃあ、バクサツは?」
「うるせぇ!さっさと死ね!」
「死ね死ねって俺はいつかは死ぬぜ?」
「たった今から俺が瞬殺すんだよ!」
「もぉ。意味が解らないよ」
「うるさい!」
「じゃあ、一つ聞くよ?しゅんさつって何をする事なの?」
「だからぁ、お前をさぁ・・・・・・・・ぶっ殺すって事だよ」
「ぶって何だよ?」
「はぁ!?」
「自分の言ってる事も解らない癖に一々わめくなよ。もうちょっと考えてから来いよ」
「俺はお前みたいな平凡な馬鹿じゃねぇんだよ!だから、ちゃんと俺は考えているんだ!」
「じゃあ、非凡。君は結局、どういう事をしたいのかちゃんと言ってくれ」
「だからお前をぶっ殺すんだって!」
「だからぁ、もうちょっと解りやすく言えよ。殺すっていう日本語知ってるか?」
「知ってるよ!!」
「じゃあ、それを言え」
「殺す!」
ふと彼はその短い言葉の脈絡のない弱い響きが癇に障った。だから彼は言い直した。
「ぶっころぉぉぉぉぉぉぉぉ」
「だから、それ何?」
「す」
銃声と共に彼は目をつぶった。
ピンと伸ばした腕が僅かに震える。
再び目を開けると撃たれたはずの彼は普通に立っている。
「あのさ、殺すって言えば解るんだけど?」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
彼はひたすら引き金を引き続ける。だが、引き金が引かれると同時に彼の腕があからさまに
弱々しく跳ねるだけだ。
「うーん・・・・・・・・・・・・・」
結局、彼は誰も爆殺することも滅殺することも出来ずに警察に保護された。
言葉の壁は厚い。



これはかなり前になりますがある作家の本を読んで感じた事を少しだけ表してみただけの物です。
言葉が持つ力というのは凄い物がありますがそれは時には弱い自分を覆い隠す物にも
成りえます。
それが解らないと少し幼稚な彼の我が儘と同じになってしまうのかも知れません。

136ほえほえ(腐):2004/08/11(水) 12:01 ID:ajCxhcP.
血三郎はある日、事故に遭いました。
奇跡的に彼は助かりました。
とても優しい奥さんがいて、献身的な介護をしてくれたのです。
奥さんは仕事があるので、週に1〜2回ぐらいしか来れませんでしたが、
密度の濃い介護だったのです。
よく効く薬とか、よく効く栄養食品とか、
よく効く漢方とか、よく効く霊水だとか、
よく効くドロっとした肉片だとかを
来るたびに持ってきてくれたのです。


最後まで外れなかった目の包帯がやっと取れました。
見えるものに、異変がありました。
人間の頭上に数字が浮かんでいるのです。
最初は幻覚かな、と思っていたのですが、
どうやら、違うようでした。
普通の人は大体、0とか1〜2ぐらい、
やくざ屋さんだと、2桁か3桁の数字、
軍人さんだと3桁とか4桁の数字でした。
どうやら、殺した人の数のようです。
入院している病院の院長先生は317でした。
担当は別の先生だったので、
自分は運がよかったんだなあ、と血三郎は思いました。
某国の米大統領は2億ちょっとでした。
間接的でも自覚があれば、殺したことになるようです。
この国の政治家は多くても10万ぐらいです。
平和な国に生まれてよかったな、と血三郎は感じました。

目が開いたとの連絡を受けて、
奥さんが仕事場から直接やってきました。
「君の仕事って何だっけ?」
血三郎は震える声で聞きました。
「ふふ、秘密」
奥さんは優しく微笑みました。
「僕が食べたものって、いったい何?」


血三郎は自殺しました。
遺書には「1000億、怖くて耐えられません。」
とだけ書いてありました。

137kokesi:2004/09/22(水) 20:33 ID:XVoNL6fU
[傷だらけのヘルメット]

ここに一人の少女の死体がある。
君はこの子に同情が出来るだろうか?
君は出来ない。
全ては視覚情報の弱点がもたらした洗脳だからだ。
素性もしらない人間に同情できるような事自体、出来る方がおかしいとも言えるかな?
まぁ、気にしないで欲しい。
全ては嘘なのだから。

ただ、この話だけは聞いて欲しい。
今は散り散りになってしまった我が娘の話を。


あの子はそこを右に曲がり車に跳ね飛ばされた。
最初に人間の枠から切り離されたのは右腕だった。

親指から小指までが弾けた後に腕という部位に属した骨も砕けた。

次に切り離されたのは頭だった。
大事なそこはいとも簡単に潰れてからそこについていたオプション、つまり眼や耳を血飛沫とともに壊してしまった。

ただ、口だけは笑みも恐怖も浮かべることなくただの口でしかなかった。

次に切り離されたのは右足。
身体が地べたに接触してからまた何度か跳ねる内に股関節の辺りからまるまる取れてしまっていた。

それこそ、骨は関節など最初から無かったように割れてしまっていた。

次に切り離されたのは左手。
こちらは車とは直接ぶつかった訳ではないから右腕程、酷くは破損していなかったよ。
ただ、胸ごともぎ取れたがね。

次に切り離されたのは、そう。左足だ。
大きなヒビが入っていたがそれ以外は擦り傷等しか見当たらない。

でも、まだ、何かが残っているのが解るかな?

身体じゃないよ?
基点なんだから当然さ。
まぁ。右側に行く程、飛び散って何も無くなってしまっていたが。

さぁ、まだ解らないかい?
私の娘はまだ残っているだろう?

そう。
そうだよ。
命。
解りやすく言えば意識だ。

ん?
言っている意味がまだ解っていないようだ。

こんなに怖ろしい事がまだ残っているんだよ?

じゃあ、教えてあげよう。

我が娘は生きたまま身体を粉砕されたのさ。
ハッキリ言って後の三つは蛇足だがね。

ただ、これは言える。
あの子は頭だけになってまだ生きていてしまったんだ。

あの子は声帯のない、脳のない、眼のない、耳のない状態で。

「嫌だと叫んだんだ!」

何故だろうね。

こんな奇跡的な事がよりにもよってあんな時に起こるとは。

改めてあの子を見た時、あの子の頭の上にはあの子の身体が乗っかっていた。

そうだ。

右半分が飛び散ってしまったその身体だ。

そして私があの子の顔を見ようとあの子を退かした時
あの子の顔は。
あの子の口はどう変わっていたと思う?

「ぽっかりと穴を開けていたんだよ!」

その恐怖を私は解る事は出来ない。

だから君を連れてきたんだ。

刑法第九条、第十三条、第二十五条、第三十一条、第三十六条を「無視」し。

私の悲しみにおいて君に死刑を宣告する。

「さぁ、来たまえ。君の乗っていた車は用意してある」
「さぁ、これを被りたまえ。これで君の首から上は守られるだろう」
「さぁ、これを付けたまえ。もし、身体が無事な時にもこれが君の四肢を吹き飛ばしてくれるだろう」
「さぁ、ここに立ちたまえ。あの世で娘が待っているだろう」

「さぁて。それでは刑を執行するとしようか」

138ナヲ。:2005/06/11(土) 20:48:13 ID:eDVQzn5w
*a clockwork doll*


ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる
カチッ・・・ギィ・・・ギギィ・・・

ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる
おはよう ぼくはねじまき人形

貴方ノねじはどこにあるの?
背中にもついていないね。
そっと胸に手をあててみると
ドキドキドキドキドキドキドキ
不思議な音が流れてる
ここにゼンマイ 大事なねじまきかくれているの?
開けてみてもいいかな?
貴方もいつもやっていることだもの
待って待って走らないで。
うわーい、おいかっけこなら得意だよ。
僕は貴方を捕まえる
貴方ノねじをみたいから
待って待って、楽しいね。
かくれんぼだって、得意だよ。
ほらほらお尻が丸見えだ。
さぁ、早くその素敵な音楽を聞かせてよ。
そっと胸に耳をあててみると
ドキンドキンドキンドキンドキン
あらあら 音が早くおっきくなっている。
不思議だ不思議だ、どうしてだろう

開けるとそこには紅い塊が蠢いていた

ドックンドックンドックンドックン
リズムにのって波打っている。やあ これは素敵なゼンマイだ!
あれ、どうして眠ってしまうの?
ねじがきれかけなのかしら?
・・・・・ブチッ・・・ぐるぐる・・・ブチブチッ・・・ぐるぐるぐるぐる・・・
嗚呼 大変だ。
今度は音楽が止まってしまった。
きっと旧式のねじなのね。

なんだか僕のおててもよごれてしまった。

*駄文、スレ違いでしたら申し訳ありません。

139九狼:2005/08/10(水) 05:01:33 ID:BRwlDTWg
「一休」 

ある日将軍に呼ばれた。
なにやら無理難題を思いついたから解けという話らしい。
いつもの事だ・・・面倒くさいが行くしかあるまい。
将軍の屋敷に行くとすぐに言われた。
「この屏風に描いてある虎を生け捕りにしろ」
こいつ馬鹿じゃねーの?
そう思ったが口には出さない。
「屏風に描かれた虎は生きてないと思いますが・・・」
と言ってみた。
すると将軍は言った。
「いいからやれよ小僧」
何こいつ・・・・腹立つなぁ・・・・。
馬鹿でも将軍だし仕方ない・・・・相手をしてやるか。

一休「じゃあ虎を屏風から追い出して下さい」
将軍「はぁ?お前が自分でやれよ」
一休「できないんですか?」
将軍「出来るけどやらねーよ、面倒くさいじゃん」
一休「出来ないんでしょ?」
将軍「出来るって言ってるじゃん・・・お前舐めてると殺すぞ?」
一休「私には出来ませんから将軍様が追い出してくれない限り生け捕りには出来ません」
将軍「ちっ・・・」

将軍は黙った。
やれやれ・・・まあこれで放免されるだろ。
馬鹿の相手も楽じゃないぜ・・・そんな事を考えていると将軍が傍に寄って来た。
「おい一休・・・絶対に捕まえろよ」
そう言うと屏風に近寄って行く。
何言ってんだ・・・?
俺がポカンと眺めていると将軍は屏風に向かって呪文を唱え出した。
天に向かって何やら祈念した後舌先を噛み切り、虎に血を吹きかける。
俺は屏風の中の虎の目が爛々と光出すのを見た。
雷の様な咆哮をあげながら屏風から踊り出した虎は将軍に襲い掛かった。
「いっ・・一休!早く捕まえろ!!」
そう叫んだ将軍は2秒後首を噛み折られ死んだ。
俺はそれを見て『ほんとに馬鹿将軍なんだなぁ・・・・』と思ったがその3秒後に殺された
ので後の事は知らない。

‐完‐

140ひまじん:2005/08/23(火) 08:17:55 ID:K8n6BW76
  「おめでとう」

「健君、おめでとう!」
振り返ると、同級生の奈々子がいた。
「何がだよ?」
「あれ健君、誕生日でしょ?」
「そうだけど?」
「???ならおめでたいじゃない?」
「何いってんだよ、命日じゃあるまいし」
「え!?普通、命日を祝うんだっけ」
「当たり前だろ、生まれた日を祝うなんてばっかじゃねぇの?」
「それもそうね、こんな世の中だものね、死んだ方がおめでたいか」
「俺も早く死んで、祝ってもらいたいなぁ、あはははは」
「あはは、じゃあ殺してあげるね♪」


その日の夕方のニュース
「今日の午後3時頃、世田谷区に住む学生が同級生に突き飛ばされてトラックに轢かれて死亡しました」
「悲惨な事件ですねぇ」
「原因は何だったのでしょうねぇ・・・」
「同級生との間に色々とトラブルがあったのでしょうか」
「原因はまだわかっていませんが、何はともあれ」

「おめでとうございます」

141複雑系:2006/03/14(火) 20:54:55 ID:vNF6wvHU
==エレベーター==

男がいた。
スーツを着た男は、エレベーターに乗り込んだ。
「イラッシャイマセ。ナンカイデゴザイマスカ」
「地下、お願いします」
「カシコマリマシタ」
エレベーターは二時間ほど下りつづけた。
チャイムが鳴った。
「オツカレサマデシタ。チカ120カイ、マカイデゴザイマス」
扉が開いた。
目の前には、赤い空と、ひび割れた大地、枯れた植物の広がる世界があった。
男は歩き出した。
五分ほど進むと、地下への階段があった。
男は十分ほどかけて階段を下りた。
大きな扉があった。ノックして男は中に入った。
「失礼します。株式会社銀十字社でございます」
男の目の前には、三メートルほどの、赤い肌を持つ巨漢の姿があった。巨漢の顔には、ねじれた角が生えていた。
「本日は納品の確認に参りました。大剣5670本、大斧21500本、大槍1200本、大鎌4500本。
発注数通りの商品は到着しておりましたか?」
「うむ」
「それでは、こちらに確認のサインか印鑑をお願いします」
巨漢は、サイズに見合った巨大なハンコを男の書類に押した。
『魔王』と捺印された。
「ありがとうございました。今後とも銀十字社をよろしくお願い致します」
男は頭をさげて、部屋を出た。
行きと同じ時間をかけて、男は再びエレベーターに乗り込んだ。
「イラッシャイマセ。ナンカイデゴザイマスカ」
「屋上、お願いします」
「カシコマリマシタ」
エレベーターは三時間ほど上りつづけた。
チャイムが鳴った。
「オツカレサマデシタ。120カイ、シンカイデゴザイマス」
扉が開いた。
目の前には、青い空と、豊かな大地、広大な森林の広がる世界があった。
男は歩き出した。
五分ほど進むと、空へ続く階段があった。
男は十分ほどかけて階段を登った。
小さな扉があった。ノックして男は中に入った。
「失礼します。株式会社銀十字社でございます」
男の目の前には、三センチほどの、白い肌をした小人の姿があった。小人の背中には、白い羽が生えていた。
「本日は納品の確認に参りました。拳銃5670丁、マシンガン21500丁、ライフル1200丁、ガトリングガン4500丁。
発注数通りの商品は到着しておりましたか?」
「うむ」
「それでは、こちらに確認のサインか印鑑をお願いします」
小人は、サイズに見合った小さなハンコを男の種類に押した。
『神』と捺印された。
「ありがとうございました。今後とも銀十字社をよろしくお願い致します」
男は頭をさげて、部屋を出た。
行きと同じ時間をかけて、男は再びエレベーターに乗り込んだ。
「イラッシャイマセ。ナンカイデゴザイマスカ」
「地上、お願いします」
「カシコマリマシタ」
エレベーターは二時間ほど下りつづけた。
チャイムが鳴った。
「オツカレサマデシタ。1カイ、ニンゲンカイデゴザイマス」
扉が開いた。
目の前には、濁った空と、埋め立てられた大地、巨大なビルの広がる世界があった。
男は歩き出した。
五分ほど進むと、自宅へと続く階段があった。
男は十分ほどかけて階段を上った。
普通の扉があった。
「ただいま」
男は仕事を終えた。



初めまして。
皆様のショート・ショートに感銘を受け、むくむくと書いてみました。
エレベーターって密室ですから、もしかしたらこういうところに繋がって
いたり……したらいいなぁ。

142てふ:2006/03/27(月) 16:17:36 ID:MbcBbn/g
「ねぇ〜」
「なに?」
「死んだらどうなるの?」
「いきなりなにを言ってるの?」
「ど・う・な・る・のぉ・?」
「ぼくはしらないよ、きみはどうなると思っているの?」
「えっと、な〜んにもない。くろ、しろ、どっちかでここよりず〜といい所」
「・・・それは・・・おかしいよ・・」
「なんで!!?」
「だってくろ、しろ、どっちか解るってことはそこに色を確認するためのきみが在るって
 ことでしょう?なんにもないでは色も、きみもないんだよ」
「・・うん・・で・でもっ死んだあともきっと何かあるよっ、ねっ」
「だから、解らないって言ってるんだけど?」
「解らなくてもっ、きっと死ぬ時はいっしょだから怖くないよね」
「死ぬの、怖いの?」
「ううん、きっとあなたもいっしょに死んでくれるんでしょう、だから怖くない」
「ぼくが?きみと?・・・アハハッ・・そんなことあるはずないよっ・・アハハッ」
「え?」
「だって死ぬのはきみだけだから・・アハハハハッアヒャハハハハハハハッ」
「そんなっっ・・・・・なんで!」
「バーイバーイ、アヒャヒャヒャハハハハハハッ」
「えっ、たすけぢやゆぐるddddっぢれrrrrrrr・・・・・・・

    汽車の線路の砂利にあかいあかいあかい道
       道の先にはあかの源、小さな肉片もいっしょ
          砂利に削られて頭の無い人、それを作っている人
             たのしそうに、うれしそうに、つらそうに、笑ってる

「ねえねえねえねえっどうどうどうっ?なにかある?きみは在る?アハッアヒャヒャ」
「・・・・・・・・・
「ないよねぇ?・・・くっはは・・・アハハハハ・・アーヒャヒャヒャヒャ・・・・」

      在るのはながいながいながいあかいあかいあかい道
            あかいあかいあかい手で受ける透明な滴

       
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
いったい何を書きたかったのか・・・・・わからん!!!
   (テスト勉強ほっぽりだしてなにやっとんじゃーばかがー!!!{母の怒声})
母に怒られたのでこれぐらいにします。でわ〜〜・・・
    

     「かあさんうっせー!」(なんですって!!)・・・以下は書けません。

143IZA:2006/03/27(月) 19:09:11 ID:t6lih/92
俺達は破片だ、という言葉を何処かで聞いたことがある。
その言葉が何故か遠くへ吸収された僕の記憶に貼り付いていた。
人間はきっと本人が思うより不完全な欠落した欠片なのだろう。
僕もその一人で膨大な雑音の海を彷徨うしかない無力な欠片だ。
あまりにも無力だ。だから時に意味を見失う。

「朝木さんは何で友達と話そうとしないの」
「別に何でも無いですよ先生。」
「クラスに友達がいないと寂しくはないかい」
「私はあの人達に好かれる為に学校へ行く訳じゃあないですからね。
・・逆に言えばあの人達は一人では何も出来ないのですか?」
「えっとそうじゃなくてね・・・・」

水流に流されるだけの枯れ葉に何か意味を見出せるだろうか?
時という水流に流されてゆく僕に何か意味はあるのだうか?
やがて僕達にはちゃんと終末に行き着く様に用意がしてある筈だ。

「先生は生きている事に意味を感じますか」
「・・・どうしたんだいそんな事を」
「自分が生きている意味を感じますか?もし感じるならどんな意味ですか」
「朝木さん、またそんな事を言っては」
「私はこの世界で一つ生きてる意味を見つけましたよ」

それでは待ち構えている終末とは。

「・・・・・・何だい朝木さん」
「・・『死』ですよ先生・・・・ちゃんとあるでしょう貴方にも」

だから確かに其処に意味はあった。真理に近い紛れも無い真実が。

「先生はこの学校の事件を知ってますねニュースでもやってる」
「・・・・君のクラスで生徒六名が行方不明という事件かい」
「そうです。その内五名はグループですが・・知ってますか先生
もう一人は虐められてたんですよ。見掛けましたよ何時も・・・・何時も
・・体育館に裏側でリンチを受けてるのを。意味の無い行動ですよね。
最初はどうでも良かったんですが最近なんか目障りになってきちゃって
きっと私もう我慢出来なくなってたんですよね中途半端だったし」
「朝木さん・・・・君は」
「先生、その人達を殺したの私です」

「まずその場の全員の頭を強打して気絶させて動けなくしてからまず
一人を鉄パイプで顔を殴ったら大声で叫んで起きたから五月蝿かったです
だから鋏で舌を切ったらマシになりました。・・後の四名も同じようにして
後の一名の前で私は一人ずつ弓のこで四肢を切り落としました
その人は怯えてたと思いますそれから」
「朝木さん」
「理科室の塩酸を彼等の顔に振り掛けたのです。その内三名はショックで
死んでしまいました・・・私は全員の首を切り落としてビニールに包み
ました。後の一名もそれと同じように・・・私は動かなくなった彼を見て
安心していたのです。何故だか解りますか先生?」
「もういいよ朝木さん」
「・・・それが私達に用意されてる意味だったからですよ
意味が無い私達にも『死』という意味が用意されている。待っている。
だから私達は生きてる。意味があるから生きている。
私はその事に気付いて酷く安心したのです。・・・死が私達の」
 
・・・嗚呼もう意味が分からない


「・・じゃあ・・・僕の意味の為に死ぬといい朝木さん」

シャーペンで咽を貫いた彼女の肉塊には生命の名残が在った。
僕は彼女を抱きかかえながら確かに意味を見出した。

144みさおい:2006/03/31(金) 02:24:34 ID:CD52XL6I

       ちょっと長めの物話を
 〜いつか、どこかのお話〜
 
 昔々、あるところに小さな村がありました。
その村では10年に一度かみさまに男の子をさしあげていました。
あくまにも村をおそわないように、いけにえをだしていました。
そして、今度のいけにえには双子の男の子がえらばれました。
男の子たちはいやがりましたが両親はいけにえのかわりにたくさんのお金がもらえるので大喜びでした。
いけにえになる2人は両方が好きなおんなのこに「さようなら」を言いにいきました。
おんなのこは2人の話を聞いて「いかないでほしいけど、いかないといけないんだね、ずっとまってるよ」と泣きながらほほえみました。
2人はつらかったけれど、すぐにいけにえのぎしきが始まってしまいました。
村長が祝詞をとなえ双子の兄がかみさまに、弟があくまにさしだされることになりました。
村の祠には天界につうじる穴と、地界につうじる穴がありました。
まず、兄のほうが天界の白い穴になげこまれました。
つぎに、弟が地界の黒い穴になげこまれました。
村長が祝詞をとなえ2つの穴がとじられました。
2人は白と黒の世界にゆっくり沈んでいきました。

兄がきずくと目の前に白い翼のはえた人がいました。
その人はいいました。「あなたには、天使の使いとなってもらいます。」
兄はじぶんのやることがわかってあんしんしました。なにかしないと、とても辛いことを思い出しそうだったからです。
その時から兄は従順な天使の僕となりました。
法を何よりも大切にし、慈悲の心をもてるようになりました。あくまばらいの法もならいました。

弟は何かにけられて眼を覚ましました。
目の前には黒い人がいて「おまえはあくまの使いになるんだ。」といいました。
弟は安心しましたなにかやることがないと辛いことを思い出しそうだったからです。
その時から弟は従順なあくまの僕になりました。
自分の命を一番大切にし、残酷な心をもてるようになりました。天使狩りの方法もならいました。

ある時2人ともに偶然人間界へ行くように言われました。
2人ともあの祠の穴へもどることになりました。
先に着いたのは兄のほうでした。
村人におおいにかんげいされました。
あの好きだったおんなのこのことも思い出してあいにいきました。
おんなのこはきれいなおんなの人になっていました。
兄はおんなの人が好きだったけど、法にならい何もいいませんでした。

そのあと弟が着きました。
村人におそわれました。
弟はしょうがなくみんなころしました。
そしてあの好きだったおんなのこをおもいだしてあいにいきました。
おんなのこはきれいなおんなの人になっていました。
弟はやっぱりおんなの人が好きだったので、こくはくしました。あくまのつかいであることも。
おんなの人は、はにかんで弟ののぞむ返事をしました。あくまのつかいであってもよいと。
そこに、村人がころされたことを知った村全体が弟をたおしにきました。
兄と弟の目があいました「あ、」「あ、」。
兄も弟もすべてを察した様子でした。
そのあと、2人とも村の広場で戦うことになりました。
「やめて、やめてよ」おんなの人はさけびましたがむなしくひびくだけでした。
兄弟は死力をつくして戦いました。
2人ともきずくともう村も、なにもありませんでした。
おんなの人はたくさんある死体の1つになっていました。
それに気を取られた隙に弟は兄をたおしました。
弟はただ、おんなの人が死んでしまったのが悲しくて、でも、泣けませんでした。

荒野にひとりのこったひとかげがありました。狂ったように笑うひとかげがくずれおちました。

********〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜********〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜************〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜**
ただながいだけだ〜内容もくそもね〜。(スイマセン)

145<抹殺されました>:<抹殺されました>
<抹殺されました>

146複雑系:2006/04/20(木) 09:31:25 ID:TlxcmcGQ
=幸福論=

男は思った。
ああ、私はなんて幸せなんだろう。
朝起きて、朝御飯を食べて、午前の仕事をして、昼御飯を食べて、午後の仕事をして、
定時に仕事を終えて、お風呂に入って、ベッドに入る
普通のことが、普通に出来る。
いつもの毎日。
変わらない毎日。
ああ、私はなんて幸せなんだろう。

一家四人を惨殺した男は、鉄格子の中でそう思った。

147:2006/04/22(土) 01:12:32 ID:5Qre0.Fw
「妄想」

痛い痛い。
何よりも気持ちが痛い。
私という生物が感情を伴っているという事が。
その上、こんなにも欲望や危険や生命を感じてしまう事が。
苦しみぬくという事が、何かしらの結果を生むことだと信じていた事が。
命の尊さよ。
愛情の温もりよ。
飯を平らげる。それだけで。
道を進む、それだけで。
何もかも満ちていたあの頃。
前の奴にも後ろの奴にも。
どんな奴にだって感謝できたあの頃。
今はもうない。もうここにはないのだ。
散々なるこの大地の上で、内臓も脳漿も感情でさえもむき出しだ。
何もかも晒された上で不条理の前で佇んでいるのだ。

痛い痛い。
何より意味のない結末が痛い。
しかし私は今許しは満ちている。
祈りは私の心に満ちているのだ。
なんという幸福だろう。
心地良い感覚だ。
痛みでさえも天からの理不尽でさも許せる。
不条理でさえ理解できるのだ。

ただ、先にたつ事で。愛を守れず、糧も生れず消えてしまう事で。
私というこの世界における矮小ながら、役割を持ち加担してきた存在が。
この場で残りのものを果たせずに逝くのが何よりの後悔だ。
時間よ待ってくれ。
この木偶に過ぎない私を置いていかないでおくれ。
私は。
まだ私は。

僕は、靴の下でそんな事を考えてるんじゃないかと、価値はもはや逆転されたんじゃないかと不安になって、黒く光った蟻を弔い泣いた。

148<抹殺されました>:<抹殺されました>
<抹殺されました>

149身元不明歩く死体:2006/07/26(水) 14:47:37 ID:0/Yro7sI
「たろうちゃん」
「たろうちゃんはほんといい子よね。」そう言っておばさんはお菓子をくれた。
おばさんは詐欺師だった。
「たろうがんばったな。」先生は大きく花丸をつけたテストを返した。
先生はレイプ魔だった。
「たろうくんはお行儀いいわね。」友達のお母さんはそういった。
友達のお母さんは友達を虐待していた。
「たろうはお料理上手ね。」お母さんはたろうの作った料理をほめた。
お母さんは人を殺してそれを料理して家族に出していた。
「たろうはお父さんの誇りだよ。」お父さんはたろうをなでながら言った。
お父さんはテロリストのボスだった。
「僕はいい子なんだ。」たろうはそういった。
たろうは魔王だった。

150密かに黒贄さんファンの六堂さん:2006/10/02(月) 23:07:10 ID:l3tCKWL2
ここはどこかの公立高校の校長室
そこには二人の男がいた。
一人は太めの中年男性
もう一人は普通の少年
その中年の男は校長らしく、校長と書かれた名札を付けている。
その少年は生徒らしく、生徒と書かれた名札を付けている。
校長がしゃべりだした。
「昨日のぼうりょあっ!」
突然少年が校長の名札を奪って自分に付け、自分の名札を校長に付けた。
少年が言った。
「昨日の暴力事件での処分だが、君は退学だ。」
その元校長の中年男は退学になった。

151:2006/10/03(火) 00:35:49 ID:AtDiPbes
「隣人」
俺はアパートで一人暮らしを始めた。のだが。
隣の奴が五月蝿い。
ガラスが割れるような音や壁にボールを当てるような音や
刃物を研ぐような音や肉を切るような音や
断末魔のような悲鳴や狂人のような笑い声が
毎日のように聞こえてくる。
いい加減嫌になってその隣の奴に文句を言いに行った。
俺は自分の「家」から出て、奴の「家」の前に立った。
扉を開けた。
その奥には何も無かった。


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