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白騎士「ちょっこり最高ー!」赤髪「ちっちゃい言うなー!」

12以下、名無しが深夜にお送りします:2024/10/14(月) 19:58:08 ID:2xRP.pXc
王都からの定期連絡で新参者が来ると聞いて、ギルドマスターとして街の顔として毅然とした態度を心がけた当日。彼は来た。魔物も少ない王都からやってきた若い騎士にしては良い面構えをしていた。何より好みストライクだった。そうなのだ。白騎士に散々言っておきながら一目惚れに近い感情を抱いたのはお互い様だったのだ。

仮にもギルドマスター、自身の恋慕はしまい込み毅然と振る舞うつもりだった。なのにー

ー赤い髪のお嬢さんぜひ結婚も視野に入れたお付き合いを...ー

一瞬、はいと言いかけた。そんな自分自身を誤魔化すように彼に拳を振り上げた。

赤髪「(こうやってすぐ手を出してしまうのも私の悪いところだ......)」

今までもそうしてきた身体だけが目的の男もいたからだ。そんな奴らは須らく半殺しにしてやったが......。

赤髪「(アイツもとっとと突き放せば良かったな...)」

どれほど走ったか静かに歩を緩めていく

白騎士に好意を寄せられて悪くない気持ちを抱いた。
だがそんな奴らは幾らでも見てきた。
だがあの真っ直ぐな笑顔に突き放し切れない自分がいた。

しかしギルドマスターとしての立場がその感情を良しとしなかった。何より自分自身の甘さに嫌気がさした。

13以下、名無しが深夜にお送りします:2024/10/14(月) 20:15:39 ID:2xRP.pXc
赤髪「(もういい...どうせ私には似合わない事だ。よりにもよって惚れかけた男があんな奴なんて口が裂けても言えん...はぁ、男を見る目がないにも程がある)」

乱暴に涙を拭いながら震え混じりのため息を吐く
同時に白騎士を置いてきた方角から強烈な魔力を感知した。恐らく討伐対象のドラゴンだろう。

赤髪「(感知した魔力量的にAランクのアイツが勝てる相手じゃないな......理由は適当に考えるとして一応死体くらいは回収してやるか......)」

彼女はまた踵を返す。

赤髪「(そもそも何でアイツは私のような女が好きなんだ? 会う度に可愛いだの歩ってるだけで素敵だのワケが分からん......そういうアイツの真面目な横顔も悪くは無かったが....../// はっ!? 私は何を考えているんだ!? どうせあんな奴は色んな女に同じことを言っているんだ!揺れるな私! それにもうドラゴンに殺されて......)」

14以下、名無しが深夜にお送りします:2024/10/14(月) 20:29:38 ID:2xRP.pXc
ーーーーーー

ドラゴン「貴様中々しぶといな」

白騎士「へっドラゴンに褒められるなんて思わなかったぜ......」

赤髪「(驚いた......まさか耐えているとは思わなかった)」

ドラゴン「ふん、どう思おうが我の知ったことでは無いが.....人間と言うのは愚かな生き物よ」

白騎士「んだとぉ?」

ドラゴン「そうではないか現に貴様は仲間に見捨てられている。竜族ならば仲間を見捨てるなどしないがな」

赤髪「っ......!」

白騎士「それは......」

ドラゴン「我にとっては好都合だがな。徒党を組まれるより確実に屠れる」

白騎士「くっ......! ちくしょう...もう動けねえ...力が......」

ドラゴン「哀れなり人の子よ、我に微小ながらも食い下がったのは評価するがこれで終わりだ。せいぜいあの女を恨むんだな。貴様を捨てたあの矮小な女を......」

赤髪「!! こんの......!!」

15以下、名無しが深夜にお送りします:2024/10/14(月) 20:44:04 ID:2xRP.pXc
白騎士「捨てられてなんかねえ!!」

赤髪「!!」

ドラゴン「......ほう」

白騎士「悪いのは俺だ! 自分の気持ちばかり優先して赤髪さんの気持ちなんて全く考えて無かった!責められて当然だ......俺は何時もそうだ、大切にしたいって物ばかり傷つけてしまう......そんな事望んで無いのに!!」

赤髪「(......白騎士)」

白騎士「あの人は優しいんだ......こんな俺に丁寧に仕事も教えてくれてギルドの皆んなにも気を遣って......人一倍気を張ってっ!!お前みたいな魔物から街を......王都を身体を張って護ってくれているんだっ!!」

赤髪「.........」

ドラゴン「はっはっは、あんなチンチクリンがか? 大きく出たな人間風情がぁぁ!! ドラゴンブレス!!」ゴアア!!

白騎士「うぐぅ!!? はぁ...はぁ...チンチクリンなんかじゃねえ......俺にはあの背中が昔も今もでっかく見えてるんだっ!!! あと滅茶苦茶可愛いぃー!!」

赤髪「可愛いは余計だ馬鹿」

白騎士「あ、赤髪さん!?」

16以下、名無しが深夜にお送りします:2024/10/14(月) 20:55:36 ID:2xRP.pXc
バシュン!!

ドラゴン「な!? かき消した? 貴様......」

赤髪「何って振り払っただけだが?」

白騎士「あ、赤髪さんすいません......おれ」

赤髪「後で聞いてやるから、少し休んでろ」

白騎士「は、はい......お気をつけて」

赤髪「うむ、よし」

ドラゴン「逃げたと思った腰抜けが戻ってきたか......」

赤髪「そうだな......ある意味腰抜け、お前の言う通りだ」

ドラゴン「ふん潔し、ならばこの灼熱の息吹で塵も残さず死ぬが良い!!」キュイイン!!

赤髪「白騎士ィィ!!」

白騎士「!!」

赤髪「これがSSランクの強さだ、しっかり目に焼き付けておけ!!」

白騎士「は、はい!!」

17以下、名無しが深夜にお送りします:2024/10/14(月) 21:05:00 ID:2xRP.pXc
ドラゴン「(SSランクだと......この一帯では1人しか居ないランクだ、そして燃えるような紅い髪......まさか!?)」

ドラゴン「貴様、<憤怒の赤髪>......か!?」

赤髪「今更気づいたのか」

ドラゴン「ま、まさかこんな......チンチクリンが!? 我が同胞達を屠った災厄なのか!?」

赤髪「......」ブチッ!!

白騎士「あ......」

赤髪「全く、強さを身体のサイズで判断するなんて竜族も堕ちたもんだな?」シャッ!!

ドラゴンに生じた一瞬の隙を逃さず赤髪はドラゴンの首元に飛び移る。そして片手をドラゴンの首へ突き刺した。

ドラゴン「がぁ!? おおおおお!!!」

18以下、名無しが深夜にお送りします:2024/10/14(月) 21:15:34 ID:2xRP.pXc
赤髪「弱いっ」

赤髪を振り払おうとしたドラゴンの腕は彼女の掌底で木っ端微塵に吹き飛ぶ

ドラゴン「ぐあああああ!!?」

白騎士「か、片手だけで......俺が全力で剣を突き立ててもちょっとの傷しか付かなかったのに...!?」

赤髪「魔力は量より質、極限まで練り上げた魔力は全てを凌駕する。お前の様に火を吐くだけの攻撃と一緒にするな。そしてぇぇ!!!」ブチブチッ!!

ドラゴン「ま、まて!?

赤髪「ちっちゃい言うんじゃねぇーーーーー!!!!!!」

肉が引き裂かれる音と共にドラゴンの首がはねとばされる。たった一振りの手刀。まさに必殺の一撃、斬撃の余波でドラゴンの両足とその下の地面までもが割かれていた。

白騎士「こ、これがSSランク......」


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