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ローファンタジー世界で冒険!避難所

556巡検司書アルサラム ◆FarahLxH6M:2015/09/11(金) 00:26:08 ID:qxDutRJ60
アルサラムは疾走しながら短剣を縦横に振るう。
刀身は磨き抜かれていて、反りの無い両刃。
銀の閃光が軌跡を描けば、影蜘蛛の頭が裂かれ、脚が切り落とされ、胴を薙がれる。
進路を阻む虫魔たちは次々と呪力を断ち切られ、後は溶けるように崩れてゆくのみ。
この魔術師らしからぬ武技は、卓越した資質と修練の賜物だ。

(使い魔を幾ら倒した所で、術者が補充するなら無意味。
 ……直接攻撃で仕留めるしかない)

数瞬の合間にアルサラムは戦術の方針を組み上げた。
しかし、防御に専心する相手の陣形を正面突破する事は、如何に熟練した能力を以てしても至難の業。

(蜘蛛の頭を潰す媒鳥がいる。
 敵の目を逸らし、攻撃を分散させる要員が)

アルサラムは次なるカードの具現を決め、幾つかの候補を心中に思い描く。
まず、前提としてクレド・マディラはカードの質に応じて、五等級のレアリティが設定されている。
アイアン(黒鉄)/ブロンズ(青銅)/シルバー(白銀)/ゴールド(黄金)/アダマス(神鉄)の五種の等級に。
先ほど使ったディオラオスの金狼と熾天の炎は、どちらも第二位の級であるゴールドだ。
このクラスのカード再現は、一枚につき全魔力の四分の一を使う。

(二度のゴールドで、残存魔力は約半分。
 同程度のカードを使えるのも後二回。
 一つは蜘蛛の足止め。もう一つを己か敵に使うのが最善)

「抜札《ドロウカード》――――冥界の軍隊蟻」

左手で握ったカードデッキから、蟻の群れが描かれるカードが中空へと滑った。
絵札の中から新たに現れるのは、青白い霊気を放つ大蟻の群れだ。
個々では影蜘蛛に劣る程度の力しか持たないが、数だけは只管に多い。
物量での目晦ましには、恰好の下僕《サーヴァント》だ。

「近くの蜘蛛を手当たり次第に襲え」

アルサラムは大蟻の群れを近くの影蜘蛛に向かわせた。

「ほーぉ、新手の使い魔やな。
 せやけど、烏合の衆なんざ影蜘蛛の餌食になるだけやで……迎え撃て!」

アルサラムの使い魔《サーヴァント》が、探偵の使い魔《サーヴァント》に襲い掛かるものの、使い魔の強さは魔力量が物を言う。
魔力を分散させて召喚した使い魔では、より高い密度の呪力で練られた使い魔には敵わない。
冥界の軍隊蟻が一体の敵を仕留める間に、影蜘蛛の方は三体も敵の数を減らす。

「あっちのライオンくらいのパワーなら厄介やが、雑魚を増やした所でこんなもんや!
 ワシの魔力も一向に尽きる気配があらへん!
 こっちは、兄さんが力尽きるのを待ってればええだけやな!」

蜘蛛《スパイダー》は勝ち誇るように言葉を続けた。

――――自らの狙いが、アルサラムの魔力切れを待つ事だと思わせる為に。


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