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TRPS雑談所ブンヒナ出張版
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よく観察してみても、商店街そのものには事件があったようには見えなかった。
煙も見当たらなく、火の気も感じられない。
商店街の入り口に停まった何台もの消防車、その間を縫うように、我先にと逃げ出して行
く人々。
何も起こっていないように見えるのに、騒ぎだけが酷くなってゆく。
異常と言えば、それが異常に思えた。
商店街から離れた所に車を停めて、ここまで歩いて来た時に、走り抜けていった人々の会
話から漏れ聞こえた言葉を思い出す。
(化物、ね)
すぐに銃が抜けるように、ホルスターの位置を確認する。
時間と共に、少しずつ商店街から出てくる人の波が弱くなる。今しかない、と寄りかかっ
ていた壁から背を離して、野次馬に紛れ、消防隊員に見つからないよう注意しながら商店
街入り口のすぐ手前、既に人が逃げた後の雑貨屋の中に入り、三階の窓を目指した。
現場には消防隊員が邪魔でとても近づけないし、こちらは犯罪者だ。目立った行動もした
くない。ならばアーケードになった商店街の屋根づたいに現場に近づこうと言う考えだっ
た。
(蛇が出るか鬼が出るか)
踏み抜かないか足踏みして確かめた後、硝子の天井をそろり、そろりと進み始めた。
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