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TRPS雑談所ブンヒナ出張版
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「つまりあなたを雇いたい、と言ってるんです」
見た目だけ派手な照明の下、俺が寝ていた椅子に座った女は言った。
俺は左手に持った手錠の鍵の金属的な冷たさを握りしめた。
『文明とやらを 集めるために?』
「文明はついでです。本命はイデア」
部屋にあったノートを使って会話する。
『雇うと言うのなら 報酬はなんだ』
「情報ですよ。知りたいこと、知らなければいけないこと、沢山あるでしょう?」
少し考えてから、ノートに走り書きをする。
『前金は?』
「あなたを呼び寄せた人物の名前と、私の文明の性能」
『その情報が 正しいという保証は?』
くすり、と女は笑った。馬鹿にしたような、軽蔑したような、しかし間違いなく卑下と自己憐憫を含んだ笑いだ
った。
「保証?人権と同じくらい現実的に意味のない言葉ですね」
女は一瞬目を瞑った後、それに、と付け加えた。
「保証って物は、すでに基盤を持ってる人が使う言葉ですよ。あなたには、今はそれすらない。と、言うより私
が今からそれに成ろうと言ってあげているんです」
いちいち試さないでください。と女は続けた。
「喫茶店で事件が起きたときに、あなたと私は同じ判断をした。文明の事を抜きにすれば、あなたは私より格上
です」
『だから仲間に引き入れようと?』
「三浦に変な使われ方をするよりはマシだと判断しただけです」
鎖が擦れる音、女はハッキリこちらに向き直った。
「三浦啓介、あなたをここに呼び寄せた人物です」
「こちら側の誠意は見せました。あなたの立場の低さを鑑みれば破格の誠意のはず」
女は……“兔”、とやらは顎で俺の左手を指した。
「手錠を外せば、契約成立です」
【尾張証明:“兔”に雇われる】
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