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TRPS雑談所ブンヒナ出張版

502月崎真雪 ◆OryKaIyYzc:2010/02/17(水) 02:59:42
>>157

本屋からさほど離れていないファーストフード店で、
真雪と檸檬はポテトを摘みながらだべっていた。
「れも姉ぇ、試合が早く終わったなら連絡すれば良かったのに、どうしたの?」
テーブルの上で伸びている真雪が、檸檬に連絡せずに居た理由を問う。
檸檬は紙容器に少しだけ残っていたポテトをトレイの上にだし、
積み重なった空の容器に更に重ねている。
「物理的に連絡が取れなくなっちゃったのよぅ…
連絡しようとしたら、携帯が爆発しちゃって」
「爆発う!?」
有り得ない言葉に、真雪が跳ね起きた。テーブルに付けていた頬が赤い。
「大丈夫なの? 何があったの?」
「あははっ、まゆきちゃんのほっぺたおもしろぉい。
大丈夫よぅ爆発する直前に壁に放り投げたから」
真雪の赤い頬を笑いながら、檸檬は真雪の頭を撫でる。
「わたしもそのことは良く分からないわぁ…
急に着信音が異常に鳴って、慌てて電源を切ろうとしたら異様に熱を持ち始めて。
これは危ないと思って、そこら辺の壁に放り投げたの。
それがいけなかったのねぇ…いきなり、ばーん、て爆発しちゃったぁ」
「ほぇえ…」
檸檬の説明に、真雪は奇声をあげた。
檸檬の手が離れたので、真雪は再びテーブルに頬を付け瞼を閉じる。
最後の一本を食み、紙ナプキンで指を拭いてから檸檬は真雪に逆に問いかけた。
「で、わたしの話は終わったわぁ、次はまゆきちゃん。
どうしたのぅ? 里奈ちゃんと喧嘩したときの言い方、
まるで案内したその人に一目惚れしたみたいだったじゃなぁい?」
真雪はその一言に、瞳を開けた。

そう、なのだろうか…
まだ、分からない。常識的に考えて、好きになる要因がない。
彼は優しくしようとしていた。だけど、その優しさが嘘なのは分かっていたのだ。
利他的な嘘。あの人は、私の為に嘘を吐いていた。何が目的に有ろうと、それは真実。
でも一方で、酷く混乱していた。その混乱は、何かの事件に巻き込まれたかのよう。
そう。引っ越しなんて嘘だ。あの人は

『自らの意志でこの街にやって来た訳じゃない』



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