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TRPS雑談所ブンヒナ出張版
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(駅、駅ねえ)
ようやく手に入れた手掛かりらしき紙片を片手に、安い作りのベッドに腰を下ろす。軋み
をあげながら回転式のベッドがわずかに回る。部屋に漂う無駄にケバケバしい香料の匂い
に鼻白む。
ラブホテルに寝床を構えるのは珍しい事ではないとはいえ(野郎五人で三日間過ごしたこ
ともある)、流石に仕事以外で泊まるのは初めてだった。
(調書無しでの家宅捜索が国警にバレたら、ほとぼりが冷めるまで逃げ込むのはココだと
相場決まっていたが……)
半分内々の冗談になっていたその状況に、まさか自分が陥ろうとは思わなかった。
(さてと、駅、と言っても色々ある)
改めて立ち寄った本屋で買った市内地図に、赤いボールペンで印を付ける。
(俺が最初にいた交差点に隣接するオカルト駅)
(規模で言うなら最も大きい、VIP駅)
他にもシベリア超特急の通るシベリア駅など様々だ。
(正直、どの駅かわからない)
『えきのまえ』
(最初にある語群が暗号になっているのか?)
全く専門ではないが、いくつかの有名なパターンを思い出しながら頭の中で組み合わせる。
首を傾ける。どうもしっくり来ない。
(暗号じゃないのか?)
(どこの駅に、そもそも何を持っていけば?)
黄昏まで、駅の前まで、つかまえて……
(ダメだなさっぱりわからん)
紙片をベッドの脇に放る。
(しりたければ、は取り敢えず諦めよう。せめて前半の語群の意味だけでも把握したい)
鎧の女、奇抜な男……
(明日は聞き込みだな)
今日はもう寝よう、と電気を消し、椅子に腰掛け、万が一の為に金の入ったボストンバッ
クとM10が入ったままのホルスターをすぐに手の届くテーブルに置く。
目を瞑る前に娘の寝顔を思い浮かべた後、幸福な気持ちが掠れる前にと、早々に浅いまど
ろみに落ち込んだ。
【尾張証明:警戒しつつ就寝】
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