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みんなで世界を作るスレin避難所2つめ

703 ◆SU1jujxKjE:2011/11/28(月) 02:57:01 ID:jZpLCyzU0
クランの親切丁寧な説明に一つ一つ頷きながら彼女の提案する組み合わせで試着してゆく。どれも素晴らしい組み合わせだった。こんな服を着てまたお兄ちゃんと
一緒に出掛けられたら、と思わずにはいられない。しかし、気になることが一つあった。

「クランさん、全部でおいくらになりますか?」
「そうですね…今計算しますね……全部で8万4千円になりますね。お財布の方は厳しいでしょうか…?」

懐から電卓を取り出し、金額を計算してその数字をモニカに見せる。本来ならば絶対手が届かない金額だが今日は事情が異なる。

「では、これでお願いします」

シュヴァルツが財布から取りだしたのは、PIZAのプラチナカードだった。それを見たクランは絶句するが、次の瞬間には笑顔でモニカとシュヴァルツを
レジまで案内し、そのま会計を済ませる。会計が終わり、クレジットカードの明細書とレシートを渡されたが、それと一緒にクランが名刺を差し出してきた。

「私の連絡先が記されてありますので、何かご不明な点がございましたらいつでもご連絡ぐださいませ。それではまたのご来店を…」

とクランが言いかけた時、シュヴァルツは財布から1万円札2枚を取り出し、それをクランに差し出した。

「ええと、お客様…このお金は?」
「今回のあなたのコーディネートに対する報酬です。最高の仕事には常にそれに見合う対価が支払われるべき、というのが私の信条でして」
「いえ、私は仕事として当然のことをしたまでです。このお金は受け取れません。その代わりと言ってはなんですが…セオドールさんのサインさえいただければ…」

したり顔で語るシュヴァルツの言葉を頑なに断り、さりげなくセオドールのサインを要求するクラン。そしてチラリとセオドールの方へと目をやると、
ジャケット一着とベルトと、黒いハットに白いTシャツ、ジーンズを持ってきた。これは彼自身が見立てたものであるようで、クランの立つレジまで持ってきた。

「お姉さん、これ会計お願い」
「あ、はい…かしこまりました」

一つずつ商品に付けられたバーコードを読み取り、商品を丁寧にまとめていく。すべての商品をレジに通し、表示された金額は、ちょうど2万円だった。

「ではこれでお願いします」

といってシュヴァルツは先ほどの2万円を再びクランに差し出す。事情が呑み込めないセオドールがそれを制すが、

「では代わりに彼女にセオドールさんのサインを」

とにべもなく会計を済ますようクランに促した。その2万円を受けとり、会計を済ませ商品を袋に詰めてセオドールに手渡す。

「まあ別に減るもんじゃねえし、いいよ。なんか書くもんあるかい」
「はい、こちらに!えっと…できればクラン・オルステッドさんへって書いていただけると…」
「はいよ、了解さん」

受け取ったメモ帳とボールペンで、見開きで『Theodore Burroughs』とサインを印し、その下に『Dear Clan Olstead(親愛なるクラン・オルステッドへ)』
と記した。そのままメモ帳とボールペンを彼女へと返す。

「ありがとうございます!一生の宝物にします!」
「んな大層なものじゃねえさ。じゃ、縁があったらまた会おうよな」

踵を返し、彼女に背を向けて振り向きながら手を振る。その背中をうっとりとした表情で見送るクラン。
その後もモニカの好みにマッチしたアクセサリーや小物などを次々と購入し、使った金額は15万円を超えた。
買い物も終わり、たくさんの買い物袋を持って出てくる一同。その買い物袋を持っているのはクラウス、ベルクト、セオドール、アスナだった。
ふとモニカが小腹が空くのを感じ、べロス901の最上階に備え付けられた巨大デジタル時計を見上げると、時刻は13時半を示していた。


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