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バトルファックMシチュ支部第4避難所

1951、:2018/05/29(火) 18:33:44 ID:t.ObDo0E0
目が覚めた時、俺は退魔連の病室のベッドの上にいた。
敵陣のど真ん中でぶっ倒れちまったはずだが、幸運にも俺は他の淫魔には襲われずに済んだらしい。
――身体の感覚は、まだ殆ど戻っちゃいなかった。
そりゃそうだ。強壮剤を飲んだ上での淫魔二連戦。
それも片方は上級淫魔、これまでで最強の強敵だったんだ。これだけ無茶して堪えなかったら人間じゃない。

・・・、二連戦?

「ああ・・・、そっか。はは。そう、だよな・・・」

そこまで考えて、俺はようやく思い出した。

・・・、そっか。
おやっさん、確か逝っちまったんだよな。

・・・、ったく、偉そうなこと言ってたクセによ。
情けねーったらありゃしねえ。

まだ、俺が明日香の野郎をぶちのめす所も見せてねーってのによ。
先輩のクセに、俺より先にヤられてちゃ世話ねーだろっての。


・・・、・・・・・・クソ。


〜〜〜〜〜


「――海斗、起きてる?」

そうして、起きてからどれくらいの時間が経ったのだろう。
いつの間にか、明日香が病室に入ってきたみたいだった。
「ああ」と適当に返事をすると、明日香はベッドの隣の丸椅子に腰掛け、俺の手や足を撫でながら感覚があるかどうかを聞いてきた。

「・・・なぁ、明日香」

ちゃんと感覚があることを伝えてから、俺は聞き返した。
セイスにズタボロにぶっ壊されたせいか、明日香に触れられてももう情けなく股間が反応するようなことはなかった。
ようやく、本当の完全復活と言ってもいいらしい。――俺だけは。

「――おやっさん、これからどうなるんだ?」

一縷の望みを託すように尋ねてみる。
だが案の定、というべきか。明日香は、何かを察したように苦い表情をするだけだった。
そして、

「・・・、あんな状態の死体、表に出せるわけないでしょ?
世間的には行方不明扱いで、退魔連の中でこっそり埋葬よ」

バッサリと断ち切るように、そう答えた。
――、やっぱ、そうだよな。

おやっさんはもういない。分かっていたことだった。
男退魔士は、淫魔に負ければ簡単に命を落とすのだ。そして淫魔やその犠牲者が世間に知られてないということは、退魔士の最期はつまりそういう物なのだ、ということ。

なら――、俺もいつかは。いや、本当にもうすぐ近いうちに、同じ最期を迎えるんじゃないのか?
実際、今回は本当にあと一歩で俺もそうなるところだったのだ。
年々増え続けているという淫魔の出現。これから、あのセイスよりもっと強力な淫魔と戦うことになったとしたら――。

その時、俺はきっと――、

「・・・、なぁ、明日香。俺――」

「たいへんだよ! お兄さん、明日香お姉ちゃん!」

言いかけた俺の言葉は、病室に駆け込んできた甲高い声に遮られた。
見ると、美緒と連絡係の女退魔士がタブレットを片手に明日香の方に駆け寄ってくる。
何事かと思っているうちに連絡係はタブレットを操作し、画面を明日香に見せていた。
そして表情を凍らせる明日香に、連絡係は冷静を装ったような声で、静かに告げた。

「五十鈴(いすず)三姉妹が淫魔化しました」

――その言葉の意味を、俺は少しの間理解することができなかった。
ただ、俺の頭には。何故か、あの三つ子ちゃんたちの声と笑顔が過ぎっていた――。


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