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みんなで世界を作るスレin避難所2つめ

784名無しさん@避難中:2012/02/04(土) 08:53:21 ID:x4KHd8ik0
このスレの作品ですが、様々な作品があってどれも面白いものばかりですよね。
正義の定義の更新がもう長いことされてないのが残念なのですが。
ちなみに僕のお気に入りは、『白狐と青年』です。何分長い作品ですのでまだ感想をかけるほど
読み込めていないのですが。というわけで、第3話 投下します。


第3話 戦闘

一方、広間に残った高杉たちはというと…

俺は、二人が入っていった扉を眺めながら何気なしにこんなことをつぶやいた。

「霧島、目の色が変わってやがったな」
「目の色、ですか」
「ああ、ありゃあ完全に吹っ切れただろうよ。少なくとも理性を持たねえ異形相手じゃ殺すことを躊躇わねえだろうな」

まあ、これから先霧島と御剣が異形達と関わって連中とどう付き合うかは個人が決めることだしな。ただ、願いとしちゃ異造のようにゃなって欲しくはねえな。
要は、分かり合えんならそれに越したことはねえってことだよ。幕末みたいにでっけえ力引っさげて遥かな高みから開国を迫ってきた外国の連中と
分かり合うなんてハナから無理な話で、だからこそ尊王攘夷っつう考え方も生まれたわけで。そんな殺伐とした世界と今の日本のこのありさまはどことなく似てやがる。
幕末にやってきた外国人共が異形、尊王攘夷を唱える倒幕派の志士たちが異形排斥論者、さしずめ開国論者は坂本のような奴ってことになんのかな。

ただ、当然そんな何百年も前の話と今のこの日本を一緒には出来ねえよな。18年前にこの日本を襲った大異変とそれと一緒に現れた異形ども。
異形どもは現れると同時に人々を襲いやがり、当時の政府も捨て置けねえってんで起きたのが第一次掃討作戦だ。
これから各地で異形どもとの小競り合いが各地で続き、3年前に九州、四国、中国地方、近畿、東海、関東、甲信越、そしてこの東北、北海道の各自治体が一斉に決起して
異形どもとの一大決戦が起きた。これが第二次掃討作戦だ。勝ったとも負けたとも言えねえこの2度の戦いの結果、何とか俺たち日本人は主要な都市を奪還することに
成功する。そんで異形どもはこんな洞窟や森に追いやられることになったわけだが、共存派が主導権を握る自治体じゃ理性を持つ異形と人間が共存してる町が何か所もある。

俺の最終目標は、こんな風に日本という国すべてで人間と異形が共存できる国家をつくることだ。俺の師、吉田影松先生が目指していた理想の国家の形だよ。
当時、異形排斥派が主導権を握っていた中国地方の自治体は影松先生をはじめ共存派を次々に捕縛、弾圧、処刑していきやがった。
そして、この『平成の大獄』と呼ばれる弾圧に反発した共存派の人間が排斥派に対して武力蜂起し、時の中国地方自治組織総統、梨井曲輔(りい・きょくすけ)を
中国地方本部入口付近で奇襲・暗殺したんだよ。この一件で中国地方の政治的な主導権は共存派へと大きく傾いた。そして同じように共存派の九州と同盟を組んだんだが
国内最大勢力の近畿地方、特に大阪は排斥派筆頭で常に牽制し合ってる状況だな。今の日本の大雑把な情勢はこんなところだ。

一度起こったことが起こる前には戻らねえように、この日本はもう二度と異形が現れる前の姿に戻ることはねえ。
ましてやすべての異形を完全に駆逐することなんてできやしねえ。それは異形が現れてからの18年が証明してるだろ。18年かかっても減ってんのか増えてんのか
わかんねえものをこれから排除することなんてできるわきゃねえんだからさ。だったら異形共ともうまく折り合いをつけていくしかねえだろ。
ただ排斥排斥とわめき散らすだけなら猿にもできるが俺たちは人間だ。これからの国のありかたを考える義務と権利がある。だったらまずは考えるべきなんだ。


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