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獣人総合スレ 避難所

162月夜の浜辺で〜二日目の夜〜:2009/09/20(日) 21:59:56 ID:mg4.7WQE0


「………」

「よっ」
「…何してんのよ」
「いやこんな感じかなって」

眼を開けた朱美が隣に見たのは、父ではなく、卓だった。
朱美の隣で逆さまにぶら下がった卓。

明らかに無理に手を伸ばしている卓の姿を見て、朱美から自然と笑みが零れた。

「ふふっ。お父さんはそんなにちっちゃくないよ」
「無茶ゆーな。そんな足で掴まるなんて芸当できるか」

手を引いてその置き場所を思案した結果、頭の後ろで組むことにした。

「まあその、あれだ。お父さんの替わりにはなれないけど…。
 俺も、利里も、クラスの皆も先生たちもいる。ずっといるから…さ…
 朱美は寂しい顔…しないでくれよ」

気恥しくなり、そっぽを向きながら言う。我ながらくさい台詞だ。
朱美は少し驚いた顔を見せた後、クスリと笑って言う。

「なーに言ってんの、今更寂しいことなんかいないわよ。
 もう五年以上も前の話よ。ちょっぴり昔を思い出してただけ」

「…そうか?」

不安に振り向くと、ニッコリと笑う朱美。

「でも卓君の気持ちは嬉しかったよ。ありがとう!」
「お、おう」

朱美が見せた満面の笑顔で、不意に高まってしまった鼓動を抑えるのに、卓は十数秒の時間を要したのだった。


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