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【長編SS】鬼子SSスレ@創作こそ至上【短編SS】

1ヤイカガシ:2020/03/17(火) 04:07:20 ID:soZACVY.0
1 : 名無しさん@避難中 sage 2019/12/30(月) 18:53:51
                 ,,,,,A__A、
               r彡リリリリリリリミハ、
              /:::::::::::::ハ::::::::::::::::,ミ!`了
           [ンリリリリHノ ミテ〒テテヲ ノ    ここは創作発表板です!
      _rrrr、_ノlリリリ=   =リハ川} マ    オリジナル・二次創作問わず
      「::/ ゙̄"ヽ::::i!川人''┌┐''ノリミ川!!J    様々なジャンルの作品を好きな方法で自由に創作し、
     |:/ 注  r-、!リl州>ニ-イ彡ハ川|     発表して評価・感想を貰う創作者のための場所です!
     |:{  意  r〈rミYリi ( Vクリリク;:;ヽリ!、
     |:{  事  }:::ハソ !、;:;:ハ/クィ⌒:;:;}リハ、   こちらのスレで扱っているのは、
     |::,  項 ノ:::|:;r ヘ/;:/:;:;:;:;:;:;イリリ,ハ   萌えキャラ 日本鬼子(ひのもとおにこ)ちゃんです!
     |::ヽ _/_|人 ノ入Y:;*:;:;:;:;ノミリリリ、  みんなで楽しく鬼子ちゃんの作品を創作・発表し、
      ̄ ̄ヽ リ:;*:;(ソ/:;*:;:;:*;イ:;トヘミミハ、 存分に萌え散っちゃって下さい♪
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関連スレ【飄々と】萌えキャラ『日本鬼子』製作33 【萌え】
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あとはよしなに

26【ひのもと鬼子外伝:鍾馗・一ノ章01/01】:2020/05/25(月) 12:18:38 ID:mUPA9NnE0
◇◇ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー◇◇
ーー誰かが苦しんでいる。暗闇の向こう側。その奥から悪夢にうなされているかのような苦しげな息遣いと呻き声が聞こえてくる。しかしそれを聞いている『彼』は悪夢にうなされているのは夢によってもたらされるものでないことを知っていた。そのまま奥の方へと歩みを進める。
周囲は見るからに贅を凝らした寝室。呻き声の主ははそんな床に伏せ、苦しんでいた。どこか高貴な雰囲気を持つ男だった。そしてその男の顔は苦痛に歪んでいる。
『彼』はその苦しみの原因を知っていた。いや一目瞭然だ。なぜなら相手の周りに黒い悪意が黒い淀みとなって蠢いていたのだ。
ギャッギャッギャッ! グゲゲゲゲ……
その黒い淀みはその男の周りをまわったり、飛び越したりしていたが、その悪意がこの男から生気を吸い取っている事だけは見て取れた。
『彼』は無造作にそれに近づくとその悪意をむんずと掴み取った。
ギーッ!ギャァア!
その悪意は手から逃れようと暴れたものの、ほんの数秒で手の中で霧散して消えてしまった。
『彼』は両手を軽く払って汚れを振り落とす。そして目をあげると、先ほどまで苦しんでいた男が身を起こす所で目があった。
男は今までの苦しみが嘘のように落ち着いた佇まいで彼を見ている。苦しみのなくなった顔は今は不思議そうな顔で『彼』を見つめ返している。
その疑問に答えるため、『彼』は敬意をもって、その人物の前で片膝を付きーーーー
ーーそこで夢は途切れた。

27【ひのもと鬼子外伝:鍾馗・一ノ章02/05】:2020/05/25(月) 12:22:01 ID:mUPA9NnE0
>>26
◇◇ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー◇◇

 今年小学六年生になったばかりの茅乃芽 千穂(かやのめ ちほ)の朝は特に早い訳ではない。
家が喫茶店を経営しているため、両親は朝早くから起きて準備にとりかかっている。が、千穂自身はのんびりと朝を過ごしていた。

「ホッホー、時間だホー。ホッホー、時間だホー。ホッ(カチリ)」
なので、枕元で鳴り出したフクロウ型の目覚まし時計も寝ぼけ眼で止めてしまい、甘美な微睡と共に二度寝に突入しよ……
「あーーっ!今日、当番だった!」
ーーうとして飛び起きた。

慌ててベッドから飛び降りると、部屋の片隅の鏡で髪の毛を整える。髪の毛にクシをいれると、ツインテールに結い上げた。そして椅子にかかってるドテラをひっ掛ける。春も近いというのにこの時期はまだまだ寒い。
そのまま机のノートを鞄に放り込むと部屋を出ようとして、いつものペンダントが無いことに気がついた。
「あれ、どこに行っちゃったんだろう?」
お気に入りだったのだ。そうそう無くすとは思えない。机の引き出しを開けるが見当たらない。散々見回した挙句、ベッドの脇に落ちていた所を見つける。
「あ、あったあった!」
喜び勇んで拾い上げ。

ゴン
「いったぁーい!」
開けっぱなしだった机の引き出しに頭をぶつけた。千穂はせっかちな性格なのかよく頭をぶつけたりする。隣の子はもう少し落ち着けばいいのにと言われるが彼女ほどおっとりするのも考えものだ。
とはいえ。目的のものが見つかったので、それを首からかけながら下の階に向かった。
その後はいつもどおり洗面所で顔を洗い、洗濯機の横に用意してある服に着替え、髪型や寝癖のチェックを済ませる。右を向いて、左を向いて。鏡にうつる自分の姿を入念にチェック。

「うん、いつもどおり!」
強いて言えばピョコンと二本の髪の毛が触覚のように頭から飛び出しているが、直すことはとうの昔に諦めた。学校の男子にからかわれたりもしたが、持ち前の気の強さで黙らせた。
軽く両頬を叩いて気を引き締めると、朝ごはんを食べに脱衣所を出て行ったーー

28【ひのもと鬼子外伝:鍾馗・一ノ章03/05】:2020/05/25(月) 12:23:01 ID:mUPA9NnE0
>>27
◇◇ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー◇◇
「あら、おはよう千穂ちゃん」
「おはようございます!』
居間を通り抜け、喫茶店スペースに入ると最初に挨拶したのはこのお店の常連さんだ。初老で品の良いおばちゃん。といった感じの人で、毎朝一番に来店するお得意さんだ。千穂もよく顔を合わせるのですっかり顔見知りになってしまった。他の常連さんはだいたい、千穂が登校した後に来るので、時々にしか顔を合わせない。

「おはよう、チホちゃん。早く食べてしまっちゃいなさい。今日は教室当番なんでしょ?」
そう声をかけてくるのは千穂のお母さん。茅乃芽 稲穂(かやのめ いなほ)だ。髪を後ろに結い上げ、横長の四角い眼鏡。赤茶の縦セーターの上にエプロン。そしてデニムのパンツ。というラフな格好だが、これがいつもどおりの姿である。
「おはよう、お母さん。お父さんは?奥?」
千穂が珍しい。という感じでたずねた。いつもならこの時間帯は仕込みを済ませてカウンターでコーヒーの準備に取り掛かっているはずだからだ。
「えぇ。お父さん、ちょっと新メニューに挑戦して失敗しちゃって。後片付けしている最中なの」
そう言いながら母は椅子に座った千穂の前にこの店名物のモーニングを置いた。

「ふーん……」
そう相槌をうちつつ、いただきますと言った後、稲穂の用意したトーストにたっぷりアップルジャムを塗りつけかぶりついたーー

29【ひのもと鬼子外伝:鍾馗・一ノ章04/05】:2020/05/25(月) 12:24:31 ID:mUPA9NnE0
>>28
◇◇ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー◇◇
ホッホー。ホッホー……

どこかで聞いたことがあるような鳥の鳴き声が聞こえてくる。何の声だろうとぼんやりと聞いていたら、隣の家から女の子が出てきた。
「あ。おはよう。チホちゃん」
隣の家の子と約束していた時間丁度にその子と顔を合わせた。幼なじみの高千穂 真希(たかちほ まき)ちゃんだ。
「おはよー真希ちゃん!真希ちゃんところも今日、当番だったよね?」
「うん、うさぎさんにご飯をあげる役。確か千穂ちゃんは教室当番だったよね?」
普通の人ならちょっと聞き取りづらいくらい小さな声で返事を返した。その上、のんびりした喋り方だが、真希はずっとこうだ。溌剌とした千穂とは対照的でおっとりとしているので、よく男子にからかわれたりする。そんな男子を蹴散らすのが千穂の毎度の日課である。

「そうなの。朝、起きるのが大変!お布団からなかなか出られなくって……」
「ここしばらくとても寒かったもんね」
「だよねー。でも朝起きた時、私の部屋。エアコンついてなくって」
千穂はテクテクと歩きながら今朝のことを思い出す。
「あんまりエアコンに頼っちゃだめってお父さんたちに言われているんだっけ。大変だね」
「おかげで変な夢をみちゃったみたい。あんまりよく覚えていなかったけど」
それを聞いて真希もあいづちをうつ。
「夢って、観ても覚えてないこと、あるもんねー」
と、そんなたわい無い会話をしながら二人で歩く。
高千穂 真希は髪を肩口で切り揃え、目が前髪で隠れ気味になっている。地味な印象を受ける女の子だ。だがその実、とても綺麗な目をしている事を千穂は知っている。
以前、千穂が真希にうっかりぶつかった際に知った事だった。あの時は目から星が飛んだと思うくらい痛かった。お互い、おでこをさすっていたが、その時に前髪に隠れていた真希の目をみたのだ。千穂からするとその綺麗な目を隠すなんて勿体無いとは思ったが、本人は隠したがっている。
どころか。このことは誰にも言わない。という約束までさせられた。そのためこの事を知っているのは千穂だけだった。でも千穂は真希とそんな秘密を共有しているのがちょっとだけ嬉しかった。

30【ひのもと鬼子外伝:鍾馗・一ノ章05/05】:2020/05/25(月) 12:25:32 ID:mUPA9NnE0
>>29
「ーーそれで千穂ちゃん、ひょっとしてまたおでこを打った?」
真希は千穂のおでこが少し赤くなっている事に気がつき、そう聞いてくる。
「う……あはは。ちょっとコレを探しててさ……」
そう言ってバツが悪そうに首にかけているペンダントを指差してた。それは丸く編んだ植物に紐を張り巡らせたようなアクセサリーだった。編み上げた紐が星を形作り、その中心にこれまた星が据え付けてある。何かのお祭りの屋台で買ったものだ。一目で気に入った千穂がめずらしくわがままを言ってねだったお気に入りだった。

「えっと、確か、どりーむきゃっちゃーっていうんだっけ?」
真希は首を傾げ、人差し指を頬にあてながら記憶を探る。
「そうそう。悪い夢を捕まえてくれるお守り!」
「でもそれ枕元に飾っていないと意味がないんじゃなかったっけ?探してたって言ってたけど、どこにあったの?」
「えーと……」
千穂は目線をそらし、言葉を濁す。
「……机の下」
「あー……また引き出しを出しっぱなしにした後、机の下にもぐって。その上、不注意に立ち上がってぶつけたんでしょ。相変わらずねー」
ドンピシャであってた。
「あはは……」
千穂は何だかんだとあちこちに頭をぶつける変なクセがある。真希に言わせれば本人が落ち着きがなく不注意なだけだというが。
「絶対、何かの妖精さんが嫌がらせしているのよ!私が悪いんじゃなく、そいつが悪いのよ!」
ーー本人は絶対に認めたがらなかった。
二人はそんな事を話しながら校門をくぐって行った。
◇◇ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー◇◇


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