(嫉妬だったんだろうな……。俺なりの)
自分自身の感情に疎い方ではない。あのときの魅録は分かっていて蓋
をしたのだ。おりしも可憐とぎくしゃくしはじめた頃のことだったので。
Man Always Remembers Love Because Of Romance Only。
清四郎の言うとおり、どうせ女を口説くときに生まれた与太話だろう。
無理やり訳すとすればロマンスのために……いや、真実の愛のために
恋をする、か?
どちらにせよ身勝手には変わらないな、と魅録は自嘲した。まるで自分
だ。無償の愛ではありえない。