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【リレー】第2回創発キャラトーナメントバトル【part3】

1名無しさん@避難中:2011/07/27(水) 01:06:39 ID:WXKLCzWU0
ここは創発のキャラを使ったトーナメントバトルをリレー形式で行うスレです

《まとめ》
http://www26.atwiki.jp/sousaku-mite/pages/1023.html

《過去スレ》
リレー小説でトーナメントバトル
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/3274/1294915051/
【リレー】第2回創発キャラトーナメントバトル【part2】
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/3274/1295684382/

《前大会》
第一回創発トーナメント(ルパン「とんでもねぇ大会だぜジゲ〜ン」)
http://www26.atwiki.jp/sousaku-mite/pages/276.html

10スケベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM:2011/08/10(水) 22:46:41 ID:qjLYYBrY0
 オラwktkしてきたぞ!

11名無しさん@避難中:2011/08/10(水) 22:52:36 ID:RSOJTzqc0
名前www

12スケベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM:2011/08/10(水) 23:06:15 ID:kHEZhz020
 何もおかしくはない。私はせ異常だよ。

13629 ◆nac/9nxvbM:2011/08/10(水) 23:08:34 ID:irZx5ROM0
投下開始出来ません。すいません。
一旦予約破棄して、今月中旬のゲリラ投下を目指します。


>>10
wktk裏切って申し訳ない。

ついでに聞きたいんだが、会話の口調(心の声も含む)全て丁寧語というか
ですます口調だとキャラとして違和感あるのだろうか?

14名無しさん@避難中:2011/08/10(水) 23:10:47 ID:RSOJTzqc0
Oh...
まあそんなこともあるさドンマイ

15スケベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM:2011/08/10(水) 23:15:45 ID:dsXshRYE0
>>13
 大丈夫、延期には慣れてるよ!(ACⅤとスパロボの予約票を握りしめながら)

>口調
 ある程度は崩しちゃって問題ないよ!

16名無しさん@避難中:2011/08/10(水) 23:30:20 ID:RYuAaERI0
    /||ミ 作戦領域に到達。ミッションを開始する。
   / ::::||  ̄ ̄∨ ̄ ̄
 /:::::::::::||_____
 |:::::::::::::::||       .||
 |:::::::::::::::||       .||
 |:::::::::::::::||         ガチャッ
 |:::::::::::::::||ハ,,_,ハ,     ||
 |:::::::::::::::||・ω・ミ/^l.. ||
 |:::::::::::::::||u~~~u;' |  ||
 |:::::::::::::::||ω ・   ミ . ||
 |:::::::::::::::||[=]=|=  つ ||
 |:::::::::::::::||     ミ .||
 |:::::::::::::::||    彡 .||
 |:::::::::::::::||    ,:'   ||
 |:::::::::::::::||''~''''∪   ||
 \:::::::::::|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



       l^丶
       |  '゙''"'''゙ y-―,  I'm thinker ♪
       ミ ´ ∀ `  ,:'
     (丶==[=]=(丶 ミ    トゥートゥートゥートゥトゥー ♪
  ((    ミ        ;':  ハ,_,ハ   ハ,_,ハ
      ;:        ミ  ';´∀`';  ';´∀`';,,
      `:;       ,:'  c ̄c.ミ' c ̄c.ミ
       U"゙'''~"^'丶)   u''゙"J   u''゙"J

17629 ◆nac/9nxvbM:2011/08/10(水) 23:36:12 ID:irZx5ROM0
>>15
把握

口調は、ですます丁寧語で統一させてもらう。
まぁ新キャラのつもりで見てもらえればw

18パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM:2011/08/10(水) 23:40:06 ID:I/aKFYaU0
>>17
 了解です、楽しみに待ってますねw

19名無しさん@避難中:2011/08/10(水) 23:41:35 ID:.XtPzY.k0

      ∨___        / ̄ ̄ ̄\
    /⌒/rー-┬-‐\      /〈 ルハルカリ〉ヽ
   ,'/ /,,_   _,ヾ \    / :::::〇―〇::: 〇 そんな〜
   /    '''''` {''''`  .\  〇, :::::::::::::8〇〇〇
   |  i     ,__''_    ヽ、_ヽ〇| :::::::::::::::::::::::::| 
  !└二二⊃ ー .    | ∪. | :::::::::::::::::::::::::| 
  レ' |   ,、___,    ノ    |    ,、   |
     ヽ_二コ/   /     ヽ  / \  /
   _____/__/´     __ヽノ____`´

20名無しさん@避難中:2011/08/11(木) 02:17:30 ID:SqNJ6VbE0
なんだこのAAはwwwwwww

21名無しさん@避難中:2011/08/11(木) 04:51:54 ID:LNniQPec0
ひっでぇwwwww

22名無しさん@避難中:2011/08/11(木) 13:45:58 ID:SqNJ6VbE0
とりあえずこっちくんなwww

23名無しさん@避難中:2011/08/12(金) 10:08:24 ID:EI8ssY66O
「な、なんだあの二人は!」

青森「俺達はパーフェクト住人! 飛び入りで参加するぜ!」

ジョイン「カーカカカ、弱小住人にはご退場願おうか!」

バッ

「ゲーーーッ! 空中でおさげを掴んだまま回転したーーーッ!」

青森&ジョイン「地獄のネジ回し!」

ドカッ

倉刀&裏刀「ギャアーーーッ!」

「あ、あの二人を一瞬で……なんて奴等だ」

24名無しさん@避難中:2011/08/12(金) 12:38:59 ID:q8A9hPy.0
なんだこりゃw

25名無しさん@避難中:2011/08/12(金) 12:44:06 ID:eidqrI7w0
だれがネプチューンマンやねんwwww

26名無しさん@避難中:2011/08/12(金) 15:07:34 ID:EI8ssY66O
青森「わ、私達は如何なる時も道具を使わないことが、誇りではなかったのですか?」

ジョイン「グロロロロ…た、たまにはプロテインを使うことだってあるわ…」

青森(う……裏切られた!)

27名無しさん@避難中:2011/08/12(金) 17:42:44 ID:WBQnTkzU0
 パーフェクト住人ってなんですかwww

28名無しさん@避難中:2011/08/12(金) 19:13:54 ID:fPTjvhgU0
>>26
すまんプロテイン食ってんだw

29名無しさん@避難中:2011/08/15(月) 14:49:03 ID:0kKa7oZc0
ksks

30名無しさん@避難中:2011/08/15(月) 15:05:42 ID:aGKclFgc0
占<シュー

31名無しさん@避難中:2011/08/17(水) 20:19:27 ID:5Z4Tx.XcO
あぁんっ… これ以上焦らさないでェンっ…☆

32二回戦 第八試合 PBM! の人 VS やまなし ◆nac/9nxvbM:2011/08/20(土) 00:18:11 ID:rVEFJtVA0
テスト

33二回戦 第八試合 PBM! の人 VS やまなし ◆nac/9nxvbM:2011/08/20(土) 00:19:40 ID:rVEFJtVA0
スレの趣旨を無視してごめんなさい。
両者とも適当に設定を作ってごめんなさい。

PBM! の人、ごめんなさい。いろいろとごめんなさい。本当にごめんなさい。

全13レス、投下開始。

34二回戦 第八試合 PBM! の人 VS やまなし ◆nac/9nxvbM:2011/08/20(土) 00:20:42 ID:rVEFJtVA0

 夕暮れ時の繁華街。
雑踏の中、伸びた影を少し気にかけながら一人の男が歩いていく。

 ダークグレーのサマースーツに薄く青の入ったワイシャツ。
襟元はクールビズスタイル。それでも内ポケットには堅実な柄のネクタイが用意されている。
 年齢不肖な巨大な丸メガネと背中までかかった髪。
そのいかがわしい風貌は、傍から見れば家路につく平凡なサラリーマンには絶対見えない筈だが、
とりあえず気にするものは誰もいない。

 ゆっくりと人の流れから外れ、男はあるビルの前で立ち止まる。

 洒落た横文字の置き看板。
僅かに反射光を放つショーウィンドウの奥には化粧箱に入った数々の商品見本が並んでいる。
そして男は控えめに記された看板下部の文字に気づく――――――


 第2回創発キャラトーナメントバトル。

 混沌と混迷の無法地帯と化した大会期間中、一回戦を勝ち上がった男に、二回戦の対戦者となる
女から一通の手紙が送られてきた。

 対戦者、やまなし。
セクハラまがいの行為と奇術に近い戦法で女同士の戦いを勝ち上がってきた選手。
秘めたる野望の持ち主なのか、勝つためには手段を選ばない女のようである。
 八百長操作、買収工作、強制拉致、美人局、色仕掛け、架空請求。
それらは大袈裟だとしても、何かしらの思惑が渦巻いているのは容易に想像できる。

 しかしそれは男にとって大した問題ではない。
要約すれば、ご馳走するので私の働いている店でお食事しませんか? という
内容の手紙だが、見なかったことにしてぽいっとゴミ箱に捨てればこれ万事解決である。

 しかしながら問題がある。

 対戦者、やまなし。
背はそれほど高くない。可愛いというより麗しいという言葉が似合う、四捨五入で
二十代と思われし女性である。
だがしかし、若い。ではなく幼い女性が好きな男にとってぎりぎりそれも大した問題ではない。

 ところがどっこいぎっちょんちょん。
男にとって重大かつ致命的な問題が残されていた。

 対戦者、やまなし。
彼女はまるで儚き陽炎のような、薄い薄い胸の持ち主なのである。

「……罠と知りつつ、それでも飛び込むつもりですか?」

 己に問う。

「あたり前田のクラッカー!据え膳食わぬは男の恥!!!虎穴にいらずんば虎子を得ず!!!!!
 その胸で朽ち果てるなら我が人生に一片の悔い無し!!!!!!!」

 一切躊躇せず。

 付け加えれば、世の中の99.137%の人がそうであるように男もまた異性から恋文なるものを
受け取ったためしがない。
 胡散臭いとは思っている。
しかしその甘い誘惑にあらがえる訳もなく、男は返信ハガキを握り締め光の速さで郵便局に出撃していた。

その男の名、PBM! の人――――――

35二回戦 第八試合 PBM! の人 VS やまなし ◆nac/9nxvbM:2011/08/20(土) 00:21:44 ID:rVEFJtVA0

―― そういうことですか……。

 ビルの前。男の口から負け惜しみに似た小さな笑い声が漏れる。

 女からの手紙に記された、小粋なレストランやカフェを匂わせる店名。
目の前の看板にも確かにその綴りはある。ただその後に何故か連なる『山梨県観光物産館』という文字。
女の勤務先の正体。それは地方の名産品特産品を紹介販売する、俗に言うアンテナショップであった。

「……ほうとうでも御馳走になりますか。……放蕩な私にお似合いだ」

 自虐的な駄洒落をつぶやく。
幾重にも構築された妄想が波にすくわれた砂の城のように音も立てずに崩れていく。
そして気恥ずかしさだけが残る。

―― まぁ、これもまた一興。楽しみ方は知っています。

 しかし、騙されたとは思わない。
激しい思い込みは日常茶飯事。激しい妄想も日常茶飯事。たかがこれきしのことでめげる男ではない。
 食事や飲み会などで若い幼い女性と同席する機会は滅法減っている。
なによりもその女は男が理想とする立ち姿を持っている。こんな機会をみすみす棒に振るつもりはまったくない。

 コンビニで買ったばかりのハンカチで念入りに丸メガネのレンズを磨く。
両肩を軽くはたき、ついでにさりげなくさりげなくさりげなくズボンのチャックをチェックする。
そして何事もなかったように、男は数歩先の自動ドアの前に立った。

「ごめんください。私、パラベラムの人と申しますが、やまなしさんいらっしゃいますか?」

 著名な韓流スターばりの笑顔を浮かべ、男はレジカウンターで電卓を叩いている黒髪の女店員に
声を掛けた。

 店内はそれほど広くない。
半分は所狭しと陳列棚が並び、残り半分はカウンター席と六卓のテーブルがある落ち着いた様相の
飲食ブースになっている。見渡す限り客の姿は無い。

「あ、どうも。お待ちしておりました。私、やまなしです。どうぞこちらへ」

 立ち上がった黒髪の女から笑みがこぼれた。襟から覗いた胸元は見事なまでに谷間のたの字も見当たらない。

―― 白の半袖開襟シャツにかろうじて膝上の黒のキュロットスカート。シンプル、だがそれがいい。
   黄色の帽子とサスペンダー、ランドセル装着で小学一年生仕様じゃないですかっ!

 韓流スターばりの笑顔はぴくりとも変わらない。
しかし丸メガネの奥では、長年かけて磨き上げられた技が発動していた。

―― A650、いやもしかしてAA650ですか? どちらにしても素晴らしい。私の目に狂いはなかった。
   そして何たる偶然か、私のシャツとお揃いですよ、やまなしさん!!!

 一瞬で色はおろかカップのサイズまで掌握する洞察力は、もはや魔眼と呼ばれる域に達している。
しかし全身激しくスキャンされていることなど露知らず、女は何の疑いも持たず歓迎の笑顔で男を迎えていた。
 かざした腕の先は飲食ブース。カウンターの奥には小型のワインセラーが数台並んでいる。
小柄な女に促されるまま、男は黒で統一されたテーブルセットの椅子にゆっくりと腰を降ろした。

―― 業務用とは思いますが、黒のローヒールパンプス。
   期待を裏切らない。素晴らしい。……踏まれ、げふんげふん。
   ん? さて……? やまなしさんの髪の色は桃色だったような気が……?

36二回戦 第八試合 PBM! の人 VS やまなし ◆nac/9nxvbM:2011/08/20(土) 00:22:35 ID:rVEFJtVA0

 背を向けカウンターに向かう女の姿に男は違和感を覚えた。
一回戦の試合を遠目に眺めただけで女とは初対面といっていい。
しかし胸の印象に隠れがちだが、鮮やかな色の髪が躍動していたことは忘れていない。

―― いくら女性とはいえ、客商売であの髪の色は派手すぎるということですか……。
   まぁ通常時は三つ編みツインテールを解除している私も人のことは言えませんが…………

 ぼんやりとしている男の前に、からんと涼しげな音が流れた。見上げた先には女の笑顔があった。

「どうもはじめまして。早速で申し訳ないんですけど、パラベラムの人さんって
 ちょっと呼びづらいので何かいい呼び方ありませんか? すいません、わがままで」

 はつらつとした女の声にどきりとする。

「ははは、すみません長ったらしい名前で。……そうですね」

―― 初対面の人にいきなり師匠というのもなんですし……。
   パラ。パラベ。……パラダ。……パラ田。それでいきますか。

 こだわりが無いといえば嘘になる。が、いちいち気にすることでもない。
パラ田ならより苗字に近く呼びやすいだろうと男は答える。

「それでは、パラ田と呼んでいただけますか」

「くくっ、あはははは!」

 男の提案に女から軽やかな笑い声が上がった。

「……?」

「あはは、いいなあパラダさん。なんかプラダのパチもんバックみたいで可愛いですね!」

―― その発想は無かった。さすがは女子。

「パラダさん、お食事は済まされました?」

 女から早速新しい名で呼びかけられる。
自分で軽量化しておきながら男は妙なこそばゆさを感じ苦笑する。

「いえ、確か山梨関連のお店と記憶してましたので、ほうとうを御馳走になりに伺いました。
 恥ずかしながらほうとうはまだ食べたことがないので、ちょっと楽しみにしています」

 お洒落なレストランかと思ってスーツ着てきました。念のためネクタイも持ってきました
ウハウハな展開に備えて銀行から普段より多めにお金降ろしてきました。

 当然そんなことは言える筈もなく、男は率直に御馳走になることを女に伝えた。
手紙にアンテナショップの記述はなかった。だが、ゲストとして招いてくれる旨は充分伝わってきた。
そして今のところ女から不穏な空気は感じない。逆に明るい声で笑う女に好感を抱いている。

 偉ぶるつもりは無いが、余計な気は遣わない。なるべく相手にも遣わせない。
 胸の中で男はそっとつぶやいた。

37二回戦 第八試合 PBM! の人 VS やまなし ◆nac/9nxvbM:2011/08/20(土) 00:23:42 ID:rVEFJtVA0

「ええ。御代は気にせずゆっくりしてってください。パラダさん、お酒のほうは?」

 そう言いながら女は指でくいくいと杯を傾ける真似をする。

―― 見かけとはうらはらに実はオッサンですか……。
   大会出場者という親近感や連帯感はありますが、随分気さくな方のようですね。
 
 端正な顔立ちからは想像できない女の仕草に唖然としながらも、男の顔は自然とほころぶ。

「まぁ、人並みにお付き合い程度には」

 実際のところ特異体質の男はいくら飲んでもほとんど酒に酔わない。
しかし他人にとってはどうでもいいことなのでその手の質問には適当にお茶を濁して答えている。

「うふふ、そうですか。じゃあ相当強いってことですね。最初はビールでいいですか?」

「ええ、ありがとう」

 女は慣れた手つきでカウンターのビールサーバーに手をかけ、そして颯爽と戻ってきた。

「どうぞ」

 シンプルなビアグラスが男の前に置かれた。
右手でグラスを取り、軽く持ち上げそこで停める。

「それでは遠慮なく。いただきます」

 乾杯でもするように軽くグラスを傾け、女が見守る前で男はビールを口に運ぶ。

「…………」

「…………」

 そのビールは普段男が口にするものとは微妙に違っていた。
酒の味が判るとはまったく思っていない。が、それでも苦味が少し強く、独自の香りが感じられた。
 女に気づかれないようにグラスを横目で見る。店のロゴがプリントされているだけで
ビールメーカーの企業名や商品名は無い。
女は無言のままにこやかな笑顔を浮かべている。男は無言の意味を探す。

「……えーと、これ山梨の地ビールですか?」

「あっ、分りますか?」

 男の声に、いっそう女の笑顔が華やいだ。

「いえ、お店もお店ですし当てずっぽうなんですけどね。それでもいつも飲んでるのに比べたら
 ちょっと苦味と香りが強いかなって思いまして」

「嬉しいですね。そういう反応あると提供するこちらもやり甲斐がありますよ」

「はは、大袈裟な」

 店の成り立ちとシチュエーション。
ほとんど女に無理矢理言わされたようなものである。
しかし女の笑顔は、それを充分埋め合わせるほどに輝いていた。
 男が和やかな気分にひたった束の間、軽い音質のチャイム音が響いた。
失礼しますと一声残し、女はくるりと向きを変えカウンター奥へと駆け込んでいく。

38二回戦 第八試合 PBM! の人 VS やまなし ◆nac/9nxvbM:2011/08/20(土) 00:24:43 ID:rVEFJtVA0

―― 素晴らしい。あと65ミリ背が低くて少しアニメ声が混じれば文句なしです……

「おまたせしました、ほうとうです。熱いので気をつけてください」

 くり抜きの木製汁椀から僅かに味噌の香りと湯気が揺らいでいた。
駅で見る立ち食いそば屋のどんぶりと同程度か小さいくらいの器である。

 妄想を見抜かれないように、早速男はほうとうの載ったお盆を引き寄せた。
大きめに切られたかぼちゃが存在を主張しているが、それ以外はありふれた具材で味を想像
しやすそうな構成である。
 そして麺。
すいとんや名古屋のきしめんのようなものと記憶の片隅にあった。
しかし問題がある。男はすいとんもきしめんも食べたことが無い。

「おいしそうな香りですね。じゃあ遠慮なく。いただきます」

 立ったままの女に見つめられる中、木製のレンゲをとり汁をすする。
どこか懐かしい、ほっと落ち着くような味と香りに包まれる。
 割り箸で麺を持ち上げる。幅広で厚さも程々にあるが濡れたリボンのようにくったりと
箸にしなだれかかってくる。
そのまま口に運び込む。勢いよくすするというより、食べるという感覚である。

「…………」

―― 小麦粉の香り、悪くない……。が、予想以上に柔らかい……。

「どうですか?」

 女から感想を求められる。男は一瞬迷う。

「……ええ。……しみじみというか、ほっとする味ですね」

「麺のほうはどうですか?」

「…………」

 そう聞く女の顔が少し意地悪に見えた。
 要らぬ気は遣わない遣わせない。
そう自分に言い聞かせ、男は素直に思ったことを口にした。

「……そうですね、小麦のいい香りもするしこれはこれでいいと思うんですけど、思ってたよりも
 だいぶ柔らかいですね。予備知識なしで腰のあるうどんのつもりで食べたら面食らうでしょうね」

「ぷっ、くっ……。あはははは、あはははは。ほうとうの、麺を食べて、面食らう。あはははは!
 パラダさんて楽しい方ですね。いえ、シャレのつもりで言ったんじゃないのは分りますけど」

「……どちらかといえば腰の強いうどんが好みなので、つい本音が出てしまいました」

 男の感想に女は笑う。
それでも悪い気はしなかった。あどけなさを残す笑顔と小鳥のさえずりの様な笑い声が心地よかった。

39二回戦 第八試合 PBM! の人 VS やまなし ◆nac/9nxvbM:2011/08/20(土) 00:25:34 ID:rVEFJtVA0

「でも、パラダさんの感じたとおりですよ。もともとほうとうは手間をかけずに作る家庭料理が
 出発地点ですから、麺も基本的には全然手間ひまかかってないんですよ。
 水だけで小麦粉こねて延ばして切るだけで、こねてこねて足で踏んで一晩寝かして熟成させてとか
 そういう面倒な工程はほとんど無いんです。
 だから麺にコシなんて求めても無理なんですよね。そういう作り方じゃないですから。
 でも、郷土料理として有名になるに連れて、味や食感が求められるようになってきた。
 初めて食べる人が、うーん、となるよりは手間ひまかけても食感を少しコシのあるうどんより
 にしておいしく食べてもらったほうがいい。
 気がつけば有名店と呼ばれる店のほうとうの麺は固めになり、ほとんどが一杯千円以上の
 値段になりました。当然それを否定することは出来ないですし、値段に見合う料理だと思います。
 だけど、人にそれがほうとうかと問われれば私は自信を持って頷くことは出来ないですね。
 ……すいません、ちょっと長くなっちゃいましたね」

―― 名は体を表す。そのものな人ですね。当然といえば当然か……。
   でも、その熱意は嫌いじゃない……。

「私が食べてるほうとうは家庭料理のほうですか、それとも有名店のほうですか?」

 むやみに首を突っ込むことはせず、男は食べながら女に尋ねる。

「家庭料理のほうですね。でも、せんえつながら私が麺打ちしてますので素人料理かもしれません」

「それはよかった。正統なほうとうを食べたと自慢できます」

「あはは。有名店のほうとうを食べ比べしてみるのも面白いですよ。それぞれ個性がありますから。
 話は変わりますけど、パラダさんって案外まともと言いますか、実はとっても誠実な人なんですね」
 
「え……?」

 女の意外な切り替えに思わず男の箸が止まる。

「一回戦の様子ビデオ見させてもらったんですけど、正直、私こんな怪しげな人と戦って
 大丈夫かなって思ったんですよ。それで試合に関係なく会ってみればひととなりが分るかと
 思って手紙出したんですけど、返事はすぐ返って来るし、こざっぱりした格好だし、
 約束の時間通りに来るし、話し言葉も丁寧だしで、私、超安心しましたよ」

―― うぐぐ……。誠実な人認定されてしまいましたね……。
   喜ぶべきか悲しむべきか。まぁ私のパブリックイメージからすれば喜ぶべきでしょうが。

 シカトしてもよかったんですが、そういえばやまなしさんはちっぱいさんなことを
思い出しまして今日はその胸を拝みにきました。飛んできました。

 当然そんなことは口が裂けても言える訳がなく、墓穴を掘らないように男は慎重に言葉を選んだ。

「ははは、あの時はちょっとのっぴきならない事情がありましてね。
 まぁ誠実とはとても言えたものじゃないですけど、なんと言いますか、普段は普通に普通の人ですよ。
 そういう意味ではやまなしさんも同じじゃないですか? 前の試合のとき髪の毛ピンクでしたよね?」

「うっ、見られてましたか。普段はウィッグつけて誤魔化してるんですよ。
 ここの従業員はみんな知ってますけど、さすがにピンクだと目立ち過ぎますからね」

 話を遮るように、またしても厨房からのチャイム音が響いた。
すかさず女はテーブルの進み具合を確認する。

40二回戦 第八試合 PBM! の人 VS やまなし ◆nac/9nxvbM:2011/08/20(土) 00:26:30 ID:rVEFJtVA0

「パラダさんビールもう一杯いかがですか。おつまみもお持ちしますので」

 グラスには三分の一ほどビールが残っている。
もともとの量が少なかったのかほうとうの椀も汁を除けば空に近い。

「ええ、ありがとう。喜んでいただきます」
 
 残ったほうとうの具をつつき、ビールを飲みきる。
空になったグラスを椀の載ったお盆に置きテーブルの脇に寄せる。
 いつのまにかテーブルに置かれたままのコップは汗で濡れ、コースターは水浸しになっている。
手持ち無沙汰を紛らすように、男はお手ふきでコップの汗とコースターに落ちた雫を拭う。
そうこうしてるうちに新たなお盆を持った女が表れる。

「お待たせしました。パラダさん、これ食べたことありますか?」

 男の前にビールと小皿に盛られた料理が差し出された。
たれ味の焼き鳥を串から外して炒め直したような料理である。
付け合せのサニーレタス。ししとうの緑。銀杏のような黄色の粒が彩りを添えている。

「焼き鳥……ですか?」

「同じようなものですね。熱いうちにどうぞ」

 女は多くを語らない。
言われるままに男は料理に箸をつけた。

 作りたての熱さと、焼けた甘辛いたれの香ばしさが口いっぱいに広がっていく。
食感は確かに記憶がある。無造作に、続けざまに放り込む。
 一旦ビールで舌をリセット。
そしてまたつまむ。砂肝、レバー。あとはいまいち自信がない。
味が濃いので酒がすすむ。一気にグラスが半分になる。

「これはいいですね。山梨の焼き鳥料理ですか?」

 紙ナプキンで軽く口の周りを拭きながら男は女に尋ねた。
 女の笑顔。しかし僅かに曇ったように見えた。

「……パラダさん。B級グルメに興味はありますか?」

 嫌な予感がする。
落胆させたかと思い、男は意識的におどけてみせる。

「えー、食生活はB級というかC級以下ですけど、……そういう問題じゃなさそうですね」

「ええ。実はB1グランプリというB級グルメの全国イベントでゴールドグランプリという賞を
 頂いたメニューでして『甲府鳥もつ煮』と呼ばれています」

「本当ですか? どうりで美味しい訳だ。……すみません、ちょっと勉強不足でしたね」

 気まずそうに男は頭を掻く。
しかし女は気にすることもなく笑っていた。

「あはは、気にしなくていいですよ。知らない人はまったく知りませんから全然大丈夫です。
 それにおいしいって言ってくれましたから、それだけで充分ありがたいですよ。
 パラダさん、よかったら日本酒いきませんか? 辛口の吟醸酒あるんですけど鳥もつ煮に
 合うと思いますよ」

41二回戦 第八試合 PBM! の人 VS やまなし ◆nac/9nxvbM:2011/08/20(土) 00:27:52 ID:rVEFJtVA0

「いいですね。でも正直、吟醸酒と言われてもぴんとこないんですよ。私にはもったいないんじゃ?」

「いえ、こう言っちゃなんですが余り物なんですよね。あまり出ないお酒で封を開けたはいいものの
 その後全然オーダーが入らないというやつでして、まだ半分ほど残ってるんですよね。
 このまま注文が入らなければ流しに捨てられるという悲しい運命のお酒なので成仏させてやってください」

「そうですか。そういうことなら喜んで引き受けましょう」

 男の返事に女は身をひるがえしカウンターに向かっていった。
しばらくがらがらと音を立てた後、大袈裟な荷物を持って女は帰ってきた。
 テーブル中央に氷の張られた木桶を置き、次に小ぶりな木の枡に入ったグラスを男の前に一つ、
そしてテーブル対面に一つ。

「……あの、何ですか、この大掛かりなセットは?」

 いぶかしがる男の声には答えず、女はカウンターから大吟醸という文字がやたらと目立つ
色の濃い一升瓶を大事そうに抱えてきた。

「あはは、すいません。さっき言ったとおり、このお酒、社内規定と賞味期限の兼ね合いで
 今日廃棄処分になる予定でして、それはもったいないということで安く譲り受けたんですよ。
 それで、それとは関係なくパラダさんに今日来ていただいたんですけど、もし話が合う人の
 ようならサシで飲むのも悪くないかなと思いましてね。実は私、今日お休みいただいてまして。
 なんていうか妙な組み合わせですけど、よかったら付き合ってくれませんか?」
 
 そう言って女は少しいじらしげに笑った。

―― ぐはー、まさかのドリーム展開ですよ。
   誠実な人認定。…………侮れませんね。
   
「ええ。私のようなものでもよければいくらでも付き合いますけど……
 それにしても、木の桶に木の枡とは。何が始まるんですか?」

 湧き上がる妄想をひた隠しに隠し、男は尋ねる。

「あはは。雰囲気ですよ、雰囲気」

 一升瓶をそっと木桶に寝かせ、女は厨房から準備済みだったと思われる数種類の漬物と
茄子の田楽、そして新たな鳥もつ煮の小皿二皿を運んできた。

―― たぶん高価なお酒なんでしょうね。大吟醸って最高位なはずですから……

 一升瓶のラベルを眺める。
ひと目で高級手作り和紙という印象が伝わる台紙に、筆書きの大吟醸の文字が豪快に躍っている。

「じゃあ、いまお注ぎしますね」

 そう言って一升瓶を慎重に抱え、女は男の脇に立つ。
枡に入った小ぶりなグラスが見る見るうちに酒で充たされる。しかし女は手を止めない。
あふれた酒が枡をも埋める。
男の対面にあるグラスにも同様に酒を注ぎ、一升瓶を木桶に置く。

「それじゃあ失礼いたしまして……」

 そして男の向かいの席に女はゆっくりと腰を下ろした。

42二回戦 第八試合 PBM! の人 VS やまなし ◆nac/9nxvbM:2011/08/20(土) 00:28:55 ID:rVEFJtVA0

―― 何かの礼儀作法テストですか…………?

 さしで飲むという絶好の展開になっているはずなのに、男はなみなみと酒を注がれた
グラスを前にして固まっている。

 ちらりと女を見る。笑顔を浮かべたままで動きはない。
枡にグラスが入っている絵は記憶がある。しかし単にコースターの代わりと思っていた男にとって、
枡にまで注がれた酒は理解不能なものだった。

 男は素直に女に尋ねる。

「……えー、すいません。これどうやって飲むんですか?」

「あはは、別に好きに飲んで構わないですよ。店によって器はそれぞれですけど
 いわゆる、もっきり。って飲み方ですよ」

 少し不安げな男を前にして女は楽しそうに笑う。

「あー、なるほど。もっきりってこれがそうですか。見たときはあるんですけどね。
 いつも銘柄とか関係なく安い日本酒をとっくりで飲んでますので気がつきませんでした」

「あはは、パラダさん正直ですね。雰囲気ですけど枡のお酒はひのきの香りがプラスされますので、
 好みでないようなら次からはグラスにだけ注ぎますよ。どうぞ飲んでみてください」

「ええ。じゃあ早速いただきます」
 
 グラスと枡の酒がこぼれないように両手で慎重に持つ。
そしてグラスに顔を近づけてすする。ある程度減ったところでそっとグラスを持って一口飲む。
さらに枡にも口をつけて飲む。

「……随分飲みやすいお酒ですね。時間差で遅れて喉が熱くなるような感じです」

「もともと飲みやすいお酒ですけど、さらにこれでもかってくらい冷やしてますからね。
 それこそ水のように飲めると思いますよ」

 女の言うとおり、その酒は日本酒の甘みや香りをあまり感じさせず、するりと喉に落ちていった。

 そして、そのせいか男がほんの少し目を離した隙に女のグラスはすでに空いていた。

―― 女房酔わせてどうするつもり?……ですか?
   さしつさされつさしすせそ。チャンス到来かもしれません。

「随分お強いようですね。……やまなしさん、私でよかったらお注ぎしますが?」

 冷静を装いに装い、男は一升瓶に手をかける。

「うふふ。……すいません、お客様を差し置いて私ばっかり飲んでますね。
 ……パラダさんもよかったらどうぞ」

 愛おしげに両手でグラスを持ち、少し恥ずかしそうに女は微笑んだ――――――

43二回戦 第八試合 PBM! の人 VS やまなし ◆nac/9nxvbM:2011/08/20(土) 00:29:50 ID:rVEFJtVA0

―― 久しいですね、この感覚は。
   小さい胸という要因はありますが、幼女以外にときめくなんて何年ぶりでしょうか……。

 中身半分の一升瓶。
肴は茄子と漬物、鳥もつ煮。会話は山梨に限られた話題のみ。

 そしてテーブルの向かいには、頬を桃色に染めた女。

―― しかし、時が来たら魔法が解けたシンデレラのように、
   私もパラ田さんからパラベラムの人に戻ります。

 いつしか一升瓶は空になった。
盛られた料理は一口二口残すのみ。話題もそろそろ尽きかける。

 そして、女が頬を染めた理由も最初から分っていた。


 ゆっくりと店内BGMの音量が下がり、代わりに優しいオルゴールの音色が別れの時を告げに来る。

「うわっ、もうこんな時間すか。パラダさん話うまいから楽しくて全然気がつかなかったや。
 いやー、それにしてもパラダさんお酒強いですねー」

「ははは。体質ですかね、あまり酔わないんですよ。
 それでもやまなしさんには負けますよ。七割方やまなしさんが飲んだんじゃないですか?」

「うへー、そうですか? あはは、すいません。
 ……パラダさん、最後の最後で申し訳ないんですけどちょっと変なこと聞いていいですか?」

「……答えられる範囲でなら構いませんが」

 二十時五分前。
変わらぬ笑顔のまま、女は男に問いかける。

「あはは。あの別に嫌なら答えなくていいんですけど、パラダさんはこの大会に懸ける
 意気込みみたいなのあるんですか?」

 上気した頬が女をより幼く、純朴に見せる。
少し潤んだ黒い瞳には、最後までよこしまな影は映らなかった。

「……うーん、どうでしょうね。……まぁ、応援してくれる人はいますので頑張ろうかなとは
 思ってますけど、なにがなんでも勝つとかがむしゃらにとか、そういう感じではないですね」

「ですよねー。私もそんな感じだったし……」

 納得したのか、男の返事に女はうんうんと頷いた。
 男は女に聞き返す。

「なにか思うことでもあるのですか?」

「ええ。……何を今更って言われそうですけど、一回戦のときは気合がこう、山梨の為に
 負けられない!って感じになちゃって気がつかなかったんですけど、単純に私が勝ち進む
 ことによって山梨の宣伝になるなーって思いましてね。ほんとついさっき気づいたんですけど」

44二回戦 第八試合 PBM! の人 VS やまなし ◆nac/9nxvbM:2011/08/20(土) 00:30:51 ID:rVEFJtVA0

「……そうですね、私も今日やまなしさんに誘ってもらわなかったら、甲府鳥もつ煮の存在は
 一生気づかなかったかもしれません。やまなしさんのおかげで鳥もつ煮のファンになりましたよ」

「あはは、早くも効果有りですね。郷土愛とかそんな大袈裟なことじゃなくて、単純に
 商業的な宣伝やアピールになればいいかなと思いましてね。
 まぁ、痛い思いをするのは私だし、何か戦う理由がなければやってられないってとこが
 本音なんですけど」

 戦う理由。
考えてもいなかった。そして男には何も思い浮かばなかった。

「……いいと思いますよ。どんな些細なことでも理由というか目的があればいざという時、
 心の支えになってくれますからね。何の意思も目的も持たない私よりは全然いいと思います」

「むむっ、対戦相手が結構マジになってるのに余裕っすね」
 
 男の返事に女は拗ねた子供のように口を尖らせる。

 男もわざとらしく胸の前で大袈裟に手のひらを広げた。

「いやいやいや。余裕なんて全然無いですよ。内心相当びくびくしています。
 ……ただ、不死身といいますか打たれ強さだけは誰にも引けをとらないと自負してますので、
 生半可な攻撃では私を倒すことは出来ませんよ」

「じゃあ一撃必殺の技をさらにコンボで繰り出すくらいしないと駄目ですか?」

 身を乗り出して女は問う。

 その柔らかそうな頬を、その華奢な肩を、ただ記憶に留めることしか男には出来なかった。

「…………たとえは古いですが、矢吹ジョーを沈めた力石徹ばりの渾身のアッパーカットでも
 貰わない限り私は倒れるつもりはありません」

「あはは、怖いなー。試合のときはどうぞお手柔らかにお願いします」

「ええ、こちらこそどうぞよろしく」

 名残惜しさを微塵も出さず、男は静かに答える。
いつのまにかオルゴールの音色も消えていた。もう席を立つ時が来ていた――――――

45二回戦 第八試合 PBM! の人 VS やまなし ◆nac/9nxvbM:2011/08/20(土) 00:31:46 ID:rVEFJtVA0

「あのこれよかったらあとで食べてください。明日明後日には食べ頃になると思います。
 まだちょっと硬いので常温で保存して、食べる前に冷蔵庫で冷やしてください」

 別れ際、自動ドアの前。
男は女から底の広い紙袋を手渡された。口からは数個の桃が姿が覗いていた。

「桃ですか。さすがは山梨ですね。ありがとう、遠慮なくいただきます」

 紙袋を左手で持ち男は小さく頭を下げる。

「いやー、今日はパラダさんとお話できて楽しかったですよ。
 ただ試合のときは、それはそれ、これはこれ。と言うことで本気でいきますのでどうぞよろしく」

「ははは、望むところですよ」

 くすりと笑いながら男は答えた。
始めから終わりまで女の笑顔は眩しかった。
だがそれもドアの向こうに踏み出せば幻となって消えてゆくだろう。

「それじゃあ、パラダさん。ちょっと早いですけどおやすみなさい。気をつけて」

「ええ、やまなしさんもいい夜を。おやすみなさい」

 ゆっくりと男は女に背を向ける。

「ありがとうございました」

 女の声が背中に響く。
しかし男は振り返らず、右手を小さく上げるだけだった――――――


 駅に向かう遊歩道。
腕時計の針は二十時三十分。人通りはまばらになったが、並列する幹線道路では忙しそうな
車の群れがいまだ列を作っている。
 公園と呼ぶには狭すぎる場所で、明かりの消えた二台の自動販売機が選択ランプを走らせていた。
その前で数脚のベンチが飼い主を待つ犬のように静かに佇んでいる。
 歩みを止め、小銭を取り出し自動販売機に入れる。
ごとりと落ちた赤い缶の炭酸飲料を取り出し、男はベンチに腰をかける。
大して酒には酔っていない。それでも酔い覚ましの水を飲むように男は喉を鳴らす。

 一息つき、脇に置いた紙袋を眺める。

「やまなしさん。内心びくびくしてるのは本当ですよ。単に打たれ強いだけあって、私は他に
 何も持ってない。セクハラ的な攻撃を仕掛けたところで、あなたも勝つためなら躊躇無く
 セクハラ技を繰り出せる人だ、私の拳は届かない。
 それでも当然負けるつもりはありません。武士は食わねど高楊枝、つまらないプライドって奴ですよ。
 ……ただ、さっきは偉そうなことを言いましたが、戦う理由が欲しいのは本当は私かもしれません。
 正確に言えば戦う理由ではなく戦いを貫く力ですがね。
 応援してくれる人はいます。ただ残念なことに腐れ縁の憎めない愛すべき野郎どもでしてね。
 はは。声援がむさい連中の野太い声じゃかえってやる気がそがれますよ、趣味じゃない」
 
 一人男は笑う。

 ふと甘い香りに気づき、紙袋から白の保護ネットに包まれた桃をひとつ取り出す。
山梨産の桃というだけで、品種も値段も男には分らない。
 淡い赤と黄色のグラデーション。
女の言うとおり、まだ完熟には数日必要だろう。ただそれさえも男には女の優しさに思えた。

「ああ、そうか……。私にもひとつだけ戦う理由がありましたね」

 大切なことを思い出したように男は嬉しそうにつぶやく。

 男の手にした桃に、女のまばゆい笑顔が重なった。

46二回戦 第八試合 PBM! の人 VS やまなし ◆nac/9nxvbM:2011/08/20(土) 00:32:49 ID:rVEFJtVA0

「邂逅……。めぐり合わせの妙ですか。
 やまなしさん、今日はありがとう。うたかたの逢引でしたがとても楽しい時を過ごせました。
 料理もお酒も美味しかった。それにわざわざお土産まで持たせてもらって申し訳ありません。
 お礼と言ってはなんですが、対戦者として恥じぬよう、私は、……私は、あなたのために戦います」



―― !?



 男の中で何かが目覚めた。

 曇ったフィルターを外したかのように景色が鮮明に色づいた。
そして打ち直され新たな魂を宿した刃の如く、全身の感覚が鋭く研ぎ澄まされていく。
 
「これは……?」

 類まれなる全能感が男の体を駆け巡る。
よどみのない高揚に包まれ、無意識に男はベンチから立ち上がった。

「……これが、……これが戦う者の力ですか?」

 そっと紙袋に桃を戻し、手のひらを見つめる。
走り抜ける風さえも捕らえられそうなほどに、爪の先までが意識と直結していた。

「……私もまだまだですね。またひとつ勉強になりました。やまなしさん、ありがとう。
 ……どうやらパラ田さんは還る時が来たようです」

 圧倒的な充実感に包まれたまま男は天を見上げた。
煌く星はどこにもない。しかし確かに男は満天の星を見た。

「……好敵手(とも)よ。
 あなたが郷土の英雄を名乗るならば、私は闇となり悪を演じてみせましょう! 
 これが我らの運命(さだめ)なら、私は全身全霊の拳をあなたに捧げましょう!」

 穏やかに、されど確固たる意思を持ち、男は夜空に誓う。

 しかし男には重大かつ致命的な問題が残されていた。そして最悪なことに男はそれに気づいていない。
確かに酒には酔っていない。だがしかし、男は激しく自分に酔っていた。

「我が名は PBM!の人! 私が体を預けるのは幼女のみっ!!! ジョインジョインハルカァァアアアアア!!!!!!」

 湧き上がる力のままに男は咆える。

 その声は、封印から解かれ、歓喜に震える魔王の咆哮のように、
星のない空の下、いつまでもいつまでも響き続けた――――――







  二回戦 第八試合 PBM! の人 VS やまなし



 PBM! の人、一身上の都合により出場辞退(案の定、酔っぱらいが騒いでいると通報され警察に御用。現在謹慎中)

 やまなし不戦勝。

47二回戦 第八試合 PBM! の人 VS やまなし ◆nac/9nxvbM:2011/08/20(土) 00:33:57 ID:rVEFJtVA0

 俺の好き勝手にやっているので無効試合、没収試合、無かったことにして削除されても
何の不服も無い。

 前スレ>>972が目についた。
しかしキャラを把握どころか、キャラの呼び方さえ理解していない男に出る幕は無かった。
だがしかし、第八試合を書けと、悪魔の囁きに似た電波を男は受信する。

 そして男は、PBM! がパラベラム!の略であることを知った――――――


 俺が悪いんじゃない。前スレ>>124が眩しすぎたせいだ。
 
 さて、逃げるか。

(言うまでもないが、激しく自分に酔っているのは俺だw)

48名無しさん@避難中:2011/08/20(土) 00:42:56 ID:3mBEEpV60
しかし待ってほしい、「出場辞退」だ。

従って――大会の規定によると――

49名無しさん@避難中:2011/08/20(土) 00:57:31 ID:.gieYGes0
124 名前:名無しさん@避難中[sage] 投稿日:2011/01/23(日) 18:59:05 ID:yDVc0zuo0
 __[警]
  (  ) ('A`)  ←PBM! の人
  (  )Vノ )
   | |  | |


これかw 乙ww
ん、リザーバーがでるのか?

50名無しさん@避難中:2011/08/20(土) 01:26:42 ID:oWaEOiD.0
なんてこった……
なんてこったよwwwwwwww

51名無しさん@避難中:2011/08/20(土) 04:35:01 ID:aSqpbzf60
師匠を見事に操ったw なんという策略家www

52 ヘ ノ: ヘ ノ
ヘ ノ

53パラ田 ◆1m8GVnU0JM:2011/08/20(土) 19:53:29 ID:scXw3FMc0
 (全裸になって)裸 だ っ た ら 何 が 悪 い !

 (シートにくるまれて連行されつつ)ハルカー! ハルカー!

54名無しさん@避難中:2011/08/20(土) 20:01:11 ID:HQHUupa60
これでロボスレの生き残りは遥さんひとりになってしまったか……何が起こるかわからんから怖いなw

>>53
また懐かしいネタだなオイwww

55名無しさん@避難中:2011/08/21(日) 23:29:44 ID:gLcCBkp6O
このトーナメントが始まったのはまだ寒い1月だったか…
時が経つのははやいもので

56名無しさん@避難中:2011/08/27(土) 17:35:00 ID:60brgvSA0
【二回戦 第二試合 一条遥 VS フーリャン】

いただきます

57名無しさん@避難中:2011/08/27(土) 17:36:23 ID:60brgvSA0

大魔女「バクサーレ メコレッ!!!!!!!」
ズドオオオオオオオォォッォン!!!!!!!!!!!

遥「なんのっ!!」

ワアアアアアアアアア!!

アンテナ『いやあようやくはじまりましたね、二回戦第一試合! 創発きっての勢いを持つ巨大スレVS超人スレ! 観客たちも凄まじい熱狂ぶり!!』

柏木『それにしてもいきなり飛ばすねえ』

アンテナ『かたや世紀の大魔女(20)、かたや魔法少女(19)、両者結構いい年してアレです!!』

柏木『声荒げてる君も相当だよ』


大魔女「メコレボンブ バクサス メコレッ!!!!!」
バババババッ
《爆発の弾幕が襲いかかかる》

遥「ぐうっ!」
ギリッ


ルガー『そっちは危ないよ!』

ワラース『馬鹿正直に誘導されてやがるな…ヒヒヒ…』

サナバー『それにしてもやり過ぎじゃないか』

リヒト『あれぐらいなら丁度いいって、ちったぁ揉まれてきたほうがデカくなる』

ウ詐欺<おっぱいの話ですねわかります>

リヒト『断じて違う! ロリの巨乳など邪道も邪道、ナイチチこそ未完にして究極の芸術よ!』

ボケ妹『突っ込む所そこかよ!!!!!!!!』

マリモス『ほう、リヒトさんと言いましたか、あなたとは気が合いそうですね』

亀『それにしても神子といったか、ロボの世界で魔法使いのようなものが存在するなんて興味深いな!!!! 今度取材させてくれ!!!!!!!』
パシャ

玉藻<おっと、まどかを撮るなら私を通してもらおうか>

まどか『こらこら、たまちゃん』

珍獣「それよりもはやくしないとお弁当なくなっちゃいますよ!」

ライ「いやs」

ボケ妹「いやそれより試合の心配しろよ!!!!!!!!!」

ライ「………」

ねこ「……あっフーリャンちゃんが危ないよう!!!!!」

ライ(こいつらなんで普通に馴染んでるんだ……)

58名無しさん@避難中:2011/08/27(土) 17:37:05 ID:60brgvSA0

ギャンッ!!

大魔女「くっ…まさか爆炎の中を突っ込んでくるなんて正気の沙汰じゃないわ」

遥「心頭滅却すれば火もまた涼し、ってね!!」

大魔女「だったら頭の中まで燃やしてやるまでよ!!! ハイドボム バクサーレ メコレ」
ドドドドドドドドドドドドォーーーーーーーーーーンッッ!!!!!!

遥「負けるもんかっ!! Go a head!!」
ダッ

アンテナ『なんとーっ!! 一条選手一切臆する事なく突き進んでいくーっ! 凄まじいガッツです!! かつてこんな勇ましい幼女(19)がいただろうか!! 』

ズドドドドドドドドドドドドォーーーーーーーーーーンッッ!!!!!!

《遥は致命傷だけをギリギリ避けて弾幕が薄い所を無理やり通り抜ける!》

大魔女「ちっ……ドン・レイファブリアイズ バクサーロード……」

遥「フィジカルスリーパー!!」
ガシィ!!

大魔女「くっ……いつの間に!!!!」

遥「確かに凄い威力の魔法だけど、この狭いリングじゃ自分や施設そのものも巻き込みかねないからね。そこに付け入る隙があるっ!」

ギシギシ……

遥「そしてこの距離とこの締め付けなら、得意の魔法もっ!」

大魔女「……」
ブリブリブリッ!!!!!

遥「くさぁっ!!」

《黙唱…フーリャンは詠唱なしでウンコ メコレを発動させていた》

アンテナ『あーっと一条選手流石にこれには腕が緩む! その隙にフーリャン選手脱出!!』


大魔女「ふん……ちょっと侮り過ぎたようね。フワラル レーロー メコレ!」
バサァッ

アンテナ『おっとフーリャン選手の背中から翼! 得意の飛行魔法です!』

柏木『あれでは一条選手は手が出せないか?』

遥「ならこっちも! 変☆身っ! 魔法少女フィジカルハルカ!」
パアァーッ!(変身バンクショートver)

59名無しさん@避難中:2011/08/27(土) 17:37:39 ID:60brgvSA0

遥「いくら空高く飛べてもここは地下! つまり高度も有限!!」

ダッ!

はさみさん『跳んだ!』

遥「きらめけブリューナク☆スーパージャンプ!!」
ギュオオオオオオン!!

串子『これは……槍から放出されたビームで加速!?』

グググ……

アジョ中『いや、これはむしろ……!』

グワン!
《ガン○ムのサーベルみたいにビームが凄い撓った!》

霧崎『まるで棒高跳び、といったところじゃな』

ゴオオオオオオオッ!!

大魔女「ハッ わざわざ飛び込んで来てくれるとは助かるわ!!!!! 魔体術『爆走』!!!!!!」
グッ!!!!!!

ドカーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!

《天井に爆風を当てて無理やり向きを変えると、その勢いをマントに受け帆船のように突っ込んできた》

遥「!!?」

グワシ!!!!!

アジョ中『あの体勢から空中の相手を掴んだと!』

大魔女「大魔女脳天逆落とし!!!!!!!!!」
ギャルギャルギャルーーーーーーー

SSP『空中でバックドロップ!?』

ギャオウン!!!!!

遥「〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!!」

アンテナ『勢いよく天に昇った一条選手、今度はそれ以上の速度で落ちていくーっ!!』

柏木『しかもそれだけじゃあない』

大魔女「フン、これで心置きなくブッ放てるわ!」
ゴゴゴゴゴ……

山梨『落下の最中じゃあ防御のしようがない……初めからこれが狙いだったわけね!』

一条彼方『お姉ちゃん!!』

発子『来るわ……彼女の最大級の魔法が!!』

「ゴクリ……」

60名無しさん@避難中:2011/08/27(土) 17:38:11 ID:60brgvSA0

大魔女「リアル ビッグ ウンコ メコレ」
ボンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「最大級のウンコだったァーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!」
ブブーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!


ドバッシャァアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!!!


アンテナ『超巨大ウンコ落下ァァ!! 一条選手の姿は当然見えません! 当然あのウンコの下敷きになったと見るべきでしょう!! なんと恐ろしいフーリャン選手のウンコ魔法! これは決まったかーーっ!?』

柏木『君はそんな連呼していていいのか……待て、様子がおかしい』



<――――汝、平和を欲さば、戦への備えをせよ>


カッ!

ズドオォォオオオオオオオオオン!!!

アンテナ『ウンコが爆発したあああっ!! これはどういう事でしょう……いや、その答えは一つしかありません!!』

柏木『あれは……あれこそが一条選手の使役する漆黒の機械人形<オートマタ>――』

<システム、戦闘モードへ移行します。マスター、反撃の許可を>

『――M-12 リヒター・ペネトレイター!!』


「うおおおおおおおおおおおおお!!!」

「ローボ!! ローボ!! ローボ!!」

「ローボ!! ローボ!! ローボ!! ローボ!!」

「ローボ!! ローボ!! ローボ!!」

「ローボ!! ローボ!! ローボ!! ローボ!!」

アンテナ『これが、これこそがロボスレ! ついに登場した真打に会場はロボ一色です!!』

「パーーーンチラ!!! パーーーーンチラ!!!」

アンテナ『……ロボ一色です!! ロボ一色です!!!』

遥「待たせちゃったね……それじゃあ、いくよリヒター!」

リヒター<イエス・マイマスター>
ゴウッ

アンテナ『デカい! しかし速い! まさに疾風、まさに弾丸! バリアを解除して一気に突っ込む!!』

ムクッパ『だか……彼女も速い』

61名無しさん@避難中:2011/08/27(土) 17:38:34 ID:60brgvSA0

大魔女「韋駄天足!!!」

ビュッ

遥「かわした!?」

大魔女「マッサツ メコレ」
ガキキキキィン!!!!!!!

亀『すげえ嫌な音がするぜーー!!!!』

リヒター<……………>

大魔女「涼しい顔してくれるじゃない……流石にこれは骨が折れそうね。とはいえ長引くと面倒くさいし……」

スッ

大魔女「こっちも頭数を増やさせてもらうとするわ。カクリオ リフル メコレ!!!」

柏木『なるほど魔獣の召喚で対抗する気か』

ほっしー『あの召喚術はわしが育てた』

ボシュウウウウウ

「!!!!!!」
鑑賞用筋肉魔獣 アポロ
ドドン!!

大魔女「即効でブッアレすわよ!!!!!」

アンテナ『でかいっ! そしてナイスマッスル! 体格ではリヒターに勝るとも劣らないぞーっ!!』


アポロ「!!」

リヒター<マスターはやらせん>

《アポロの攻撃をリヒターが盾になって防ぐ》

大魔女「背中向けてんじゃないわよ!」

遥「リヒター、ブースト!」

ガシイイイイイン!!

《後ろから追ってきたフーリャンの攻撃をマナのバリアで防いだ!》

大魔女「硬い癖にバリアまで自由に張れるわけ!?」

サナバー『なんという息のあった連携じゃ……まったく隙がないぞ』

62名無しさん@避難中:2011/08/27(土) 17:38:49 ID:60brgvSA0

大魔女(それにしてもこのメカ…魔力で動いてるようだけど何かおかしいわね。さっきから魔力の流れが滅茶苦茶だわ!)

リヒター<もらう!>

大魔女「あんたにやるもんなんかないわよ! レレレイド ザンガ メコレ」
バリバリッ

遥「今だよリヒターっ!!」
ギュウン

大魔女「!?」

アンテナ『おっと回避したかにみえたフーリャン選手! しかし光のダガーが伸びる!』

ズバッ

明日名『これは……出力が瞬間的に増幅したのか?』

平賀『どうやらあれはただのカラクリ人形ではなさそうじゃな』

キッコ『ふむ、女子のほうからか魔素が流れ込んでおるの。ああ見えて案外あれはむしろ我らの側に近い存在なのかもしれん』


大魔女(ちっ……またマントっ!!! 三つ編みおさげ一人なら魔力を持て余していたみたいだけどこれは厄介ね……それなら!!!!!)
「カクリオ リフル メコレ!!!」
ボシュシューン

「じゃじゃ〜ん!」
精神攻撃用毒舌魔獣 リリス

「むちゅちゅ〜〜〜〜ん」
身代わり口吸い魔獣 ディアボロ

アンテナ『フーリャン選手ここで残りの魔獣も投入! 三つのしもべに命令だァー!』

柏木『資料によるとあまり戦闘向きではないようだが、さてどうするのかな』

大魔女「あんた達は全員で三つ編みの相手してなさい!!!! あのメカは私がブッアレす!!!!!!!」


まどか『オートマタが最大限の力を発揮できるのは神子との連携があってこそ…どうやら彼女はそこに目をつけたようですね』

ワラース『いひゃひゃひゃ!!! 互いに対戦者以外とやりあうなんてどんな試合だよ!!!!!』

かのたん『まあそこは適材適所でしね』

リヒト『チームプレイは大事だからな』

ヘンヨ『まったくだ』

ツカサキ『しっかしそう簡単に分断できるかねぇ?』

チャンダーン『行けーフーリャン様〜〜!!!』

ライ(めっちゃ増えてる! ってか席取られてる!)
ゴーーーーーーン

珍獣『あれ、ライディーンさん居たんですか』

63名無しさん@避難中:2011/08/27(土) 17:39:07 ID:60brgvSA0


リヒター<対多数は慣れたものだ……!>
ギュオン

大魔女「ジ アーレ メコレ……ふざけた瞬発力たけど接近するのがわかっていれば!!!!」

リヒター<!!?>
カチッ

ドオオオオオオオオン!!!!!!!!

マチコ『あらら、地雷を設置する魔法まであるのね』

遥「リヒター! って何これ邪魔っ……来ないで!!」

ディアボロ「むちゅ〜ん」

大魔女「でかしたわ! エブリル フォッサマグナ バクラージ メコレ!!!!」
ズドドドドドォォォーン!!!!!!!

《地面から大量の火柱が噴き出し壁を作り出す》

遥「ええいこんなっ!」

リリス「あんたの相手はこっちだよ〜森羅万象おめめ『モノリスっぽいの』!!!」

アポロ「!!!!!」
ぐぐぐっ……もりもりもりっ

アンテナ『火の壁・鉄の壁・肉の壁〜!!! 三つの壁が一条選手とリヒターを分断したぁッ!!』

柏木『決して強固ではない。そして恒久的とも言えない。だが二人をそれぞれ釘付けにするには十分だね』

遥「リヒター! 私は大丈夫だから、思いっきりやっちゃって!」

リヒター<イエス・マイマスター!!>

大魔女「意外とすんなり切り替えてきたわね。まあどっちみちブッアレすだけだけど…ハム バクサボ メコレ!!!!!」
ボゴゴォォーッ!!!!!!

アンテナ『凄まじい爆音!! 地面ごと吹き飛ばす気かーーっ!?』

柏木『いや、狙いは……!』

大魔女「対メカ魔体術――」

リヒター<土くれと爆炎に紛れたか!>
ピピッ……

直りん『炎の中でわざわざ氷結の拳? いえ…あの両手は……』

大魔女「――反属性パンチ!!!!!」
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!!!!

64名無しさん@避難中:2011/08/27(土) 17:40:42 ID:60brgvSA0
アンテナ『速い速い速ーい!! フーリャン選手怒涛のラッシュ!! しかしこれは効いているんでしょうか!?』

柏木『確かに普通の打撃なら大した効果はないだろうが、あれは魔法の力を身体に宿す魔体術。その効果は……』

ジークリンデ『炎と冷気に連続打撃……なるほど金属疲労狙いってわけね』

《金属疲労――急激な加熱と冷却を繰り返したりすると起こるっぽい現象》

大魔女「オラオラオラオラオラオラ!!!!!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!!!!

リヒター<黙って受けるわけにはいかない!!>
ギュオオン!!!

大魔女「――ッ!! ハード ガドロワ メコレ!!!」

バッギャアアアア!!

アンテナ『ああっ! リヒター反撃の貫き手がフーリャン選手を捉えたーッッ!!! これはついに決着か!?』

柏木『いや、彼女は直前に防御魔法を発動させていたようだ。しかし……』

大魔女「防ぐのが遅れたとはいえこの威力……まったくもってふざけてるわね……」
ボロッ

アンテナ『フーリャン選手立ち上がったがどう見ても大ダメージ!! しかしとっておきの対メカ魔体術が効かなかったのはどういう事だーっ!?』

???『説明しよう!!!!』
バッ

新野『一見して只の金属に見えるオートマタの装甲だが――』

フォード『それを構成しているのは超極小の機械群、ナノマシン』

ユノー『このナノマシンがまるで有機生物の細胞のように成長と分裂を繰り返すことで――』

悪山『表皮、すなわち装甲を再生する事が可能となるのじゃ。より強固なものとなってな!』

「なんだナノマシンか」
「ナノマシンならしょうがないな」

アンテナ『よく分かりませんが説明ありがとうございます……ってか博士多っ!! 流石ロボスレ、白衣で1ブロックが埋め尽くされています』


亀『体力だけじゃなく身体そのものも回復できるなんて無敵じゃないか!!!?』

たま<ハハハ……苦しゅうない、もっと褒め称えよ>

まどか『まあ本当にそれで全部済んだら良いんですけどね』


リヒター<……次は直撃させる。死にたくなければ降参しろ>

大魔女「生きてもない奴が今さら偉そうな口叩いてんじゃないわよ!! 戦闘兵器ならごちゃごちゃ言わずにかかってきなさい!!!!!」

ウ詐欺<あらあら酷い言われようですね>

リヒター<……ならばそうさせてもらう>
ググッ……ゴオオオオオッッ!!!!

65名無しさん@避難中:2011/08/27(土) 17:42:15 ID:60brgvSA0
柏木『来るぞ…リヒター・ペネトレイターの十八番、「とっつき」だ』

《リヒターは背中のブースターを全開にして突っ込んできた!》

大魔女「!!」
バッ

リヒター<貴様の回避行動は既に見切っている>

大魔女「……カキン チンクルァ メコレ!!!」
ピキッ

バゴォォオオオオン!!!

アンテナ『フーリャン選手は魔法によって身体を硬化させたのかッ!? しかし関係ないと言わんばかりにリヒターこれを吹き飛ばし、叩き付けた壁をも粉砕するーーーっ!!』

ガラガラッ
大魔女「ぐっ………」

アンテナ『瓦礫の中からフーリャン選手再び立ち上がる! しかし……やはり大ダメージは免れていない! 完全に満身創痍!!』

ボケ妹『あいつまともに受けやがったぞ!!!!!』

リヒター<もう一度だけ警告する。降参しろ。貴様に次の手はない>

大魔女「ゲホッ…手がない? ……手がないってのは……今のアンタの状態を言うんじゃないの?」

ピシッ……

リヒター<!!?>

ピキピキッ……

柏木『これは!』

パキィィィン!!!

アンテナ『ななななんと! 攻撃を放ったはずのリヒターの拳が砕け散ったぁーーッッ!! 一体全体どういう事だぁ!!?』

『またまた説明しよう!』

大江戸『ナノマシンと言えど小さいだけで機械である事に変わりはない』

十字『先の攻撃による負荷そのものは少しずつではあるが、確実に蓄積されていた』

天農『そこに超高速の一撃。止めを刺したのは自らが放った衝撃の反動というわけだ』
ズララ〜〜ッ

アンテナ『な、なるほど……つまりナノマシンも万能ではないと?』
(解説の順番取りで並んどる……)

柏木『そもそも自動修復が備わっているという事は破壊を前提としている事に他ならないからねえ』

66名無しさん@避難中:2011/08/27(土) 17:42:48 ID:60brgvSA0

リヒター(利き腕の修復には時間がかかるか。ダガーでの攻撃は可能だがマナの残量も減ってきている。ここは一旦……)
ザッ

大魔女(流石に魔力的にも体力的にも結構厳しいわね……リリス達はうまく抑えてるかしら)
チラッ

《距離をとった両者は同時に戦況を確認しようとしていた。しかし!!》


遥「でね、私も猫のほうが好きっていったら『同じ』だねーって!」

リリス「あー何かそれっぽい。っていうかあのロボットも猫っぽいよねー」

遥「うそ、わかる? ぱっと見ドーベルマン系なんだけどあの子結構猫ネコしてるんだよね……あ、でも最近私に似てるって言われるかも」

リリス「えーじゃあそれって自分も猫って事じゃん…まあ一条はどう考えても虎だけど」

遥「リリスちゃんそれひどーい!」
きゃいきゃい

リヒター<………>

大魔女「………」

よし子『めっちゃ打ち解けてるーーーー!?』
ずーーーーーーン


メルフィー『遥さん今試合中ですよ!?』

遥「はっ……こんな事してる場合じゃなかった!!」

大魔女「リリス!!! あんた達もなにボサっと突っ立ってんのよ!!!!!!」

リリス「あはは、ごめんよ大魔女〜」

遥「集中っ!」
ざくっ

《遥が杖をを突き立てるとそこから魔力(マナ)が放出される》

探知桃花『これは……竜脈の流れに乗せて気を……違う、まさかそれすらも取り込んで?』

イリコ「あんな距離からでも飛ばるんですかン!!!!?」

サナバー「いかん! あれだけの量と密度、回復どころではすまされないぞ……」

遥「リヒター……一気に行くよ!!」
ギュオオオオオオオン

リリス「大丈夫だよジジィ〜」

オオオオオオン

《三重螺旋となってライフル弾のように走る魔力(マナ)。その先にあるのは――》

67名無しさん@避難中:2011/08/27(土) 17:43:13 ID:60brgvSA0
――――カッ

ディアボロ「ちゅむちゅー……むちゅっ!!!!」
《フーリャンの魔獣》!!!


リヒター<マスター!!!>

遥「えっ……うそ、リヒターじゃ……ない!?」

ドン!!

アンテナ『何が起きたのか!? 魔力とやらが見えない一般ピーポーにはサッパリですが一体全体どういう展開になっているんでしょうこれは!!? 流れを見るに魔力供給に失敗したのでしょうか!?』

リリス「お喋りしてる間に幻影投射をかけておいたんだよ〜 ごめんね一条〜」

《幻影投射――読んで字のごとく》
ドドン!!!!!!!!!

大魔女「でかしたわ!! トドメよ……バクエング バクサドン メコレ ギオッ!!!!!!!!!!」

カッ

ズドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォン!!!!!!!!!!!!


アンテナ『さ、炸裂ーーっ! これが上級呪文『メコレ』を上回る『ギオ』ッ!! 恐ろしすぎる威力っ!!』

柏木『しかし、あれは――!』

シュゥゥ……

リヒター<マスターは……私が……守る……!>

ドドンッ!

大魔女「アイツ……いつの間に……!!!!」

リリス「しかもなんか見た目がパワーアップしてるよ〜?」

《一瞬! フーリャンが呪文を唱え終わるまでの一瞬にリヒターが飛び込んでいた!!》

リヒター<しかし……どうやらここまでのようです……申し訳ありません、マイ…マス…タ……>
ヒュオォン……

センジュ『一度に大量のマナを消費しすぎたか。再起動には相応のエネルギーが必要だが……』

大魔女「はぁ……はぁ……とにかくこれでようやくチェックメイトね!!!!」

遥「……っっ!!」

リヒト「もういい、ギブアップしろ遥。これ以上は無理だ!」

遥「嫌です!!」

リヒト「何のためにリヒターが庇ったと思ってんだ。お前は半人前だ、一人で戦ってるわけじゃないんだぞ」

遥「だからです師匠、一条遥はひとりじゃない」

68名無しさん@避難中:2011/08/27(土) 17:44:38 ID:60brgvSA0
マチコ「フフ、強情な弟子をもったものね」

草川「あれをやるんだな、一条」

ルナ「私たちも応援するわよ!」

メルフィー「遥さん、こっちはいつでもOKです!」

隆昭(え……なんでこの面子で俺だけ何も知らないわけ?)

リヒト「しょうがねえな、どんな策があるかは知らんが、その代わり……勝てよ!」

遥「はいっ!! これが……これが私たちの、最後の切り札!」
キュォォ……

トエル「ふぇ…カードがけんじゅうに!」

炎堂「魔法少女にロボット使いの神子ときてお次はなんだァ!?」

《地面に描かれる魔方陣を打ち抜く遥》

キュイイイイイン

石川『ちごうからくりが出てきとるよ!』

ウパ太郎『これは……平行世界の力であるか』

ゴゴゴゴゴ……

柏木『あれは……本来の存在とは異なるもうひとつのアストライル・ギア――ヴィルティック(わっふる)!!』

ザザン!!

「ハールーカ!! ハールーカ!! ハールーカ!!」

「H・R・K!!H・R・K!!H・R・K!!」


大魔女(とんだ隠し玉を抱え込んでたわね……今度こそ魔力の残量がヤバイわ……)

遥「行くよメルフィー! シャッフル!!」

ヴン

<トランスインポート・ウイング>

アンテナ『でかいっ! その大きさは先の二倍以上……10メートルはありましょうか!! その巨体が!!」

ゴオォォォォッ

アンテナ『舞い上がる!! 天高く――』


遥「あっ」

メルフィー「えっ」

大魔女「は?」

69名無しさん@避難中:2011/08/27(土) 17:45:58 ID:60brgvSA0

アンテナ『――そう、天高……く……?』


ずぼっ


『突き刺さったーーーーーーーー!!!!!!!!!!』

《勢い良く飛翔したヴィルティックは頭から天井を突き破って挟まっていた》



まどか『…………』

ねこ『……うん』

リヒト『まあ……』

ウ詐欺<……デカ過ぎましたね>

サナバー『そうじゃな……』

ちーん


遥「ごっ…ごめん、つい勢いで……」

メルフィー「いえ、私も迂闊でした」

遥「あっ……これどうにか動かせないかな」

メルフィー「……天井が崩れる恐れが」

遥「……」

メルフィー「……」


アンテナ『とういう事は……』

柏木『規定に従うしかないねえ』

よし子『そ、そこまでだーーーっ!! ……ってコレでいいのかーーーーっ!!!?』
カァーーン


【二回戦 第二試合 一条遥 VS 大魔女フーリャン
リングアウト復帰不能により……
               勝利者:フーリャン】

大魔女「……」

ヒューヒュルヒュル……

大魔女「な  に  よ  こ  れ!!!!!!!!!!!!」

ズズーーーーーーン

《to be continued》

70名無しさん@避難中:2011/08/27(土) 17:47:29 ID:60brgvSA0
投下終了

はじめにオチありき。

71名無しさん@避難中:2011/08/27(土) 18:00:44 ID:G6CxotZ.0
おおー! おつおつ
キャラがすごく活きてる
オチワロタw

さて、長かった2回戦もあとはハルト閣下vsシロちゃんだけか

72名無しさん@避難中:2011/08/27(土) 19:16:38 ID:I/pG7J6QO
投下来てたコレ!!
乙!!!!!

73名無しさん@避難中:2011/08/28(日) 02:29:27 ID:E8pH/z7E0
 ああ! ウチの娘の試合投下されてた! ちんたらしてる間に完全に先を越される形になってた!

>>70
 乙です! 超乙です!
 よく頑張った! 遥さんもペネ子もよく頑張った! 二人とも頭なでなdジョインジョインハルカァ
 まさかわっふるの方まで使っていただけるとは感無量ですイィヤッホォォゥ!!
 それにしてもタカ坊だけハブられててワロタw


 さて……書きかけの第2試合になるはずだったものはどうしましょうか……。

74名無しさん@避難中:2011/08/28(日) 06:04:08 ID:7pUcHYDk0
ライと空気さん不憫w

75名無しさん@避難中:2011/08/29(月) 22:57:42 ID:s0pkPmzoO
>>73
>  さて……書きかけの第2試合になるはずだったものはどうしましょうか……。


詳しく話を聞かせてもらおうか

76 ◆1m8GVnU0JM:2011/08/30(火) 12:43:32 ID:hFlnyBKg0
>>75
 パンモロー博士を戦わせる予定だったんじゃよ!

77名無しさん@避難中:2011/09/02(金) 15:17:08 ID:Ju0MzDY60
wiki更新した
最初にやってくれてた人じゃないから不足分やおかしいところは各自修正よろしく。

PBMの人vsやまなし はやまなっちゃん勝利で収録したけど
リザーバー戦になるなら追加してやってください。

遥vsフーリャン はスレに投下されたショートバージョンのままです。


番外編のD君の話は何処にいれたらいいだろう?
鬼子vs青森さんの試合中の話らしいんだが
陽太vsウパの試合が先に済んでるらしくてどうしようかと。




《未消化試合》
第三試合 S.ハルトシュラー VS マシロ

78名無しさん@避難中:2011/09/02(金) 15:36:28 ID:CZOso4fo0
番外編でまとめてみたらどうかね?

79名無しさん@避難中:2011/09/02(金) 15:43:50 ID:e0euvAw20


80名無しさん@避難中:2011/09/04(日) 01:01:36 ID:D.VpR3M20
乙です

一人遊びのは単純にボツ稿タレ流しなんで現状でokです、いらん事して申し訳ない

81名無しさん@避難中:2011/09/05(月) 17:02:15 ID:VQBfTWGYO
まとめ乙ちゅ

82名無しさん@避難中:2011/09/10(土) 21:09:17 ID:r15SNSa20
>>76
http://loda.jp/mitemite/?id=2426.jpg

83名無しさん@避難中:2011/09/10(土) 22:16:14 ID:PVjb/xA.0
これはwww

84名無しさん@避難中:2011/09/11(日) 04:31:26 ID:GUP6x5jc0
ちょwww

85名無しさん@避難中:2011/09/11(日) 11:37:02 ID:EogMCwbc0
>>82
 ふぅ……。

 パンモロー博士はかわいいなあ!!!!

86名無しさん@避難中:2011/09/11(日) 12:27:44 ID:5UqSJJrM0
イイヨーエロイヨー

87名無しさん@避難中:2011/09/20(火) 13:41:30 ID:IP2x8ZssO
エロトーナメント

88名無しさん@避難中:2011/09/20(火) 17:06:19 ID:/Jw0IaqA0
   _|\
  \   |
 </ ̄ ̄\
 /   _ノ  \        …………。
 |    ( ◎)(◎)
. |     / ̄ ̄ ̄\
  |    \ ̄ ̄ ̄フ
.  |      ̄ ̄} ̄
.  ヽ        }
   ヽ     ノ        \
   /    く  \        \
   |     \   \         \
    |    |ヽ、二⌒)、

89名無しさん@避難中:2011/09/28(水) 17:21:57 ID:ZDntQiRIO
大乱闘創発シスターズ

90名無しさん@避難中:2011/10/07(金) 22:54:11 ID:XnVLQrugC











91名無しさん@避難中:2011/10/07(金) 23:52:57 ID:ih74cEbQ0




…ん?

92名無しさん@避難中:2011/10/24(月) 22:22:11 ID:9lnYwiKYO
(^人^)

93名無しさん@避難中:2011/11/07(月) 19:00:26 ID:vdDELBiUC
迎えるか一周年


余裕で迎えそうだな……

94名無しさん@避難中:2011/11/07(月) 19:03:46 ID:FyyM8ek.0
もうマックスコーヒーが主食の生活は嫌だお

95名無しさん@避難中:2011/11/24(木) 20:47:16 ID:PNH1sAdIO
ぬッッッッ








るッッッッ








ぢッッッッ

96名無しさん@避難中:2011/11/27(日) 18:19:17 ID:.gripqjAO
(;D)| ̄|_

97名無しさん@避難中:2011/12/07(水) 08:59:40 ID:IIZ2S11QO
( `;ω;)o彡゚

98名無しさん@避難中:2011/12/27(火) 11:56:37 ID:QBcoYFRsO
こねままじゃ一周年になっちまうぜっ……

99名無しさん@避難中:2012/01/06(金) 01:27:48 ID:1OXLKMzEO
age

100 ◆KazZxBP5Rc:2012/01/21(土) 22:31:56 ID:gCJJ3PvE0
第三試合 S.ハルトシュラー VS マシロ
投下します

101二回戦 第三試合 S.ハルトシュラー VS マシロ ◆KazZxBP5Rc:2012/01/21(土) 22:32:43 ID:gCJJ3PvE0
SSPことニール・アルバート・フロントフィールドは、トイレで用を足していた。
観客用のトイレが混雑していたので、選手用のトイレまで足を運んだ。
ここにいると会場の喧騒がまるで嘘のようだ。
落ち着いた気分で水を流し、洗面台で手を洗う。
そのまま去ろうとしたまさにその時だった。
ガタッ。大きな音が掃除用具入れの方から聞こえてきた。
用具が倒れた音にしては鈍い。もっと大きな質量が動いた音のように聞こえた。
ニールは用心しつつ掃除用具入れに近づき、そっと扉を開いた。
「――!!」

「二回戦も残すところこの一試合となりました! さあ、両選手に登場していただきましょう。
 S.ハルトシュラー・アーンド……あれ?」
アンテナさんの締まらない声を受けて「二人」がリング上に姿を現す。
一方は、一見ドレスを身にまとった少女、されどその実体は『創発の魔王』、ハルトシュラー。
他方は、鍛え上げられた肉体を風に晒しながらも、素顔だけは決して見せない、
「スイカだーっ!」
スイカの皮で顔を覆った男、リザーバーのすいかさんだった。
「マシロ選手はどうしたーっ!」
すかさず審判よし子からのツッコミが入る。
すいかさんは答えた。
「彼女ならもう……来ないと思うよ。」
その発言の纏う空気に、会場が凍りついた。
言い方からして、彼が何かを知っているのは明白だ。
あらゆる方向からの不審、あるいは敵意が彼に向けられる。
しかし彼は(見えていないからかも知れないが)全くひるむ様子を見せない。
そんな中、一番強く殺気を放っていたのは、意外にも目の前の小さな魔王だった。
震える手を抑えながら、ハルトシュラーは審判に声を掛ける。
「よし子、いいな?」
把握していないリザーバーの登場というイレギュラーな事態にしばし呆然としていたよし子だったが、ハルトシュラーの声に我を取り戻し、
「あ……始めっ!」
戦いの幕開けを宣言した。

102二回戦 第三試合 S.ハルトシュラー VS マシロ ◆KazZxBP5Rc:2012/01/21(土) 22:33:00 ID:gCJJ3PvE0
開始と同時に、弾丸のごとくハルトシュラーが飛び掛かる。
直立不動の相手の腹に、渾身のボディブロー。
「ハルトシュラー選手! いきなりのスマッシュヒットです!」
すいかさんはどストレートに飛ばされ、壁をぶち壊してようやく止まった。
どこかで見たような光景だ。
しかし前回と違い、この場にいる誰もが、これで終わったようには思えなかった。
あれだけ不気味に登場したすいかさんがこの程度でくたばるはずがない。
そもそも、ガードも何もしないというのは明らかにおかしい。
わざと受けたのではないか。その疑問を裏打ちする言葉が、壊れた壁の奥から発せられる。
「良い当たりだね。」
土煙の中から姿を現したその鋼の肉体は、少し汚れはしたものの、かすり傷ひとつ負っていなかった。
「じゃあ、こっちも行くよ。」
言うが早いか、すいかさんはハルトシュラーの元へと駆け寄る。
(身長差から考えて、蹴りがくるだろうな。)
即座に判断し、ハルトシュラーは構える。
すいかさんの一手は、彼女の狙い通り蹴りだった。右脚での回し蹴り。
これを左腕でガードし、右腕で……と、思考途中に顎への衝撃。
「なんとすいか選手! あの体勢から左脚で蹴り上げました!」
「筋力にものを言わせた強引な蹴りだねえ。
アンテナさんの実況を、解説の柏木が補足する。

「ちっ!」
舌打ちするハルトシュラーに、すいかさんは悠然と立ちふさがる。
「もっと本気を出してもいいんだよ。」
「言われなくてもそうする。」
片膝を突き、目は相手を見据えながら、ハルトシュラーは地面に人差し指を走らせる。
「これは、一回戦でも見せた実体化能力ですね!」
ほどなくして石の剣が形成される。
ハルトシュラーはそれを手に、敵へと向かってゆく。

103二回戦 第三試合 S.ハルトシュラー VS マシロ ◆KazZxBP5Rc:2012/01/21(土) 22:33:17 ID:gCJJ3PvE0
(おかしい……。)
あれから何度か切り結んだはずである。
剣にはそれなりの鋭さをイメージとして与えた。
それなのに。
「すいか選手、未だに無傷です!」
もはや頑丈だとかそういう域を超えている。
彼は明らかに超常の能力の持ち主だろう。
ハルトシュラーの考えがそこまで至った時のことだった。
騒がしい会場にもかかわらず、全くかき消されない力強い声が響き渡った。
「STOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOP!」

その場にいた全員の注目が一斉に声の方へと集まる。
そこには、一人の男を担いだSSPの姿があった。
「その試合、ノーコンテストだ! こいつが本物のウォーターメロンマンだ!」
騒然となる会場に、柏木がとんでもない一言を投げ掛けた。
「ああ、やっぱりね。」
彼の投げやりな言葉によって観客席に火が付き、中には説明を求めて暴れ出す者も出る始末だ。
「皆さん! 落ち着いてください! 落ち着いて!」
アンテナさんが声を張り上げるが、届いているのかいないのか。

対照的に、リング上の二人は冷静だった。
「ここまで早くバレるとは想定してなかったな。」
「道理で開会式で見た時と“気”が違うわけだ。」
ハルトシュラーはそう言いながら観客席を目で探る。
視線はすぐに目標の人物を捉え、彼女は叫んだ。
「倉刀!」
「はいっ!」
弟子は阿吽の呼吸で師匠の望むものを投げつける。
それは、一振りの刀だった。
正式な試合ではないとはっきりした以上、律儀に持ち込み武器禁止のルールを守る必要も無い。
「こいつはさっきの即興モノのようにはいかぬぞ。」
「それは危険そうだ。僕も本気を出すとしよう。」
言葉ほどの危機感を感じさせない態度の偽すいかさん。
彼の影が、にわかに伸び始めた。
「これは!」
それは、一回戦でマシロが見せた影の技そのものだった。
影は形をぐにゃぐにゃとうねらせながら立体的にハルトシュラーの方へと伸びてゆく。
一方のハルトシュラー、これに臆することなく飛び掛かる。
剣先はぶれることなく影を斬り拓いて。
斬られた影がくっつくよりも速く、偽すいかさんの元へたどり着く。
そしてとどめの一撃を加える。

が、その軌道は背後から追いついた影によって逸らされた。
偽すいかさんの肩に一筋の血が流れる。だが、それだけ。
「さすがに今のは焦ったよ。」
ハルトシュラーはそのまま影によって捕まれ、身動きを封じられた。
しかしその表情は悔しさや絶望ではない。むしろ勝ちを確信したかのように笑っている。
「十分だ。」

104二回戦 第三試合 S.ハルトシュラー VS マシロ ◆KazZxBP5Rc:2012/01/21(土) 22:33:34 ID:gCJJ3PvE0
突然、偽すいかさんの背に何かが飛びついた。
俯瞰していたアンテナさんが真っ先に状況を理解し、叫ぶ。
「ああーっとあれはー! マシロ選手です!」
「なっ……!」
偽すいかさんは初めて本心からの驚きの声を上げる。
まだ彼女が動けたとは。
彼の肩に乗った白髪の少女は、その流れ出る血を一滴も逃すまいとすすっている。
その髪が徐々に銀色味を帯びてゆく。
しばらくして、充電完了。マシロは蹴りを加えつつ、偽すいかさんの傍から離脱する。
「効いてませんの?」
「打撃は無駄だ! 斬れ!」
それを聞いてマシロはスカートの内側から包丁を取り出した。
客席のごく一部が反応する。
「あれは! 加藤先生の!」
「私が彼女に渡したんだ。先生の遺志を……継ぐために……。」
マシロが静かに目を瞑る。
その時、会場にいる誰もが、彼女の背後に浮かぶ鬼の闘気を見た。
次の瞬間には、全てが終わっていた。
「がはっ……!」
マシロと偽すいかさんの姿が重なり、偽すいかさんの胸には包丁が突き刺さっている。
「警備員ーっ! 今だ――っ!!」
よし子の声に警備員が動く。
こうして、偽すいかさんはあえなく御用となった。

「僕は、目立ちたかった。お前達人気キャラみたいに、お前達人気作者みたいに。
 ただ黙々と作品を創ったこともあった。雑談でそれとなく話題を出したこともあった。
 だが結果はどうだ!
 僕は何者にもなれなかった。そう、僕は創作発表板の“カゲ”でしかなかったんだ……。」
場外追放前に偽すいかさんが語った言葉に、ハルトシュラーは思うところがあった。
(私と全く対極の存在、か。その正体に心の奥では気付いていたのかも知れぬ。だから私は奴が許せなかったのか。)
彼に対する怒りはマシロのためのものではなかったのだろう。全く非情な自分に呆れる。
しかし今しばらく、それは胸に秘めておこう。
「よし子、今度こそ本当の試合を始めよう。」
「でっ、でもお前、まださっきの疲れが!」
「それは彼女もお互い様だろう。それに――」
ハルトシュラーはにやりと笑った。
「――これ以上観客を待たせるわけにいくまい。」

105二回戦 第三試合 S.ハルトシュラー VS マシロ ◆KazZxBP5Rc:2012/01/21(土) 22:33:49 ID:gCJJ3PvE0
「それでは! 邪魔も入りましたが、改めて二回戦最終試合を始めます! 両者、位置へ!」
アンテナさんの声にしばしの静寂。
そして、
「始めっ!」
よし子の合図で会場は再び湧き上がった。

その頃、客席の一角に、女子○学生に膝枕をされている羨……けしからん男がいた。
「う、うーん……。」
「あ、博士っ!」
「あれ? 僕は一体……?」
体を起こし、首をかしげる男に、そばにいた幼女(まったくけしからん)が説明する。
「パパトママ ネテタ!」
男は〇学生の顔を見て、
「君も?」
と問うた。
「ええ、私もさっき起きたところなんです。」
「今の状況は?」
「あ、はい。ちょうど今マシロの二回戦が始まったようですよ。」
「二回戦!?」
ついさっきまで一回戦をやっていたように思うのだが……。
「寝てた」らしいがどうもその直前のことが思い出せない。
だが、彼女たちがそばにいてマシロが普通に戦っているということは、心配するようなことは無かったのだろう。
そう判断して、彼はおとなしく観戦を続けることにした。

106二回戦 第三試合 S.ハルトシュラー VS マシロ ◆KazZxBP5Rc:2012/01/21(土) 22:34:05 ID:gCJJ3PvE0
(残り二分、といったところでしょうか。)
マシロにとって、ハルトシュラーの「今すぐ試合を始める」という提案はラッキーだった。
彼女は培養が十分でなかったため、ホムンクルス本来の力を発揮できるのは、血を飲んで数分の間だけなのだ。
(とにかく速攻ですわね。)
焦りは禁物だが急ぎはせねば。
とにかくハルトシュラーに向かって飛びつき、猛ラッシュをかける。
「はぁぁぁぁっ!」
「くっ!」
「ハルトシュラー選手、押されています!」
「パワーではやはりマシロ選手に分があるようだねえ。」
ハルトシュラー、苦し紛れに足払いを掛ける。
が、マシロはひょいとかわし、そのまま空中で両足キック。
ハルトシュラーはこの勢いを利用し、大きく後ろに逃れる。
させじと距離を詰めるマシロ。
「ハルトシュラー選手、受けるのは不利と判断したか? 攻撃を避けるように立ち回っています!」
そこからというもの、打てども打てども攻撃が入らない。
舞う葉のように鮮やかに避け続けるハルトシュラーに、マシロはいらだちを覚え始めていた。
(時間がありませんというのに……。)
ここはもう、四の五の考えてられない。攻撃が駄目なら口撃だ。
「逃げてばかりでは勝てませんわよ?」
すると、返ってきたのは意外な言葉だった。
「心配するな、今完成したところだ。」
「!?」
まずい! と、直感で回避しようとしたが間に合わなかった。
ゴゴゴゴ……と大きな音がして、地面からせり上がってきた石造りの巨大な左手がマシロを握り込む。
「右手も創ってやらんとな。」
そう言ったハルトシュラー自身の右手に、リングの石畳がまとわりついてゆく。
みるみるうちにそれは巨大な拳の形を形成していった。
「いくぞ! 春斗――」
(あんなものを食らってしまったら! しかし動けませんわ!)
もがくマシロの耳に、その時、
「――有情――」
「シロぉぉぉぉっ!」
客席のどこからか、男の声が聞こえてきた。
「――覇岩――」
(お父……様……。)
「――拳!!!!」

大量の粉塵が舞っている。客席はかたずを飲んでそれが治まるのを待っていた。
「えー、土煙で中の様子がよく……あっ、晴れてきました!」
その光景を見た瞬間、会場は一気に沸いた。
「うおおおおおおおおおおおおお!!」
「すげええええええええええええ!!」
マシロは、倒れてはいなかった。
それどころか、巨大な岩の拳を受け止めていたのだ。
腹の底まで響く歓声を受けながら、しかし彼女はぽそりとつぶやいた。
「はぁ……はぁ……ですが……。」
「おっと、マシロ選手! 座り込んでしまいました! どうしたのでしょう!」
「時間切れ、ですわ。」
銀色を帯びていた髪の色が、白へと戻っていく。
ホムンクルスの力を発揮して何とか戦えていた彼女の勝ち目は、これで完全に無くなった。
「審判、ギブアップを申し出ます。」
「なんと! マシロ選手ギブアップ! 準々決勝進出はハルトシュラー選手です!」
これ以上無いと思っていた会場の声量が、またさらに勢いを増した。

【二回戦第三試合 勝者 S.ハルトシュラー】


会場のどこか。一人の女がつぶやく。
「名無しの奴、しくじったか。ま、それほど期待はしてなかったがね。」
怪しい笑みを浮かべながら、彼女はまた人込みに紛れていった。


※偽すいかさんについて、特定のモデルがいるわけではありません。ご了承ください。

107 ◆KazZxBP5Rc:2012/01/21(土) 22:35:46 ID:gCJJ3PvE0
投下終わりです
暗躍する謎の人物については片方消化、片方保留ということになりました
が、別に後の投下では思いっきり無視してくれてもいいのよ?

3回戦(準々決勝)は前の通りだと23(月)0:00:00から解禁らしいよ

第一試合 桃色 VS 大魔女フーリャン
第二試合 S.ハルトシュラー VS ダイヤモンドダスト
第三試合 クズハ VS 岬陽太
第四試合 無限彼方 VS やまなし

108名無しさん@避難中:2012/01/21(土) 22:59:09 ID:8Hyflcqg0
偽スイカは本物スイカを倒すくらいの実力はあるんだなw

109名無しさん@避難中:2012/01/21(土) 23:30:22 ID:z6e1l8120
な、名無し……お前……!

それはそれとしてハルトさん素敵! 流石、勝ち進んだなw


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