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ローファンタジー世界で冒険!避難所

547ミリア ◆NHMho/TA8Q:2015/08/20(木) 07:09:24 ID:O2xX6Z/U0
機械人形も笑顔を模した表情を作る。

「どういたしまして。
 また御用がありましたら、御遠慮なく、申し付けてください」

「……それなら、一つ質問。
 アンタって口から水分を摂取したら壊れる?」

「防水加工が、されていますので、平気です」

「そっか。
 なら問題ないね」

ミリアは医療用ロボットの頭を抱き寄せ、その唇に濡れた舌を差し込む。
人の感情を理解するようなものなら、魅了で精神に影響を及ぼせないかと考えたのだ。
これを操って利用すれば、外界に干渉できるかも知れないと。

「乱暴は、止めて、下さァい」

人工音声が困惑の色を帯び、心持ち非難がましいものに変わった。
しかし、ミリアは機械人形の頭部を両手で押さえつけ、ゴムのような感触の舌を舐め回す。

「これは乱暴じゃなくて、親愛の証だよ。
 主に人同士でするもんだけどね」

「キス、ですね」

「そうだよ、キス。
 で、キスされて何かアンタの感情に変化は無い?」

「困惑を、隠せません」

結果から言えば、ミリアの行為は全くの無駄に終わった。
魅了の魔力は無機物に効かない、という検証結果を得ただけだ。
特異病棟で医療用の自律機械が使われるのは、精神に干渉されないからなので、少し考えれば自明の事である。

「……クソッ、やっぱりダメか」

試みが期待外れに終わり、他に打てる手も考え付かない以上、後は普通に収監されているしかない。
ミリアは浴室の中で着替えると、病室兼監獄に戻った。
一連の行為が筒抜けである事など、思いも寄らず。


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