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TRPS雑談所ブンヒナ出張版
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「まゆきちゃん、目を開けたまま寝ちゃだめよぅ」
思考の波を漂っていた真雪を、檸檬が引き上げた。
真雪は未だぼやけた思考のまま、頷く。
「うん、考えてた」
「そうねぇ。でも放って置かれると寂しいわぁ。
で、答えは出た?」
檸檬の問いに、真雪が笑って答える。
「うん…恋じゃないけど、気になってる」
その勢いのまま、これまでの事情を説明した。
迷子のおじさんを助けた事。
そのおじさんが優しく在ろうとしてくれた事。
そして、彼が吐いて真雪が許した嘘の話。
「ごめんね、れも姉ぇ。私、れも姉ぇに嘘吐いた…」
「良いのよまゆきちゃん…それにしても、変な人だったのねぇ」
真雪が苦笑いで肩を竦めると、檸檬が許し、話を終わらせた。
真雪が携帯を見ると、もう午後六時。空が、赤い。
「れも姉ぇ、もう六時なんだけど」
「あらぁ、帰らないとまずいわぁ。今日は試合が有るって家を出たから…。
まゆきちゃんはどうするのぅ? わたしと一緒に帰る?」
真雪は携帯から目を離さず、檸檬に告げる。
檸檬は早速テニスラケットを抱え、席を立った。
「私はいいや…暫くは街、ブラブラしてる」
彼女の問いに答えながら、真雪は携帯を閉じてバッグに押し込む。
「…おばあさまが居るものね」檸檬が静かに呟いた。
真雪はコクリと頷いて、席を立つ。
「おばあちゃんに会いたくないからさ…だから」
答える声も元気がない。
真雪に元気づけるように、檸檬は肩を叩いた。
「だったらついでに、まゆきちゃんの荷物も部屋に置いとくわよぅ」
「…ありがと」
真雪は、檸檬の提案に乗ることにする。
小さな声で礼を言うと、檸檬は嬉しそうに微笑んだ。
「良いのよぅ気にしないで」
「そう? じゃあ、後でね」
「うん、ちゃぁんと、暗くなる前にお家に帰るのよぅ?」
一通り会話をしてから店を出て別れる。
檸檬は、真雪の紙袋を手に家へ。
真雪は、隙を潰すために街へ。
そして、真雪は近道である住宅街に足を踏み入れた。
【檸檬と別れました。街へ向かうようです】
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