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獣人総合スレ 避難所
432
:
太陽とケモノ
◆TC02kfS2Q2
:2010/05/10(月) 22:09:18 ID:hvdRUvLI0
―――休みの日の午前。処は古浜海岸駅のホームにて。
街の中心部からやや離れた古い木造建築の駅舎のターミナル。時代に取り残された電車が、櫛形のホームで体を休める。
中心の駅とは違って、賑やかさは無いが、高校生のぼくにでもどこか懐かしさを感じる。
元々線路が敷かれていた場所なのか、ぽっかりと不自然に空いた敷地から雑草が生える。遠くの目地へと単線の線路が伸びていた。
閑散としているホームも休日を楽しみたいのか、のんびりとした時間が流れていた。駅員は見るからに暇そうだ。
電車も発車のベルを待ちぼうけ。郊外行きの小さな電車は、わずかな乗客と共に青空を仰ぐ。
天井からは夏を告げるデパートの広告と、カバーを被された扇風機が近い出番を待って釣り下がる。
廃材になるはずだったレールを使った柱は、多くを語ることは無いが、少なからず街の歴史を知っている。
ぼくは街のことをこの柱ほど知らない。若い駅員は、念には念を入れて指差し確認を繰り返していた。
そして、ぼくは烏丸から手渡された一通の封筒を読みかけの文庫本に挟んで、繰り返して見つめていた。
「あれ?ヒカルくん」
「……泊瀬谷先生」
この間言っていた。「今度の休みに実家に帰ろうかどうか」と。
迷った挙句、帰省することにした泊瀬谷先生。イヤイヤながらも、ちょっとは楽しみにしている顔は隠せない。
遅れてきた春の日差しのような白いスカートに、乙女心をくすぐるパンプス、そして、いつものトートバッグは外せない。
「ヒカルくんもこの電車?」
「……はい。狗尾高校に行ってみようと思いまして」
「どうして」
「なんとなく」
学園のとき以上の笑顔で泊瀬谷先生は電車に乗り込み、ぼくもあとに続く。
横一列のシートは暇そうにぼくらを迎え入れた。
「こっち側に座ると、海が見えるよ」
尻尾を先生と反対の方向に向けて、ぼくは少女のようなオトナのネコの隣に座った。
ただ、ぼくには泊瀬谷先生との座席の隙間を詰める勇気はなかった。そっと文庫本を仕舞う。
休日だからとは言え、乗客が少なすぎる。心配する筋合いはないが、ぼくらの他にいる客といえば小さな子どもを連れた
ヒツジの母子と他数名。ぼくらを乗せて、ゴトゴトと単線を走りながら揺れる電車は、ひと息付こうと次の駅に止まるも、
乗客には動きがなかった。遠慮がちに閉まる扉を見つめる以外に出来ることは、隣で座っている泊瀬谷先生の横顔を一瞥すること。
「気付いてくれたかな。お休みの日だから、思い切ってシャンプー変えてみたんだよ」
頭を垂れる泊瀬谷先生の髪の毛が、開いた扉から吹き込む風で揺れる。クラスの女子たちよりも、瑞々しくも甘い香り。
電車が発車する為に扉が閉まると、泊瀬谷先生の髪の毛の香りは一旦落ち着くが、ぼくの鼻をくすぐる香りは忘れられない。
床下のモーター音が低く唸り、電車がカーブをゆっくりと通過すると、つり革が揃って揺れる。
座ることを遠慮して立っている若いオオカミの男性の尻尾も同じように揺れる。
あんまり電車が張り切るので、ソイツは座席に座っているぼくらの背中を、背もたれ越しに押してくる。
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