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ショート・ショート

1ぬふあうえ:2003/02/27(木) 19:54 ID:xj6ucTtw
「みなさんで小説をいかがでしょう」スレッドの短編小説バージョンです。

===賭け===
「トイレに行くよ。」Aがそう言って部屋を出た。
Aがトイレのドアを開けると、そこにはナイフを持った男が居た。
「ん・・・あぁ。俺は殺されるか・・・。」と、Aは暗い声で言った。
しかしナイフ男はいきなり自分の首筋を切り、そのまま絶命した。
Aはトイレから戻り、居間にいたBにこう告げた。
「またお前の勝ちだ。」 Aが1万円札を差し出した。
「これで41万の負けだ・・・お前、運が良いな。」
「お前がな。」Bはそう言って一万円札を財布にしまった。
ただ、Aが初めての勝利とともに人生を終えるまでの時間はそう長くなかったが。

132身元不明歩く死体:2004/07/28(水) 18:52 ID:IvTCVwWo
「お母さ〜ん。あのオモチャ欲しいよ〜。」
「駄目よ。この前絵本を買ったでしょう。」
「やだやだ!欲しいよ〜欲しいよ〜。何でもするから〜。」
「・・・本当に何でもするの?」
「・・買ってもらえるなら・・。」
「分かったわ。買ってあげる。だけど一つだけ条件があるわ。」
「何?」
「・・・・死ね。」


そこには幼児の死体とブロックのオモチャと血濡れの女だけが立っていた。

133放恣放漫:2004/08/06(金) 16:20 ID:XAYFpPa.
 男は目の前の老人を見つめながら思った。今日こそはきっと、分かってもらえる筈だと。
「また来たのか。バカめ。お前らが何度来ようとも真理は変わらない。一足す一は二じゃ」
 男の姿を認めて、老人はそう言った。
「いいえ、違います。一足す一は五なのです。私たちは、貴方が分かってくれるまで何度でも来ます。いい加減に分かって下さい。今、世界で一足す一を二だと考えているのは、貴方だけですよ」
 男が老人に、嗜めるようにそう言う。
「阿呆め。一足す一は二じゃ。良く見ろよ・・・」
 老人は男を睨みつけながらそう言って、右手の人差し指を立てて差し出した。
「これが一じゃ」
 そう言いながら、更に左手の人差し指を立てて、右手の隣に並べる。
「これも一じゃ。そしてこの二つをあわせると、二じゃろうが。誰が何と言おうとも、一足す一は二じゃ。たとえ世界中の人間が違うと言ってもな、真理は変わらない」
 老人の言葉を聞いて、男は困ったように溜め息をつく。
「違うのですよ。とにかく一足す一は五なのです。世界中の人々がそう考えていますし、これは数学の常識ですよ。幼稚園児だって一足す一は五だと知っています」
「死ねアホが。消え失せろ。お前らのようなクズ阿呆とは話したくもないわ、ボケ」
 老人が遂に怒って、暴言を吐き捨てる。男は再び、困ったように溜め息をついた。
「では明日再び参ります。その時までに良く考えておいてくださいね。一足す一は五です」
 男はそう言って、部屋から出て行った。老人は憎悪に満ちた瞳で、去っていった男を睨んでいた。

 ここ、日本反社会的思想矯正施設では、収容した危険な思想を持つ者に、このようにして毎日矯正教育を施している。ちなみにその老人は、半年後に舌を噛んで自殺した。

134ぜふぁ:2004/08/07(土) 01:19 ID:y4V7iALg
『馬鹿犬』

犬。

犬が座っている。

地面に。

犬。

なにかをみつけた。

犬。

犬は思った。

あ、あれは。よーし。

犬。

犬は主人の姿をみつける。

犬。

犬は主人に知らせるために吠え立てる。

犬。

「わんわんわんわんわんわんにゃんわんわんわんわんわんにゃん」

犬。

吠えれない犬。

うまく、吠えれない犬。

135kokesi:2004/08/08(日) 22:55 ID:icCdGr9k
自己洗脳が上手な方への攻撃

「抹殺!射殺!撃殺!瞬殺!惨殺!滅殺!爆殺!」
「で?」
「だから爆殺するって言ってんだよ!」
「いや、君は何が言いたいの?」
そう言うと少年は拳銃を突きつけたまま訳がわからないという顔をした
「言い方を変えると、君は何をしたいのかって事だよ」
「だからお前を滅殺するんだっての!」
「メッサツって何?」
「知るか!」
「じゃあ、バクサツは?」
「うるせぇ!さっさと死ね!」
「死ね死ねって俺はいつかは死ぬぜ?」
「たった今から俺が瞬殺すんだよ!」
「もぉ。意味が解らないよ」
「うるさい!」
「じゃあ、一つ聞くよ?しゅんさつって何をする事なの?」
「だからぁ、お前をさぁ・・・・・・・・ぶっ殺すって事だよ」
「ぶって何だよ?」
「はぁ!?」
「自分の言ってる事も解らない癖に一々わめくなよ。もうちょっと考えてから来いよ」
「俺はお前みたいな平凡な馬鹿じゃねぇんだよ!だから、ちゃんと俺は考えているんだ!」
「じゃあ、非凡。君は結局、どういう事をしたいのかちゃんと言ってくれ」
「だからお前をぶっ殺すんだって!」
「だからぁ、もうちょっと解りやすく言えよ。殺すっていう日本語知ってるか?」
「知ってるよ!!」
「じゃあ、それを言え」
「殺す!」
ふと彼はその短い言葉の脈絡のない弱い響きが癇に障った。だから彼は言い直した。
「ぶっころぉぉぉぉぉぉぉぉ」
「だから、それ何?」
「す」
銃声と共に彼は目をつぶった。
ピンと伸ばした腕が僅かに震える。
再び目を開けると撃たれたはずの彼は普通に立っている。
「あのさ、殺すって言えば解るんだけど?」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
彼はひたすら引き金を引き続ける。だが、引き金が引かれると同時に彼の腕があからさまに
弱々しく跳ねるだけだ。
「うーん・・・・・・・・・・・・・」
結局、彼は誰も爆殺することも滅殺することも出来ずに警察に保護された。
言葉の壁は厚い。



これはかなり前になりますがある作家の本を読んで感じた事を少しだけ表してみただけの物です。
言葉が持つ力というのは凄い物がありますがそれは時には弱い自分を覆い隠す物にも
成りえます。
それが解らないと少し幼稚な彼の我が儘と同じになってしまうのかも知れません。

136ほえほえ(腐):2004/08/11(水) 12:01 ID:ajCxhcP.
血三郎はある日、事故に遭いました。
奇跡的に彼は助かりました。
とても優しい奥さんがいて、献身的な介護をしてくれたのです。
奥さんは仕事があるので、週に1〜2回ぐらいしか来れませんでしたが、
密度の濃い介護だったのです。
よく効く薬とか、よく効く栄養食品とか、
よく効く漢方とか、よく効く霊水だとか、
よく効くドロっとした肉片だとかを
来るたびに持ってきてくれたのです。


最後まで外れなかった目の包帯がやっと取れました。
見えるものに、異変がありました。
人間の頭上に数字が浮かんでいるのです。
最初は幻覚かな、と思っていたのですが、
どうやら、違うようでした。
普通の人は大体、0とか1〜2ぐらい、
やくざ屋さんだと、2桁か3桁の数字、
軍人さんだと3桁とか4桁の数字でした。
どうやら、殺した人の数のようです。
入院している病院の院長先生は317でした。
担当は別の先生だったので、
自分は運がよかったんだなあ、と血三郎は思いました。
某国の米大統領は2億ちょっとでした。
間接的でも自覚があれば、殺したことになるようです。
この国の政治家は多くても10万ぐらいです。
平和な国に生まれてよかったな、と血三郎は感じました。

目が開いたとの連絡を受けて、
奥さんが仕事場から直接やってきました。
「君の仕事って何だっけ?」
血三郎は震える声で聞きました。
「ふふ、秘密」
奥さんは優しく微笑みました。
「僕が食べたものって、いったい何?」


血三郎は自殺しました。
遺書には「1000億、怖くて耐えられません。」
とだけ書いてありました。

137kokesi:2004/09/22(水) 20:33 ID:XVoNL6fU
[傷だらけのヘルメット]

ここに一人の少女の死体がある。
君はこの子に同情が出来るだろうか?
君は出来ない。
全ては視覚情報の弱点がもたらした洗脳だからだ。
素性もしらない人間に同情できるような事自体、出来る方がおかしいとも言えるかな?
まぁ、気にしないで欲しい。
全ては嘘なのだから。

ただ、この話だけは聞いて欲しい。
今は散り散りになってしまった我が娘の話を。


あの子はそこを右に曲がり車に跳ね飛ばされた。
最初に人間の枠から切り離されたのは右腕だった。

親指から小指までが弾けた後に腕という部位に属した骨も砕けた。

次に切り離されたのは頭だった。
大事なそこはいとも簡単に潰れてからそこについていたオプション、つまり眼や耳を血飛沫とともに壊してしまった。

ただ、口だけは笑みも恐怖も浮かべることなくただの口でしかなかった。

次に切り離されたのは右足。
身体が地べたに接触してからまた何度か跳ねる内に股関節の辺りからまるまる取れてしまっていた。

それこそ、骨は関節など最初から無かったように割れてしまっていた。

次に切り離されたのは左手。
こちらは車とは直接ぶつかった訳ではないから右腕程、酷くは破損していなかったよ。
ただ、胸ごともぎ取れたがね。

次に切り離されたのは、そう。左足だ。
大きなヒビが入っていたがそれ以外は擦り傷等しか見当たらない。

でも、まだ、何かが残っているのが解るかな?

身体じゃないよ?
基点なんだから当然さ。
まぁ。右側に行く程、飛び散って何も無くなってしまっていたが。

さぁ、まだ解らないかい?
私の娘はまだ残っているだろう?

そう。
そうだよ。
命。
解りやすく言えば意識だ。

ん?
言っている意味がまだ解っていないようだ。

こんなに怖ろしい事がまだ残っているんだよ?

じゃあ、教えてあげよう。

我が娘は生きたまま身体を粉砕されたのさ。
ハッキリ言って後の三つは蛇足だがね。

ただ、これは言える。
あの子は頭だけになってまだ生きていてしまったんだ。

あの子は声帯のない、脳のない、眼のない、耳のない状態で。

「嫌だと叫んだんだ!」

何故だろうね。

こんな奇跡的な事がよりにもよってあんな時に起こるとは。

改めてあの子を見た時、あの子の頭の上にはあの子の身体が乗っかっていた。

そうだ。

右半分が飛び散ってしまったその身体だ。

そして私があの子の顔を見ようとあの子を退かした時
あの子の顔は。
あの子の口はどう変わっていたと思う?

「ぽっかりと穴を開けていたんだよ!」

その恐怖を私は解る事は出来ない。

だから君を連れてきたんだ。

刑法第九条、第十三条、第二十五条、第三十一条、第三十六条を「無視」し。

私の悲しみにおいて君に死刑を宣告する。

「さぁ、来たまえ。君の乗っていた車は用意してある」
「さぁ、これを被りたまえ。これで君の首から上は守られるだろう」
「さぁ、これを付けたまえ。もし、身体が無事な時にもこれが君の四肢を吹き飛ばしてくれるだろう」
「さぁ、ここに立ちたまえ。あの世で娘が待っているだろう」

「さぁて。それでは刑を執行するとしようか」

138ナヲ。:2005/06/11(土) 20:48:13 ID:eDVQzn5w
*a clockwork doll*


ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる
カチッ・・・ギィ・・・ギギィ・・・

ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる
おはよう ぼくはねじまき人形

貴方ノねじはどこにあるの?
背中にもついていないね。
そっと胸に手をあててみると
ドキドキドキドキドキドキドキ
不思議な音が流れてる
ここにゼンマイ 大事なねじまきかくれているの?
開けてみてもいいかな?
貴方もいつもやっていることだもの
待って待って走らないで。
うわーい、おいかっけこなら得意だよ。
僕は貴方を捕まえる
貴方ノねじをみたいから
待って待って、楽しいね。
かくれんぼだって、得意だよ。
ほらほらお尻が丸見えだ。
さぁ、早くその素敵な音楽を聞かせてよ。
そっと胸に耳をあててみると
ドキンドキンドキンドキンドキン
あらあら 音が早くおっきくなっている。
不思議だ不思議だ、どうしてだろう

開けるとそこには紅い塊が蠢いていた

ドックンドックンドックンドックン
リズムにのって波打っている。やあ これは素敵なゼンマイだ!
あれ、どうして眠ってしまうの?
ねじがきれかけなのかしら?
・・・・・ブチッ・・・ぐるぐる・・・ブチブチッ・・・ぐるぐるぐるぐる・・・
嗚呼 大変だ。
今度は音楽が止まってしまった。
きっと旧式のねじなのね。

なんだか僕のおててもよごれてしまった。

*駄文、スレ違いでしたら申し訳ありません。

139九狼:2005/08/10(水) 05:01:33 ID:BRwlDTWg
「一休」 

ある日将軍に呼ばれた。
なにやら無理難題を思いついたから解けという話らしい。
いつもの事だ・・・面倒くさいが行くしかあるまい。
将軍の屋敷に行くとすぐに言われた。
「この屏風に描いてある虎を生け捕りにしろ」
こいつ馬鹿じゃねーの?
そう思ったが口には出さない。
「屏風に描かれた虎は生きてないと思いますが・・・」
と言ってみた。
すると将軍は言った。
「いいからやれよ小僧」
何こいつ・・・・腹立つなぁ・・・・。
馬鹿でも将軍だし仕方ない・・・・相手をしてやるか。

一休「じゃあ虎を屏風から追い出して下さい」
将軍「はぁ?お前が自分でやれよ」
一休「できないんですか?」
将軍「出来るけどやらねーよ、面倒くさいじゃん」
一休「出来ないんでしょ?」
将軍「出来るって言ってるじゃん・・・お前舐めてると殺すぞ?」
一休「私には出来ませんから将軍様が追い出してくれない限り生け捕りには出来ません」
将軍「ちっ・・・」

将軍は黙った。
やれやれ・・・まあこれで放免されるだろ。
馬鹿の相手も楽じゃないぜ・・・そんな事を考えていると将軍が傍に寄って来た。
「おい一休・・・絶対に捕まえろよ」
そう言うと屏風に近寄って行く。
何言ってんだ・・・?
俺がポカンと眺めていると将軍は屏風に向かって呪文を唱え出した。
天に向かって何やら祈念した後舌先を噛み切り、虎に血を吹きかける。
俺は屏風の中の虎の目が爛々と光出すのを見た。
雷の様な咆哮をあげながら屏風から踊り出した虎は将軍に襲い掛かった。
「いっ・・一休!早く捕まえろ!!」
そう叫んだ将軍は2秒後首を噛み折られ死んだ。
俺はそれを見て『ほんとに馬鹿将軍なんだなぁ・・・・』と思ったがその3秒後に殺された
ので後の事は知らない。

‐完‐

140ひまじん:2005/08/23(火) 08:17:55 ID:K8n6BW76
  「おめでとう」

「健君、おめでとう!」
振り返ると、同級生の奈々子がいた。
「何がだよ?」
「あれ健君、誕生日でしょ?」
「そうだけど?」
「???ならおめでたいじゃない?」
「何いってんだよ、命日じゃあるまいし」
「え!?普通、命日を祝うんだっけ」
「当たり前だろ、生まれた日を祝うなんてばっかじゃねぇの?」
「それもそうね、こんな世の中だものね、死んだ方がおめでたいか」
「俺も早く死んで、祝ってもらいたいなぁ、あはははは」
「あはは、じゃあ殺してあげるね♪」


その日の夕方のニュース
「今日の午後3時頃、世田谷区に住む学生が同級生に突き飛ばされてトラックに轢かれて死亡しました」
「悲惨な事件ですねぇ」
「原因は何だったのでしょうねぇ・・・」
「同級生との間に色々とトラブルがあったのでしょうか」
「原因はまだわかっていませんが、何はともあれ」

「おめでとうございます」

141複雑系:2006/03/14(火) 20:54:55 ID:vNF6wvHU
==エレベーター==

男がいた。
スーツを着た男は、エレベーターに乗り込んだ。
「イラッシャイマセ。ナンカイデゴザイマスカ」
「地下、お願いします」
「カシコマリマシタ」
エレベーターは二時間ほど下りつづけた。
チャイムが鳴った。
「オツカレサマデシタ。チカ120カイ、マカイデゴザイマス」
扉が開いた。
目の前には、赤い空と、ひび割れた大地、枯れた植物の広がる世界があった。
男は歩き出した。
五分ほど進むと、地下への階段があった。
男は十分ほどかけて階段を下りた。
大きな扉があった。ノックして男は中に入った。
「失礼します。株式会社銀十字社でございます」
男の目の前には、三メートルほどの、赤い肌を持つ巨漢の姿があった。巨漢の顔には、ねじれた角が生えていた。
「本日は納品の確認に参りました。大剣5670本、大斧21500本、大槍1200本、大鎌4500本。
発注数通りの商品は到着しておりましたか?」
「うむ」
「それでは、こちらに確認のサインか印鑑をお願いします」
巨漢は、サイズに見合った巨大なハンコを男の書類に押した。
『魔王』と捺印された。
「ありがとうございました。今後とも銀十字社をよろしくお願い致します」
男は頭をさげて、部屋を出た。
行きと同じ時間をかけて、男は再びエレベーターに乗り込んだ。
「イラッシャイマセ。ナンカイデゴザイマスカ」
「屋上、お願いします」
「カシコマリマシタ」
エレベーターは三時間ほど上りつづけた。
チャイムが鳴った。
「オツカレサマデシタ。120カイ、シンカイデゴザイマス」
扉が開いた。
目の前には、青い空と、豊かな大地、広大な森林の広がる世界があった。
男は歩き出した。
五分ほど進むと、空へ続く階段があった。
男は十分ほどかけて階段を登った。
小さな扉があった。ノックして男は中に入った。
「失礼します。株式会社銀十字社でございます」
男の目の前には、三センチほどの、白い肌をした小人の姿があった。小人の背中には、白い羽が生えていた。
「本日は納品の確認に参りました。拳銃5670丁、マシンガン21500丁、ライフル1200丁、ガトリングガン4500丁。
発注数通りの商品は到着しておりましたか?」
「うむ」
「それでは、こちらに確認のサインか印鑑をお願いします」
小人は、サイズに見合った小さなハンコを男の種類に押した。
『神』と捺印された。
「ありがとうございました。今後とも銀十字社をよろしくお願い致します」
男は頭をさげて、部屋を出た。
行きと同じ時間をかけて、男は再びエレベーターに乗り込んだ。
「イラッシャイマセ。ナンカイデゴザイマスカ」
「地上、お願いします」
「カシコマリマシタ」
エレベーターは二時間ほど下りつづけた。
チャイムが鳴った。
「オツカレサマデシタ。1カイ、ニンゲンカイデゴザイマス」
扉が開いた。
目の前には、濁った空と、埋め立てられた大地、巨大なビルの広がる世界があった。
男は歩き出した。
五分ほど進むと、自宅へと続く階段があった。
男は十分ほどかけて階段を上った。
普通の扉があった。
「ただいま」
男は仕事を終えた。



初めまして。
皆様のショート・ショートに感銘を受け、むくむくと書いてみました。
エレベーターって密室ですから、もしかしたらこういうところに繋がって
いたり……したらいいなぁ。

142てふ:2006/03/27(月) 16:17:36 ID:MbcBbn/g
「ねぇ〜」
「なに?」
「死んだらどうなるの?」
「いきなりなにを言ってるの?」
「ど・う・な・る・のぉ・?」
「ぼくはしらないよ、きみはどうなると思っているの?」
「えっと、な〜んにもない。くろ、しろ、どっちかでここよりず〜といい所」
「・・・それは・・・おかしいよ・・」
「なんで!!?」
「だってくろ、しろ、どっちか解るってことはそこに色を確認するためのきみが在るって
 ことでしょう?なんにもないでは色も、きみもないんだよ」
「・・うん・・で・でもっ死んだあともきっと何かあるよっ、ねっ」
「だから、解らないって言ってるんだけど?」
「解らなくてもっ、きっと死ぬ時はいっしょだから怖くないよね」
「死ぬの、怖いの?」
「ううん、きっとあなたもいっしょに死んでくれるんでしょう、だから怖くない」
「ぼくが?きみと?・・・アハハッ・・そんなことあるはずないよっ・・アハハッ」
「え?」
「だって死ぬのはきみだけだから・・アハハハハッアヒャハハハハハハハッ」
「そんなっっ・・・・・なんで!」
「バーイバーイ、アヒャヒャヒャハハハハハハッ」
「えっ、たすけぢやゆぐるddddっぢれrrrrrrr・・・・・・・

    汽車の線路の砂利にあかいあかいあかい道
       道の先にはあかの源、小さな肉片もいっしょ
          砂利に削られて頭の無い人、それを作っている人
             たのしそうに、うれしそうに、つらそうに、笑ってる

「ねえねえねえねえっどうどうどうっ?なにかある?きみは在る?アハッアヒャヒャ」
「・・・・・・・・・
「ないよねぇ?・・・くっはは・・・アハハハハ・・アーヒャヒャヒャヒャ・・・・」

      在るのはながいながいながいあかいあかいあかい道
            あかいあかいあかい手で受ける透明な滴

       
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
いったい何を書きたかったのか・・・・・わからん!!!
   (テスト勉強ほっぽりだしてなにやっとんじゃーばかがー!!!{母の怒声})
母に怒られたのでこれぐらいにします。でわ〜〜・・・
    

     「かあさんうっせー!」(なんですって!!)・・・以下は書けません。

143IZA:2006/03/27(月) 19:09:11 ID:t6lih/92
俺達は破片だ、という言葉を何処かで聞いたことがある。
その言葉が何故か遠くへ吸収された僕の記憶に貼り付いていた。
人間はきっと本人が思うより不完全な欠落した欠片なのだろう。
僕もその一人で膨大な雑音の海を彷徨うしかない無力な欠片だ。
あまりにも無力だ。だから時に意味を見失う。

「朝木さんは何で友達と話そうとしないの」
「別に何でも無いですよ先生。」
「クラスに友達がいないと寂しくはないかい」
「私はあの人達に好かれる為に学校へ行く訳じゃあないですからね。
・・逆に言えばあの人達は一人では何も出来ないのですか?」
「えっとそうじゃなくてね・・・・」

水流に流されるだけの枯れ葉に何か意味を見出せるだろうか?
時という水流に流されてゆく僕に何か意味はあるのだうか?
やがて僕達にはちゃんと終末に行き着く様に用意がしてある筈だ。

「先生は生きている事に意味を感じますか」
「・・・どうしたんだいそんな事を」
「自分が生きている意味を感じますか?もし感じるならどんな意味ですか」
「朝木さん、またそんな事を言っては」
「私はこの世界で一つ生きてる意味を見つけましたよ」

それでは待ち構えている終末とは。

「・・・・・・何だい朝木さん」
「・・『死』ですよ先生・・・・ちゃんとあるでしょう貴方にも」

だから確かに其処に意味はあった。真理に近い紛れも無い真実が。

「先生はこの学校の事件を知ってますねニュースでもやってる」
「・・・・君のクラスで生徒六名が行方不明という事件かい」
「そうです。その内五名はグループですが・・知ってますか先生
もう一人は虐められてたんですよ。見掛けましたよ何時も・・・・何時も
・・体育館に裏側でリンチを受けてるのを。意味の無い行動ですよね。
最初はどうでも良かったんですが最近なんか目障りになってきちゃって
きっと私もう我慢出来なくなってたんですよね中途半端だったし」
「朝木さん・・・・君は」
「先生、その人達を殺したの私です」

「まずその場の全員の頭を強打して気絶させて動けなくしてからまず
一人を鉄パイプで顔を殴ったら大声で叫んで起きたから五月蝿かったです
だから鋏で舌を切ったらマシになりました。・・後の四名も同じようにして
後の一名の前で私は一人ずつ弓のこで四肢を切り落としました
その人は怯えてたと思いますそれから」
「朝木さん」
「理科室の塩酸を彼等の顔に振り掛けたのです。その内三名はショックで
死んでしまいました・・・私は全員の首を切り落としてビニールに包み
ました。後の一名もそれと同じように・・・私は動かなくなった彼を見て
安心していたのです。何故だか解りますか先生?」
「もういいよ朝木さん」
「・・・それが私達に用意されてる意味だったからですよ
意味が無い私達にも『死』という意味が用意されている。待っている。
だから私達は生きてる。意味があるから生きている。
私はその事に気付いて酷く安心したのです。・・・死が私達の」
 
・・・嗚呼もう意味が分からない


「・・じゃあ・・・僕の意味の為に死ぬといい朝木さん」

シャーペンで咽を貫いた彼女の肉塊には生命の名残が在った。
僕は彼女を抱きかかえながら確かに意味を見出した。

144みさおい:2006/03/31(金) 02:24:34 ID:CD52XL6I

       ちょっと長めの物話を
 〜いつか、どこかのお話〜
 
 昔々、あるところに小さな村がありました。
その村では10年に一度かみさまに男の子をさしあげていました。
あくまにも村をおそわないように、いけにえをだしていました。
そして、今度のいけにえには双子の男の子がえらばれました。
男の子たちはいやがりましたが両親はいけにえのかわりにたくさんのお金がもらえるので大喜びでした。
いけにえになる2人は両方が好きなおんなのこに「さようなら」を言いにいきました。
おんなのこは2人の話を聞いて「いかないでほしいけど、いかないといけないんだね、ずっとまってるよ」と泣きながらほほえみました。
2人はつらかったけれど、すぐにいけにえのぎしきが始まってしまいました。
村長が祝詞をとなえ双子の兄がかみさまに、弟があくまにさしだされることになりました。
村の祠には天界につうじる穴と、地界につうじる穴がありました。
まず、兄のほうが天界の白い穴になげこまれました。
つぎに、弟が地界の黒い穴になげこまれました。
村長が祝詞をとなえ2つの穴がとじられました。
2人は白と黒の世界にゆっくり沈んでいきました。

兄がきずくと目の前に白い翼のはえた人がいました。
その人はいいました。「あなたには、天使の使いとなってもらいます。」
兄はじぶんのやることがわかってあんしんしました。なにかしないと、とても辛いことを思い出しそうだったからです。
その時から兄は従順な天使の僕となりました。
法を何よりも大切にし、慈悲の心をもてるようになりました。あくまばらいの法もならいました。

弟は何かにけられて眼を覚ましました。
目の前には黒い人がいて「おまえはあくまの使いになるんだ。」といいました。
弟は安心しましたなにかやることがないと辛いことを思い出しそうだったからです。
その時から弟は従順なあくまの僕になりました。
自分の命を一番大切にし、残酷な心をもてるようになりました。天使狩りの方法もならいました。

ある時2人ともに偶然人間界へ行くように言われました。
2人ともあの祠の穴へもどることになりました。
先に着いたのは兄のほうでした。
村人におおいにかんげいされました。
あの好きだったおんなのこのことも思い出してあいにいきました。
おんなのこはきれいなおんなの人になっていました。
兄はおんなの人が好きだったけど、法にならい何もいいませんでした。

そのあと弟が着きました。
村人におそわれました。
弟はしょうがなくみんなころしました。
そしてあの好きだったおんなのこをおもいだしてあいにいきました。
おんなのこはきれいなおんなの人になっていました。
弟はやっぱりおんなの人が好きだったので、こくはくしました。あくまのつかいであることも。
おんなの人は、はにかんで弟ののぞむ返事をしました。あくまのつかいであってもよいと。
そこに、村人がころされたことを知った村全体が弟をたおしにきました。
兄と弟の目があいました「あ、」「あ、」。
兄も弟もすべてを察した様子でした。
そのあと、2人とも村の広場で戦うことになりました。
「やめて、やめてよ」おんなの人はさけびましたがむなしくひびくだけでした。
兄弟は死力をつくして戦いました。
2人ともきずくともう村も、なにもありませんでした。
おんなの人はたくさんある死体の1つになっていました。
それに気を取られた隙に弟は兄をたおしました。
弟はただ、おんなの人が死んでしまったのが悲しくて、でも、泣けませんでした。

荒野にひとりのこったひとかげがありました。狂ったように笑うひとかげがくずれおちました。

********〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜********〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜************〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜**
ただながいだけだ〜内容もくそもね〜。(スイマセン)

145<抹殺されました>:<抹殺されました>
<抹殺されました>

146複雑系:2006/04/20(木) 09:31:25 ID:TlxcmcGQ
=幸福論=

男は思った。
ああ、私はなんて幸せなんだろう。
朝起きて、朝御飯を食べて、午前の仕事をして、昼御飯を食べて、午後の仕事をして、
定時に仕事を終えて、お風呂に入って、ベッドに入る
普通のことが、普通に出来る。
いつもの毎日。
変わらない毎日。
ああ、私はなんて幸せなんだろう。

一家四人を惨殺した男は、鉄格子の中でそう思った。

147:2006/04/22(土) 01:12:32 ID:5Qre0.Fw
「妄想」

痛い痛い。
何よりも気持ちが痛い。
私という生物が感情を伴っているという事が。
その上、こんなにも欲望や危険や生命を感じてしまう事が。
苦しみぬくという事が、何かしらの結果を生むことだと信じていた事が。
命の尊さよ。
愛情の温もりよ。
飯を平らげる。それだけで。
道を進む、それだけで。
何もかも満ちていたあの頃。
前の奴にも後ろの奴にも。
どんな奴にだって感謝できたあの頃。
今はもうない。もうここにはないのだ。
散々なるこの大地の上で、内臓も脳漿も感情でさえもむき出しだ。
何もかも晒された上で不条理の前で佇んでいるのだ。

痛い痛い。
何より意味のない結末が痛い。
しかし私は今許しは満ちている。
祈りは私の心に満ちているのだ。
なんという幸福だろう。
心地良い感覚だ。
痛みでさえも天からの理不尽でさも許せる。
不条理でさえ理解できるのだ。

ただ、先にたつ事で。愛を守れず、糧も生れず消えてしまう事で。
私というこの世界における矮小ながら、役割を持ち加担してきた存在が。
この場で残りのものを果たせずに逝くのが何よりの後悔だ。
時間よ待ってくれ。
この木偶に過ぎない私を置いていかないでおくれ。
私は。
まだ私は。

僕は、靴の下でそんな事を考えてるんじゃないかと、価値はもはや逆転されたんじゃないかと不安になって、黒く光った蟻を弔い泣いた。

148<抹殺されました>:<抹殺されました>
<抹殺されました>

149身元不明歩く死体:2006/07/26(水) 14:47:37 ID:0/Yro7sI
「たろうちゃん」
「たろうちゃんはほんといい子よね。」そう言っておばさんはお菓子をくれた。
おばさんは詐欺師だった。
「たろうがんばったな。」先生は大きく花丸をつけたテストを返した。
先生はレイプ魔だった。
「たろうくんはお行儀いいわね。」友達のお母さんはそういった。
友達のお母さんは友達を虐待していた。
「たろうはお料理上手ね。」お母さんはたろうの作った料理をほめた。
お母さんは人を殺してそれを料理して家族に出していた。
「たろうはお父さんの誇りだよ。」お父さんはたろうをなでながら言った。
お父さんはテロリストのボスだった。
「僕はいい子なんだ。」たろうはそういった。
たろうは魔王だった。

150密かに黒贄さんファンの六堂さん:2006/10/02(月) 23:07:10 ID:l3tCKWL2
ここはどこかの公立高校の校長室
そこには二人の男がいた。
一人は太めの中年男性
もう一人は普通の少年
その中年の男は校長らしく、校長と書かれた名札を付けている。
その少年は生徒らしく、生徒と書かれた名札を付けている。
校長がしゃべりだした。
「昨日のぼうりょあっ!」
突然少年が校長の名札を奪って自分に付け、自分の名札を校長に付けた。
少年が言った。
「昨日の暴力事件での処分だが、君は退学だ。」
その元校長の中年男は退学になった。

151:2006/10/03(火) 00:35:49 ID:AtDiPbes
「隣人」
俺はアパートで一人暮らしを始めた。のだが。
隣の奴が五月蝿い。
ガラスが割れるような音や壁にボールを当てるような音や
刃物を研ぐような音や肉を切るような音や
断末魔のような悲鳴や狂人のような笑い声が
毎日のように聞こえてくる。
いい加減嫌になってその隣の奴に文句を言いに行った。
俺は自分の「家」から出て、奴の「家」の前に立った。
扉を開けた。
その奥には何も無かった。

152ガロット:2006/12/07(木) 16:38:42 ID:4WrHYNQ.
それ は、とりあえず目の前にいるものを片っ端から殺していました
いいんだか悪いんだか不死身さんだったのでまあ都合よかったんでしょうね
勿論何が向かってきても死にませんが
目の前にいるものというのは、殺したのは人間だけではないようだったからで
そりゃもう見るも鮮やかにばっさばっさと殺しました
しかしただ殺すのは味気ないんだか己のプライド云々が許さないんだかで
それ はさまざまなルールを決めました
そして極力それに沿って殺していました
しかしやっぱりさまざまに思うところがあるんだろうか特定のやつについては
決して殺さずまあ仲良くやってたんだか死なない程度にお付き合いしてたんだか
俺はよく知りませんが
んで それ は殺しを極めるでもなく○○人斬りするまで死なねーんじゃ!!とか
思うことも無く待ったりと意味を待たず殺したり殺さなかったりしていました

そんなある日、 それ はまたいつものようにランララーンと殺しに出かけましたが
乗りに乗っているというわけでもなくやる気が無いわけでもなくいつものときには
あるまじき人数をなんだかずるずるグダグダと殺し限が良くないということで世界進出し
やっぱりなーんも考えず目の前の何かを殺しまわりました
一息ついてだーれもい無くなったからかえりましょうか、とあたりを見渡すと一面の焼け野原
行っても行っても焼け野原、たぶんバクテリアの子一匹いません 確認してないけど
それ は能面のような顔で走り出しました
実際能面をかぶっていました
目的地に着いたんだか、 それ はほぼ倒壊した廃ビルの前で立ち止まりました
瓦礫の山の真ん中で、 それ は立てひざでうつむき腕をたらし声も無く泣きました
やがて泣きながら能面の目玉に両手の爪を立てあっという間に目玉らしき物を引きずり出しました
ああ目玉です 服はぼろぼろで雑巾のよう 手は血まみれですが目玉は塵ひとつついていません



刹那、眼の無い それ の全身が刃物で切られたように落ちて血が噴き出します
あちこちに弾痕が空きます
形が大きな手につかまれたようにひしゃげ、胴は真っ二つに弾け飛びあとはなんだか
捕らえず壮絶な戦いに巻き込まれたようにぐしゃぐしゃです
最後に大足に踏み潰されたように真上からぺっちゃんこになりました

これほどの大騒ぎ むろん それ 以外何もいません
に巻き込まれたのに目玉は運良く それ の手をすり抜け肉隗の横に転がっていました
風が吹き、ころころと転がっていった先はやっぱり焼け野原でした



それ は目玉をえぐり自ら命を絶ちそれっきりもう動きませんでした




----------------------------------------------------------------------
こんな○○は嫌だシリーズに俺が書いていた「全人類殺しちゃう礼太郎さん」
を実際に書いてみました
どうしても死なない礼太郎さんはやはりあの目玉がかかわってるのかなと。
あんど「誰の力も借りずどんな道具も使わず自殺したら本当に死ぬ」
んじゃねーかなーという勝手な妄想をして何とか形にしてみました。
もし目玉が無いと不死身になれないなら、目玉をなくした瞬間居間までの
受けた攻撃を全て代償として受けるんじゃないかなと考えて終盤シーンを
つけました。

あのー・・・狂気太郎さん、礼太郎さん、勝手な捏造すいません・・・
あと、こんな結末どうですか?(馬鹿!礼太郎さんを殺すな!)
嘘です。ただ誰か感想くださると嬉しポッペンパラニョ。

153古剣:2006/12/09(土) 02:16:50 ID:UeyOlnP2
全てを消した少年。   
「やった!遂に消したぞ!みんな消したぞ!」
少年は喜んだ、彼は全てを消した。空も、山も、人も、何もかも消した。
「ねぇ誰かいないの?ねぇこの何もない世界を見てよ!」
少年は後悔した寂しくなった、だから寂しさを消した。
楽しくなった。
彼はずっと楽しく過ごした。疲れた。楽しさを消した。怒った。怒りを消した、空腹を消した。眠気を消した。感情を消した。欲望を消した。
そこには血と肉と骨が残った。
じゃあそれも消そう。

154るい:2006/12/09(土) 15:04:02 ID:gEyfF.I.
ささやきが聞こえた
そのささやきはだんだんと近くへ・・・
大きくなったささやきはささやきではなくなり
やがて少女の悲鳴となった
2人の少女の悲鳴
一つは自分自身の理性の叫び
もう一つは・・・
そのとき少女は自分の手が
真っ赤に染まっている事に気付いた
カッターナイフを握り締めた自分の
紅い鮮血に溶け込んだ手
その紅い液体は間違いなく
もう一つの叫び声の持ち主だった

155身元不明歩く死体:2006/12/17(日) 11:29:13 ID:0lyi8YKs
>153
そして何も無くなった。光も無くなった。
一つの主観だけがあった。
それは何もわからず何も望まず何も感じなかった。
ただ、光も何も無い虚空とそれを観測する主観だけがあった。
もはや誰にも解らない、どの言語でもない、意味も誰にも解されない
過去にも無くどんな未来にも無く、うなりでも音でもない一言がその主観の中に生まれた。
そして光が生まれ、空間が生まれ、熱量が生まれ、物質が生まれ、星が生まれ、生命が生まれた。
そして、生命の一つが自分を認識し、世界を認識した。
そうして、全てを消したものであった主観は消えた。

156ガロット:2006/12/17(日) 16:43:46 ID:4WrHYNQ.
自作小説集 悲しみの渦 第一話「練ってるの」

空にうっすらと月が見え出した頃だった。
部活を終え、忘れ物を確認した少年が部室から出ようとした時目に止まったのは、もう使う季節ではないはずのプールサイドを歩き回る一人の人間を目撃したときだった。
あわてて駆け寄り窓からそちらを覗くと、どうやら人間は子供らしかった。しかし長い棒を抱えるように持っている。先端はプールの中に浸かっているのだが、さっきからその棒を持ったままプールの周りを歩いているのだった。
プールの中身は汚い茶色で、掃除をしていないからといわれればそう見えなくも無かったが、どうも何か別のものが入っているようだった。子供の持った棒がその中身をかき混ぜ、時々ゆるく渦が出来ては消える。
鍵も掛けていなかったのにどうやって入ったのか。
「おーい、何してるんだ」
声を張り上げ、その子供へ向かって呼びかけた。
「練ってるのよ」
子供も返した。 練っている?何を?しかもこんな時間に何故。
「君は何処の子だい」
又訊ねたが、今度は返事が返ってこない。おかしい。それに教師や用務員が気づかないのもおかしかった。
「今からそっちへ行くから、おとなしくしていなさい」
それだけ言うと、急いでプールの入り口へ走り出す。学校の中を通っているというのに、酷く静かだった。校庭にも誰もいない。電気も消えていた。もう皆帰ったのだろうか。しかし扉も玄関もプールの入り口にも鍵は無かった。
「おーい、どこだい」
階段を上るが特に人の気配はしない。相変わらずプールへ行く途中も静かだった。
階段を上がりきると子供が立っていた。女の子のようだったが、悲しげに下がった眉とどこかへ出かけるかのようなかわいらしいワンピースがどうにも奇妙だった。
近くへ寄って見るとますますなんだか判らなかった。おかしな臭いがし、かなり粘度も高そうだった。およそ何が入っているかは想像できない。
「なんなんだいこれは」
少年は聞いたが、幼女は黙って首を振った。先ほど練ってるといったのに、内容までは教えてくれないのだろうか。釈然としないためまた疑問を口にした。
「大体何し」
「練ってるのよ」
刹那、少年の背にプールの中身をかき混ぜていた棒が横なぶりにぶち当たる。一瞬の隙を付いたすさまじい早さだった。
「ゴベッ」
骨まで砕けたのか、制服のシャツが一部破れそこからさまざまな臓物が飛び出してきた。
そのまま二つに崩れ折れた体が粘質の海に転がり落ちる。
躊躇無く再び持ち上げた棒でよく全身を磨り潰し、元がなんだかわからなくなったのを確認すると幼女はまたかき混ぜだした。
空にはもう星が出ていた。


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狂気さんの短編風。

157密かに黒贄さんファンの六堂さん:2006/12/17(日) 22:18:11 ID:IBMUpxTg
「ブローバック」
拳銃を撃った。
拳銃がブローバックした。
銃弾が飛んだ。
銃刀法違反になった。
バットを撃った。
バットがブローバックした。
バットが縦に割れた。
箸になった。
リサイクル罪になった。
椅子を撃った。
椅子がブローバックした。
椅子が壊れた。
椅子に座っていた人が転げ落ち、尾骶骨を折った。
傷害罪になった。
コップを撃った。
コップがブローバックした。
コップが割れた。
器物損壊罪になった。
他人を撃った。
他人がブローバックした。
他人が体の正中線からずれて死んだ。
殺人罪になった。
自分を撃った。
自分の頭がブローバックした。
脳が飛び散った。
自分が死んだ。
自殺罪になった。
地球を撃った。
地球がブローバックした。
地球が滅んだ。
地球滅亡罪になった。

158古剣:2006/12/20(水) 10:35:49 ID:PpDaK18c
理不尽

ある日ある時ある場所で、一人の老人が赤信号を待つため横断歩道の前に立っていた。
老人は若い頃、小さいながらも会社を経営し裕福とまでは言わないが余裕のある暮らしが出来ていた。
しかし、会社は倒産し妻は金が無くなると分かるとすぐさまに別れ話を切り出された。
そんな時にも彼は(これが人生なんだ、人生とは理不尽なものなんだ)と自分に言い聞かせ新しい仕事を探し必死に働いてきた。
そして、今彼には今までの貯蓄や年金等で働かなくても十分暮らしていける程の金があった。
今日も買い物の途中なのだ。
相変わらずここの信号は長いなぁと思っていると、数人と若者が車が来てないことを確認すると赤信号のまま走って歩道を渡っていた。
黙ってそれを見ていた彼は(こんなルールを無視した奴らがこの国をこれから担っていくのか、理不尽だ実に理不尽だ)と腹をたてた。
やっと青になり彼がゆっくり歩いて渡っていると、偶然来た信号無視の車にはねられ彼は死んだ。

理不尽でしょ、でも人生ってそんなもんです。

159木森:2006/12/20(水) 18:39:56 ID:xjMPleT2
そーなんだ!!!

160ぱくまん:2006/12/20(水) 23:30:11 ID:1d97t/Xk
「な、な、なん・・・だ、なんだこれは!!」
吸血鬼の体には無数のナイフが突き刺さっていた。
「体が崩れ・・・こ・・・これは・・・ッ」
戦慄が走る。
「ヤッ・・・ヤッ・・・ヤ・・・ッ」
これほどの数のナイフを持つ小説家は、この世にただ一人しかいないのだ。
「ヤッヤフッ、ヤフオクナイフ!!」

-Paper dances-
「おまえは・・・ッ、ネット小説家、アドレスhttp://www.h5.dion.ne.jp/~madtaro/・・・!」
-It dances like a petal and reflects moonlight-
「絶望の歌!」
-It is imagination,creation,weapon,insane,piece, and the world-
「破滅の夜!」
-A man stands in the center-
「想師!」
-Vampires know who he is-
「カイスト!」
-He is not justice,evil,slave,soldier,immortality and murder-
「殺人鬼探偵!」
-He is just a novelist-
「灰崎抗!」
-Therefore his wish is only one-

「狂気・・・太郎!!」
-His whole life was unlimited nobel works-

161クリントン大西:2007/09/23(日) 21:08:09 ID:0uKzuUsU
 今夜は晩餐会。
 たくさんの賓客が、屋敷の大庭に並べられた幾つものテーブルを囲い、その上によそおわれた料理に舌鼓を打っている。
「この肉は初めて食べる」
「なんておいしいんだろう」
「皆さん、ゆっくりとお楽しみ下さい。材料はまだまだあります」

 翌朝。
 客は誰一人家路につかなかった。

162化野:2007/09/25(火) 19:20:57 ID:MTswL1pg

 飢えている人人を見た。彼らは不幸だと言った。
そこで私は彼らを満たした。彼らは幸福だと言った。
飢えていない人人を見た。彼らは足りないと言った。
そこで私は与えた。彼らは幸福だと言った。

 飢えてもおらずモノに満ちていながら争いあう人人がいた。彼らは苦痛だと

言った。
そこで私は統治した。彼らは幸福だと言った。
 飢えてもおらず、満ちていて、争わぬ人人がいた。彼らは退屈だと言った。
私は彼らにやるべき事を与えた。彼らは幸福だと言った。
 飢えておらず、満ちていて、争わず、やるべき事がある人人がいた。彼らは

自由を求めた。
 そこで私は自由を与えた。彼らは飢えた。
飢えた人人は不幸で、苦痛で、足りないといった。
 そこで私は与えた。食べ物を与えた。モノを与えたやるべき事を与えた。そ

して争いを与えた。
 彼らは口々に不幸だ、いや幸福だといった。10の人人が集まれば一の人が

幸福だといい、9の人が不幸だと言った。
 私は彼らに問うた。争いを消してやろうかと。
彼らは8人が否と言った。
 私は彼らを放っておいて何も知らぬ人人を見てみた。
彼らは飢えていた。私は彼らに与えた。
彼らはそれに満足し、いつまででも幸福に暮らした。

 ある者が問うた。
「あなたの成した事を見ていました。幸福とは何でしょう」
 私は答えた。
「それは足る事を知ることだ」
 その者は続けて問うた。
「ですが飢えているものは不幸です。彼らは苦しんでいる」
 私は答えた。
「ならば幸福とは飢えていないという上で足る事を知ることだ」
その者は問うた。
「ですが飢えておらず満ちている人人の中では奪う事こそ幸福だと言う者、求

め続ける事こそ幸福だと言う物がおりました彼らは不幸なのですか」
 私は答えた。
「彼らは飢えておらず、自ずから幸福だと言っている。彼らは幸福だ」
 その者は少し考えて言った。
「なぜ飢えておらず満ち、争わず、やるべき事と争いを持つ人人は不幸だと言

うのでしょう。何も知らぬ人人は飢えていないだけで幸福だというのに。彼ら

は何も知らぬ人人のようになれぬのですか」
 私は言った。
「彼らは飢えを知った。彼らはありとあやゆる幸福を知った。故に彼らは呪わ

れた。何も知らぬ人人は飢えしか知らなかった。故に彼らは飢えを免れて幸福

になった。彼らは足りていたからだ。彼らは何も知らぬ人人のようにはなれな

い。我々もまた彼らのように成り得ない」
 その者は黙った。私もまた黙った。

163ぱくまん:2007/09/29(土) 04:25:03 ID:NwOr3BTY
7時  今日も頼んでいないはずのモーニングコールで起床。
    「わたしメリーさん、いまあなたの」
    切った。いいかげん聞き飽きたセリフだが、目覚ましをセットし忘れる心配がなくて助かる。
    しかし最近のガキのいたずら電話はワンパターンだ。

8時  通勤途中、電車が人身事故を起こした。そう珍しいことでもないが、今日はやけに騒がしい。
    見てみると電車に飛び込んだ女が上半身だけで動き回っていた。確かにこれは珍しい。
    とりあえず携帯で撮影した。私だけではなく他の野次馬達も上半身だけで器用に動き回る彼女を撮影していた。
    そうだ。会社に遅刻の電話をしなければ。

9時  出社。また今日も私の机の上に三本足の薄汚い人形が置かれていた。
    やはり誰の持ち物でもないということなので、後ほど近所の店に売り飛ばしに行くことにする。
    この人形は何度売り飛ばしても戻ってくるので、タバコ代が助かる。
    そろそろ違う店に売りに行かないと怪しまれそうだ。

10時 外回り中、あぜ道で白い人影が踊り狂っているのを目撃。
    相変わらず不愉快な動きだが、他人の行動にいちいち口を出したりするほど子供ではない。
    おそらくかわいそうな病気の人なのだろう。
    そう思うと不愉快な気分が少しは和らぐ。

11時 窓の外を落ちていく女と目が合った。
    私の好みのタイプではなかったので無視する。
    やはり女性はキレイな長い黒髪が好ましい。
    なにやら下が騒がしいが、興味が無い。

12時 お気に入りの店で買ったカツサンドに血液がべっとり付着していた。
    そういえばサラリーマン風の男が手首を鞄から取り出してにやにやしていた事を思い出す。
    しかし苦情を言うためだけにわざわざ店に戻るのも面倒だ。
    不愉快だが、その場で気づかなかった私の落ち度でもあるので仕方がない。
    
13時 休憩に入ったトイレで子供が遊んでいた。しかも女の子だ。
    普通の子供なら学校に行っている時間帯のはずだが、親は何をしているのだろう。育児放棄だろうか。
    「お兄さん、遊びましょ」と私に売春を持ちかけてきたが、私はロリコンではない。第一仕事中だ。
    しかし子供がこんなところにまで客を探しにきて体を売らなければ生きていけないとは悲しいことだ。
    私はその小さな手に少しばかりの紙幣を握らせた。

14時 外回り中、携帯に電話がかかってきた。
    「もしもし、あなた…キュキュッ」
    運転中だったので即切った。朝のガキだろう。
    パターンを変えればいいというものではない。

15時 トイレで用を足していると小さな老婆が入ってきた。
    刃物を持っていたので通り魔と断定。
    踏み潰してトイレットペーパーで包んで汚物と一緒にトイレに流した。
    最近のトイレはどうも物騒だ。

164ぱくまん:2007/09/29(土) 04:25:53 ID:NwOr3BTY
16時 先ほどからバイクがずっとついてくる。よく見ると運転者の頭が無い。
    完全な道路交通法違反だ。ヘルメットをつけない事が格好いいと思っているのだろうか。
    左折の際に巻き込んでしまった。派手に転倒している。
    一応警察を呼ぼうかと思ったが、彼はよろめきながらバイクに乗り立ち去ってしまった。
    おそらく叩けばホコリが出る身なのだろう。あのヘタな運転では無免許の可能性もある。

17時 帰宅中、小学校の前を通りかかる。
    「醜いかぁ〜! 私は醜いかぁ〜!!」
    なにやら大声をあげながら女性が子供を引きずっていたが、おそらく子供に原因があるのだろう。
    話の内容から推理するに、あの子供が女性の容姿をバカにしたと考えられる。障害者に障害者と言ってはいけないのだ。
    まったく最近のガキは粗悪でどうしようもない。

18時 「ワタシ、キレイ?」
    駅前でマスクをしたロングコートの女に突然話しかけられた。
    この手の話は大抵、私から金を引っ張る話か宗教の勧誘だと相場は決まっている。
    よって無視した。この時間帯、彼女は見境無しに通行人に話しかけているが、当然誰も相手にしようとしない。
    ただの娼婦なのかもしれないが、私は疲れていていちいち相手にしようとは思わない。
    少しイライラしてきた。

19時 チャイムが鳴った。
    覗いてみたが誰もいない。
    しばらくするとまた鳴った。いくら私でも我慢できないこともある。
    無視していると新聞受けから、マニキュアを塗った手が伸びてきた。
    トンカチで叩き潰すと手は引っ込んでいった。
    あれだけ叩かれればもう二度とチャイムは押せないだろう。

20時 ビデオショップに行く途中、真っ赤な目をした老婆が私の車を追いかけてきた。
    年寄りにしては凄まじい速度だった。間違いなく強盗だ。
    急ブレーキをかけてバンパーにぶつけてやった。
    老婆は顔を押さえてうずくまっている。もう追ってはこないようだ。
    だが後ほど確認すると愛車がへこんでいた。私も少しばかりへこんだ。
    これだから高齢化社会は厄介だ。

21時 ビデオショップの帰りのトンネルで突然照明が消え、愛車が停止した。
    さっきから私の足を掴んでいた白い手を蹴り飛ばして外に出る。
    すると闇に紛れてたくさんの手が伸びてきたので、片っ端からへし折ってやった。
    ガキどもがおとなしくなったので愛車を発車させ帰路につく。
    家に帰ると愛車にべたべたと真っ赤な手形がついていた。
    最近のガキのいたずらは、やることがいちいち不愉快だ。

22時 借りてきたアクション映画の画面が突然切り替わった。それも最高に盛り上がる場面でだ。
    なにやら古い井戸が映し出されているだけの単調な映像だ。おそらく前の客が間違えて上書きしたのだろう。腹が立つ。
    ため息をついてテープを取り出そうとしたが、取り出せない。おまけにテレビの電源も切れない。このテープのせいだ。
    井戸から出てきた女が画面に近づいてきたあたりで、私は怒りのあまりテレビを窓から放り投げてしまった。少し後悔した。
    いくら温厚な私でも怒ることくらいはある。特に、私がリラックスしている時に邪魔が入る時だ。
    明日新しいテレビを買ってこよう。今度はDVDが見れるやつだ。

23時 就寝。だがベッドの下に人の気配を感じる。
    おそらく不審者の類だろう。ゴルフクラブで思いっきり殴って追い出した。
    コイツがすごい声で泣き喚いたため、警察が来た。警察はあまり好きではないが仕方がない。
    まったく最近はおかしなヤツが多くて困る。

    さて、明日も仕事だ。

165報復ZO:2007/09/30(日) 02:25:44 ID:J7/ZQ4DA
>>163-164
じつに爽快かつ快絶!
朝松 健氏の『逆宇宙ハンターズ』にて、
「人間は本気になったら化け物や悪魔もぶっ飛ばせるんだ」
というあとがきを思い出しました。

166古剣:2007/10/19(金) 23:58:30 ID:bjNLiBJo
>>155

生まれた星に生まれた男の命は生きる欲に駆られた
「生きたい・・・俺は生きたい」


男は喰らった、獣を喰らった、魚を喰らった、草花を喰らった。

男は生きる欲を満たした

時は流れ

女は美しさに欲をだした

「美しくなりたい・・・誰よりも美しくなりたい」


女は煌びやかなドレスを身に纏い、真紅のルージュをひき、艶やかな肌をさらした

女の欲は満たされた

時は流れ


兵隊は戦地にて殺したい欲に駆られた

「殺したい・・・・一人でも多く殺したい」


兵隊は敵軍の兵士の首を裂き、制圧した村の子供を殺し、女を犯し、そして殺した

兵隊の欲は今のところ満たされた


時は流れ


思想家は平和を願った

無理だった


時は流れ







「やった遂にやったぞ!」歴史は繰り返す

167ぱくまん:2007/10/23(火) 01:23:12 ID:NwOr3BTY

この奇跡に、感謝する。

私の母星が寿命を迎えてからどれほどの時が流れただろう。
気が遠くなるほど膨大な記録だけは残ってはいるが、私が死ねばそれは全て無意味なものになる。
種としての衰退はここに極まり、資源は尽き果て、この船の外装の機能は全て沈黙した。
あれほどいた宇宙船団も仲間も皆、時間が消してしまった。
残ったのはこの老いぼれ一人とクレーターだらけのボロ船だけだ。
もはや諦観していたのだが、私は、いや、「私達」はまだ神に見放されていなかったらしい。

ようやく全ての条件を満たした星を発見した。

私達の母星と完全にデータが一致する。
近くに天敵となる脅威も見当たらず、星々の寿命も若々しい。
この星ならば、「種」はよく育つだろう。
星に降り、やらねばならぬことを全て終え、私は満足感と共に帰宅する。
衛星として船を固定し、船の自転と公転を完全に調整した。
これで私はいつでもこの位置からあの星を眺めることができる。

ここからは、あの星がよく見える。

それにしても、なんて美しいのだろう。
ふみしめた大地の感触。肌を焦がす陽光の温もり。世界中から感じる命の胎動。
この孤独な閉じた箱庭に比べれば、あの開放された世界は楽園に違いない。
だが残念なことに、私の寿命は生命が誕生するまで待ってくれそうにない。
悲しくは無い。死に対する恐怖も無い。満足感だけが私を満たしている。
私はやり遂げたのだ。いまさら死の何を嘆くことがあろうか。

私は死後もこの星を見守り続けよう。
いつかまた、誰かがこの星を飛び立つ日まで。

168矢口渡(元M):2007/11/08(木) 22:27:57 ID:7gPb9vcc
「座間君、急で済まないんだけど、約束してた旅行に僕は行けなくなった」
「ええっ、どうして、風祭さん。僕が嫌いなの」
「いや」
「僕が憎いの」
「いや」
「僕が気に食わないの」
「いや」
「僕といると苦しくなるの」
「いや」
「僕の存在が耐え難いものなの」
「いや」
「僕に死んでほしいの」
「いや」
「僕を殺したいの」
「いや」
「だったら何なんだよおおおおおっ」
座間はズボンのポケットからカッターナイフを取り出し、風祭の頚動脈を切り裂いた。

「い・・・いや、突然予定が、入ったってだけで・・・・」

169身元不明歩く死体:2009/01/04(日) 20:06:09 ID:ORi6fdX6
黒服を着込んだ数人の男女と、「83」と書かれた帽子を被る男が居た。
黒服達と帽子の男はテーブルを挟んで向かい合っている。
その横には段ボールが何箱かあった。

「趣味は何ですか?」黒服の内の一人が聞く。
「はい、休日の釣りです」男ははきはきと答えた。
「ほう、それはいい趣味をお持ちですな」
一人が嬉しそうに身を乗り出す。彼もまた釣りを嗜んでいたのだ。
「ありがとうございます」男は笑顔で返した。完璧な返答。
「では次に、貴方の家族構成を教えてください」
「はい、えっと……」男は少し考えた。

次の瞬間轟音が炸裂し、コップがビリビリ震えた。
音の原因は黒服たちの手に握られている拳銃だった。
男はリボルバー、女はオートマチック式のものを使っている。
床に突っ伏して痙攣する男に向けて、更に数十発の弾が打ち込まれる。
男の頭部は完全に破壊されて脳が見えていた。

「えっと、等の言葉はあまり使わない方が好ましいですね」
黒服を着た中年の男が述べた。同感です、との声が上がる。
段ボールから新しい弾を取り出すと、手馴れた動作で銃に補充していく。
清掃員が入ってきて、男の死体をダストシュートに放り込んだ。

「では次の人どうぞー」
一人がそう叫ぶと、奇妙なことが起きた。
ドアを開けて、さっきと同じ男が入ってきたのだ。
まさに寸分違わない、いや、帽子の番号だけは「84」になっていた。

「84番の……」
またもや銃声が鳴り渡り、男の顔面が穴だらけになった。
「まだ誰も『自己紹介をして下さい』と言っていません。次の人どうぞー」

ドアの外には、同じ顔の男がひしめき合っている。
男はクローンだった。

170身元不明歩く死体:2009/10/12(月) 22:52:36 ID:7qcxIkAI
「不自然」

朝、ゴミを捨てに行ったら粗大ゴミ置き場にオスカー像が置いてあった。

171古剣:2009/11/02(月) 17:17:56 ID:mXcix6dY
「見届けてから」


AはBに言った
「俺は死にたいんだ」
BはAに言った
「俺も死にたいんだ」
二人は死にたがっていた
しかし
「俺はお前の死に顔を見てから死にたい」
「俺はお前の顔を見てから死にたいんだ」
二人は互いに互いの死に顔を見てから死にたいと言った

「俺が先に死んではお前の死に顔を見ることが出来ない、だから先に死んでくれ」

「俺が先に死んではお前の死に顔を見ることが出来ない、だから先に死んでくれ」

二人は考えた

「そうだ」
「そうだ」

「一緒に死のう」
「そうだな同時に死のう」
二人はナイフを互いに向け向かい合った

「せーので刺し合おう」
「そうだな」

しかし二人は考えた

「もし俺が0.1秒でも先に刺されれば俺の死に顔を先に見せることになるぞ」
「ううむそうだなもし俺が先に刺されればお前に死に顔を見せることになるな」
二人はさらに考えた

そこに一人の男が通りかかった

AとBは男に歩み寄った

二人に歩み寄られたCと言う男は困惑した

「二人ともナイフを片手に何の用だ?」

「頼みがあるんだ」
「俺たちを同時に刺してくれないか?」

Cは更に困惑した
「なんだと?なぜそんなことを?」

「頼む死にたいんだ」
「私も死にたいんだ」

「頼むよ」
「頼むよ」

「う〜む・・・・」


その時三人の背後から
殺戮愉快犯が飛び出した
「ぐべべべべべべべべべいぃぃぃぃひひひひひひひひひひひひひh!!!!!!」


殺戮愉快犯は片手に持った巨大な斧を横に一振りした

高速の光が一閃した

三人の首が一瞬で吹き飛んだ

愉快犯は高らかに笑いながら
去っていった

三つの首の一つは
何が起こったか理解できてないようだった

そして
二つの首は

満足げな表情だったとか

172九竜:2010/09/03(金) 02:41:01 ID:SPevDxKA
『意味』
夢を見た。今から何十年も前の話だ。かつての私が困惑した顔の若い教師と話している。
「先生、僕は何のために生まれたんでしょう」
いきなり何を言い出すのだろう。だが確かに当時の私はこんな事を考えていた気がする。
「どうしたの、急に」
「疑問に思います。僕に生きる意味はあるのか」
「そう、わからないの?」
「はい。先生にも僕の生きる意味はわかりませんか?」
「そうね…あと三十年、生きてみなさい。三十年後に、まだわからなかったらもう一度いらっしゃい」
答えになっていない。だがかつての私は頷いている。答えなど欲してはいなかったのだろう、所詮はそんなものだ。

そうだ、あれから私は頑張って生きた。そして十年後、私は仕事にも慣れ、生きる意味を見出していた。そして先生に逢いにいった。答えはあの時から出ていたのだ。だがその時、先生は病で亡くなっていた。
三十年生きてみろと言ったじゃないか、三十年後にまた来いと言うたじゃないか。あの時の貴女の微笑みは、冷たくなった今の様よりも何兆倍も何京倍も美しかったというのに。

気がつけば私は眠ったまま泣いていたようだ。私の隣には、先生の死を引きずる私に、それでも良いからと言って連れ添ってくれた妻がいる。彼女が不意に私の方を向いた。起こしてしまったのだろうか。
「あら、ずいぶん早いですね」
「なあ、私は何のために生きていると思う?」
「え?」
「いや、大したことじゃないが」
「私のためには生きてくれませんか?」
「望むならそうしよう、ただ…」
言い終わらぬ内に、私の首にハサミが突き立てられた。
「なら、私のために死んで下さい。それが貴方の生まれた意味です」
「そうか…ありがとう」
恐怖も怒りも痛みもなく、ただ穏やかで安らかで、愛しかった。
もはやろくに動かない手を無理矢理に動かして、妻の顔に触れた。初めて愛しいと思えたその顔を、記憶に刻み付ける。あの世で先生に逢えたなら、私は先生に自慢するとしよう。生きるに値する、素晴らしい意味があったと。



駄文失礼、感想等戴けると幸いです

173ルビーキューブ:2011/09/28(水) 12:40:35 ID:1AMRXdD.
 今年三十路にさしかかる会社員山中尚志が目覚めると、見慣れない天井が目に入った。

 周りを見渡す。見た事もない部屋だった。さらに同じように部屋を見渡している七人の男女が居る。

 天井の端の角に監視カメラの様なものが設置されている。

「監視されている」

 七人の男女の中の誰かが言った。

「きっと今から何かが始まるんだわ」

 誰かが言った。

「殺し合いをして最後に残った一人だけが助かるとかじゃないか」

 誰かが言った。

 部屋の至るところに、木刀やら金属性のバット、鈍器系の凶器たちが横たわっていた。

「僕はまだ死にたくぎゃふ」

 誰かが言おうとして、途中で倒れた。

「近寄ったら容赦しなふふぁぐふ」

 誰かが言おうとして、途中で頭の中身を垂れ流しながら倒れた。

「や、やめろ!まだ殺し合いと決まったたたたすけ」

 誰かが言おうとして、途中で足を変な方向に曲げながら倒れた後、顔面が潰れた。

「お、お、おまえは狂って」

 誰かが言おうとして


「やめて何でもする何でばば」

 誰かが言おうとして

「殺されてたまらるりりり」

 誰かが言おうとして

「何で私がこんな」

 誰かが言おうとして

「あ」

 誰かが言おうとして

「これで」

 山中尚志は言おうとしたが、面倒臭くなり、ごろりと床に横になると目を閉じた。

174田中さ……間違えた、高菜さん:2011/12/19(月) 03:27:26 ID:l/HUAFIc
 何もかも、『突』な人だなぁ、と、僕は思った。突然とか、突飛とか、突如とか、そんな言葉が、ヒコには似合う。

「夏目漱石って知ってるか」

 ほら、やっぱり。雨風にさらされて揺れる髪と白い耳朶は、あの日あの時の記憶を今現在に。こくり、頷く。

「……『月が、綺麗ですね』」

 あの日も、突然訪れて、突飛な彼を噛み砕けなくて。



「……僕」



 でも、その『突』に、ずいぶんと助けられてきた。



「その『僕』っての、いい加減やめろよ、オリ」



 ……沙織の『オリ』。そう、あの日、彼はそうやって私を呼んだんだ。



「……わ、私も、ヒコが」



 臆病な織姫と、突飛な彦星。そんな二人の行く末を、雨降りのリズムと上弦の月が、笑って。



──アメフリズム

175くんどらべったらどっぽれ名なし:2013/01/18(金) 04:36:52 ID:G1KPuDzo
 私は、まだ14歳でこの世界のことは何も知らない。
 恋人もいないし、デートのときめきだって知らないし、キスの味だって知らないし、破瓜の痛みだって勿論知らない。
 そう、私は何も知らない。でも、今日私は殺される痛さを知った。
♪ ♪ ♪
 眼前に少女の死体が転がっている。斧で頭を叩き割られたのだろう。斧が頭に突き立った状態で放置されいて、その周りには黄色い脳漿がぶちまけられている。
 周囲を見回してみる。そこは、1LDKのマンションの一室のようで、私とその頭を叩き割られた哀れな少女はリビングの中心で横たわっていた。私の少し横の方には、小さなテーブルと椅子が設置されていた。
 キッチンのほうから口笛らしき音色が聞こえる。曲はオインゴ・ボインゴの「No One Lives Forever」だ。彼女を殺した犯人だろうか?
 ヤバイ……逃げなきゃ殺される……!
 立ち上がって逃げようとしたその時だった。
 突然、私の体がぶわっと空中に浮き上がった。まるで、その場が無重力空間であるかのように。
 なに? え? なんなの、これ? 訳が分らないまま地上に戻ろうと手足をばたばたさせる。だが、私の思惑とは裏腹にどんどん私の体は上空にぷかぷかと浮いてしまう。
「どうしよう、どうしたらいい?」
「とりあえず、落ち着いたらいいと思うよ」
 パニックになって終には独り言を言ってしまう私に誰かが声を掛けてきた。
「―――――――――!」
 驚きのあまりに私の体は制御不能になってしまった。リビングの壁目掛けて猛突進する私の体は突如何者かによって受け止められた。
「やあ、僕はきみを迎えに来たんだ」
 声のする方へ、恐る恐る顔を向ける。
 そこには、鎌に跨った黒フード姿の少女が空中で静止していた。長い綺麗な髪が印象的な美少女だった。私の体は彼女の調度目の前で静止している。
 私は訳の分らないことを言う少女に向かって口を開く。
「あ、あの〜いきなり迎えに来たんだとか言われても訳分らないんですけど……」
 私の発言にキョトンとした感じで少女は言う。
「へ? いや、分らない? 僕は死神なんだよ?」
 いや、僕は死神なんだよ? とか言われても余計に分らないって……。
 じゃあね〜、あれ見てよ、と彼女は例の死体の方に指を向けた。
「あれは、きみの死体。そして、僕は死神の業務の一環としてきみを迎えに来たんだ」
 え……、うそ。
 私は死体を凝視する。確かに潰れてしまった顔には、私の面影がないこともない。
 その時、私の中で何かが弾けた。
 そうだ! 思い出した! 私は学校のHRが終わった後、『あいつ』と一緒に帰って、その時に『あいつ』の部屋に寄ったのだった。
 そう、今私が殺されたこの部屋に……。
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
 あたまが……い、た、い。
 しんじてたのに、なんで? いたい、いたい、いたぃぃぃ!!
 にくい。『あいつ』がにくい! わたしをうらぎった『あいつ』が、憎い!
 その瞬間、私のすべてが反転した。
 信頼は失望へ、愛情は憎しみへ、喜びの日々はクソみたいな陰惨な日々へ!!

176きもおた:2013/01/18(金) 04:41:06 ID:G1KPuDzo
 私のすべてが反転する。それと同時に私を襲っていた激痛も嘘みたいに治まっていた。何かこっちに来る気配を感じ、意識をそちらに向ける。
 キッチンからホットプレートとバスケットを持った『あいつ』が現れた。バスケットの中にはワインとバターが入っている。
 『あいつ』はそれをテーブルの上に置くと別の部屋に入り、今度は別の女の子を連れてきた。女の子を椅子に座らせる。また、私のように殺す心算なのだろうか……。
 許せない。こいつは、とんでもない屑だ。私はこんな奴を好きになりかけていたのか……。
 その事実に私は自分自身に失望してしまった。私って男を見る目がとことん無かった訳だ。本当にくだらない。
 自己嫌悪に陥っている間に『あいつ』は何かごそごそと動き出したので、そちらに意識を集中する。
 『あいつ』は私の死体の頭に突き立った斧を抜き、その傷口に指を突っ込んで私の脳味噌を抉り取った。
「―――――――――――――!!!」
 思わず、全身に悪寒が走った。自分の体が破壊されるのを見るのは、かなり精神的にクルものがあった。
 『あいつ』はホットプレートにバターを引き、取り出した脳味噌をそっと乗せる。じゅうっという音と共に香ばしい香りが広がる。さらに、その上からワインを少しかけると一瞬だけ発火しすぐに消えた。
 私は、映画『ハンニバル』で同じようなシーンがあったことを思い出し、また気分が悪くなった。吐いたら楽になるのかも知れないが、私は死んでいるので吐けないから余計に辛い。
 『あいつ』は私の脳味噌が良く焼けたことを確認するとそれを自分の口に入れた。
「う〜ん、こいつは美味い。クリーミーで舌の上で溶けてしまうんだ。さいっこうの味さ。君も食ってみるかい?」
 そう言うと『あいつ』は、女の子の口の中に私の脳味噌を入れた。虚ろな目をした女の子は、素直にそれを咀嚼しはっと目が覚めたかのように周りをきょろきょろし、私の死体、『あいつ』、ホットプレートの上の脳味噌の順で見ると突然、嘔吐した。
「おえええええええええええ!!! ごおおおおおえええええええ!!」
 恐らく一瞬で自分の口にした物の正体に気付いたのだろう。吐くことができる彼女が少し羨ましかった。
「じゃあ、今度は君の脳味噌を食べてみようかな」
 言うと『あいつ』は斧を持ち女の子に振りかぶった。それを彼女は紙一重で避けると、
「いやあああああああああ、、だれかああああああああ、、たす、たすけてえええ!!」
 失禁しながら声を張り上げ一目散に逃げ出す。
「ハハハ、どんなに声をあげたところで防音設備はばっちりだし……」
 『あいつ』はそこで言葉を切り、サディスティックな笑みを浮かべ彼女の背中を見ている。
 女の子は、やっとの思いで玄関に着いた。ドアノブを必死の形相で回すが、ドアは開かない。良く見るとドアノブの下の部分には鍵穴がついている。どうやら外側・内側ともに鍵がなければ開かないようになっているらしい。
「外に逃げることもできないんだよ。お前は。ははははははははは」
 下品な声で『あいつ』は笑う。腹が立つ。できることなら私が『あいつ』をこの手で殺してやりたかった。だけど、それも、もうできない……。

177きもおた:2013/01/18(金) 04:43:25 ID:G1KPuDzo
 その時だった。
「あ〜、やっばいな〜。あの女の子、死者のリストに載ってないじゃん。死んじゃったらまずいよ〜」
 フード姿の死神少女がポツリとそんなことを言ったのだった。
「本当は死ぬのはあのおっさんだったんだけどな〜。運命が変わっちゃったのかな? これ、やばいよ」
 私は恐る恐る聞いてみた。
「ねえ、もし、あの娘が死んで、『あいつ』が生き残ったらどうなるの?」
 その問いに死神少女は、
「たぶん、世界が滅ぶね。間違いなく」
 と朗らかに答えるのだった。
「別に僕がスパッと殺してもいいんだけどさぁ、こういうのってほら、僕の仕事じゃないからさぁ、むちゃくちゃ怒られちゃうんだよね〜。
上の連中ってこういうことに融通利かないもん」
 こんな話をしてる間にも『あいつ』は女の子をじわじわと追い詰めていく。もう、時間がない!
「じゃあさ、私が死神になってあなたの代わりに『あいつ』を殺すのはいい?」
 と私は思いっきりの期待を込めて言った。
 一瞬、キョトンとする死神少女。だが、数秒後にはニッと笑い
「最近、相棒にも恵まれなかったし、そこそこ可愛い娘なら飼ってもいいかな?」
 なんて恐ろしいことを言った。けど、今はそんなことどうでもいい。
「じゃあ、きみを今日から殺し専門死神に任命します。早速の初仕事ですが、あのおっさんをぶっ殺してきて下さい!」
 死神少女がそう言うと私の服装がフード姿に変わって行く。装備だって凄い。様々な剣が私の周りに浮かんでいる。こいつを普通に使って斬ってもよし、投擲してもよし、ということだろう。
 面白くなってきた。
 私は、いっきま〜す! の掛け声と共に何本かの剣を手に取り、『あいつ』に切りかかった。
♪ ♪ ♪
 昨日、未明、××町アパートの一室で白木結衣さん(14)と相津正明さん(35)の変死体が発見されました。
 白木さんと相津さんは××中学校の生徒と担任教諭という関係で、学校関係者の間では二人にトラブルがあったようには見られなかったということでした。
 その場にいた少女aさんを警察は重要参考人として……
♪ ♪ ♪
 あの日から私の日常はがらりと変わった。
 死者のリストに載っている人間は皆殺しにしてまわり、殺した人間を死神少女―――鏡花があの世へ案内するという感じだ。
 善人を殺すのは正直辛いものがあるが、自分の選んだ道だと最近は諦めている。
 何も知らない私は殺される痛みと殺す快感または苦痛を思い知ることになった訳である。
 永遠に私は14歳のまま死に、14歳のまま生き続ける。
 そう、永遠に。

End

感想・アドバイスを戴ければ幸いです

178匿名がニックネーム:2013/01/25(金) 17:41:31 ID:mrGktbG.
真鉤夭vs黒贄礼太郎

真鉤「ノルマの日だ。今日はどこへ行こう・・・そうだ、超犯罪都市として有名な八津崎市へいって犯罪者を探そう。
あそこなら少しくらいは、いや駄目だ、人殺しには変わりない」

そう独り言をいいつつも八津崎市へ足を延ばす。

黒贄「今日の依頼は何でしたっけ?・・・ああ、暴力団の鎮圧でしたね。今のうちに奇声を考えますか。
アギョルナー、アミャルヒョー、カグラシヌヨー、おおっと、一つ変なのが混じりましたね。
ではアギャルミョーで行ってみましょうか。アギャルミョー、アギャルミョー・・・おおっと」

黒贄はすでに自前の鉈で一般人を数十人殺していた。

黒贄「すいませんねえ、つい人を殺してしまうんですよねえ。本当、殺人鬼は辛いものです」

と自分で殺した死体に向かって呟く。

真鉤「今回は、・・・・・」と言葉が途中で途切れる。目の前で一般人が殺されているのだ。
しかも、1人で大量に。男でその肌は蝋のように白く、堀が深く西洋人のような顔立ちをしているが
髪は黒色で日本人であることがわかる。

真鉤は相手がどれ程強いか瞬時に理解した。数十メートル先の首の断面が鉈で切ったにしては
あまりにも鋭利すぎるからだ。

まともに戦って勝てる相手では無いが、快楽殺人は許せなかった。

気配を消し、足音を立てずに近づく。と、

-------気配を消して近づくとはすばらしい能力ですな--------

瞬時に十メートル程跳躍しその場から離れる。

179匿名がニックネーム:2013/01/25(金) 17:56:34 ID:mrGktbG.
続き。


真鉤は無言でマスクを被る。もう見られたかもしれないが、一応。

「その動きと慎重さ、さてはあなたも殺人鬼ですかな?」と黒贄。

「僕はあなたの様な快楽殺人をしてはいない。あなたと一緒にしないで欲しい」
と真鉤は努めて冷静に、だがそのむき出しの殺意と敵意は抑えられていない。

「私は気が付けば人を殺しちゃっているんですよね。仕方のないことです、いやあ人生ってはかないですねえ」
何の悪びれもせずに黒贄は言った。

真鉤は剣鉈を取り出し魔性の速さで黒贄に切りかかった。だが黒贄も鉈で対抗する。

つば競り合いになり互いに数メートル跳躍し、着地する。

「ほほお、この技術力といい、力といい、殺人鬼世界大会の優勝候補にすぐ入りそうですな。まだ若干17に見えるのにすごいですな。」

「僕は欲しくてこんな能力をしてる訳じゃない」と黒贄に反論する真鉤。

「私もこの力は生まれつきでしてね、殺人もなんですよ。もっとも、もう生まれたときがいつだかわかりませんが、ねっ」

言い終わると同時に真鉤と黒贄が飛ぶ。

一瞬の交差で互いに体の数か所に切り傷が生じる。

人の目でとらえることのできない超高速のスピードで二つの影が動く。

一瞬、略礼服の腕が見えたと思ったら、その腕が飛んでいた。左腕だ。

「おや、切れちゃいましたねえ」とまるで他人事のようにつぶやく黒贄。

それを傷だらけの、いやいまさっきまで傷だらけの真鉤が見る。真鉤の剣鉈には血がこびりついている。鮮血だ。

180匿名がニックネーム:2013/01/25(金) 18:20:49 ID:mrGktbG.
「痛みを感じないのか」と真鉤が言うと黒贄は

「殺人鬼は痛みで怯んだりしてはいけませんからねえ。その実は痛いんですが、顔には出しませんよ」

と嬉々とした顔で言う。よほど殺し合いが好きなのだろう。元は眠たげな眼が喜びに満ち溢れている。

その眼をみて真鉤は、自分もああなんだな、と自己嫌悪に陥る。

その時黒贄が「そろそろ本腰を入れますかねえ。本格的にやばそうな相手ですからな」
と独り言を呟きつつ、般若の面を被る。

すると仮面を被った黒贄の目がガラリと変わった。

目はぞっとするほどの絶対零度の冷たさを湛え、無感動、無表情の極みだった。
ずっと覗き込まなくても吸い込まれそうだった。

真鉤は男の豹変さに驚いたがジグザグに動きながら男に近づいた。

「アギャルミョー」男はなんの音程もない声でそんな奇声を上げた。

一瞬の煌めきが風を切った。真鉤は頭頂部を鉈で真っ二つに切られた。

男はこれまでの強さとは段違いだった。真鉤は死を覚悟した。そして頭を元に戻す。

真鉤は本気だった。だが黒贄の方がスピードも威力も上だった。

キン、ブシュ、キン、ブシュ、キン、ブシュ、キン、ブシュ、キンブシュキンブシュキンブシュ
キンブシュキンブシュキンブシュキンブシュキブシュキブシュブシュブシュブシュ。

いつしか真鉤は目も当てられない肉塊に成り下がっていた。

「殺人鬼としては中々ですが、私には敵いませんでしたね。ですが中々のものです。一流の殺人鬼ですよ、頑張ってください」
と面を外した黒贄が言う。黒贄も頭がぐちゃぐちゃでどこから発音し、また、左右非対称な足でよく立っていれるなと
思う出で立ちをしていた。〜終〜

真鉤ファンの人、ごめんなさい。でもこれくらいの差が真鉤と黒贄さんじゃありそうなんですよ。
本当は引き分けにしたかったのですが、どうしてもうまくいきませんでした。

181くんどらべったらどっぽれ名なし:2016/05/22(日) 03:39:28 ID:???
こういうスレはこういうアホが出るから失敗なんだよなぁ・・・


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